メキシコペソのスワップポイントはおすすめ?リスクや基本知識を解説

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レバレッジをかけられるFX取引は、リスクがあるものの少ない原資で利益を上げることが可能です。

とはいえ、為替レートを予想しながら取引を行うのはハードルが高いです。

一方で、金利差を受け取れるスワップ取引なら、綿密な戦略やテクニカル分析といった特別な知識がなくともコツコツ貯めていけると聞いたことがある方がいるかもしれません。

特に金利が高いことで有名なのはメキシコペソです。

FX初心者向けに、FXの基礎知識とスワップ取引のメリット・デメリットを解説します。

目次

1.FXで利益を得る2つの方法

FXとは「Foreign Exchange」の略であり、日本語では「外国為替証拠金取引」といいます。

「日本円と米ドル」「日本円とユーロ」のように、異なる通貨の交換する取引で、利益を利益を得るには手法は大きく2つ。

1つが通貨を交換する際の差額(為替差益)を狙うもので、もう1つが金利差(スワップポイント)を狙う手法です。

為替差益

FXでは2つの通貨(通貨ペア)を決め、通貨ペアの一方を「買い」、もう一方を「売り」にだします。

その際の通貨間の為替の差によって得られる利益が為替差益です。

例えば「米ドル/円 」では、次のような局面で為替差益を得られます。

1:為替レートが「1ドル100円」の時
→100円でドルを買う
2:為替レートが「1ドル200円」の時
→ドルを売る(決済)ことで、200円が得られる
→100円の利益を得た
※手数料は考慮せず

このように、為替レートの変動によって利益を得ることが可能です。

なお、上記のケースでは決済時のレートが「1ドル50円」のように、円高に振れていると為替差損が発生します。

為替それぞれの概要は次のとおりです。また、「売り」から入ることも可能です

スワップポイント

通貨にはそれぞれ金利が付きますが、ペア通貨には金利差が生じます。

通貨ペア間の金利差調整額が「スワップポイント」です。

例えば米ドルを円で買った場合、米ドルの金利から円の金利を差し引いた分がスワップポイントとして受け取れます。

詳細は後述しますが、スワップポイントは基本的に毎日発生します。

毎日の金利差はそう大きくないかもしれませんが、長期的に保有する場合には大きな利益を得られる可能性があります。

2.スワップポイントのメリット・デメリット

投資においては、その仕組みを理解したうえで行うのが大原則です。

スワップポイントのメリットとデメリットを知ることで、理解を深めていきましょう。また、決済通貨は円であることを前提とします。

スワップポイントのメリット

スワップポイントを受け取る場合のメリットは次のとおりです。

ポジション保有によって受け取れる

スワップポイントとはポジションを保有したまま営業終了時をまたぐと、そのタイミングで受け取ることができます。

通貨ペア間金利差調整は自動的に行われるため、投資家側から働きかけをする必要はありません。

円より低金利の通貨は多い

円より低金利の通貨を買えばスワップポイントを支払わなければなりませんが、円は近年低金利が続いています。

そのため、買いから入る取引であればスワップポイントを受けれる通貨が多いです。

毎日受け取れる

ポジションを保有したまま営業終了時をまたぐことを「ロールオーバー」といいますが、「ロールオーバー」は毎日行われます。

日数制限はありませんし、土日も行われます。

原則、ロールオーバーから2営業日後が「受渡日」です。しかし土日祝のスワップポイントについては繰り延べられます。

例えば木曜にポジションを保有した場合は、翌月曜が「受渡日」です。通貨国の祝日によっても受取日は変わります。

コツコツ貯めていける

スワップポイントはマーケットや金利水準によって変化しますが、基本的には変動は小さいです。

スワップポイントが受け取れる通貨ペアを選択し、保有し続けることでコツコツ稼ぐことが可能です。

為替レートを見ながら有利な売買時期を見極めるのは簡単なことではありません。保有していれば継続的に利益が得られるのは大きなメリットでしょう。

例えば2024年2月における日本の各政策金利表は「-0.10%」です。一方でアメリカは「5.25%~5.50%」であり、この差額をコツコツ貯めていくことが可能です。

ただし、具体的なスワップポイントは証券会社ごとに異なるため、事前に確認しておきます。

スワップポイントのデメリット

コツコツ運用できるスワップポイントですが、必ずしも受け取れるわけではありません。

また、利益に応じた税金がかかる点にも注意が必要です。

スワップポイントを支払うケースもある

金利水準の低い円決済で「売り」から入る場合はスワップポイントを支払うケースが多くなります。

例えば、「米ドル/円」の通貨ペアで米ドルを売って円を買うポジションでは、米ドルの金利と円の金利の差額を支払うことになります。

利益応じた税金がかかる

FXの利益は申告分離課税です。雑所得として20.315%(※)が課税されます。

※所得税15%、住民税5%に復興特別所得税0.315%が上乗せ(復興特別所得税は2037年12月31日まで)

原則年間20万円以上の所得で確定申告が必要

FXは株式や投資信託のように特定口座で源泉徴収される仕組みがありません。

給与所得者の場合、給与・退職所得以外の所得が20万円を超えると、確定申告の義務が生じます。

なお、本業とは別にアルバイト所得がある方は、それらの所得もあわせて「20万円以上かどうか」を判断します。

確定申告を行わなければならないのは面倒かもしれません。

しかし、投資に活用できる側面もあるので、うまく付き合っていきましょう。

実は、FXで損失が出たときは損失を申告しておくと、最大3年間損失を繰り越す(繰越控除)ことができます。

例えばある年に30万円の損失が生じ、翌年は30万円のプラスだったときに、前年分の損失で相殺することで利益を全額控除可能です。

上記以外に、投資リスクがあることも忘れてはいけません。投資リスクについては「リスク」の章で述べます。

3.メキシコペソのスワップポイントとは

金利が高いためスワップポイントでのFX取引に適しているとして有名なのがメキシコペソです。

メキシコペソの特徴

メキシコは成長国です。メキシコペソはいわゆる新興国通と呼ばれ、その将来性を見込んで高い金利水準を保っています。

2024年2月時点では、メキシコ銀行(中央銀行)の政策金利は11.25%。マイナス金利政策を維持する円との金利差は大きく、FX取引において注目されている通貨です。

前述した米ドル(5.25%~5.50%)よりも金利水準が高く、スワップポイントに限定してみるならば、利益を得やすいといえます。

一方で、成長国特有の政情不安・経済不安も抱えています。また取引量が少なく流動性が低いマイナー通貨であるため、少しの不安材料で金利や為替が大きく変わるリスクもあります。

円とメキシコペソの金利差

円とメキシコペソは金利差が大きい通貨ペアですが、実際にどの程度利益が得られるのでしょうか。

スワップポイントは証券会社ごとに設定が異なるため、楽天証券のケースで紹介します。

【メキシコペソで受け取れるスワップ】

  • 1日あたり・・・30円
  • 半年・・・5,400円
  • 1年間・・・10,950円
  • 2年間・・・21,900円

上記は、10万ペソあたりのスワップポイントです。10ペソの場合に必要な最低必要証拠金は約19,400円とされています。

※便宜上「半年180日」とした。また「1年間365日」「2年年間730日」で計算
※2020年8月14日時点の為替レート、レバレッジ25倍で計算。スワップは2020年7月の平均実績
参考:楽天証券

4.メキシコペソスワップポイントのリスク

メキシコペソの金利水準であれば、スワップポイントをうまく得られるかもしれません。

しかし金利水準が高いことに安心するのは危険です。また金利水準に関わらず、FX取引特有のリスクがあります。

メキシコペソのリスク

マイナー通貨であるメキシコペソですが、市場の流動性が低下する時期(週初・週末、年末年始、クリスマス休暇時期など)は特にスプレッドの幅が大きくなりがちです。

スプレッドとは取引手数料のようなもので、実質的な取引コストです。

仮にスワップポイントで利益が出たので決算したいと考えても、スプレッドが大きいと利益を圧迫してしまうかもしれません。

金利変動リスク

スワップポイントがどの程度得られるかは各通貨の金利差次第です。

今は金利高く(低く)とも、今後どうなるかはわかりません。

継続的な収入としてあてにするのはリスクが大きいといえます。

為替変動リスク

FXには為替差損のリスクがあります。

為替が大きく変動すると、コツコツ貯めたスワップポイントの利益が相殺されてしまうかもしれません。

すべての投資にいえることですが、現時点で利益が上がっていても、利益確定前にその利益がマイナスに転じる可能性があります。

ロスカットのリスク

FXにおけるロスカットとは証拠金維持率が一定の割合を下回った際に、保有しているポジションを強制決済される仕組みです。

一時的に為替が下がった(上がった)といったときに、自身の意思とは関係なしに決済が行われることで、損失が出る恐れがあります。

「一旦下がって上がる」場合にも、ロスカット(強制決済)されてしまえばその後の上げ相場に参加することはできません。

しかし、ロスカットがなされないと、損失が預けた保証金(証拠金)を上回り、追加で資金を払わなければいけなくなるかもしれません。

そのような、損失拡大を未然に防ぐ効果があります。

特にスワップポイントで利益を上げるなら、中長期運用が基本となるのでロスカットは避けなければなりません。

証拠金に余裕が生じるよう、レバレッジを高く設定しすぎないことが重要ですが、あまりに低いと利益が出にくく為替変動によって利益が相殺されてしまう可能性があります。

複数のリスクを把握したうえで、バランスよい取引を行っていくことが求められます。材料や金利水準に合わせてFXの取引状況を調整することも重要です。

メキシコペソはスワップポイントが貯まりやすいがリスクも大きい

FXのなかで、スワップ取引という手法にはレートに一喜一憂しなくてよく、コツコツ貯めていけるメリットがあります。特にメキシコペソは、金利水準が高いことから注目を集めています。

しかしFXである以上証拠金によるロスカットの影響を受けますし、金利変動・為替変動のリスクもあります。

安全な投資手法ではないので、リスクを考慮したうえで取引を行っていきましょう。

「仕組みはわかったけれども、理解できたか不安」という方は、まずはデモ取引から行うことをおすすめします。

FXやスワップポイントの仕組みを理解することは、そのままリスクに備えることにつながります。

FXにチャレンジする際は、知識によってリスクコントロール力を高めていきましょう。

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この記事を書いた人

お金に関する基本的な知識から貯金のコツ、資産形成まで幅広く伝えるメディア「@nextマガジン」の運営を行っています。ここにくれば、お金の悩みが解決できる「お金の広辞苑」を目指して日々記事を公開中です。本当にタメになる情報だけを厳選してお届けします。

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