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株価がストップ安!ブラックマンデーとは?私たちの暮らしへの影響【株式の仕組みから解説】

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「株価が大幅下落!」「日経平均、今年最大の下げ幅!」

ニュースでこんな見出しを見ると、心臓がドキッとしますよね。

特に「ストップ安」なんて言葉を聞くと、株をやっていない人でも「何か大変なことが起こっているのでは!?」と不安になります。

SNS上でも本日2025年4月7日を「令和のブラックマンデー」と例える人が散見されますが、こうした市場の大きな変動を示す歴史的な出来事として語られるのが「ブラックマンデー(Black Monday)」です。

この記事では、まず株価がなぜ動くのか、その基本となる「株式会社」の仕組みから解説し、次に市場の急変動時に聞かれる「ストップ安」の意味、そして歴史的な大暴落「ブラックマンデー」がなぜ起こり、私たちの生活にどう関わってくるのかを、順を追って分かりやすく解説していきます。

ねくこ

金融や経済のニュースに関心を持ち始めたあなたが、市場の動きとその影響を理解するための一助となれば幸いです。​

目次

なぜ株価は動くの?「株式会社」と「株式」のキホン

株価のニュースを理解するために、まずは基本となる「株式会社」「株式」について簡単に知っておきましょう。

そもそも「株式会社」って何?

株式会社とは簡単に言うと、「事業を行うためのお金(資本)を、多くの人から少しずつ集めて設立・運営される会社」のことです。

大きな事業には個人ではなかなか賄えない多額の資金が必要ですが、一人や数人では用意できない場合にこの仕組みが役立ちます。

株式とは?会社の所有権を持つこと

株式とは、株式会社が資金を集めるために発行する「証明書」のようなものです。

これを購入した人(=株主)は、その会社の「一部のオーナー(所有者)」になります。

ねくこ

よく勘違いされていることですが、株式会社は社長や経営者のものではありません。株主のものだから「株式会社」なのです。
社長とはいえ、出資者の言うことは聞かなければならないのが資本主義社会だからです。

株を自由に売買できない非上場企業などでは、経営者=筆頭株主となっている場合が多いから、ワンマン企業となっていることが多いのです。

会社が儲かった場合、株主はその利益の一部を「配当金」として受け取ったり、株主総会に参加して会社の経営方針に意見を言ったりする権利を持ちます。

要するに、「株式会社は株主へ売った株と引き換えに得た資金を元手に事業を行い、そして儲かったら株価が上昇して、株を買ってくれた株主に配当を配る」という仕組みです。

なぜ「株価」という指標が存在するの?

株(上場している株)は、証券取引所という専門の市場で、買いたい人と売りたい人の間で自由に売買されます。

その時の「人気度」によって値段が決まります。これが「株価」です。

なぜ株価は変動する理由

株価は、その会社の将来性に対する期待や不安を映す鏡のようなものです。

  • 会社の業績: 会社の売上や利益が伸びると、「この会社は成長しそうだ、株を持っていれば儲かるかも」と考える人が増え、株を買いたい人が増えるため株価は上がりやすくなります。逆もしかりです。
  • 経済全体の状況: 景気が良いか悪いか、金利は高いか低いか、円高か円安かなど、経済全体の動きも株価に影響します。
  • 投資家の心理: 「なんとなく景気が悪くなりそう」「新しい技術が注目されている」といった、人々の期待や不安、噂なども株価を動かす大きな要因です。
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つまり、株価は、その会社の価値や将来性、経済状況、そして人々の心理が複雑に絡み合って決まるのです。

市場のブレーキ役?「ストップ安」とは

さて、株価が様々な要因で変動することは分かりましたが、時には一日で信じられないほど大きく値下がりすることがあります。

そんな時に聞かれるのが「ストップ安(ストップやす)」です。

ストップ安とは?

日本の株式市場(証券取引所)には、株価の変動があまりにも激しくなりすぎるのを防ぐためのルールがあります。それが「値幅制限(ねはばせいげん)」です。

1日に変動できる株価の上限(ストップ高)と下限(ストップ安)が、前日の終値(その日の最後の値段)を基準に決められています(前日の終値に対して±15~30%の範囲で制限されています)。

「ストップ安」とは、その日の取引で、決められた下限の値段まで株価が下がってしまうことを指します。ストップ安になると、それ以上その日は株価が下がらない(売りたくても売れない人が多数いる状態)ことになります。

なぜストップ安(値幅制限)があるの?

もし値幅制限がなければ、何か悪いニュースが出たときに、パニックになった投資家が一斉に株を売ろうとして、株価が際限なく下がり続けてしまうかもしれません。

ストップ安(やストップ高)の仕組みは、市場の過熱やパニックを一時的に抑え、投資家に冷静になる時間を与えるための「ブレーキ」のような役割を果たしているのです。

ブラックマンデーと比喩されるような世界的な株価暴落時には、多くの銘柄が売り一色となり、まさに「ストップ安」のような状態が多発したと考えられます。

アメリカ市場には日本と全く同じ形式のストップ安/高制度はありませんが、「サーキットブレーカー制度」という、市場全体の取引を一時停止する仕組みがあります。これもブラックマンデーの教訓から導入・強化されました。

歴史を刻んだ「ブラックマンデー」とは?

基本を理解した上で、いよいよ「ブラックマンデー」について詳しく見ていきましょう。

「ブラックマンデー」とは、主に1987年10月19日(月曜日)にニューヨーク株式市場で起こった、歴史的な株価大暴落を指します。

この日、アメリカの代表的な株価指数であるダウ平均株価は、たった1日で22.6%も下落しました。これは、下落率としては過去最大であり、世界恐慌の引き金となった1929年の「暗黒の木曜日」をも上回る衝撃的な出来事でした。

ねくこ

売りが売りを呼ぶパニック的な連鎖反応は、アメリカだけでなく、ロンドン、フランクフルト、東京、香港など、あっという間に世界中の株式市場に波及し、世界同時株安の様相を呈しました。

まさに金融史に残る「暗黒の月曜日」となったのです。

なぜブラックマンデーは起こったの?

これほどの大暴落がなぜ起きたのか、その原因は一つではありませんが、主に以下の点が指摘されています。

プログラム取引の暴走

当時普及し始めていた、コンピューターによる自動売買プログラムが下落を加速させたと言われています。

特に「ポートフォリオ・インシュアランス」という、株価下落時に自動で先物を売り、損失を限定しようとするプログラムが、設定された価格水準を次々と割り込む中で機械的な売り注文を大量に出し続け、パニック的な売りにつながりました。

市場の過熱感と割高感

暴落前の数年間、株価は上昇を続けていました。

そのため、市場には「さすがに上がりすぎではないか?」「実体経済に見合わない価格バブル経済になっているのでは?」という警戒感(割高感)が漂っていました。

国際的な経済不安

当時のアメリカは、貿易赤字と財政赤字という「双子の赤字」に悩まされており、ドル安への懸念や金利上昇への警戒感も市場の不安材料となっていました。

投資家心理の悪化

上記のような要因が複合的に作用し、一部の投資家が利益確定やリスク回避のために売り始めると、それを見た他の投資家も「乗り遅れまい」と追随して売り注文を出す、という恐怖心に基づいた連鎖反応(パニック売り)が発生し、暴落につながりました。

ねくこ

コンピューターシステム、経済のファンダメンタルズ(基礎的条件)、そして人間の心理が複雑に絡み合った結果、ブラックマンデーは引き起こされたと言えるでしょう。

「令和のブラックマンデー」は、私たちの暮らしにどう影響するの?

実際、上記の“元祖”ブラックマンデーは1987年にアメリカで起きた話ですが、私たちはたびたび、大きな金融市場の混乱にみまわれます。

本日ささやかれているような「令和のブラックマンデー」が、現代の私たちのどのように影響を及ぼかを解説します。

年金資産への影響

まず、私たちが引退後に受け取れる「公的年金」は、実は株価の影響を大きく受けます。

というのも、私たちの公的年金(国民年金や厚生年金)の一部は、GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)によって国内外の株式や債券で運用されているからです。

ねくこ

年金は単に国民から徴収して再配分するだけでなく、資産運用した利益を還元することで、物価推移や人口増減に対応しています。

市場が世界的に大きく下落すれば、年金資産の運用成績も悪化し、将来私たちが受け取る年金額に間接的な影響を与える可能性も考えられます。

個人資産(投資)への影響

NISAiDeCoなどを活用して投資信託や株式で資産運用を行っている人にとっても、株価の下落は直接的な影響となります。

市場全体が冷え込めば、保有している金融商品の価値が目減りしてしまう可能性があります。

景気への影響

また、株式会社の数だけ株式がありますが、その株価が影響を受ければ資金調達の手段が限られ、企業全体の市況である景気への影響も避けられません。

結果として、

  • 企業の活動が抑制される: 株価が下落すると、企業は市場から資金を調達しにくくなったり、新しい工場を建てたり(設備投資)、他の会社を買収したり(M&A)といった前向きな活動に慎重になる傾向があります。
  • 個人の消費が落ち込む: 株価下落で自分の資産が減ったと感じたり、将来への不安感が増したりすると、人々は買い物を控えたり、旅行をキャンセルしたりするなど、消費活動を抑えるようになります(これを「逆資産効果」と呼ぶこともあります)。
  • 雇用の悪化に繋がる: 企業の活動が鈍り、モノやサービスが売れなくなると、会社の業績が悪化し、給料が上がりにくくなったり、ボーナスが減ったり、場合によってはリストラ(人員削減)が行われるなど、雇用にも悪影響が及ぶ可能性があります。

といった事象へとつながる可能性があります。

1987年のブラックマンデーは、金融システムの機能停止には至らず、比較的短期間で株価は回復に向かいましたが、その後のITバブル崩壊(2000年前後)リーマンショック(2008年)では、金融市場の混乱が実体経済に深刻なダメージを与え、私たちの生活にも大きな影響が出たことを忘れてはなりません。

今回の令和のブラックマンデーの場合、トランプ政権の相互関税に原因がありますが、この事象がどの程度“引きずる”のか、私たちの将来にも大きく影響することであることを忘れてはいけません。

このような相場急落から「私たちが学べること」

歴史的、あるいは現行の市場の変動から、私たちは何を学び、どう備えればよいのでしょうか?

市場は常に変動するものと心得る

経済や株価にはサイクルがあり、良い時もあれば悪い時もあります。

「上がり続ける」「下がり続ける」ということはありません。この基本的な性質を理解しておくことが大切です。

冷静さを失わない(パニック売りをしない)

市場が急落すると、恐怖心から「早く売らなければ!」と焦りがちです。

しかし、多くの人がパニックになっている時ほど、冷静さを保つことが重要です。

狼狽売りは、底値で売ってしまうなど、かえって損失を確定させてしまうことになりかねません。

長期・積立・分散の原則を守る

投資の王道ですが、これは市場の変動リスクに対応するための有効な戦略です。

  • 長期: 短期的な値動きに一喜一憂せず、長い目で資産の成長を目指します。
  • 積立: 定期的に一定額を投資し続けることで、価格が高いときには少なく、安いときには多く買うことになり、平均購入単価を抑える効果(ドルコスト平均法)が期待できます。
  • 分散: 投資対象を一つの国や資産(株だけ、など)に集中せず、複数の国や地域、株式・債券・不動産など異なる種類の資産に分けて投資することで、どれか一つが大きく値下がりしても、他の資産でカバーできる可能性が高まります。

自分のリスク許容度を知る

自分がどれくらいの価格変動までなら精神的に耐えられるか、どれくらいの期間、投資資金を使わずにいられるかを把握しておくことが大切です。

自分のリスク許容度を超えた投資は、冷静な判断を難しくします。

学び続ける姿勢を持つ

経済のニュースや市場の動向に関心を持ち、信頼できる情報源から学ぶ習慣をつけましょう。

なぜ市場が動いているのか、その背景を理解しようとすることが、賢明な判断につながります。

ねくこ

もちろん、私たち一人ひとりがトランプ政権の関税策をどうにかすることができるというわけではありませんが、株価は投資家の心理に影響します。

パニック売りの連鎖を引き起こさないよう、冷静な判断が必要です。

まとめ:過去の教訓を、未来への備えに

「ブラックマンデー」は、1987年に世界を震撼させた歴史的な株価大暴落です。

その背景には、プログラム取引の普及、市場の過熱感、経済不安、そして投資家心理が複雑に絡み合っていました。

しかし、この出来事は、「遠い過去の異国の話」ではありません。現に今日現在、株式相場は大暴落をしています。

私たちにできることは、パニックになって安易に連鎖的な売りを行うではなく、冷静かつ長期的な視点で判断すること。

株式会社の仕組みを理解し、ストップ安のような市場のルールを知った上で、ブラックマンデーのような金融市場の大きな変動が、年金、個人の資産運用、景気、そして私たちの心理を通じて、日々の暮らしに影響を与えうることを理解しておく必要があります。

金融や経済のニュースに触れる際には、ぜひ今回の内容を思い出してみてください。

ねくこ

過去の出来事から学び、市場の変動に冷静かつ賢明に対応していくことが、不確実な未来において、私たちの資産と安定した暮らしを守るための重要な鍵となるでしょう。

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この記事を書いた人

編集部の資産形成担当。
20代後半ながら金融に関する相談実績多数で、投資信託から株式まで幅広い知識を持ち、今のあなたに必要なことを洗い出し、寄り添った提案を心掛けています。
たけのこ派&猫派です!

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