主婦の副業、何から始める?在宅・未経験から「稼げる」までの考え方と戦略

「家計のために少しでも収入を増やしたい」
「空いた時間を有効活用したい」
「社会とのつながりが欲しい」
──そんな思いから、副業に関心を持つ主婦の方は多いですよね。
家事や育児と両立し、大切なものを守りながら、自分に合った働き方を見つけたい。けれど「何から始めたらいいかわからない」「自分にできることがあるか不安」と感じて、一歩を踏み出せない…。
でも、それって「主婦の副業」である必要はあるんでしょうか?
この記事では、副業ブロガーでSEOライター兼マーケター、そして「主婦」の私が、まず主婦の方が「始めやすい」と言われている副業をいくつかご紹介したうえで、視野を広げ「どう働くか」ではなく「何のために働くか」を見つめ直すヒントをお届けします。
あなたの「大事にしたいもの」は何か、「本当に手に入れたいもの」は何か、一緒に考えてみましょう。

「主婦向け」と言われがちな副業5選

まずは、基本的に在宅で特別なスキルや経験がなくても始めやすい「主婦向け」とされる副業をいくつか紹介します。
①スキル不要で安心「データ入力」
パソコンでの文字入力や数字入力ができればOKという案件が多いのがデータ入力です。
指定された情報をフォーマット通りに入力していく単純作業が中心なので、未経験でも始めやすいのが魅力です。
コツコツ作業するのが得意な方に向いています。
②スキマ時間に在宅でできる「内職」
内職はシール貼りや封入作業など、簡単な軽作業を在宅で行う仕事です。
特別なスキルがなくても始めやすく、コツコツ作業が得意な方に向いています。
報酬は出来高制が多いため、作業量によって収入が大きく変わる点には注意が必要です。
③コツコツ派に人気「アンケートモニター・ポイントサイト」
「ポイ活サイト」と呼ばれるようなポイントサイトは、スマートフォンのアプリやウェブサイトで、アンケートに答えたり、指定されたサイトを利用したりすることでポイントを貯め、現金や電子マネーに交換するサービスです。
通勤時間や家事の合間など、ちょっとしたスキマ時間を活用できる手軽さが人気です。
④得意を活かせる「ハンドメイド販売」
アクセサリー作り、編み物、洋裁、イラスト作成などが得意な方は、自分の作品をオンラインショップなどで販売するのも一つの方法です。
自分のセンスや個性を活かし、趣味の延長線上で楽しみながら収入を得られる可能性があります。
⑤文章を書くのが好きなら「Webライター」
Webライターは企業のウェブサイトに掲載される記事や、ブログ記事などを執筆する仕事です。
専門知識が必要な依頼もある一方、最近は未経験者向けの簡単な案件も増えていて、体験談やレビュー記事など、取り組みやすいテーマから挑戦することもできます。
「誰でもできる」副業、本当にやりたいですか?

ここまでご紹介したのはいわゆる「誰でもできる」と言われる副業が中心でした。
でも、リストの中にあなたが「やってみたい」と思える仕事はありましたか?
「あった」という人も否定はしません。ポイ活だって、お得感があって楽しいですよね。
でも「なかったかも」「やってもいいけど、それでいいのかな?」と違和感を持った人もいるのではないでしょうか。
違和感の正体を、一緒に考えてみましょう。
「誰でもできる」は「誰でもいい」、だから稼ぎにくい
「スキマ時間に」「未経験OK」「主婦歓迎」──そんな言葉が並ぶ副業の多くは、残念ながら報酬単価が低い傾向にあります。
その理由は、「誰でもできる」ということは特別なスキルを必要としない、つまりスキル=あなた自身の価値に対する報酬は払われず、いくらでも替えが利く仕事だからです。
さらに残念なことに、データ入力・内職といった「誰でもできる作業系副業」ほど、時給換算すると恐ろしいほど報酬が低いのが当たり前で、中には詐欺的な案件も混ざっています。
まずは「誰でもできる」に魅力を感じてしまい、結果的に時間を搾取されていないか、考えてみてほしいです。
スキルが育たないと、未来の選択肢も狭くなる
「ハンドメイドが好き」「文章を書くのならできるかも」と思った人も、「私にスキルなんてない…」と思った人も、両方いると思います。
しかし、どちらの人にも考えてほしいのが「今あるものだけで戦おうとしていないか?」ということです。
スキル=才能ではありません。何かを始めて、少しずつ経験を積む中で身についていく行動由来のものです。
たとえばあなたが趣味のハンドメイドを副業として取り組みたいと思った時、どんなにセンスや作品の仕上がりがよくても「宣伝して買ってもらう」というポイントを無視していた場合、どれだけ経っても売れるようにはなりません。
宣伝すること、売ることだってスキルです。山奥ですてきなお店を開いたところでお客さんは来ません。
「副業」で「稼ぐ」なら、新しいスキルを身に着けようとする姿勢が「稼げるかどうか」の分かれ目になってきます。
自分に「主婦」というシールを貼って、思考停止していないか
そもそもなぜあなたは「主婦ができる副業」を探しているのでしょうか。
「主婦」と言っても時間のある人とあまりない人、本業がある人とない人、スキルやキャリアがある人とない人…というように、それぞれの生活スタイルや背景は全く異なるのに、なぜ全員に「主婦でもできる=誰でもできる副業」が押し付けられてしまうんでしょうか。
主婦に甘んじるのが悪いと言いたいのではありません。
でも「『主婦』であるということ」にこだわらず、自分の価値や強みを大事にしてほしいと私は思います。
「生活は安定してるけど弱い立場」というレッテルを「主婦」に貼ったうえでの超低単価の単純作業や、「主婦」という属性に共感させて買わせる商品販売に巻き込まれるのは、もったいないんです。
副業をすることで、あなたは何を得られますか?

さて、副業をしている主婦の私が言うのも変ですが、収入を求めて「副業」に取り組むことは基本的に「誰にでもおすすめ」ではありません。
以下のことをよく考えてみて、それでも「副業をやりたい」と思った人も、「別の方法がいいかも」と思った人も、私は応援します。
副業に何を求めてる?
まず、あなたが「副業」に求めることを1つ、一番大事なことだけ選んで思い浮かべてみてください。
単に「自由に働きたい」よりも、もう一歩踏み込んで考えてみましょう。
【例えば…】
- お金が欲しい
- 家計が回らず、今すぐ使える現金が欲しい
- 家の収支になんとなく不安があり、やりくりの足しにしたい
- 夫の収入だけでは不安、自分も働いて2本柱にしたい
- 自由に働きたい
- 子どもの成長を見守りながら、在宅で働きたい
- 結婚や子育てでフルタイムを離れて、もっと時間の自由がある仕事をしたくなった
- 自己肯定感を得たい・自己実現したい
- 自分のスキルを伸ばして、新しい挑戦をしてみたい
- 自分の価値を認めてもらいたい
- 社会とのつながりを持ちたい
- 自分の意見を持ち、発信することに憧れる
もちろん、複数の理由が合わさった結果副業に興味を持った人もいると思います。
ですがあえて1つだけに絞り、それを「自分が副業に最も求めるもの」として、実現できるかどうかを考えてみましょう。
「稼ぎたい」→「稼げる副業」って、どんな副業だろう?
- お金が欲しい
- 家計が回らず、今すぐ使える現金が欲しい
- やりくりの足しにしたい
- 夫の収入だけでは不安、自分も働いて2本柱にしたい
お金にまつわる悩みから副業を考えている人は、今すぐ立ち止まって、どれだけのお金をいつまでに受け取りたいかを考えてみてください。
本当に稼げる副業は、「稼げる」ようになるまで果てしない時間がかかることがほとんどです。私も1年以上かかりました。
もし緊急度が高いようであれば、決まった時間働けば収入がもらえるパートの方がよほど効率的です。
家計が微妙に回っていなくて損失を補いたいということであれば、まず家計そのものを見直して支出を減らした方が有効な場合もあります。
稼ぐために副業をやって成功できるのは、稼げるようになるまで辞めなかった人だけです。
「自由に働きたい」→時間・場所の自由は副業で本当に得られる?
- 自由に働きたい
- 子どもの成長を見守りながら、在宅で働きたい
- 結婚や子育てでフルタイムを離れて、もっと時間の自由がある仕事をしたくなった
特にお子さんがいる方だと、在宅で子育てのスキマ時間にできる副業をしてみたい方も多くいらっしゃいますよね。
でも副業で自分の「仕事」を持つと、自由に働ける一方で大きな責任を抱えることになります。
例えば育児の合間に動画編集を副業で始め、仕事を請け負ったはいいものの、体調を崩した子どもの看病で作業ができなかった。
納期を大幅に過ぎてしまったら、その仕事の依頼主はおそらくそれ以降あなたに仕事を依頼せず、期日までに納品する人に依頼するでしょう。
会社なら他の人が穴埋めをしてくれても、個人で請け負ったなら責任はすべてあなたが負うことになります。子どもを優先するのも責任ですが、仕事そのものに対して「子どものせい」は通用しません。
また、家事育児の合間で、膨大な作業時間も捻出しなければいけません。在宅だと、副業の時間とそれ以外の時間の境目は薄くなりやすいです。
「子どもとの時間を確保するためのはずが、逆に子どもに構っていられなくなってしまった…」という後悔をしないためには、よほど自己管理を徹底できる人でなければ、結局時間が決まっているパートの方がよかったりもするのです。
「自己肯定感を得たい」→あなたが出せる付加価値は何?
- 自己肯定感を得たい・自己実現したい
- 自分のスキルを伸ばして、新しい挑戦をしてみたい
- 自分の価値を認めてもらいたい
- 社会とのつながりを持ちたい
- 自分の意見を持ち、発信することに憧れる
主婦って、孤独ですよね。
環境が変わり、人との関わりが減る中で、「私には何が残っているんだろう」と感じるのも自然です。
そんな中で「自己肯定感」を求めて副業に興味を持ったのなら、それは「もう一度、自分の価値を信じたい」という前向きな気持ちの表れかもしれません。
私は、その気持ちこそが副業に向いている人の特徴だと思います。
ただし、だからこそあなたに覚えておいてほしいのは、自己肯定感は誰かに必要とされることで得られるものだということです。
自己理解にとどまらず、「相手(お客様)にとって何が役に立つか=ニーズは何か」、そして「自分が何を提供すれば役に立てるか」まで理解することが必要です。
副業は、自分の経験や得意なことを「相手の困りごとを解決する価値」として届けることで、初めて成り立ちます。
自分のやりたいことをただ発信するだけではただの自己満足になりかねませんが、あなたの中にある価値はきっと誰かの役に立ちます。
その接点を見つけられたとき、収入も、肯定感も、ついてきます。
主婦として、副業の世界で戦うための具体的な戦略

ここまで読んでくれたあなたならわかってくれると信じていますが、「主婦だから」と小さな枠に収まる必要はなく、かといって「主婦」はやめなくていいんです。
主婦という立場は、考えようによってはめちゃくちゃ強いです。
ここで白状すると、私は「主婦」という立場を経済的・社会的・精神的な後ろ盾として使うことでブログの「稼げない時期」を乗り越えることができました。
ここでは「主婦だからできる」副業の戦略を、本当に私が実践している現実的なものだけに絞って紹介します。
主婦の副業戦略①家族のバックアップを引き出す
本気で副業に挑戦したいなら、必ず家族(少なくとも配偶者)に事前に伝え、理解してもらえるように努めましょう。
「夫に内緒で…」という気持ちもわからなくはないですが、堂々と作業時間を取れないことや「隠れてやっている」という罪悪感やイライラは集中の妨げになり、挫折につながります。
また、収入が増えて扶養を外れるタイミングなどでは、税金や社会保障について世帯主と相談する必要が出てきます。
主婦の強みは「安定性」です。
あまり大きな声では言えませんが、「仕事はあるけど稼ぎがない」期間を扶養内の第3号被保険者として耐えれるのは、正直かなり有利です。
話し合った結果家事の負担を減らしてもらえるようであれば最高ですが、「家事育児に支障がない範囲なら」と言われるだけでも十分です。
最初に「家族の理解」という関門をクリアしておけば、後はあなた自身が頑張るかどうかの世界になります。
主婦の副業戦略②「家事のスキマ時間に副業」じゃない、「副業の合間に家事」
「主婦におすすめ!家事のスキマ時間にできる副業!」…なんてよく見ますが、まずそのマインドセットが間違ってます。
スキマ時間を活かすだけじゃ、副業で稼ぐには時間が足りません。働いている方や子育て中の方ならなおさらです。
私は「メイン=家事、スキマ時間=副業」という発想を逆転させ、「副業の合間に気分転換として家事をやる」スタイルに切り替えました。
たとえばブログが煮詰まったとき、掃除で頭をリセットする──そんな使い方をしています。
もちろん、すべての家事をこなそうとすると時間が足りなくなるので、「楽しいから自分でやりたい」家事以外は徹底的に効率化しています。
家族構成や生活スタイルにもよりますが、「まず副業にかける時間を確保する」「そのうえで家事をどう位置づけるか」という意識の転換が重要です。
「洗濯が終わって干すまでの時間の間にこの作業をやる」といったように、家事をタイムブロッキングの目印として活用するのも有効です。
主婦の副業戦略③リスクを抑えながら挑戦できる、それが「主婦」の強さ
私が副業を始めたのは、結婚して「主婦」になるよりも前でした。
ブログで初めて手ごたえを感じた頃はちょうど肩書も自信も何もなかったタイミングで、「自分は何者でもない」という不安に飲み込まれかけていました。
「成果を出してすごい」「たくさん作業しててすごい」と言ってくれる人のほとんどは「主婦という立場があるから安定して副業に取り組めている」人たちで、自分の方が稼げているとしても周りの人の方が幸せに見える…
うらやましさや焦りで無理に作業時間を詰め込んだ時期も、自分を追い詰めすぎて壊れかけていた時期もありました。
でも、私はその「主婦」という肩書を、自分の味方にする選択をしました。
守られた場所から一歩を踏み出すことで、ようやく生活も気持ちも整い、今の継続的な成果につながったんです。
主婦という立場は、ときに「ただの主婦なんて」と、自分を小さく感じさせることがあります。
家にいる時間が長い、扶養に入っている、専業だから…と、社会との距離を感じてしまう瞬間もあるかもしれません。
でも、それは本当に無力だからではありません。
「家庭を守る」という大きな責任を果たしているからこそ、安心という土台があり、その上で何かに挑戦することができる。
主婦という立場には、他の誰かを支える力と、自分を支え直す余白があるんです。
「主婦だから無理」ではなく、「主婦だからこそできる」形が、きっとあなたにもあるはずです。
焦らなくていい、完璧じゃなくていい。小さな一歩からでいいんです。
肩書きに振り回されず、それを自分の強みに変える力は、特別な誰かだけが持っているものではありません。
あなたの中にも、必ずあります。
まとめ:「主婦だから」を超えて、自分だけの未来へ

ここまで読み進めてくださって、本当にありがとうございます。「耳が痛い」と感じた方もきっといますよね。
でも、それでもページを閉じずにここまでたどり着いたあなたは、もう「なんとなく副業を探しているだけの主婦」ではありません。
この先どうするかは、あなたが決めていいんです。
すぐに何かを始めてもいいし、もう少し考えてから動いてもいい。
「やらない」という選択だって、納得して選んだのなら、それは立派な決断です。
ただもし、どんな形であれ「やってみよう」と決めたのなら、ぜひその覚悟に、自分自身で応えてあげてください。
周りと比べるのではなく、「主婦だからできない」でもなく、「主婦だからこそ選べる形」で、あなたらしい一歩を踏み出していってほしいと思います。
この先、あなたが選ぶ未来が、たとえ少しずつでも、自分らしいものでありますように。