【資産形成&家計管理】45歳、就職氷河期フリーターが行っている資産形成&節約術を大公開

就職氷河期を乗り越える、45歳フリーターのリアルな資産形成術
今回は、45歳で就職氷河期世代のフリーターとして働きながらも、資産形成と節約術で着実に資産を増やしている鈴木俊介さん(仮名)にお話を伺いました。
就職氷河期から資産形成を始めるまでの経緯
――鈴木さんは就職氷河期世代ということですが、フリーターとしての生活から資産形成に取り組み始めたきっかけは何でしょうか?
鈴木さん:「私が大学を卒業した頃は、いわゆる就職氷河期の真っ只中でした。特別優秀でなかった私は正社員になることができず、ずっと非正規雇用で働き続けました。結婚などは諦めましたが、40歳を過ぎてから老後のことを本気で考えるようになり、このままではまずいと危機感を覚え、資産形成を始めました。」
――実際にどんな方法で資産形成を始めたのですか?
鈴木さん:「最初に始めたのは『つみたてNISA』ですね。もちろん『新NISA』も今やってます。少額から投資ができて、利益が非課税になるので、フリーターの自分でも無理なく続けられています。」

鈴木さんが実践している資産形成の具体的方法とは?
――具体的に毎月どれくらい積み立てているのですか?
鈴木さん:「私の場合、毎月2万円を『つみたてNISA』で積み立てています。月収はあまり高くないので、無理のない範囲での積立額です。ただ、5年続けてきたので、気付けば積み立てている分の元本だけで120万円、投資成果も含めると+数十万円という運用成績です。」
――そのほかにも資産形成や節約術はありますか?
鈴木さん:「はい、生活費を見直しました。特に固定費の削減に取り組んでいます。スマホを格安SIMに変更して月額料金を4,000円から1,500円に減らしましたし、光熱費の契約プランも見直しました。」
――差し支えなければ、鈴木さんの月々の収支を教えていただけますか。
鈴木さん:「いいですよ。胸を張れるような収入はないですし、人から見たら『ひどい』と思う人もいるかもしれません。それでも、結構楽しく生きられていることには胸を張っています。」
徹底的な節約術で生活費を年間20万円以上削減
鈴木さんが書いてくれた内容を基にすると、月に安定して4万円以上は余剰資金が生まれているとのこと。
このことに対して鈴木さんは、
「最初は『あれもこれも我慢しなきゃ』とストレスだったのは本音です。でも、今では慣れましたし、自然とできるようになりました。悟りを開いた修行僧的なことを言うかもしれませんが、案外世の中に本当に必要なものって少ないんだなって。そう感じるようになりました。」
と話しています。
鈴木さん(45歳・一人暮らし独身)の月間収支モデル
項目 | 金額(月額) | 備考・補足 |
---|---|---|
収入(手取り) | 210,000円 | 鈴木さんの場合、時給1,500円の仕事を掛け持ちしている |
支出合計 | 166,600円 | |
家賃(共益費込み) | 54,000円 | 1K賃貸住宅 |
食費 | 15,000円 | 自炊中心・外食控えめ |
光熱費(電気・ガス・水道) | 10,000円 | 節約意識した利用 |
通信費(スマホ・ネット) | 5,000円 | 格安SIM+自宅インターネット契約 |
日用品・消耗品費 | 5,000円 | 日用品や消耗品の買い替え費用 |
交通費 | 4,000円 | 通勤費は除く(勤務先往復など) |
趣味・娯楽費 | 600円 | サブスクサービス、趣味の書籍購入など |
衣服・美容費 | 3,000円 | 最低限の衣類購入、美容院代 |
医療費・保険料 | 5,000円 | 国民健康保険・通院費用など含む |
交際費 | 5,000円 | 友人との交流など必要最低限に絞る |
新NISA積立投資 | 20,000円 | 将来に向けた投資・資産形成 |
iDeCo(個人型確定拠出年金) | 15,000円 | 老後資金としての投資 |
予備費・緊急資金積立 | 25,000円 | 将来の急な出費やリスクに備える |
収支残高 | +43,400円 | 貯蓄や追加投資に回せる余裕資金 |
――他にも節約で工夫している点はありますか?
鈴木さん:「食費と日用品の管理を徹底しましたね。買い物は基本的に週1回のまとめ買いにしています。あらかじめ買うものをリスト化し、余計なものを買わないようにしました。外食はなるべく控え、自炊を中心にした結果、毎月の食費が2万円以上節約できました。年間に換算すると20万円以上の節約になります。」
――かなり効果が出ていますね。ほかに取り入れている節約術はありますか?
鈴木さん:「はい、趣味や娯楽についても見直しました。以前は映画や書籍などにお金をかけていましたが、図書館を活用したり、動画配信サービスを1つに絞るなど、娯楽費も年間数万円、節約できています。とにかく生活の本当に必要じゃない無駄は省きましたね。」
フリーターだからこそ気をつけている資産管理のポイント
――フリーターという立場で資産形成を行う上で、特に気をつけているポイントはありますか?
鈴木さん:「フリーターは収入が不安定になりがちですので、必ず一定の『緊急予備資金』を確保しています。目安としては生活費の半年分です。今のところは大きく使わずに済んでますが、自分の場合は年齢も年齢なのでパートで雇ってくれるのも大変だと思います。何かあった時に現金があればすぐに対応できるので、投資以外にもこうした予備資金を用意するようにしています。」
――なるほど。リスクへの備えもしっかりしているのですね。
鈴木さん:「はい。あともう一つ気をつけているのが、投資の『分散』ですね。『つみたてNISA』だけでなく、iDeCo(個人型確定拠出年金)も月15,000円ですが、始めています。やはり老後は不安ですし、分散投資することでリスクを軽減できると考えています。」

就職氷河期世代だからこそ伝えたいこと
――最後に、同じく就職氷河期世代でフリーターとして働いている方々に伝えたいことはありますか?
鈴木さん:「私自身が身をもって経験しましたが、資産形成は始めるのが早ければ早いほど効果的です。就職氷河期という厳しい時代を経験した私たちは、もしかしたら報われない世代かもしれません。知人で同じような境遇にいる人の中には『どうせ自分は低収入だから…』と資産形成を諦めている人も多いです。でも、少額でも早く始めて、将来に備えることが非常に重要だと思います。」
「隣の芝を羨んでも、自分の芝が青くなるわけじゃない。それに氷河期世代じゃなくたって、みんな多かれ少なかれ何かを諦めている。私の倍収入があっても私より資産形成ができてない人も沢山います。結局最後は相対的な数値よりも、個人がどう感じるかなんだなって。私は今100点ではないし、凄い人間でもないけれど、幸せですし、めげずに頑張っている自分が好きです。」
「正直、絶望したり国のせいに思ったり恨んだこともあります。でも、仮に『死なないために生きる』でも良いんだって思うようになって。結構楽しいこともあるんですよ。非正規雇用やフリーターだからといって諦めず、国の制度などをフル活用して、無理のない範囲で資産形成を始めてつつ、いろんな意見はあると思うのですが、賢い自分になってほしいです。」
――非常に参考になるお話をありがとうございました。