こどもNISA(仮称)が2026年度税制改正で検討中!現時点の制度案と仕組み・条件は?

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2026年度の税制改正に向けて、18歳未満の子どもも利用できる新しい少額投資非課税制度「こどもNISA(仮称)」の創設が政府・与党で検討されています。

2023年末に廃止されたジュニアNISAの後継候補として浮上している制度案で、まだ正式決定には至っていないものの、子育て世帯のあいだで大きな注目を集めています。

※ 本記事は2025年12月時点で報じられている政府・与党案および金融庁などの公表資料をもとにした解説です。こどもNISA(仮称)の正式名称や制度内容・開始時期は、今後の税制改正の議論や法令改正により変更される可能性があります。

まずは3行でわかる「こどもNISA(仮称)」案のポイント

  • 対象は0〜17歳の未成年で、子ども名義のNISA口座で投資できるようにする案です。
  • 非課税で投資できるのは年間おおむね60万円・生涯600万円までとする方向が報じられています。
  • 金融商品を売却して資金を引き出せるのはおおむね12歳以上からとする案で、教育費などにも柔軟に使える仕組みを目指しています。
ねくこ

本記事では、こうした報道ベースの情報をもとに、こどもNISA(仮称)の制度案の仕組みや条件、ジュニアNISAとの違い、そして親の新NISAとの使い分け方について、できるだけわかりやすく解説していきます。

目次

こどもNISA(仮称)とは?創設が検討されている背景と目的

こどもNISA(仮称)とは、未成年者でも少額投資非課税制度(NISA)の「つみたて投資枠」を利用できるようにする新しい制度案です。

金融庁子ども家庭庁と共同で「こども支援の一環としての、つみたて投資枠における対象年齢等の見直し」を税制改正要望に盛り込んでおり、0〜17歳の子どもを対象に、子ども名義のNISA口座で長期の積立投資を行えるようにする構想が示されています。

背景には、旧ジュニアNISAの利用が伸び悩んだ経緯があります。

ジュニアNISAでは原則18歳まで払い出しができず、「いざという時に使えない」という不便さから、口座開設が想定ほど増えませんでした。

また、2024年からスタートした新NISAでは、対象が18歳以上の成人に限定され、未成年は利用できなくなっています。

そこで政府・与党は、若年層の資産形成や金融リテラシー向上を後押しするため、「必要なときにある程度柔軟に使える」子ども向けの非課税投資制度としてこどもNISA(仮称)を検討しています。

ねくこ

少子化対策や資産所得倍増プランの一環としても位置づけられており、「子どもの将来資金づくりを支援しつつ、家庭でお金の話をしやすい環境を整える」ことが大きな目的です。

利用できる年齢と引き出し条件(政府・与党案)

報道されている政府・与党案によると、こどもNISA(仮称)の対象年齢0歳から18歳未満(17歳以下)とされています。

つまり、赤ちゃんのうちから高校生までの未成年が、自分名義のNISA口座を持てるようにするイメージです。

口座名義は子ども本人ですが、実際の運用管理や商品の選択は、これまでのジュニアNISAと同様に親権者などが行う方向とされています。

注目されているのが、資金の引き出し条件です。

現行の報道ベースでは、金融商品を売却して資金を引き出せる年齢をおおむね12歳以上とする案が示されています。

旧ジュニアNISAでは原則18歳になるまで払い出しができず、教育費など急な出費には使いにくい制度でした。

こどもNISA(仮称)では、中学生前後からであれば必要に応じて非課税で売却・払い出しができるようにすることで、塾代や部活動費、留学費用など、子どもの成長に合わせた支出にも柔軟に対応できるようにする狙いがあります。

一方で、12歳未満のあいだは原則として払出し制限が続く方向とされており、子どもの資産を長期運用する仕組みを保ちつつ、一定のタイミングからは使いやすさも両立させる設計が検討されています。

※ここで紹介している年齢条件はあくまで政府・与党案であり、今後の税制改正の議論で変更される可能性があります。

非課税投資枠と年間・累計の投資上限[年60万円・生涯600万円案]

こどもNISA(仮称)で利用できる非課税投資枠(つみたて投資枠)については、年間の投資上限額をおおよそ60万円程度とする案が有力と報じられています。

また、子ども1人あたりの生涯の非課税投資枠を600万円までとする方向も示されています。

たとえば、年60万円ずつ10年間積み立てれば、ちょうど元本600万円に達するイメージです。

金額感としては、幼少期〜高校卒業までのあいだにコツコツ積み立てると、大学進学などに向けたまとまった教育資金を用意しやすい水準といえます。

なお、この上限額は、成人が利用できる現行の新NISA(成年向け)の生涯投資枠1,800万円(うちつみたて投資枠600万円/成長投資枠1,200万円)に比べると約3分の1の規模です。

ねくこ

親の経済力による極端な格差が生じないように配慮しつつ、子ども一人ひとりが一定額まで非課税で投資できるようにする設計と考えられます。

子ども枠は親の新NISA枠とは別枠とされる見通しであり、親が自分名義の新NISAを満額まで使っていても、子ども名義のこどもNISA(仮称)で別途投資できる形が想定されています。

※年間60万円・生涯600万円という金額は政府・与党案に基づくものであり、最終的な法令では変更される可能性があります。

ジュニアNISAとの違い

こどもNISA(仮称)は、単にジュニアNISAを復活させるのではなく、過去の課題を踏まえて利便性を高めた制度案といえます。

主な違いを整理すると、次のとおりです。

対象年齢

ジュニアNISAは当初0〜19歳(のちに0〜17歳)を対象としていましたが、こどもNISA(仮称)では0〜17歳(18歳未満)が対象とされています。

年間投資枠

ジュニアNISAは年間80万円まで投資可能でした。

一方、こどもNISA(仮称)では年間60万円前後の投資枠が提案されています。

累計投資枠

ジュニアNISAの非課税総投資枠は上限400万円(5年×80万円)でした。

こどもNISA(仮称)では生涯で600万円まで非課税投資できる案となっており、長期にわたって積み立てやすくなります。

引き出し制限

ジュニアNISAは原則として18歳になるまで払い出しができず、「使いにくい」という声が多くありました。

一方、こどもNISA(仮称)では12歳ごろから払出し可能に緩和される方向で検討されている点が、大きな改良点です。

制度の期間

ジュニアNISAは時限措置として導入され、2023年末で新規の投資枠は終了しました。

それに対して、こどもNISA(仮称)は新NISAと並ぶ恒久的な枠組みとする案も報じられていますが、2025年12月時点では制度の位置づけも含め検討段階です。

このように、こどもNISA(仮称)はジュニアNISAの「18歳まで引き出せない」という不便さを解消しつつ、より長い期間・多くの金額を非課税で運用できるようにする制度が検討されています。

ねくこ

子育て世帯の実情にあった制度を目指しているといえます。

こどもNISAで期待できる効果と注意点(親の新NISAとの使い分け)

こどもNISA(仮称)で期待できる3つの効果

こどもNISA(仮称)が実現すれば、子どもの頃から長期の資産運用を非課税で行えるため、複利効果による大きな資産形成が期待できます。

仮に、10歳から毎月1万円を積み立てて50年間運用した場合(未定ですが、こどもNISAが18歳になって自然に通常のNISA口座になって運用を続けると仮定する)、元本600万円が年率5%の想定で約2,680万円にまで増えるという試算もあります。

長期間にわたり、運用益に税金がかからないメリットは非常に大きいといえるでしょう。

さらに、子どものうちから投資に触れることで、金融リテラシーが自然と身につくという副次的な効果も期待できます。

「なぜお金が増えたり減ったりするのか」「長く続けることの大切さ」といった感覚を、親子で一緒に学んでいけるのは、こどもNISA(仮称)ならではの利点です。

また、これまで教育資金の準備といえば貯金や学資保険が中心でしたが、そこに「投資で増やす」という選択肢が加わることで、親世代・祖父母世代から子や孫への資産承継ニーズにも応えやすくなります。

こどもNISA(仮称)の注意点・リスク

一方で、こどもNISA(仮称)はあくまで「投資」である以上、元本割れのリスクを伴います。

非課税だからといって安全が保証されるわけではなく、選ぶ商品や運用期間によっては、受け取る金額が元本を下回る可能性もある点には注意が必要です。

また、制度開始当初は12歳までは基本的に払い出しが制限される方向とされており、短期で使う予定の資金は入れないことが重要です。

あくまで「中長期で使う予定の教育費や独立資金」を対象にするのがよいでしょう。

さらに、子ども名義で投資する場合、親や祖父母が拠出したお金は一般的に贈与として扱われます。

日本の贈与税では、1年間(1月1日〜12月31日)に贈与を受けた財産の合計額が110万円を超える部分に対して贈与税がかかる仕組みになっています。

こどもNISA(仮称)に60万円を拠出し、さらにお年玉や現金贈与などをまとめて子どもに渡している場合、年間の合計額によっては贈与税の対象となる可能性があります。

ねくこ

教育資金の一括贈与の特例などを使うケースも含め、税制の取り扱いはご家庭の状況により異なりますので、必要に応じて税務署や税理士などの専門家に相談することをおすすめします。

※上記の試算や税務に関する説明は、2025年12月時点の制度・税制を前提とした一般的な内容です。将来の運用成果や税負担を保証するものではありません。

親の新NISAとどう使い分ける?

こどもNISA(仮称)を検討する際に、多くのご家庭が悩むのが「親の新NISAとどちらを優先すべきか」という点です。

現時点では、次のような考え方が一つの目安になります。

STEP

まずは親の新NISAで土台づくり

家計の中心である親名義の新NISAは、生涯1,800万円まで非課税で投資でき、老後資金・教育資金・住宅資金など幅広い目的に活用できます。

まずは無理のない範囲で新NISAのつみたて投資枠を活用し、家計全体の将来資金の土台をつくることが優先度は高いと言えるでしょう。

STEP

余力があればこどもNISA(仮称)で上乗せ

家計の余裕や運用経験がある程度整ってきたら、こどもNISA(仮称)を使って「子ども名義の資産」を積み立てていくイメージです。

子どもが自分の資産として認識しやすく、将来の留学や独立資金などのモチベーションにもつながります。

STEP

親子で一緒に“見える化”

こどもNISA(仮称)で積み立てる場合は、「毎月いくら積み立てているのか」「今いくらになっているのか」を子どもと一緒に確認する習慣をつけると、金融リテラシーの向上にもつながります。

ねくこ

こどもNISA(仮称)の制度開始は2026年以降になる見通しですので、それまでの間は親名義の新NISA枠で教育資金の運用を始めておくのも有効な選択肢です。

制度が正式に決まった段階で、改めて「どのくらい子ども名義に回すか」を検討するとよいでしょう。

※本記事は特定の商品や投資行動を推奨するものではありません。具体的な投資判断は、ご家庭の収支・資産状況やリスク許容度に応じてご自身で行ってください。

【Q&A】こどもNISA(仮称)の制度案と使い方の疑問に答える

そして、ここまでの内容をQ&A形式にまとめました。

こどもNISA(仮称)の現時点の制度案と仕組み・条件は?

0〜17歳の子ども名義で、新NISAのつみたて投資枠を使えるようにする案です。

年間約60万円・生涯600万円まで非課税で投資でき、12歳前後からは教育費などに払い出し可能とする方向が報じられています。

ただし、いずれも政府・与党案であり、2026年度税制改正や法令改正の過程で内容や開始時期が変わる可能性があります。

こどもNISA(仮称)とは?創設が検討されている背景と目的は?

未成年にもつみたて投資枠を開放し、子どもの将来資金づくりと金融教育を後押しするための新制度案です。

旧ジュニアNISAは18歳まで原則払出し不可で使いづらく、利用が伸び悩みました。

新NISAでは18歳以上しか利用できないため、政府・与党は少子化対策と「貯蓄から投資へ」を進める観点から、子どもでも柔軟に使える非課税投資枠としてこどもNISA(仮称)を検討しています。

こどもNISAは何歳から何歳まで利用でき、いつから引き出せる?

利用対象は0〜17歳、払い出しはおおむね12歳以上から可能とする案が示されています。

口座名義は子ども本人ですが、商品の選択や運用管理は親権者が行う想定です。12歳までは原則として払出し制限を残し、長期運用を確保しつつ、中学生以降は塾代・部活動費・留学費用などに柔軟に使えるようにする設計が検討されています。

年齢条件は今後の議論で変更される可能性があります。

非課税投資枠の年間上限・生涯上限はいくらの案?

年間約60万円・生涯600万円まで非課税で投資できる案が有力と報じられています。

年60万円を10年間積み立てると元本600万円に達し、幼少期〜高校卒業までコツコツ積み立てれば大学進学などの教育資金を準備しやすい水準です。

成人向け新NISAの生涯投資枠1,800万円より小さく抑えつつ、親の新NISAとは完全な別枠として、子ども一人ひとりに一定の投資余地を与えるイメージです。

こどもNISA(仮称)はジュニアNISAと何が違う?

最大の違いは「18歳まで引き出せない」という不便さを緩和し、12歳ごろから払い出しを認める方向が検討されている点です。

ジュニアNISAは年80万円・総額400万円、払出しは原則18歳以降、かつ時限措置でした。一方、こどもNISA(仮称)は年60万円程度・生涯600万円の枠で、より長期に積み立てやすく、中学生以降は教育費等に使いやすい制度を目指しています。

新NISAと並ぶ恒久制度とする案も出ていますが、現時点では検討段階です。

こどもNISA(仮称)で期待できる効果は?

長期の非課税運用で複利効果を最大限活かしつつ、子どもの金融リテラシー向上にもつなげられる点が大きなメリットです。

例えば、10歳から毎月1万円を50年間・年率5%で運用できたと仮定すると、元本600万円が約2,680万円まで増える試算もあります(あくまで一例で将来成果は保証されません)。

また、「貯金だけでなく投資でも備える」経験を親子で共有することで、お金の増減や長期運用の大切さを自然に学べる効果も期待されます。

こどもNISA(仮称)の注意点・リスクは何?

非課税でも元本は保証されず、相場次第では受取額が元本を下回るリスクがあります。

また、制度上12歳までは原則払出し制限が想定されるため、数年以内に必ず使う資金は入れないことが重要です。

さらに、親や祖父母が拠出したお金は贈与とみなされ、年間110万円を超える贈与には贈与税がかかる場合があります。

親の新NISAとこどもNISA、どちらを優先しどう使い分ける?

まずは親の新NISAで家計全体の将来資金の土台を作り、余力があればこどもNISAで子ども名義の資産を上乗せする考え方が目安になります。

新NISAは生涯1,800万円まで非課税で、老後・教育・住宅など幅広い目的に使えるため優先度は高めです。

そのうえで家計に余裕が出てきたら、こどもNISA(仮称)で留学や独立資金など「子ども自身の目標資金」を積み立てるイメージです。

こどもNISA(仮称)はいつから始まり、今後内容が変わる可能性は?

制度開始は2026年度以降の見通しですが、具体的な開始時期や詳細はまだ確定していません。

現在示されているのは政府・与党や金融庁の要望・報道ベースの案であり、2026年度税制改正の議論や国会審議の中で、対象年齢・上限額・払出し条件などが変更される可能性があります。

そのため、現時点ではあくまで「候補となる制度案」として情報収集を進めつつ、最新の公表資料や法令の内容を随時確認することが重要です。

終わりに|こどもNISA(仮称)がもたらす未来

子どもたちが小さいうちから投資による資産形成を体験できるこどもNISA(仮称)は、日本の将来世代にとって大きな追い風となる可能性を秘めています。

若いうちから投資を始めることで、将来の教育費や独立資金を効率よく準備できるだけでなく、金融リテラシーの向上にもつながるでしょう。

一方で、こどもNISA(仮称)はまだ検討段階の制度案にすぎません。

実際にどのような形で導入されるかは、2026年度税制改正の議論や国会審議の結果によって変わる可能性があります。

制度のメリットだけでなく、リスクや税制上の注意点も冷静に踏まえながら、ご家庭にとって無理のない活用方法を考えていくことが大切です。

今後、こどもNISA(仮称)の詳細が正式に決まっていけば、子育て世帯にとっては「貯金から投資へ」の流れがさらに加速し、子どもの未来に向けた心強い選択肢が増えることが期待されます。

日本全体としても「貯蓄から投資へ」の潮流を一段と推し進める転換点となり得るでしょう。

ねくこ

まずは現行の新NISA制度をしっかり理解し、ご家庭のライフプランと照らし合わせながら、「こどもNISA(仮称)」をどう活用していくかのイメージづくりを進めてみてください。

重要なご注意

本記事は2025年12月時点の情報に基づいて執筆しています。こどもNISA(仮称)の制度内容・開始時期・税制の取り扱いは、今後の法令改正等により変更される可能性があります。本記事は特定の金融商品・投資行動を勧誘・推奨するものではなく、投資判断は必ずご自身の責任で行ってください。税務に関する最終的な判断は、国税庁の最新情報や税理士等の専門家にご確認ください。

参考・出典

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この記事を書いた人

編集部の資産形成担当。
20代後半ながら金融に関する相談実績多数で、投資信託から株式まで幅広い知識を持ち、今のあなたに必要なことを洗い出し、寄り添った提案を心掛けています。
たけのこ派&猫派です!

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