FXで大損をして続けられなくなる人もいると聞いて、不安に思う人もいるでしょう。
FXで「百発百中」のような人は存在せず、中には大きく損をして取引を続けられなくなる人もいます。
この記事ではFXで大きく損をしてしまう理由や失敗しやすい人、大損を避けるコツについて解説します。
FXで大損する理由
FXは、少額の資金で大きな利益を得られる可能性がある一方で、大損してしまうリスクも高めの投資です。
ここでは、FXで大損してしまう主な理由を5つ紹介します。
価格変動の波にのまれてしまう
FXでは、大きな価格変動の影響を受ける場合があります。
特に短時間での取引では、ちょっとしたニュースや経済指標発表で大きくレートが動くケースも珍しくありません。
価格の振れ幅をボラティリティといい、変動幅が大きい状態を「ボラティリティが高い」といいます。
為替相場のボラティリティが高い状況では利益を得るチャンスがある一方で、大きな損をするリスクも潜んでいます。
自分が想定した為替変動と逆方向にレートが動く可能性も十分にあるためです。
経験不足のトレーダーはこのような大きな変動に翻弄され、冷静な判断を下せなくなってしまいます。
結果的に、損失を拡大させてしまうケースが少なくありません。
勉強不足
FXは誰でも気軽に始められますが、最低限の知識がないと失敗してしまう投資です。
経験して初めて納得できることも多いため、始める前にすべてを理解する必要はありません。
FXで安定した成果をあげていくには、以下のような知識を身につける必要があります。
- 為替の基礎知識
- テクニカル分析
- ファンダメンタルズ分析
- リスク管理
初心者はFXに関する書籍やWebサイトなどで勉強したり、デモトレードで練習したりといった方法で勉強しながら取引を実践するとよいでしょう。
勉強不足のまま取引を始めてしまうと勝率が低くなり、損失を被る可能性が高くなります。
感情のコントロールができない
FXでは平常心のキープが非常に重要です。
勝ちたい気持ちが焦りにつながったり、負ける恐怖に支配されたりすると適切な投資判断ができません。
感情に流されると損失が出ているポジションで損切りできずに、ずるずると損失を拡大させるような失敗をしがちです。
感情を上手くコントロールするには、事前にトレードのプランを立てて損切りや利益確定の水準を決める習慣をつけましょう。
また、ストレスを溜めないように心身のコンディションを整えるのも大切です。
資金管理ができない
FXで大損をする人の多くは、資金管理がルーズな傾向があると考えられます。
FXでは、資金管理が非常に重要です。取引に使う資金の割合や、損切りや損失の許容範囲などを事前に決めておく必要があります。
資金管理を怠ると、大きな損失を被っても損切りできずに損失を拡大させてしまうおそれがあります。
たとえば、生活費をFXに回してしまったり、含み損のあるポジションを資金が尽きるまで持ち続けたりすると、FXを続けられなくなるかもしれません。
このような状況を防ぐには日頃から余裕資金だけをFXの資金に充てる、損切りのルールを徹底するといった対策を立てる必要があります。
ルールのない取引を続ける
ルールや根拠のない取引は成功にはほど遠く、損失の拡大につながりやすくなります。
FXで成功するには自分なりの取引ルールを決め、それを守ることが重要です。
事前に決めておきたい主なルールには、以下のようなものがあります。
- 取引を始める基準
- 決済の基準
- 損切りルール
上記のようなルールを設定すると感情に左右されることなく、取引できます。
FXで失敗しやすい人
FXで失敗しやすい人にはいくつかのタイプがあります。主なタイプを紹介します。
感情的になりやすい
感情的になりやすい人はFXで損失が出たときに焦ったり、利益が出たときに調子に乗ったりして冷静な判断を下せなくなってしまいます。
たとえば、損失が出たときに取り戻そうと焦って、タイミングを考えずに取引をして大きな損失を出してしまうような人は注意が必要です。
また、利益が出たことに気をよくしてリスクの高い取引をしてしまう人もいます。
FXは常に冷静な判断が求められる投資なので、このようなスタイルでトレードを続けると資金の大半を失いかねません。
セルフコントロールはFXを成功させる重要な要素なのです。
FXにギャンブル的要素を求める
FXはギャンブルではなく、ギャンブル的要素を求める人は失敗する確率が高くなります。
ギャンブル的な取引とは、以下のようなケースです。
- 短期間で大きな利益を狙ってレバレッジの高い取引をする
- 小さな利益を積み重ねるより一攫千金を狙う取引をする
運任せでたまたま大きな利益を得られた人が、知識のないまま取引を続けるといずれ大きな失敗を招きかねません。
FXはコツコツ利益を積み重ねる投資だと考え直しましょう。
完璧主義
FXで完璧主義の人は苦戦する傾向にあります。FXは常に勝てる投資ではなく、どんなに優秀なトレーダーでも必ず負けがあるためです。
完璧主義者は負けを認められず、損切りを先延ばしにしてしまうことがあります。
損失を最小限に抑えるためには、損切りの徹底が重要です。
FXは勝ったり負けたりを繰り返して、少しずつスキルアップするものです。
あまり現実離れしたトレードを考えず、地道に続けていきましょう。
高いレバレッジで取引する
FXで効率よく利益を得たいからと高いレバレッジで取引すると、損をするリスクも高まります。
レバレッジは、少ない資金で大きな利益を得られる仕組みです。
しかし、投資効率がよくなる反面、損失も大きくなります。
特に経験不足の人が高いレバレッジで取引すると、大きな損失を被り退場してしまう可能性があります。
FXでは、自分の資金に合ったレバレッジで取引することが重要です。
情報に振り回される
FXでは情報収集は重要な要素ですが、情報に振り回される人は損をしやすいといえます。
FXについては、書籍やWebメディアなどにさまざまな情報が提供されています。
しかし、そのすべての情報が正しいとはかぎりません。
情報の信ぴょう性を見極め、最終的には自分の判断で取引することが大切です。
根拠のない噂に惑わされたり、インフルエンサーの情報を鵜呑みにしたりしないようにしましょう。
FXで大損を避けるコツ
FXはレバレッジという仕組みの活用で、少ない資金で大きな利益を期待できる投資です。
しかし、レバレッジの本質を理解して使わないと、損失も大きくなります。
FXで大損を避けるためには、以下の6つのコツを意識することが重要です。
FXの基本を勉強する
FXは知識や経験を積み重ねて地道に続けていく投資のため、基本の勉強が欠かせません。
幸いにしてFXに取り組む人は多いため、FXの基本を学ぶ機会はたくさんあります。
以下のような方法でFXの基本を身につけるとよいでしょう。
- 書籍やWebサイトでFXに関する情報を収集する
- FXセミナーに参加する
- デモトレードで練習する
損切りは投資資金の2%を超えたらする
損切りは損失を拡大させないために、一定の損失が出たらポジションを強制的に決済するルールです。
感情的に判断せず、「投資資金の2%を超えたらする」といったルールに基づいて実行することが重要です。
損切りを確実に実行するには、以下のような方法を取り入れてみましょう。
- 損切りラインをチャートに表示する
- 逆指値注文などの損切り注文を活用する
少額から始める
FXではいきなり大きな資金で取引を始めるのではなく、少額から取り組みましょう。
FXはレバレッジという仕組みの利用で、少ない自己資金で大きな利益を得られます。
しかし、レバレッジのために大損をしてはFXを続けられなくなりかねません。
最近は1通貨(米ドルなら1米ドル)といった、小さな取引単位で始められるFX会社もあります。
そのため、1万円程度の資金でもFXに取り組めるのです。
FXでは勝率100%はほぼ不可能で、失敗する経験も必要です。
損をしてもダメージの少ない金額で始め、スキルが上がってきたら投資額を増やすとよいでしょう。
セルフコントロールを身につける
FXでは常に冷静な投資判断を下せるように、セルフコントロールを身につけることが重要です。
為替相場が想定したとおりの値動きをしないで焦ったり、さまざまな情報で頭が混乱したりする場面もあるでしょう。
そのようなケースでも平常心を保ち、自分自身の判断で取引していかなければなりません。
勝ち負けにとらわれすぎず、自分の立てたトレードプランに沿って淡々と取引を実行しましょう。
レバレッジを高くしすぎない
FXで特に初心者は、レバレッジを高くしすぎないようにしましょう。
レバレッジが高いほどロスカットのリスクも高まり、損をするおそれがあるためです。
レバレッジは自己資金以上の取引を可能にするFXの大きな特長ですが、高くしすぎると少しの値動きで損失を被る可能性があります。
FXはロスカットというシステムによって、証拠金以上の損失は発生しにくい仕組みです。
しかし、ロスカットが発動するとポジションは強制的に決済され、損失が確定してしまいます。
ロスカットを避けるためにも、初心者はレバレッジ3倍程度を目安に取引するとよいでしょう。
元手の少ない人は1通貨から始められるFX会社などを利用すると、低いレバレッジで取引できます。
週末や経済指標発表前はポジションを決済する
FXの初心者は週末や経済指標発表前は、ポジションを決済しておきましょう。
思わぬ大きな為替変動に巻き込まれて大損をしないためです。
週末に市場が閉鎖している間に予期せぬイベントが発生すると、週明けに相場が大きく動くのはよくあるケースです。
自分のポジションと反対に動いてロスカットされる危険もゼロではありません。
また、経済指標で予想と異なる「サプライズ」と呼ばれる内容が発表されると、相場が大きく反転するケースも頻繁に見られます。
いずれの場合も「朝起きたらロスカットされていた」といったことのないように、ポジションを決済するのが無難です。
まとめ:FXでは大きな損をしないように地道にスキルアップしていきましょう
FXは少ない元手で始められる反面、失敗したときの損が大きくなるリスクがあります。
しかし、他人の失敗に学び、損をしても最小限に抑えられれば取引を積み重ねていけます。
取引経験を積むとスキルアップして、徐々に利益を得やすくなっていくでしょう。
FXでは失敗はつきものであると理解し、損失にとらわれすぎないことが大切です。
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