【2025年6月10日】の経済・時事ニュースまとめ

2025年6月10日、国内外で注目すべき経済・社会ニュースが複数報じられました。
本日は、米関税影響調査、財務省の債務管理対応、書店活性化施策など、幅広いテーマを解説します。
主要株価指数・為替レート(6月10日 午前10時時点)
指標名 | 値 | 前日比 |
---|---|---|
日経平均株価 | 38,283.98円 | +195.41 (0.51%)円 |
NYダウ平均 | 42,761.76ドル | −1.11 (0.0026%)ドル |
S&P500 | 6,005.88ポイント | +5.52 (0.092%)ポイント |
ドル/円為替 | 144.57 円 | +0.03円 |
日経平均株価・米国株の値動きと背景
6月10日午前、日経平均株価は昨日に続き続伸。195.41円高の38,283.98円で推移しています。
これは前週からの米国株の底堅さや、米中協議に対する期待感などが支えとなっています。
一方、NYダウやS&P500は、米インフレ指標や政策金利動向を控えて様子見ムードとなっています。

米国株が安定している理由には、半導体やAI関連の企業が引き続き成長期待を集めていることが挙げられます。
ただし、トランプ前大統領の関税政策や世界的な景気減速への警戒感から、「どこかで一度大きく揺れる可能性もある」と警戒する声も根強い状況です。

ポイント
「日経平均株価」や「NYダウ」「S&P500」は、たくさんの企業の株の値段をまとめて数値化したもので、これが上がっていると、みんな「世の中の会社が元気そう」と感じやすいです。
連日ニュースで「上がった」「下がった」と伝えられますが、毎日ちょっとずつ変動するのが普通です。
ドル/円為替と国際イベント
6月10日午前のドル/円為替は144円前半で推移し、やや円安傾向でした。
この動きの背景には、今週発表予定の米消費者物価指数(CPI)や、米FRBの金融政策に関する発表を市場が慎重に見ていることが挙げられます。
さらに、米中貿易協議の進展次第で、為替が急に動くこともあるため投資家は警戒を強めています。
ポイント
「為替(かわせ)」は、円とドルなど外国のお金を交換するときの比率です。
円安になると海外旅行や輸入品が高くなりやすく、円高になると海外の物が安く買えるイメージです。
資産運用者はこの局面、どのようなスタンスでいるべきか?
※以下のアドバイスは、特定の銘柄や投資商品の売買を勧めるものではありません。投資判断は必ず自己責任でお願いします。
NISAやiDeCoを運用している人はどうすべき?
NISAやiDeCoを運用している方は、この局面に対して一般的にどのようなスタンスが望ましいでしょうか。
制度としては銘柄の切り替えは自由度が高いものの、時間が限られる中で、日ごとの株価指数や為替レートを見て NISA/iDeCo 内で“ぐるぐる銘柄を入れ替える”人はごく少数です。

基本的には長期・分散投資を徹底して、静観していくことが重要です。
新NISAの銘柄変更について
まだ買っていない “これからの買付” を切り替えるだけなら、年内に何度でも自由に変更可。
既に買った分を売って別銘柄に充て直すのは、その年中は不可。
iDeCoの銘柄変更について
iDeCoも同様に、毎月設定した掛金で買う商品の配分変更は自由(主要なネット証券の場合)。
すでに保有している資産のスイッチング(入替)も毎日可能(松井・SBI・楽天など)。ただし、毎月の掛け金そのものは年1回しか変更できない。



短期の市場変動で慌てず「積立・分散」を継続
- 米中協議や関税リスクが高まると、世界的に株式市場が揺れやすくなります。
- しかし、NISAやiDeCoは長期の資産形成が目的です。
- 今回のような「株価が横ばい」「材料待ち」のタイミングでも、コツコツ積立と分散投資を続けることが大事です。
- もし株式の比率が高くなりすぎていれば、債券や現金とのリバランスも検討しましょう。
為替の動きは外貨資産の積立好機に
- 為替は小幅な円安(144円台前半)で安定しています。
- 円安時に外貨建て資産(米国株や海外ETFなど)を少しずつ買い増すと、長期的には「安く買う・高く売る」のメリットが生かしやすくなります。
テーマ投資・個別銘柄への偏りに注意
- AI関連、半導体、インバウンドなど「テーマ株」への集中投資はリスクも高まるため、幅広い分散を意識しましょう。
FXをやっている人は、この局面はどうする?
FXの場合は長期投資と異なり、短期的な為替の変動が利益や損失に直接影響します。
ただし、以下のポイントを抑えることでリスク管理を図ることが望ましいです。


イベント前後のリスク管理徹底
- 米中貿易協議や米CPI(消費者物価指数)など「材料待ち」の時期は、大きな値動きに注意が必要です。
- 取引量を減らし、損切りライン(ストップロス)やポジション管理を徹底してください。
方向感のない相場は「待つ」戦略も有効
- 為替が狭いレンジで動いている場合、無理にエントリーせず流れを見極めることが大切です。
- トレンドが出たら乗る、材料が揃うまで静観、という柔軟な姿勢が生き残りやすいです。
ニュースの「背景」を意識する
- 米国の関税や金融政策、日本の財政運営改善など、大きな流れを日々の取引にも意識してください。
- 一時的な値動きより「なぜ動いているのか」に注目することで、投資の納得感や学びも増えます。
国際ニュースと今後の展望
米中貿易協議と関税リスク
ロンドンで再開された米中協議では、クリティカルミネラル(レアメタル)やサプライチェーン(部品や材料の流れ)の安定確保が議題となっています。
もし合意できなければ、米国は8月にも追加関税を発動する可能性があり、これは世界中の物価や企業業績に大きく影響します。
米シカゴ連銀総裁、農家で関税影響検証へ
農家視察で関税の実際的な影響を確認

シカゴ連銀のグールズビー総裁が、ミシシッピ川中流域の農家を訪れ、トランプ関税が農村所得や物価にどう影響しているかを現地で調査しました。
これにより、関税政策が暮らしや食料コストにどのように響いているかを政策判断に反映させる意図がうかがえます。
ポイント
「関税」は国が海外の物に課す税金です。
例えば、トウモロコシを輸入する際に高い関税がかかると、コストが高くなり、お菓子や牛丼といった身近な食料の価格にも影響することがあります。
日本の財政健全化へ具体策発表
債務管理の強化と多様な投資家層の育成
加藤財務大臣は、長期金利の高騰を抑えるために、超長期国債の買い戻しや、個人・未上場企業向けの変動利付ノートを導入すると発表しました。
対象は個人投資家や中堅企業であり、債券をより広く分散所有してもらうことを狙いとしています。
ポイント
個人や企業は、国債を買うことで国にお金を貸す“投資家”の立場になります。
新しい商品(変動利付ノートなど)の導入により、より多くの人が少額からでも国債に参加できる仕組みを整えています。
国債を買う人(個人や企業)のメリットとは?
- 安全性が高い
国債は国が元本と利息の支払いを約束しているため、企業の株や社債よりも倒産リスクが極めて低く、「とても安全な資産」として人気があります。 - お金を増やせる(利息がもらえる)
銀行に預けるより高い金利が設定されていることもあり、一定期間ごとに利息がもらえるので、お金を預けるだけより増やしやすいです。 - 金利が上がると利息も増える(変動利付なら)
「変動利付国債」を買えば、世の中の金利が上がったときに利息も自動で上がるので、インフレや金利上昇に強い資産になります。 - 少額から投資できる(新制度の場合)
新しく導入される仕組みにより、少ない金額からでも国債を買えるため、資産が多くなくても始めやすいです。 - 分散投資の一部に使える
株や投資信託と比べてリスクが低いので、「守りの資産」としてポートフォリオに加えることで、全体のリスクを抑えることができます。
書店活性化プランを経産省が公表
文化・地域の担い手として書店を支援
経済産業省は10日、「書店活性化プラン」を公表し、2024年3月に始まった書店振興プロジェクトの最新施策として、書店主向けの支援策を整理したガイドを更新しました。
これは、地域の文化拠点としての書店を守るための取り組みです。