なぜ金は「安全資産」の代表格なのか?資産運用のプロが、なぜか&どんな局面で価値を増すのか深掘り解説

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「有事の金」という言葉を耳にする機会が増えたと感じませんか?

世界経済の先行きが不透明になったり、国際情勢が緊迫したりすると、しばしば金の価格が上昇する場面が見られます。

これは、多くの人々が金を「安全資産(セーフヘイブン)」とみなし、資産を守るための避難先として選ぶ傾向があるからです。

もっとも、ここでいう「安全資産」は、元本が保証されているという意味ではありません。

他の資産と比べて価値が毀損しにくい傾向や、「いざ」という局面で資産防衛に機能しやすいという相対的な特徴を指して使われることが多い点は、最初に押さえておきたいところです。

近年における金価格のチャートイメージ
近年における金のチャート
引用:三菱マテリアル

しかし、そもそもなぜ「金」なのでしょうか?

紙や電子データでしかない通貨や、企業の業績に左右される株式と比べて、金にはどのような特別な価値があるのでしょうか?

ねくこ

今回は、資産形成の相談実績多数にしてFP資格保持者の筆者が、金が安全資産と呼ばれる理由を深掘りしつつ、「いつ・どんな局面で価値を発揮しやすいのか」も含めて解説していきます。​

目次

なぜ金は「安全資産」の代表格なのか?

が他の資産と一線を画し「比較的価値が毀損しにくいとみなされる資産(いわゆる安全資産)」として位置付けられてきた背景には、複数の理由があるとされています。

それぞれの理由を、順番に詳しく見ていきましょう。

ただし繰り返しになりますが、安全資産=価格が決して下がらない、元本保証という意味ではありません。

後ほど解説しますが、金も市場環境によっては大きく値下がりすることがあります。

古代から続く普遍的な価値:「実物資産」としての金の魅力

金地金のイメージ写真

金の最大の特性であり、安全資産たる所以の根幹は、それ自体に価値が存在する「実物資産」である点です。

人類の歴史を紐解けば、金はその美しい輝きと希少性から、権力や富の象徴として、また装飾品や通貨として、時代や文化を超えて価値を認められてきました。

ねくこ

現代においても、金は宝飾品としての高い需要を維持しています(私も欲しいです笑)。

その他にも、優れた導電性や耐腐食性といった物理的特性から、スマートフォンやパソコンなどの精密電子機器の部品、さらには医療分野など、工業用途での需要も拡大しています。

金と通貨のイメージ写真

一方で、私たちが日常的に使う紙幣や、証券口座に表示される株式の価値は、その発行体である国や企業の「信用」に基づいています。

つまり、もし国が財政的な危機に陥ったり、企業が経営破綻したりすれば、その価値は一瞬にして大きく損なわれ、最悪の場合、ただの紙切れや無価値なデータになってしまうリスクを常に孕んでいます。

金は、このような発行体の信用リスクとは直接結び付きにくい資産です。

金そのものが価値を持つため、特定の国や企業の経済状況が悪化しても、同じ条件の株式や通貨と比べて価値が大きく毀損しにくいと一般に考えられています※。

※ 将来の価格が保証されるわけではありません。

ねくこ

この「それ自体が価値を持つ」という実物資産ならではの性質が、不安定な時代において人々に安心感を与え、金が安全資産として位置付けられてきたことを支える要素の一つと考えられているのです。

地球上に埋蔵量が限られる「希少性」

金鉱山のイメージ写真

金が価値を持つもう一つの重要な理由は、その「希少性」にあります。

地球上に存在する金の総量には限りがあり、世界の地上在庫は2024年末時点で約21.6万トン(推計)とされています。(出典:WGC

※ 世界の金の地上在庫約21.6万トンは、World Gold Council「How much gold has been mined?」が公表する2024年末時点の推計値(約216,265トン)を、日本語記事向けに概数化したものです。

ねくこ

こうやって聞くと「本当に?もっとあるんじゃない?」と思っちゃいますが、世界全体で見るとやはりかなり限られた量なんです。

さらに、新たな金鉱脈の発見は年々困難になっており、採掘可能な場所も地中深くや海底などに限られてきています。

そのため、採掘には高度な技術と莫大なコストが必要となり、金の供給量が急激に増加することは考えにくいとされています。

需要が増加しても供給が簡単には追いつきにくいとされるため、長期的な需給面では構造的な過剰供給が起こりにくいと説明されることがあります。

その結果、他のコモディティと比べて長期の価値変動が相対的に小さい時期も見られます(将来も同様に推移するとは限りません)。

この希少性は、長期的に見た金の価値を支える要因の一つと考えられ、例えばダイヤモンドなども希少ですが、金ほど世界共通の価値基準や換金性を持っているわけではありません。

特定の国に縛られない「無国籍性」と地政学リスクへの強さ

国際情勢と通貨のイメージ

金は「無国籍通貨」とも形容されるように、特定の国や地域にその価値が依存していません。

米ドルや日本円のように、その国の経済政策や金融政策、政治情勢によって価値が大きく変動する通貨とは異なり、金は世界共通の価値基準で国際的に取引されています。

円建ての金価格はドル建て金×USD/JPYで決まるため、為替の影響を強く受けます。

円安時は金が上がりやすく、円高時は逆もあり得ます。

この「無国籍性」は、昨今のような地政学リスク(戦争や紛争など)が高まった局面で、金に資金が向かう傾向がみられる要因の一つと説明されることがあります。

国家間の対立が激化したり、あるいは特定の国で大規模な金融危機が起こったりすると、その国の通貨や株式、債券などは信用不安から大きく値を下げる可能性があります。

そのような状況下で、投資家は資産を守るために、特定の国に依存しない金へと資金を移動させる傾向があるとされています。

ねくこ

過去の金融危機や地域紛争の際にも、金価格が上昇する場面が多く見られました。

もっとも、すべての有事で必ず金価格が上がるわけではありませんし、株式と一緒に下落する局面もあります。

お金の価値が下がる「インフレ」へのヘッジ機能

インフレと物価上昇のイメージ

インフレーション(インフレ)とは、物価が持続的に上昇し、相対的にお金の価値(購買力)が下がっていく現象のことです。

例えば、去年100円で買えたものが今年110円になった場合、同じ100円で買えるものが減るため、お金の価値が下がったことになります。

現金や預金は、インフレが進むとその価値が実質的に目減りしてしまいます。

銀行に預けていても、インフレ率以下の金利しか得られなければ、資産は実質的に減っていくことになります。

これに対し、金は、過去の一定の期間においてインフレ局面で価格が上昇した例が多く見られたことから、「インフレに比較的強い資産」として語られることがあります。

実物資産である金そのものの価値は、通貨価値の下落時にも名目価格が上昇した局面が多く見られました(常にそうなるとは限りません)。

ねくこ

歴史的には、インフレ懸念が高まると通貨価値の下落リスクを回避するために金が買われ、価格が上昇した時期が多く見られます。

ただし、短期的にはインフレが進んでいても金価格が下落する局面もありますので「長期の傾向」と「短期のブレ」は分けて考えるのが大事ですね。

また、1980〜2000年頃のように、インフレが続いていても金の実質リターンがマイナスとなった長期期間も報告されており、インフレヘッジとして万能ではない点も押さえておきましょう。

※ 海外リサーチでは、1980〜2000年頃に先進国で物価上昇が続く一方、金の実質リターンがマイナスとなった期間があったと指摘するものもあります。インフレとの関係は、期間や市場により異なります。

近年における金のチャートイメージ
近年における金のチャート
引用:三菱マテリアル

物価上昇は、言い換えれば通貨の価値下落です。

価値が下落する通貨から、普遍的な価値を持つとされる金へ資産を移すことで、インフレによる資産価値の目減りを一定程度和らげられた時期もあります(常にインフレヘッジとして機能するわけではありません)。

世界中で取引される「流動性」の高さ

どれほど価値のある資産でも、必要な時にすぐに現金化できなければ、いざという時に役立ちません。

その点、金は世界中の主要な市場で時差の関係からほぼ一日中取引されており、一般に流動性が高い資産とされています。

標準化された規格(例えば、純度99.99%の金地金など)に基づいて取引が行われるため、世界中どこでも比較的容易に、かつ公正な市場価格で売買することが可能です。

ねくこ

株式と比べて取引される時間帯が世界的に広く、不動産と比べれば一般に買い手を見つけやすいとされています。

この換金のしやすさ、すなわち流動性の高さも、投資家が安心して金を保有できる理由の一つとされており、安全資産としての評価を高める要因となっています。

ただし、現物の種類や取扱業者、相場状況によっては、売買に時間がかかったり、スプレッド(売値と買値の差)が広がったりする場合もあります。

他の資産と値動きが違うからこそ、「いざ」というときに効きやすい

もう一つ付け加えるならば、金は株式や債券といった他の主要な金融資産との価格の連動性(相関性)が低い傾向にあることも、分散投資の観点から魅力とされています。

株式市場が好調な時は金価格が伸び悩むこともありますが、逆に株式市場が大きく下落するような局面では、金価格が上昇または安定することがあります。

ねくこ

値動きの異なる資産を組み合わせることで、ポートフォリオ全体の値動きが相対的に安定した時期もあり、分散投資の観点から金を組み入れる手法が研究・活用されています。

金は、この分散効果を高めるうえで活用される資産の一つと考えられているのです(私も分散してます!)。

ただし、平常時には株式と一緒に下落する局面もあり、常に逆相関というわけではない点は覚えておきましょう。

金が買われやすい具体的な局面とは?【戦争・金融危機・インフレ・通貨安】

ここまでの内容を踏まえ、「どんなときに金が買われやすいのか?」を、過去の例として代表的な4つの局面に整理しておきます。

金が注目されやすい代表的な局面(過去の例)

  • 戦争・紛争などの地政学リスクが高まったとき
    ➡特定の国の通貨や株式への不安が高まり、「国を選ばない資産」として金に資金が移りやすくなります。
  • リーマンショック級の金融危機・景気後退懸念が強まったとき
    ➡株式などリスク資産から資金が逃げ、「価値の保存手段」として金が選好されることがあります。
  • 物価上昇が続き、実質金利(名目金利−インフレ率)が低い/マイナスのとき
    ➡現金や預金の目減りを嫌い、インフレヘッジとして金を保有する動きが強まりやすいです。
  • 自国通貨安(円安など)が急速に進んだとき
    ➡海外資産や金の円建て価格が上昇しやすく、「円だけに偏らない持ち方」として金が意識されます。
ねくこ

いずれのケースでも、「必ず金だけが上がる」わけではありません。
あくまでそうなりやすかった傾向が見られた局面が多いという程度にとどめて押さえておき、短期の値動きに一喜一憂しすぎないことが大切です。

金投資を始める前に知っておきたい注意点

これまで金の魅力を強調してきましたが、投資である以上、リスクやデメリットも存在します。

金投資を検討する際には、以下の点も必ず理解しておきましょう。

金利や配当は生まない(インカムゲインがない)

金投資の最も大きな特徴の一つは、銀行預金の利息や株式の配当金、不動産の家賃収入のような、保有しているだけで定期的に得られる収益(インカムゲイン)が一切発生しないことです。

金の利益は、基本的に購入した価格よりも高い価格で売却した際に得られる売却差益(キャピタルゲイン)のみとなります。

ねくこ

そのため、安定的かつ継続的な収益を期待する投資家にとっては、物足りなさを感じるかもしれません。

「安全資産」と言われる反面、爆発力や不労所得のような格好にはしづらいのです。

価格変動リスクは存在する

「安全資産」とはいえ、金の価格は常に一定ではありません。

世界の経済情勢、金利動向、為替レート(特に米ドル)、需要と供給のバランス、投資家の心理など、様々な要因によって日々変動しているのは他の資産運用と同様です。

安全資産と呼ばれるのは、あくまで他のリスク資産と比較して価値の毀損リスクが低い傾向にある、あるいは特定の状況下(経済不安時など)で価値が上昇しやすい傾向がある、という意味合いが強いです。

“セーフヘイブン”は常時ではなく、極端な株式下落時など「特定局面」で機能しやすいとする研究知見もあります(全期間で常に逆相関とは限りません。(参考))。

※ 例えば、Baur and Lucey(2010)などの研究では、株式市場の平常時と極端な下落局面とで、金との相関関係が異なる可能性が示されています。ただし、結果は期間・市場によって変わるため、将来の値動きが保証されるものではありません。

ねくこ

資産運用に絶対はありません。

購入したタイミングによっては、短期的には価格が下落し、損失を被る可能性も十分にあります。

保管コストや各種手数料の発生

金の投資方法には、金地金や金貨といった現物を購入する方法、純金積立、金ETF(上場投資信託)、金先物取引など様々ですが、それぞれにコストや手数料がかかります。

現物の金を自宅で保管する場合は盗難や紛失のリスクが伴いますし、貸金庫などを利用すれば保管料が必要です。

購入時や売却時には貴金属店や証券会社などに手数料を支払うのが一般的で、純金積立であれば年会費や積立手数料、金ETFであれば信託報酬などがかかります。

ねくこ

これらのコストも考慮に入れて、投資判断を行う必要があります。

ポートフォリオの何%くらいを金にする?考え方の一例

では、実際に金を組み入れるとしたら、資産全体のうちどれくらいの割合にするかが気になりますよね。

一般的な情報として、国内外の金融機関や運用会社の資料などで「総資産の数%程度を金で保有する」といった考え方が紹介されることがあります(本記事として特定の割合を推奨するものではありません)。

  • リスクをあまり取りたくない人:リスクを抑えたい人のイメージ例として、現金や債券を厚めにしつつ、金は0〜5%程度にとどめる配分が紹介されることがあります。
  • インフレ・有事ヘッジを重視する人:インフレ・有事ヘッジを意識したイメージ例として、株式などリスク資産に加え、金を5〜10%前後組み入れてリスク分散を図る考え方が取り上げられることもあります。

ベストな比率は、年齢・収入・家計の状況・投資経験などによって大きく異なりますし、ここで挙げた数字はあくまで参考として紹介した一般的な例にすぎません。

ご自身の目的とリスク許容度に合わせて調整してください。

ねくこ

悩む場合は、まずは少額から始める方法に加え、そもそも金を組み入れないという選択肢も含めて、ご自身の目的やリスク許容度を踏まえて慎重に検討してみてください。

そのうえで、「やっぱり金の比率を増やしたい/むしろ他の資産を増やしたい」など、自分なりの感覚をつかんでいけると良いと思います。

ここで示す比率は、各種レポートなどで紹介される一般的な目安の一例であり、読者一人ひとりの最適な資産配分を示すものではありません。実際の配分は、収入・資産状況・投資経験・税制・他の保有資産などを踏まえ、ご自身または専門家と相談のうえで決定してください。

NISA(少額投資非課税制度)を利用して金に投資することも可能

また、NISA(少額投資非課税制度)を利用して金に投資することも可能です。

新NISAでは、条件を満たした金連動ETFや投資信託の一部が「成長投資枠」の対象商品になっています(2025年12月時点)。

具体的な対象銘柄は、金融庁や投資信託協会、取引する金融機関の最新の一覧で必ず確認しましょう。

ねくこ

金は見た目も魅力ですが、この場合は物的な損失リスクもありません。

もっとも、市場価格の変動による元本割れリスクは現物投資と同様に存在します。

一方、新NISAの対象商品は、金融庁が公表する告示および投資信託協会・各取引所・各金融機関の届出内容に基づき決定されます。金連動ETF・投資信託であっても、商品ごとに成長投資枠・つみたて投資枠の対象外となる場合があります。最新の対象商品一覧と各商品の目論見書・交付目論見書を必ずご確認ください。

※新NISAの成長投資枠・つみたて投資枠の対象商品は、金融庁が公表する対象商品届出一覧および一般社団法人投資信託協会の情報などで確認できます。対象銘柄や条件は変更される可能性があるため、必ず最新の公的資料と各金融機関の公式サイトでご確認ください。

「万が一にも紛失が怖い・・・!」という方は、証券会社で取り扱われている金連動ファンドを利用する方法もあります(例として、上記記事で紹介しているSBI証券(「SBI・iシェアーズ・ゴールドファンド(為替ヘッジなし)」)など)。

本記事で挙げる商品名・金融機関名はあくまで例示であり、当メディアとして特定の金融機関への口座開設や特定商品の購入を推奨するものではありません。実際に利用する際は、必ず最新の目論見書やNISA対象商品リスト、各社の公式情報を確認し、ご自身の判断で選んでください。

※SBI・iシェアーズ・ゴールドファンド(為替ヘッジなし)(サクっと純金(為替ヘッジなし))は、2025年時点で新NISAの枠で取り扱われている例がありますが、NISA対象の可否や取扱状況は変更される場合があります。最新の目論見書・販売会社の案内等で必ずご確認ください。

【Q&A】金(ゴールド)投資の疑問に答える

そして、ここまでの内容をQ&A形式にまとめました。

なぜ金は「安全資産」と呼ばれているの?

金は「実物資産」であり、国や企業の信用に依存せず、それ自体に価値があるとみなされてきたからです。

加えて、歴史的に人類から価値が認められ、情勢が不安定になるほど需要が高まりやすい特性があります。
ただし、「安全資産=損をしない資産」ではないことも忘れないようにしましょう。

インフレに強いって本当?

過去の一定の期間ではインフレ局面で金価格が上昇した例が多く、インフレ耐性があるとされる一方、期間や市場によっては機能しない局面もあります。(参考

現金は物価上昇で購買力が落ちますが、金は実物資産として物価に連動して価値が高まりやすい傾向があります。ただし、インフレだからといって必ず金が上がるわけではない点には注意が必要です。

金の価格は常に安定しているの?

いいえ、金も価格変動リスクがあります。

安全資産とされますが、タイミング次第では短期的に値下がりすることもあります。
「他のリスク資産と比べて相対的に守りに強い」くらいのイメージでとらえておくとよいでしょう。

金投資で得られる利益はどんなもの?

金は利息や配当を生まないため、基本的には売却益(キャピタルゲイン)が主な利益の源泉になります。

税制は保有形態で異なります:一般に、個人が保有していた金地金を売却して利益が出た場合は、所得税法上、総合課税の「譲渡所得」として扱われるケースが多いとされています(所有期間により短期/長期に区分)。ただし、事業として反復継続して売買している場合など、別の所得区分となる場合もあります。

一方、金連動ETFや金関連投資信託は、上場株式等と同様の扱いとなる商品が多いですが、商品や取引形態によって異なります。

ISA外では課税方式が変わるため、国税庁タックスアンサーや商品ごとの資料で最新情報を確認してください。

※金地金の売却益の基本的な課税区分は、国税庁タックスアンサー(No.3161、No.1460)などで確認できます。実際の課税関係は、取引の実態や他の所得との関係により異なる場合があります。

金の保有にはコストがかかるの?

かかります。

現物なら保管料や盗難リスク、ETFや積立なら信託報酬や手数料が必要です。

運用前にコストを把握しておきましょう。

NISAでも金に投資できる?

可能です。

金連動のETFや投資信託を新NISA口座の非課税投資枠の範囲内で運用した場合、日本の税制上、一定の要件を満たせば売却益や分配金等が非課税となる仕組みです(対象商品や非課税限度額、保有期間などの条件があります)。

現物ではなく証券ベースで投資したい人に向いています。
ただし、どの商品が新NISAの対象かは商品ごとに異なるため、金融庁・投資信託協会・各金融機関の最新情報を必ず確認しましょう。

金はどんな局面で価値を増すの?

戦争や金融危機、インフレ局面など経済や社会が不安定なときに、金が買われて価格が上昇した例が多く報告されています。

ただし、あくまで「そうした傾向がみられた局面が多い」というだけで、すべての有事で金が必ず上昇するわけではありません。平常時や金利上昇局面では、株式と同様に下落することもあります。

※ 税務上の取扱いは、お住まいの国・地域や取引の態様、保有期間、他の所得状況等によって異なります。本記事は日本の税制を前提とした一般的な説明であり、個別の税務判断を行うものではありません。具体的な申告の要否や税額については、必ず所轄税務署や税理士等の専門家へご相談ください。

まとめ:金はポートフォリオの安定に貢献する可能性

金が「安全資産」と呼ばれる背景には、普遍的な実物価値、希少性、無国籍性、インフレヘッジ機能、高い流動性、他資産との値動きの違いといった、他の資産にはないユニークな特性があります。

これらの特性により、金は特に経済や社会が不安定な局面において、資産価値を守るための有力な選択肢となり得ます。

また、株式や債券など他の資産との値動きの違いから、分散投資の一環としてポートフォリオに組み入れることで、資産全体の安定性を高める効果も期待できます。

ねくこ

ただし、金投資はインカムゲインがなく、価格変動リスクや各種コストも存在することを忘れてはいけません。

メリットとデメリットを十分に理解し、ご自身の投資目的やリスク許容度に合わせて運用を検討しましょう。

本記事は日本国内の制度・税制を前提とした一般的な情報提供を目的としており、特定の金融商品の勧誘や、読者個々人の状況に応じた投資助言を行うものではありません。記載の制度・税制・商品内容は2025年12月時点の情報に基づいており、将来変更される可能性があります。実際の投資にあたっては、金融庁・国税庁などの公的資料や各商品の目論見書等で最新情報を確認するとともに、必要に応じて金融商品取引業者や専門家へ相談のうえ、ご自身の責任で判断してください。

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この記事を書いた人

編集部の資産形成担当。
20代後半ながら金融に関する相談実績多数で、投資信託から株式まで幅広い知識を持ち、今のあなたに必要なことを洗い出し、寄り添った提案を心掛けています。
たけのこ派&猫派です!

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