セカンドハウスローンとは?取り扱い銀行や年収、注意点を解説

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自宅のほかに、定期的に居住するための住まいである「セカンドハウス」を購入する際に住宅ローンを組むとき、一般的には「セカンドハウスローン」を利用します。

セカンドハウスローンと「住宅ローン」は別物の商品です。そのため、審査の難易度や審査基準が異なります。また、金融機関によっては、住宅金融支援機構の「フラット35」を用いて、セカンドハウスを購入するローンを組むことが可能です。

今回の記事では、セカンドハウスローンの特徴や利用する際の注意点、実際に取り扱っている銀行の例を紹介します。

目次

セカンドハウスローンの特徴・注意点

セカンドハウスローンは、独自の特徴や注意点が存在します。

まずは実際に申し込む前に、セカンドハウスローンについて理解を深めましょう。

取り扱っている金融機関が少ない

まず、住宅ローンは多くの金融機関が取り扱っている一方で、セカンドハウスローンを取り扱っている金融機関は少ない傾向にあります(具体的な金融機関は後述しています)。

そのため、あなたが住宅ローンを組んでいる金融機関とは、別の金融機関にてセカンドハウスローンを組む可能性があります。

通常の住宅ローンよりも審査基準が厳しい

次に、セカンドハウスローンは、通常の住宅ローンよりも審査基準が厳しい傾向にあります。

普段の生活拠点とは別に2軒目の住宅を持つことで、ローンの返済負担や物件の維持管理費負担が重くなるためです。そのため、債権者である金融機関からすると「きちんと返済できるのか」を厳しく精査します。

住宅ローンの審査には通過できても、セカンドハウスローンの審査に通過できるとは限りません。

ほかにも、セカンドハウスを投資用物件として活用する恐れがないか確認している可能性もあります。

本来の目的とは異なる形でセカンドハウスローンを利用される事態を防ぐためにも、審査は厳しくなりやすい点は押さえておきましょう。

住宅ローンよりも適用される金利が高い

セカンドハウスローンは、住宅ローンよりも適用される金利が高くなるのが一般的です。

住宅ローンの変動金利が1%未満となっている金融機関は多いですが、セカンドハウスローンの金利は2%後半〜3%台が多く見られます(金融機関によって異なる)。

金利が高くなる理由は、金融機関が負うリスクが大きいためです。

セカンドハウスローンは、現在の住宅に加えて2つ目のローンを組むケースや比較的高齢の方が利用するケースが多いことから、リスクを金利に反映させています。

金利が高いということは、利息の負担が重くなることを意味します。

実際に融資を受ける前に、綿密な返済シミュレーションを行い将来にわたって安定的に返済できるか確認しましょう。

住宅ローン控除が適用されない

セカンドハウスローンには、住宅ローン控除が適用されません

住宅ローン控除の適用を受ける要件の一つに「2以上の住宅を所有している場合には、主として居住の用に供すると認められる住宅であること」とあります。

セカンドハウスは、自宅とは異なる2番目の住居です。主として居住する目的で利用されない以上、住宅ローン控除の適用は受けられません。

住宅ローン控除とは、年末時点におけるローン残債の0.7%が最長13年間にわたって控除される制度です。

数十万円程度の控除を受けられる制度ですが、セカンドハウスローンでは恩恵を受けられない点に注意しましょう。

年収500万円以上が求められる

セカンドハウスローンの申込条件として、前年度の年収が500万円以上という要件を設けている金融機関が多く見られます。

具体的な年収額が公表されていない場合でも、継続した安定収入が求められるでしょう。

現在の住居で住宅ローンを組んでいる場合、返済比率などを鑑みて返済能力をチェックされます。

そのため、年収が500万円以上ある人でも、必ずセカンドハウスローンの審査に通過できるとは限らない点に注意しましょう。

すべての金融機関で設けられているわけではありませんが、年収500万円が審査に通過するための最低ラインといえそうです。

金融機関によっては、住宅金融支援機構(フラット35)を利用できる

金融機関によっては、住宅金融支援機構のフラット35を利用できます。

フラット35とは、全期間固定金利の住宅ローンで、契約時に借入金利と返済額が確定します。

なお、フラット35を活用して融資を受ける際の基本情報は以下のとおりです(2024年5月現在)。

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適用金利返済期間15年~20年:年1.440%~年2.970%
返済期間21年~35年:年1.830%~年3.360%
利用条件・申込時の年齢が満70歳未満の方
・すべての借入れに関して、年収に占める年間合計返済額の割合(総返済負担率)が以下の基準を満たす
年収400万円未満:30%以下
年収400万円以上:35%以下
借入期間15年以上35年以下
借入額100万円以上8,000万円以下

ただし、フラット35を利用した場合、セカンドハウスを賃貸に出すことは認められません。

また、セカンドハウスがフラット35の技術基準をクリアしてなければ、そもそも利用できない点に注意しましょう。

セカンドハウスローンの取り扱い銀行を紹介

実際に、セカンドハウスローンを取り扱っている主な銀行を3つ紹介します。

以下で解説する金融機関の中でも、「ろうきん」は最長40年、「楽天銀行」と「三菱UFJ銀行」は、最長35年間のローンを組むことが可能です。

ろうきん

ろうきん(労働金庫)では、セカンドハウスを購入する人向けに「有担保フリーローン(不動産担保型)」という商品を用意しています。

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適用金利
(団体会員の場合)
・手数料定率型:年0.375%〜年0.465%
・手数料定額型(保証料一括前払い方式):0.625%
・手数料定額型(保証料月次後払い方式):年0.725%〜年0.815%
利用条件・申込み時の年齢が満18歳以上かつ融資時の年齢が満66歳未満で、最終返済時の年齢が満76歳未満の方
・安定継続した年収(前年税込み年収)が150万円以上ある方
・同一勤務先に1年以上勤務されている方(自営業者等の給与所得者以外の方は3年以上)
・団体信用生命保険に加入できる方
・労働金庫指定の保証機関の保証を受けられる方
借入期間最長40年(最終返済時は満76歳未満)
借入額最高1億円(原則として30万円以上、1万円単位)

ろうきんの「有担保フリーローン(不動産担保型)」は、最高1億円・最長40年のローンを組めます。

「団体会員」と「生協会員」の場合で適用される金利が異なり、団体会員は優遇されている点が特徴です。

楽天銀行

楽天銀行でのセカンドハウスローンでは、「フラット35」を利用できます。

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適用金利
(団体会員の場合)
【返済期間15年〜20年以下】
団体信用生命保険なし:年1.24%
団体信用生命保険あり:年1.44%
【返済期間21年〜35年以下】
団体信用生命保険なし:年1.63%
団体信用生命保険あり:年1.83%
利用条件・申込時年齢70歳未満で、完済時年齢が満80歳未満の方(親子リレー返済を利用する場合は70歳以上の方も申し込み可能)
・日本国籍を有する方、または永住許可等を受けている外国人の方
・すべての借入れに関して、年収に占める年間合計返済額の割合(総返済負担率)が以下の基準を満たす
年収400万円未満:30%以下
年収400万円以上:35%以下
借入期間次のいずれか短い年数
①15年以上35年以内(1年単位)
②完済時年齢が80歳となるまでの年数
借入額100万円以上8,000万円以内(1万円単位)

楽天銀行はネット銀行なので、利用にあたっての相談や連絡は、専用マイページや電話、郵送にて行えます。

三菱UFJ銀行

三菱UFJ銀行では「セカンド住宅ローン」というセカンドハウス向けのローン商品を取り扱っています。

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適用金利
(団体会員の場合)
以下住宅ローンのコース別金利に0.8%上乗せ
【変動金利】年0.345% ~ 年0.425%
【当初固定金利タイプ】年0.81% ~ 年1.97%
【全期間固定金利タイプ】年1.63%~年1.87%
利用条件・年齢が借入時に18歳以上70歳の誕生日まで、完済時に80歳の誕生日までの方
・団体信用生命保険の加入が認められる方
・日本国籍の方、または永住許可を受けている外国籍の方
借入期間2年以上35年以内(1年単位)
借入額500万円以上1億円以内(10万円単位)

三菱UFJ銀行の「セカンド住宅ローン」では、変動金利か固定金利から選択可能です。

また、団体信用生命保険は自動付帯となります。こちらも賃貸を目的とする物件には利用できないため、注意しましょう。

セカンドハウスローンで購入した家を賃貸に出す際は、金融機関で相談する

セカンドハウスローンで購入した物件について、「使わない間は賃貸に出したい」と考えることもあるかもしれません。

もし賃貸に出す場合は、事前に必ず金融機関に相談しましょう。

多くの金融機関では、基本的にセカンドハウスローンで購入した物件の賃貸は認めていません。

目的別ローンとして、本来の目的とは異なる方法で利用される事態は想定していないためです。

金融機関からの許可を得ずに勝手に賃貸に出すと、契約違反となり残債の一括返済を求められる恐れがあります。

一般的にセカンドハウスローンを利用すると、借入額が数百万円~数千万円となります。

一括返済するのは現実的ではないため、賃貸に出したい場合は必ず金融機関へ相談しましょう。

セカンドハウスの購入を検討すべき人の特徴

以下に該当する方は、セカンドハウスの購入を検討するとよいでしょう。

  • 二拠点生活を送っている、送る予定がある人
  • 趣味を楽しめる拠点を設けたい人
  • 将来的な移住を考えている人
  • 別荘が欲しい人
  • リモートワークが主で出勤する機会がほとんどない人

新型コロナウイルスの影響で出社する機会が減り、二拠点生活を始めたという方、将来的に気に入っているエリアへの移住を検討している方は、セカンドハウスがあると便利です。

出勤状況や将来の希望だけでなく、単身赴任や介護など家庭の事情により拠点が欲しいという方も、セカンドハウスの購入を検討するとよいでしょう。

まとめ

セカンドハウスを購入する際に検討すべきは、セカンドハウスローンです。

一般的な「住宅ローン」は利用できないため、セカンドハウスローンを取り扱っている金融機関を探しましょう。

セカンドハウスローンは、住宅ローンよりも適用される金利が高いうえに、住宅ローン控除が利用できません。

経済的な負担が重くなりやすい点には留意しつつ、セカンドハウス探しや購入を検討してください。

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この記事を書いた人

お金に関する基本的な知識から貯金のコツ、資産形成まで幅広く伝えるメディア「@nextマガジン」の運営を行っています。ここにくれば、お金の悩みが解決できる「お金の広辞苑」を目指して日々記事を公開中です。本当にタメになる情報だけを厳選してお届けします。

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