FXで利益が出たら確定申告が必要!FPが申告の方法と注意点をわかりやすく解説

最終更新日:2026年3月11日
FX(外国為替証拠金取引)で利益が出たら、「自分は確定申告が必要なのか」「いくらくらい税金を見込めばいいのか」が気になりますよね。
会社で年末調整は受けているけれど、確定申告はやったことがない。
そんな方にとって、税金の話はどうしても身構えてしまうものです。
ただ、FXの申告はポイントを押さえれば、初心者の方でも整理しやすい分野です。
むしろ、損失が出た年こそ申告したほうが得になるケースもあります。
あとおこの記事では、個人が国内の登録金融商品取引業者または登録金融機関の口座で行うFXを主な前提に、会社員・公務員、年金受給者、損失が出た人、それぞれの「申告が必要かどうか」と「実際の進め方」を、できるだけわかりやすくまとめました。
先に結論|FXで確定申告が必要か、まずここだけ確認
- 会社員・公務員で、給与を1か所から受けていて、その給与の全部が源泉徴収の対象で、給与収入が2,000万円以下なら、FXなど給与以外の所得が20万円を超えると原則として確定申告が必要です。
- 年金受給者は、国内において公的年金等の支払を受けていて、公的年金等の収入が400万円以下、その公的年金等の全部が源泉徴収の対象で、公的年金等以外の所得が20万円以下なら、原則として所得税の確定申告は不要です。
- FXの損失があるだけでは、それ自体を理由に所得税の確定申告義務が生じるわけではありません。ただし、損益通算や3年の繰越控除を使いたいなら申告したほうが有利です。
- 20万円以下でも安心とは限りません。所得税の確定申告が不要でも、個人住民税の申告が必要になる場合があります。
ここでいう20万円は「収入」ではなく「所得」です。FXなら、一般には決済で確定した損益やスワップ損益から必要経費を差し引いた金額で見ます。
迷ったら、「20万円を超えたか」だけでなく、自分が会社員なのか、年金受給者なのか、個人事業主なのかまで含めて判断するのがコツです。


本記事は、個人が国内の登録金融商品取引業者または登録金融機関の口座で行うFXの一般的な確定申告を前提にした解説です。国内の店頭FXと取引所FXは、いずれも「先物取引に係る雑所得等」として説明しています。本記事の前提に当てはまらない取引では、課税区分や申告方法が異なる場合があります。実際の適用は、取引内容、他の所得、各種控除、住民税の取り扱いなどで変わります。最終判断は、最新の国税庁・お住まいの自治体の案内を確認し、必要に応じて税理士へご相談ください。
まず確認|FXで確定申告が必要な人・不要な人

まず、FXで確定申告が必要な人・不要な人の条件を整理しましょう。
あとおご自身が当てはまるかどうかを、ここでチェックしてみてください。
会社員・公務員は「20万円ルール」が目安
会社員や公務員で、給与を1か所から受けていて、その給与の全部が源泉徴収の対象になっている場合は、FXを含む給与以外の所得の合計が20万円を超えると、原則として確定申告が必要です。
反対に、FXを含む給与以外の所得が20万円以下なら、所得税の確定申告が不要になるケースがあります。
医療費控除や寄附金控除などを使って還付申告をする場合は、20万円以下の所得も含めて申告書に入れる必要があります。
「20万円以下だから、申告書には書かなくていい」とは考えないほうが安全です。

また、次に該当する人も、単純に「20万円以下だから大丈夫」と言い切れません。
- 給与収入が2,000万円を超える人
- 給与を2か所以上から受けている人
- 年末調整を受けていない人
- 個人事業主・フリーランスの人
- 同族会社の役員などで別の所得がある人
あとお自分が20万円ルールの対象なのか、先に確認しておくと安心です。
年金受給者は「400万円以下かつ20万円以下」が目安

国内において公的年金等の支払を受けている人は、
- 公的年金等の収入が400万円以下
- その公的年金等の全部が源泉徴収の対象
- 公的年金等以外の所得が20万円以下
を満たす場合、原則として所得税の確定申告は不要です。
ただし、一定の外国年金など、同じように扱えないケースもあります。
年金の種類や受給状況によって取り扱いが変わることがあるため、迷う場合は国税庁の案内を確認しておきましょう。
あとおまた、医療費控除などで還付を受けたいときは、確定申告をしたほうが得になることがあります。
(個人住民税の申告が必要になる場合もあります。)

20万円以下でも、個人住民税の申告が必要な場合がある
ここは見落としやすいポイントですが、所得税の確定申告が不要でも、個人住民税の申告は必要になる場合があります。
たとえば、年末調整済みの会社員で、FXを含む給与以外の所得が20万円以下のため所得税の確定申告が不要となる場合でも、自治体では別に個人住民税申告を求める案内になっていることがあります。
逆に、所得税の確定申告をしていれば、通常は個人住民税申告を別で出す必要はありません。
あとおただし、必要書類や期限、扱いの細部は自治体ごとに案内があるため、お住まいの市区町村のページも確認しておくと安心です。

扶養に入っている人は「58万円基準」の思い込みに注意
注意
ここでいう「扶養」は、主に税法上の扶養や配偶者控除等の話です。
社会保険上の扶養は別基準なので、同じ感覚で判断しないようにしてください。
親や配偶者の扶養に入っている人は、FXの利益が出ると扶養判定に影響することがあります。
特に注意したいのは、令和7年分以後、税法上の扶養親族や同一生計配偶者の所得要件が58万円以下に見直されていることです。給与収入だけなら123万円以下がひとつの目安になります。

以前よく見かけた「48万円までなら大丈夫」という説明は、そのままでは使いにくくなっています。
なお、配偶者については、合計所得金額が58万円を超えても133万円以下なら、配偶者特別控除の対象になる場合があります。
あとお扶養の判定は、FXだけでなく給与なども含めた合計所得で見ます。
扶養内で動いているつもりの人ほど、年末前に一度確認しておくのがおすすめです。
FXの所得はどう計算する?
FXの利益は、一般的に次の考え方で計算します。
国内FXの税率は、所得税、復興特別所得税、住民税をあわせて実質20.315%です。
為替差損益は「決済して確定した損益」で考えるのが基本
為替差損益とは、ポジションを決済したときに確定した利益や損失のことです。
まだ決済していない含み益・含み損は、一般にはその年の申告額には入れません。
あとお初心者の方は細かく自分で集計するより、FX会社が出す年間損益報告書や年間取引報告書の数字を基準にするのがいちばん確実です。
スワップポイントも、報告書の金額で確認するのが安全
スワップポイントもFXの損益に含まれます。
ただ、業者ごとに表示の仕方や見え方が少し違うことがあります。
そのため、ここでも自分の感覚ではなく、年間損益報告書や年間取引報告書の金額で確認するのが安心です。
必要経費は「直接関係があり、説明できるか」で考える
FXでは、取引のために実際にかかった費用を必要経費として差し引ける可能性があります。
- 取引手数料
- FX専用の有料ツールやソフトの利用料
- FXに直接必要で、利用目的や金額を説明できる範囲の投資顧問料や有料情報サービスの利用料
- 通信費やパソコン代のうち、FX利用分として合理的に区分できる部分
一方で、書籍代、セミナー代、通信費、パソコン代などは、FXとの関連性や按分の根拠を示せる範囲に限って慎重に判断したほうが安全です。
あとおプライベート兼用の支出を丸ごと経費にするのは危険ですし、あとで説明できないと否認されやすくなります。
領収書、利用明細、メモは残しておき、迷うものは、申告前に税理士や税務署へ確認しておくのが無難です。
ざっくり税額を知りたい人向けの目安
課税対象のFX利益が50万円なら、税額の目安は約10万1,575円、FX利益が100万円なら約20万3,150円がひとつの目安になります。
この税額は、20.315%を単純に掛けた概算で、必要経費、損益通算、繰越控除、各種控除や税額控除の有無で実際の納付額は変わります。
利益が出たら、先に税金分を別口座へ移しておくと、あとで慌てにくくなります。
FXで損失が出ても、確定申告したほうがよい理由
FXは、利益が出た年だけが大事なのではありません。
損失が出た年も、確定申告しておく価値があります。
同じ「先物取引に係る雑所得等」と損益通算できる
FXで出た損失は、同じ「先物取引に係る雑所得等」に区分される所得と損益通算できます。
たとえば、日経225先物などで利益が出ていて、FXで損失が出ているなら、その年の税負担を軽くできる可能性があります。
あとお一方で、給与所得や事業所得、一般的な株式の譲渡益とは、そのまま通算できません。
ここは誤解しやすい点なので覚えておきましょう。
損失は翌年以後3年間、繰り越せる
その年に使い切れなかったFXの損失は、一定の要件を満たせば翌年以後3年間の繰越控除ができます。
たとえば今年20万円の損失が出て、翌年に30万円の利益が出たなら、翌年の課税対象を10万円まで圧縮できるイメージです。
ただし、ここで大切なのは損失が出た年に確定申告しておくことと、その後も連続して申告書を出すことです。
繰越控除を使う年は、「先物取引に係る雑所得等の金額の計算明細書」や、必要に応じて申告書付表(先物取引に係る繰越損失用)も確認しておくとスムーズです。
あとお1年抜けると使えなくなることがあるので注意してください。
FXの確定申告のやり方|必要書類・入力の流れ
続いて、FXの確定申告のやり方について紹介します。
令和7年分の申告期限は2026年3月16日(月)
2025年1月1日から2025年12月31日までの所得を申告する令和7年分の確定申告は、2026年2月16日(月)から2026年3月16日(月)までです。
還付申告は、原則として2026年1月1日から5年間提出でき、還付申告なら確定申告期間前でも提出できます。
あとお期限を過ぎると、無申告加算税や延滞税の話が出てきます。
後回しにするほど負担が増えやすいので、早めに準備を始めましょう。
先にそろえておきたい書類
- マイナンバーカード、または番号確認書類と本人確認書類
- 給与所得の源泉徴収票や公的年金等の源泉徴収票
- FX会社の年間損益報告書、年間取引報告書など
- 経費の領収書、利用明細、請求書
- 損失を繰り越す人は、前年分の申告書控えや付表
細かい帳票名は業者によって少し違います。
大事なのは、取引内容、収入金額、必要経費がわかる資料をそろえることです。
あとおなお、給与所得の源泉徴収票や公的年金等の源泉徴収票は、いまは申告書提出時の添付が原則不要です。
ただし、入力確認用として手元には用意しておきましょう。
国税庁の「確定申告書等作成コーナー」を使うのがいちばんラク

いまは、国税庁の「確定申告書等作成コーナー」を使うのがいちばん手堅いです。
画面に沿って入力すれば税額が自動計算され、必要な明細書や付表も作成しやすくなっています。
画面名は年によって少し変わることがありますが、流れは次のように覚えておくと迷いにくいです。
- 給与や年金など、先に基本の所得を入力する
- 分離課税の所得の中から「先物取引に係る雑所得等」を選ぶ
- FX会社の報告書を見ながら、収入金額や必要経費を入力する
- 損失の繰越がある人は、前年分の申告書控えや付表を見ながら入力する
- 控除を入力し、最終的な税額を確認する
- e-Taxで送信するか、印刷して提出する
あとおFXの申告では、「先物取引に係る雑所得等の金額の計算明細書」が関係書類になります。
損失の繰越控除を使う場合は、申告書付表(先物取引に係る繰越損失用)も確認しておくとスムーズです。
会社に知られたくない人が確認したい住民税の扱い
確定申告書等作成コーナーでは、所得の内容によって、「住民税等に関する事項」や「住民税の徴収方法の選択」が表示されることがあります。
給与・公的年金等に係る所得のみの人は、原則としてこの選択項目は表示されません。
ここで「自分で納付」を選べる場合はありますが、これで必ず勤務先へ伝わらないとまでは言えません。
最終的な取り扱いは自治体の運用も関わるからです。
あとお「会社に知られない方法」と断定して考えるより、少なくとも選べる場合があること、表示条件や住民税の通知の見え方は人によって違うことを理解しておくほうが安全です。
提出方法と納付方法
申告書の提出は、主にe-Tax、郵送、税務署へ持参の3つです。
納付は、振替納税、e-Taxを使ったダイレクト納付、インターネットバンキング等による電子納税、クレジットカード納付、スマホアプリ納付など、現金以外の方法も選べます。
最近は自宅から済ませやすいキャッシュレス納付がかなり便利です。
申告漏れのペナルティ|放置しないほうがいい理由
もし、確定申告が必要なのにしなかった場合は、以下のようにさらなる負担となり得ます。
期限後になるほど負担が重くなりやすい
期限を過ぎてから申告すると、無申告加算税がかかることがあります。
令和5年分以降のルールでは、税務署からの調査の事前通知前に自主的に期限後申告した場合は原則5%です。
これが事前通知後になると、50万円まで10%、50万円超300万円まで15%、300万円超25%が目安になります。
さらに、調査を受けた後に期限後申告をした場合や決定を受けた場合は、50万円まで15%、50万円超300万円まで20%、300万円超30%へと重くなります。
あとお過去の無申告加算税歴などがあると、さらに加重される場合もあります。
大事なのは、気づいた時点で先延ばしにしないことで、早く動くほど負担を抑えやすくなります。
延滞税もかかる
申告や納付が遅れると、税金本体だけでなく延滞税もかかります。
2026年中の割合は、納期限の翌日から2か月までは年2.8%、2か月を過ぎると年9.1%です。
割合は年ごとに変わるため、期限後申告のときは最新値を確認してください。
FXの確定申告で失敗しやすい注意点
利益が出たら、税金分を先に分けておく
FXは、利益が出た直後に資金を使ってしまいやすいのが落とし穴です。
でも税金は、翌年の申告時期にしっかりやってきます。
あとお再投資で証拠金を増やしていても、税額は消えてくれません。
利益が出たら、ざっくり2割強を別で確保しておくくらいの感覚がちょうどいいです。
経費は「取れそうだから入れる」ではなく「説明できるか」で考える
パソコン代、通信費、書籍代などは、FXと関係があれば経費になり得ます。
ただ、本当にFXに必要だったのか、どのくらいFXに使ったのかを説明できない支出まで広げると危険です。
あとお特に兼用費は按分の根拠を残しておきましょう。
損失の繰越を使いたいなら、翌年以後も申告を続ける
損失の繰越控除は、損失が出た年に1回出せば終わりではありません。
その後も連続して確定申告をしていくことが前提です。
あとお「今年は利益が出ていないからいいや」と1年飛ばすと、せっかくの損失が使えなくなることがあります。
【Q&A】FX確定申告の疑問に答える
そして、ここまでの内容やその他をまとめて、Q&A形式にしました。
最後に|FXの利益は、早めに確認して正しく申告しよう

FXで利益が出たら、まず確認したいのは「自分は申告が必要か」です。
会社員なら20万円ルール、年金受給者なら400万円・20万円ルールが目安になりますが、個人住民税や扶養判定まで含めると、思っているより見落としやすいポイントがあります。
そして、損失が出た年も無駄ではなく、損益通算や3年の繰越控除を使うなら、そこが次につながる年になります。
あとおまずはFX会社の年間損益報告書を開いて、今年の利益と損失、経費になりそうな支出を確認してみてください。
そこまでできれば、確定申告はぐっと進めやすくなります。


本コンテンツは一般的な情報提供であり、特定の金融商品の勧誘、投資助言または個別の税務助言を目的とするものではありません。投資判断や申告判断はご自身の責任で行い、最新の国税庁・自治体・取引先金融機関の案内をご確認ください。個別事情がある場合は税理士等の専門家へご相談ください。
参考情報
以下、最終確認日はすべて2026年3月11日です。
- 国税庁「No.1521 外国為替証拠金取引(FX)の課税関係」
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1521.htm - 国税庁「No.1522 先物取引に係る雑所得等の課税の特例」
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1522.htm - 国税庁「No.1523 先物取引の差金等決済に係る損失の繰越控除」
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1523.htm - 国税庁「No.1900 給与所得者で確定申告が必要な人」
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1900.htm - 国税庁「No.1900 給与所得者で確定申告が必要な人(Q&A)」
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1900_qa.htm - 国税庁「No.2020 確定申告」
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/2020.htm - 国税庁「No.1600 公的年金等の課税関係」
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1600.htm - 国税庁「令和7年度税制改正による所得税の基礎控除の見直し等について」
https://www.nta.go.jp/users/gensen/2025kiso/index.htm - 国税庁「No.1190 配偶者の所得がいくらまでなら配偶者控除が受けられるか」
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1190.htm - 国税庁「No.1195 配偶者特別控除」
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1195.htm - 国税庁「No.2030 還付申告」
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/2030.htm - 国税庁「令和7年分 確定申告特集」
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/shinkoku/tokushu/index.htm - 国税庁「所得税及び復興特別所得税の確定申告の手引き(令和7年分)」
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/shinkoku/tebiki/2025/pdf/001.pdf - 国税庁「No.2024 確定申告を忘れたとき」
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/2024.htm - 国税庁「No.9205 延滞税について」
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/osirase/9205.htm - 国税庁「No.2210 必要経費の知識」
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/2210.htm - 国税庁「投資顧問会社に支払う年会費及び成功報酬」
https://www.nta.go.jp/law/shitsugi/shotoku/04/28.htm - e-Tax「作成コーナーで『住民税等に関する事項』を入力したい」
https://www.e-tax.nta.go.jp/toiawase/faq/nyuryoku/21.htm - 横浜市「令和8年度(令和7年分)個人の市民税・県民税の申告について」
https://www.city.yokohama.lg.jp/sakae/kurashi/koseki_zei_hoken/zeikin/kojin/shishinkoku_07.html