FXはいくらから買える?最低取引金額や必要資金の目安を解説

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FX(外国為替証拠金取引)は株式や不動産投資などと比べて少ない資金で始められますが、実際にいくらからスタートできるのでしょうか。また、FXに必要な資金はどのくらいなのでしょうか。

この記事では、FXの取引単位「ロット」と少額取引を可能にする「レバレッジ」についてと、FXの最低取引金額や必要資金の目安を解説します。

FXを始めるにあたっていくらあればよいかわからない人は、ぜひ参考にしてください。

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目次

FXの取引単位「ロット」と少額取引を可能にする「レバレッジ」とは?

最初にFXの取引単位「ロット」と、FX特有の仕組み「レバレッジ」について解説します。

FXの取引単位「ロット」とは?

株式の取引単位は「単元」といいますが、FXの取引単位は「ロット」です。

一般的に1ロットは通常1万通貨(米ドルなら1万米ドル)とされていますが、FX会社によって1,000通貨や100通貨など最低取引単位が異なります。

たとえば、米ドル/円のレートが140円だとすると、1ロット(1万通貨)は140万円相当の米ドルの売買となるわけです。

しかし、実際に140万円分の資金を用意する必要はありません。なぜなら、FXには「レバレッジ」という仕組みがあるからです。

FXで少額取引を可能にする「レバレッジ」

FXのレバレッジとは口座に「証拠金」というお金を預け入れて、証拠金以上の大きな金額の取引ができる仕組みです。

日本のFXではレバレッジは証拠金の25倍までかけられ、倍率を高くするほど必要資金を抑えられます。

たとえば、25倍のレバレッジをかけると、自分の持っている資金の25倍までの通貨を売買できます。

つまり、1ロットの米ドル/円を取引する場合でも、140万円ではなく5万6,000円(140万円÷25)だけ用意すればよいのです。

このように、FXではレバレッジの活用で少額の資金でも大きな取引ができるようになります。

通貨ペアによって異なる必要資金※最新データに更新

為替レートは通貨の種類によってさまざまなため、FXの必要資金は通貨ペアによって異なります。

以下は、2024年2月現在の各通貨の1通貨あたりの日本円との交換レートです。

・米ドル:148円
・ユーロ:160円
・ポンド:188円
・豪ドル:97円
・トルコリラ:4.8円
・メキシコペソ:8.6円
・南アフリカランド:7.8円

上記のレートであれば米ドル1ロット(1万通貨)の必要資金は148万円ですが、トルコリラなら4万8,000円です。

つまり、トルコリラならレバレッジなし(1倍)でも約5万円で1ロットの取引が可能なわけです。

このように通貨の種類によって、必要資金には大きな違いがあります。

FXはいくらから始められる?

FXはレバレッジのために自己資金より大きな取引金額のトレード(取引)が可能です。

では、実際にいくらあればFXを始められるでしょうか。ここでは、目安となる金額を解説します。

ロットとレバレッジ別の必要資金の目安

FXの取引では先述のとおり1ロット単位でトレードをします。現在は1通貨単位や100通貨単位のFX会社もあります。

以下は、1米ドル140円の場合の米ドル/円のロットとレバレッジごとの必要資金の目安です。

スクロールできます
1万通貨1,000通貨100通貨
レバレッジ1倍140万円14万円1万4,000円
レバレッジ2倍70万円7万円7,000円
レバレッジ3倍47万円4万7,000円4,700円
レバレッジ5倍28万円2万8,000円2,800円
レバレッジ10倍14万円1万4,000円1,400円
レバレッジ25倍5万6,000円5,600円560円

上記のとおり、レバレッジを高くすると少ない資金でも大きな金額の取引ができるとわかります。

また、1ロットが小さい場合、レバレッジを上げなくても少ない資金で取引可能です。

1ロットが100通貨であれば1,000円未満でも取引ができるため、初心者が取引の仕方を覚えるのにも利用できるでしょう。

このようにFXはまとまった元手がなくても、自分の余裕資金の範囲で始められます

FXはいくらから始めるべき?

FXはいくらから始めるべきかの決まりは特にありません。

少額から始められるので、上記の表を参考にして自分の都合で好きな金額で始めるとよいでしょう。

その際には損をする可能性も想定し、最低金額に少し余裕を見た金額を設定するとよいでしょう。

たとえば、1,000米ドルをレバレッジ3倍で取引しようとしているなら、7万円必要なところを10万円入金するというようなイメージです。

もちろん、1万円程度の資金しか用意できなくても、その範囲でのトレードも可能です。

FXはいくら儲かる?おおよその金額をチェック

FXは少額から始められますが、いくら利益が出るのでしょうか。FXでは日本円で米ドルのような外貨を買うトレードの場合、円安になると利益が出て、円高になると損失が発生します。

1円の値動きで生じる損益は、「取引数量×1円」となります。

たとえば、1米ドル140円で1万米ドル買い、1米ドル141円になったところで売った場合の利益は1万円(1万通貨×1円)です。139円になったところで売ると、1万円の損失となります。

FXでは元手が140万円(レバレッジ1倍)でも5万6,000円(レバレッジ25倍)でも、得られる利益は1万円です。

レバレッジをかけると、効率よく利益を得られることがわかります。

FXを少額で始めるメリット

FXを少額で始める場合には、以下のようなメリットがあります。

複数のポジションを持てる

少額の資金でトレードできると、複数ポジションが持ちやすくなります

FXではさまざまな通貨の取引が可能であり、自分の取引している通貨以外にチャンスが来る可能性もあります。

株式投資などで複数銘柄を持つには、多額の資金が必要です。

しかし、FXであれば少額の証拠金を入金すれば、複数ポジションを持つのは難しくないでしょう。

損失額が大きくならない

少額で取引できると、損失額も抑えられます。FXでは相場が予想と反対に動いたときには、損失が発生します。

たとえば、1万米ドル分のポジションを持っていて想定と反対に1円相場が動いた場合、損失は1万円です。

しかし、1,000米ドル分のポジションを持っていた場合には、損失は1,000円になります。このように少額で取引すると、失敗したときの損失額を少なくできます。

取引の経験を積みやすい

FXで少額投資ができると、さまざまな経験を積んでいけます。FXは初心者でも始めやすい投資ですが、利益を得るには知識やスキルが必要です。

少額で取引できると、ケースバイケースの投資判断を身につけやすくなります。失敗からの学びも、少額投資なら少ないダメージで経験できます。

FXを少額で始めるデメリット

一方で、FXを少額で始める場合には以下のようなデメリットもあります。

利益が少ない

FXの少額投資は損失を抑えられる反面、得られる利益も少なくなります。

1通貨から取引できるといっても、1円の値動きで得られる利益は1円です。初心者のうちは少額投資で損失を抑えることが必要です。

安定した成果を出せるようになったときには、少しずつ投資額を増やしていくとよいでしょう。

取引の緊張感が乏しくなりやすい

少額投資は損失を抑えるのに有効ですが、取引の緊張感が乏しくなりがちです。

FXの取引手法を身につけるには、実際に自分のお金を使ったトレードが欠かせません。

しかし、失敗してもそれほど大きなダメージのない金額で始めると、人によっては緊張感のないトレードになってしまうおそれがあります。少額投資の目的をよく考え、経験値を上げる大切さを自覚しましょう。

初心者がFXで大きな失敗を避けるポイント

FXを少額で始める目的は、大きな失敗を避けることです。

ここでは少額投資以外で初心者がFXで大きな失敗を避けるためのポイントを解説します。

FXの基本を勉強してから始める

FXは初心者でも少額で始められますが、一定の知識やスキルが必要です。

そのため、FXの基本的な仕組みや用語、通貨ペアの特徴や相場の動きの要因などを勉強してから始めましょう。

FXの基本を勉強してから始めることで、大きな損失を防ぎやすくなります。

マイナーな通貨ペアを避ける

FXの初心者は米ドルやユーロのようなメジャーな通貨から始め、南アフリカランドやトルコリラのようなマイナーな通貨は避けるほうがよいでしょう。

FXにはさまざまな通貨ペアがあります。マイナーな通貨ペアはメジャーな通貨ペアに比べて流動性が低く、スプレッドが高い傾向があります。

スプレッドが高いとは、取引コストが高くなり利益を得るのが難しくなるという意味です。

また、マイナーな通貨ペアは経済変動で急激な値動きをする傾向があり、短時間で大きな損失を被るおそれがあります。

初心者がFXで大きな失敗を避けるにはマイナーな通貨ペアを避けて、メジャーな通貨ペアに絞った取引がおすすめです。

レバレッジを低めにする

特に初心者は、FXのレバレッジの倍率を高くしすぎないように注意しましょう。

レバレッジを高めると少ない資金でも大きな取引額の投資ができますが、損失も大きくなります。

レバレッジの管理は入金した証拠金に対して、取引量を多くしすぎないことです。

FX会社のトレード画面では、常時レバレッジを確認できます。初心者であれば3倍程度に抑えておくとよいでしょう。

損切りを徹底する

FXでは損失を拡大させないために損切りの基準を決め、その基準を守る必要があります。

損切りとは自分の予想と反対に値動きした場合に、取引を終了することです。損切りはFXで成功するために必要不可欠なスキルです。

初心者のうちは損切りに抵抗感を持ってしまう人も少なくありません。しかし、損切りをしないで値動きを待ち続けると、損失が拡大するおそれがあります。

そのため、FXで大きな失敗を避けるためには、損切りの徹底が必要なのです。損切りの基準は、あらかじめ自分のリスク許容度に合わせて決めておきましょう。

最低取引単位が低いFX会社でトレードする

初心者は1ロットの取引数量が少ないFX会社に口座開設しましょう。

FXは、FX会社によって1ロットの数量が異なります。1ロットの数量が大きいFX会社では、少額の資金ではトレードできません。

初心者は最低取引単位が低いFX会社でトレードすることで、自分の資金力やリスク許容度に合わせた取引ができるのです。

終わりに|まずは少額からFXを始めてみよう

FXはレバレッジの仕組みと1ロットが少なめのFX会社を利用すると、1万円程度の少額から取引できます。

初心者が取引に慣れるまでは、少額取引でリスクを抑えるとよいでしょう。

ただし、少額取引の目的は大きな損を避けてFXの取引のやり方を身につけることです。知識ゼロで取引したり損切りをしなかったりしては、いつまで経ってもトレードスキルが身につきません。

少額で取引しながら正しい取引判断ができるように心がけましょう。

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この記事を書いた人

明治大学卒業。金融ソフトウェア開発、国内生命保険会社の法人営業を経て、独立系FPとして開業。個人や法人オーナーへのコンサル業務、セミナー講師の他、現役FPの知見を生かした執筆業務を行っている。 CFP®・DCアドバイザー・証券外務員二種/群馬FP事務所代表

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