【2025年6月23日】の経済・時事ニュースまとめ

6月23日は、原油高を招く中東情勢の緊張と日銀の国債買い入れ方針見直しが交錯し、株価や為替が神経質に揺れ動きました。
国内では都議選の結果や最低賃金引き上げ論議が注目され、海外でも米EU通商交渉や欧州の熱波など生活を左右するニュースが相次いでいます。
本記事では、午前10時時点の主要指標を起点に、国内外の最新トピックをわかりやすく解説し、私たちの暮らしへの影響と備え方をお話します。
主要株価指数・為替レート(6月23日 午前10時時点)
指数/通貨 | 現在値 | 前日比 | 前日比% |
---|---|---|---|
日経平均株価 | 38,207.36円 | ▼195.87円 | -0.51% |
NYダウ | 42,206.82ドル | ▲35.16ドル | +0.08% |
S&P500 | 5,967.84 | ▼12.14* | -0.20% |
ドル円(USD/JPY) | 146.48円 | ▲0.44 | +0.30% |
*S&P500の下げ幅は終値ベースの前日差から試算。
日経平均の動きと国内要因
午前の東京市場は、米国のイラン空爆報道によるリスクオフ姿勢が先行し、ハイテク株中心に売り優勢で始まりました。
寄り付き後も押し目買いは限定的で、指数は38,000円台前半を推移しています。
特に東京エレクトロンやアドバンテストなど半導体関連の寄与度が大きく、マイナス寄与上位5銘柄だけで約110円分押し下げています。

米国株の動向
前週末の米株市場は、地政学リスクが燻る中でダウが小幅高、S&P500とナスダックが反落という「高安まちまち」の展開でした。
小売大手の好決算やFRBウォラー理事の早期利下げ発言が買い材料となった一方、対中半導体規制強化報道がハイテク株の重しとなりました。
為替(ドル円)の動向
米国の長期金利が小幅上昇したことでドルがじり高となり、ドル円は146円台後半へ。
市場は「米利下げは9月が本線」とみる一方、原油高によるインフレ再燃懸念が燻っており、安全通貨としての円買いは限定的です。
この局面で心掛けるべき資産運用のポイント
株式・投資信託
日経平均はハイテク主導で値動きが大きくなる一方、米国株は地政学リスクと利下げ観測が交錯し横ばい圏です。
個別株では指数採用・除外による資金フローが短期的に影響します。インデックス投信を積み立てている場合は、組み入れ銘柄の入れ替えがパフォーマンスに与える影響は限定的なので、長期視点で継続投資を推奨します。
テーマ型ファンドに偏り過ぎないよう、地域・セクター分散を意識しましょう。
債券・外貨建資産
FRBの年内利下げが9月から12月へ後ズレするシナリオも想定され、米ドル金利は高止まり傾向です。
日本国債の買い入れ減額ペースが緩やかになったものの、長期金利は0.9%台を試す展開で、国内債券の利回り改善は限定的です。
外債投信は為替ヘッジコストと利回りの差を確認し、米ドル建て無ヘッジとヘッジ付きを半々で保有するなど、金利・為替双方のリスクを平準化すると良いでしょう。
NISA/iDeCo/長期積立


新NISA枠は成長投資枠と積立枠の合計で年間360万円まで活用できますが、短期の相場変動で焦ってリバランスするより、ドルコスト平均法を守ることが賢明です。
iDeCoも同様に、拠出停止やスイッチングを頻繁に行うと複利効果が薄れます。
短期トレード(FX含む)
ドル円は146円台後半で推移し、原油高が進めば実質金利差からドル高余地が残ります。
ただし台風接近によるリスクオフで円買いが強まる場面も想定されるため、損切りラインは1ポジションあたり▲1%程度に設定し、レバレッジは実効レートで3倍以下に抑えるのが安全圏です。
国内ニュース
日銀、国債買い入れ減額ペースを緩和
日銀は6月会合で、2026年4月以降の国債購入を四半期ベースで2,000億円の減額にとどめる方針を示しました。
債券市場の混乱を抑える“優しさ”と引き換えに、金利上昇と円安が加速する可能性が指摘されています。
製造業PMIが50.4に上昇、6か月ぶりに拡大圏
Jibun銀行の6月速報値では、製造業PMIが50.4と節目の50を上回り、サービス業と合わせた総合PMIも51.4に改善しました。
人手不足と円安を背景に供給網が持ち直しつつある一方、企業は仕入れコスト上昇を価格転嫁できるかが焦点です。
東京都議選、都民ファーストが第1党に返り咲き
都民ファーストの会が32議席を獲得して第1党に復帰しました。
一方、自民党は22議席と過去最低を更新し、参院選を控える政権に打撃となっています。
地方選での与党苦戦が国政運営に影を落とす公算が大きいです。
最低賃金1,500円構想、政府の“前倒し”論議が本格化
政府は「2020年代に全国平均1,500円」という目標を掲げ、7%超の年次引き上げが必要と試算しています。
中小企業団体からはコスト負担への懸念が出ており、賃上げのモメンタムと企業体力のバランスが課題です。
ロームが日経平均採用、NTTデータは除外へ
日本経済新聞社は7月4日付で日経平均株価の構成銘柄を入れ替えると発表しました。
NTTのTOB(株式公開買い付け)の結果により上場廃止の可能性が高まったNTTデータグループが除外され、半導体大手ロームが新規採用されます。
パッシブ運用ファンドの組み入れ買い需要が見込まれ、ローム株は年初来高値を更新しました。
中小型ハイテクが指数寄与度を高めることで、日経平均全体のボラティリティも上昇しやすくなる見通しです。
アクセンチュアと提携 デリバリーコンサルティング急伸
デリバリーコンサルティングは、アクセンチュアと販売代理店パートナーシップ契約を締結したと発表しました。
発表後、同社株は朝方から買い気配で始まり、一時ストップ高となりました。両社は生成AIを活用した業務改革案件で協業し、中小企業向けの導入支援パッケージを共同で展開します。
クラウド×AI案件の深耕を狙うアクセンチュアが国内で販路を拡大する動きとしても注目されます。
DWTI 角膜疾患治療薬が第3相試験の被験者投与完了
DWTIは、フックス角膜内皮変性症治療剤「K-321」のグローバル第3相臨床試験で被験者への投与が完了したと公表しました。
角膜移植以外に有効策が乏しい難治疾患に対し、点眼薬で治療可能となる期待が高まっています。
今後は経過観察を経て2026年3月までに主要評価項目を解析し、承認申請を目指す計画です。
熱帯低気圧が24時間以内に台風へ 週半ばに関東接近
小笠原近海の熱帯低気圧が台風へ発達し、24日夜には伊豆諸島付近へ北上する見通しです。
台風そのものは勢力を保たない予想ですが、梅雨前線を刺激して各地で激しい雨をもたらす恐れがあります。
特に関東甲信・東海は25日にかけて総雨量200ミリ超が想定され、土砂災害や河川増水への警戒が必要です。
京都・北陸で警報級の大雨懸念
23日未明から京都府北部や石川県能登地方で発達した積乱雲が停滞し、局地的に1時間70ミリ前後の激しい雨を観測しました。
気象庁は「線状降水帯が形成される可能性」を示し、夜までに低地浸水や突風への厳重警戒を呼びかけています。
公共交通の乱れや避難情報の発令に備え、最新の気象情報を確認することが重要です。
海外ニュース
米軍がイラン核施設を空爆、市場はリスクオフでも限定的
米国がイランの核関連施設3カ所を空爆。
原油は一時+2.8%まで急伸しましたが、ドル円は安全通貨買いが弱く146円台。
投資家は「ホルムズ海峡封鎖リスク」を注視しつつも、全面衝突回避シナリオを織り込みつつあります。
米EU、デジタル規制や炭素国境調整で暫定合意へ
EUデジタル市場法の適用猶予やCBAMの導入遅延など、非関税障壁を巡る枠組み合意が大詰め。
7月の関税発動期限を前に追加関税10%を回避できるかが焦点です。
Teslaがオースティンでロボタクシー運行を正式開始
Teslaは06月22日、テキサス州オースティン市内で招待制のロボタクシーサービスを開始しました。
最新のModel Yにカメラ主体のFSD(Full Self-Driving)ソフトを搭載し、運賃は一律4.20ドル。現段階では安全モニターが助手席に同乗しますが、自動運転専用車「Cybercab」投入への布石とみられます。
WaymoなどLidar勢と異なる“カメラ+AI”方式が都市交通に適用できるか、市場の関心が集まっています。
欧州熱波、英で33.2℃の今年最高気温
英サリー州チャールウッドで33.2℃を記録し、北アイルランドでも夜間18.2℃と観測史上最高の6月夜を更新。
西欧全域で40℃近い高温が続き、インフラと農業への打撃が懸念されています。
私たちの生活に起こること
まず、地政学リスクと原油高が同時進行する局面では、ガソリンや電気料金の上昇が家計を圧迫しやすくなります。
一方で、日銀の緩和ペース鈍化とPMI改善は賃上げと雇用環境には追い風ですが、急ピッチの最低賃金引き上げは中小企業コストを直撃しかねません。
対策のヒント
- 早めの電力・ガス料金プラン見直しで固定費を抑える
- 資格取得などキャリア投資で賃金上昇波に乗る
- レジャー計画は台風を考慮し、影響範囲の地域の人は避ける


