【2025年6月17日】の経済・時事ニュースまとめ

6月17日、東京市場は原油高と日銀会合への警戒感が交錯し、寄り付きから方向感に欠ける展開となりました。
一方、為替は安全資産買いで円が買われつつも、ドルも中東リスクで買われるためドル/円は小幅な動きにとどまっています。

国内では三菱商事が米シェール企業買収交渉に入ったと報じられ、資源安定確保の動きが注目されました。
海外では米FOMCと日銀決定を前にした持ち高調整が進むなか、中国の消費指標が上振れしたことがアジア株を下支えしています。
主要株価指数・為替レート(6月17日 午前11時時点)
指標名 | 値 | 前日比 |
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日経平均株価 | 38,501.08円 | +189.75 (0.50%)円 |
NYダウ | 42,515.09ドル | +317.30 (0.75%)ドル |
S&P500 | 6,033.11ポイント | +56.14 (0.94%)ポイント |
ドル/円 | 144.86円 | +0.13円 |
株価・為替の動きと背景
日経平均は前場でプラス圏を維持しています。
中国の小売売上高が前年比+6.4%と市場予想を上回り、アジア景気への楽観が買い戻しを誘いました。
ドル/円は144円台後半で膠着しています。市場は日銀会合で「利上げ据え置き」の公算が大きいものの、国債買い入れペースをどう示すかに注目しており、材料待ちの動きです。

資産運用者はこの局面、どのようなスタンスでいるべきか?
※以下のアドバイスは、特定の銘柄や投資商品の売買を勧めるものではありません。投資判断は必ず自己責任でお願いします。
NISAやiDeCoを運用している人はどうすべき?
NISAやiDeCoを運用している方は、この局面に対して一般的にどのようなスタンスが望ましいでしょうか。
制度としては銘柄の切り替えは自由度が高いものの、時間が限られる中で、日ごとの株価指数や為替レートを見て NISA/iDeCo 内で“ぐるぐる銘柄を入れ替える”人はごく少数です。

基本的には長期・分散投資を徹底して、静観していくことが重要です。
新NISAの銘柄変更について
まだ買っていない “これからの買付” を切り替えるだけなら、年内に何度でも自由に変更可。
既に買った分を売って別銘柄に充て直すのは、その年中は不可。
iDeCoの銘柄変更について
iDeCoも同様に、毎月設定した掛金で買う商品の配分変更は自由(主要なネット証券の場合)。
すでに保有している資産のスイッチング(入替)も毎日可能(松井・SBI・楽天など)。ただし、毎月の掛け金そのものは年1回しか変更できない。



円ヘッジ比率を「半々」基準で再点検する
ドル/円は144円台に張り付いていますが、日銀会合の結果しだいで143円を割り込む円高も145円超えの円安のどちらのシナリオも想定される状況です。
外貨建てETFや海外投信を持つ場合、為替ヘッジ無しと有りをおおむね50%ずつに分けておくと、どちらに振れても値動きが均され安心です。
月々の積立設定でヘッジ有りファンドを増やすだけで比率調整できるため、売却コストをかけずに済みます。
エネルギー高インフレを“味方”にするセクター分散
ブレント原油は73ドル台まで上昇し、ガソリン・光熱費の上振れが懸念されます。
この局面では、新NISAの成長投資枠にエネルギーや資源国REITを1~2割組み込むと、生活コスト増を配当や株価で相殺しやすくなります。
逆にハイテクやディフェンシブを減らす必要はなく、積立額の増減で“足し算”するイメージが理想です。

国内債券はデュレーション短縮で金利ショックを緩和
日銀の追加利上げ見送り観測が強いとはいえ、年内に再利上げが再浮上するシナリオは排除できません。
iDeCoで長期国債ファンド比率が高い人は、3年未満の短期債ファンドやMMFへの入れ替えを段階的に進めると、価格下落リスクを抑制できます。
“待機キャッシュ”を5~10%確保
積立投資は止めずに継続しながらも、総資産の5~10%を普通預金や定期預金で保持し、急落時のスポット買い・生活防衛費に充当できる余裕を持つとメンタルが安定します。
FXをやっている人は、この局面はどうする?
FXの場合は長期投資と異なり、短期的な為替の変動が利益や損失に直接影響します。
ただし、以下のポイントを抑えることでリスク管理を図ることが望ましいです。


イベント前にポジションを半分に縮小
17日の日銀決定と18日の米小売統計は“片道11円”の値幅が出る可能性があります。
発表前に保有量を50%以下に減らし、証拠金維持率300%以上を確保するとロスカットリスクを大きく下げられます。
ストップロスを必ず設定し損小利大を徹底
円買い狙いならエントリーは143.00円割れ、ストップは143.50円、利益は142円台前半で分割利確する戦略が有効です。
円売り狙いなら145.00円上抜けを確認して買い、144.30円にストップ、目標は146円台で引き付けるとリスクリワードが改善します。
原油連動通貨で分散ポジション
原油高が続く局面ではカナダドル/円やノルウェークローネ/円が底堅くなりやすいです。
ドル/円一点張りではなく、資源国通貨を組み合わせておくと中東ヘッドラインでの値動きが分散されます。
自動売買は“イベントモード”で値幅拡大
リピート系システムを稼働している場合、通常0.3円の利幅を0.6円程度に広げ、最大ポジション数を50%まで削減すると、発表時のスプレッド拡大でも約定が暴発しにくくなります。
免責事項
本稿は一般的な市場情報をもとにした学習・参考目的のものであり、特定の金融商品の売買を勧誘または推奨するものではありません。
投資判断はご自身の責任とリスク許容度に基づいて行ってください。
国内ニュース
日銀、国債買い入れ減額のペース鈍化を検討
日銀はあすまでの会合で、2026年度に予定していた国債買い入れ減額幅を小さくする案をテーブルに載せると報じられました。
市場の急変動を避け、企業資金繰りへの影響を抑える狙いです。
三菱商事、米シェール開発会社を約80億ドルで買収交渉
関係筋によれば、三菱商事は米オクラホマ州の独立系シェール企業を買収する方向で最終協議に入ったとのことです。
完成すればLNG調達の権益比率が上がり、国内電力向けガス供給の安定化が期待されます。
海外ニュース
原油続伸、ブレント先物73ドル台へ
イスラエルとイランの交戦長期化懸念で原油は前日比+2%、ブレント73.50ドル近辺まで上昇しました。
エネルギー供給不安が強まる一方、OPECプラスは非加盟国の増産ペースが鈍ると予測しています。
ドル高と円買いが同時進行 安全資産シフト鮮明
ドル指数は0.2%上昇しつつ、円も買われてドル/円の値幅は限定的です。
米中銀と日銀の政策発表待ちで、投機筋は方向感を出しにくい状況です。
G7サミット前 EUが対ロ追加制裁を提案
フォンデアライエン欧州委員長は、ロシアへの第18弾制裁案を首脳会議に提出しエネルギー取引を一段と制限する構えです。
原油高に拍車をかける可能性があり、市場は供給網の分断を警戒しています。
私たちの生活に起こること
- 光熱費対策を早めに検討
- 原油高が電気・ガス料金へ波及する前に、省エネ家電の買い替えや料金比較サイトでの契約見直しを進めると負担増を抑えやすいです。
- 資産運用では為替ヘッジを半分組み込む
- ドル/円は144円台で張り付いていますが、日銀会合次第で143円割れも145円超えもあり得ます。
- 米国株ETFなど外貨資産を買う際は、ヘッジ有りと無しを5:5で持ち、値動きを均すと安心です。
- 変動型住宅ローンの人は繰上げ返済を試算
- 利上げ見送り観測で当面の金利は安定しますが、年内再利上げの余地は残ります。
- 余裕資金の一部を繰上げ返済に充てるか、全期間固定型への借換えを検討すると金利上昇リスクを抑えられます。