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【2025年最新】住宅ローン減税(控除)徹底解説!制度の仕組みから条件、手続きまで

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マイホームの購入は、人生における大きな節目の一つです。

一方、多額の資金が必要となるため、多くの方が住宅ローンを利用します。

しかし、住宅ローンにはただ返すだけでない、一定の条件を満たすと「住宅ローン減税(控除)」制度という節税効果があり、まさに攻防一体の側面を持ち合わせます。

「住宅ローン減税(控除)」制度は、

住宅ローンを利用してマイホームを取得または増改築等を行った場合に、年末のローン残高に応じて所得税や住民税が軽減される

という性質を持ち、適切に活用すれば、十数年間で数百万円単位の税負担軽減につながる可能性があります。

マイホーム購入後の家計にとって大きな支えとなりますが、制度の適用を受けるためには一定の条件を満たす必要があり、購入する住宅の種類やご自身の所得状況によって控除額も変動することに注意が必要です。

そこで本記事では、2025年(令和7年)にマイホームの取得等を検討されている方に向けて、

  • 住宅ローン減税制度の基本的な仕組み
  • 具体的に適用される条件
  • 控除額の計算方法やインパクト
  • 住宅ローン控除を受けるための必要な手続き

に至るまで、網羅的かつ分かりやすく解説します。

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近年は特に、「省エネ性能」に関する要件などで制度改正が行われています。

後悔のないマイホーム計画のために、ぜひご一読ください。

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目次

住宅ローン減税(控除)とは?~制度の基本を理解する~

まずはじめに、住宅ローン減税制度の基本的な概要について確認しましょう。

住宅ローン減税(控除)の正式名称と概要

「住宅ローン減税」の正式な名称は「住宅借入金等特別控除」と言います。

一般的には「住宅ローン減税」「住宅ローン控除」という名称で広く知られています。

この制度は、個人が住宅ローン等を利用して、自らが居住するための住宅を新築、取得、または増改築等を行った場合に、一定の要件を満たせば、

年末の住宅ローン残高の0.7%を所得税額から直接控除できる

というものです(例:5,000万円なら35万円)。

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控除期間は取得する住宅の種類等により異なりますが、最長で13年間(中古住宅等は10年間)適用されます。

なぜ「減税」されるのか?控除の仕組み

所得税の計算において「控除」とは、税額を計算する過程で特定の金額を差し引くことを意味します。

住宅ローン減税は「税額控除」と呼ばれる方式で、計算された所得税額そのものから、所定の控除額を直接差し引くことができます。

例:本来納めるべき所得税額が30万円、住宅ローン減税による控除額が25万円の場合

30万円 – 25万円=5万円

実際に納める所得税は5万円となります。

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このように、税額そのものが減るため、「減税」効果が非常に大きいのが特徴です。

これは賃貸では得られない効果なので、積極的に活用したいところです。

所得税額よりも住宅ローン減税の控除額の方が大きい場合は所得税額がゼロになり、さらに、控除しきれなかった分は、翌年度の住民税からも一定額を上限として控除されます。

どれくらいお得?控除額と控除期間

次に、住宅ローン減税によって具体的にどのくらいの税負担が軽減されるのか控除額の計算方法控除期間について詳しく見ていきましょう。

控除額の計算方法:「年末ローン残高 × 0.7%」

各年に所得税から控除される金額は、以下の計算式で求められます。

控除額 = 年末時点の住宅ローン残高 × 0.7%

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ただし、この計算結果がそのまま控除額になるわけではありません。

住宅ローン控除には、住宅の種類等に応じて定められた「借入限度額」に基づく上限があります。

例:借入限度額が4,000万円の住宅の場合

仮に、年末のローン残高が5,000万円あったとしても、計算の基になるのは(この場合)4,000万円までです。

この場合の年間最大控除額は、

4,000万円 × 0.7% = 28万円

となります。

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これでもかなり大きなインパクトです。

もちろん、年末時点でローン残高が4,000万円未満であれば、その残高に0.7%を乗じた額が控除額となります。

また、控除額は、ご自身が納めるべき所得税額が上限となります(控除しきれない場合は後述の住民税からの控除があります)。

控除期間:原則13年(中古住宅等は10年)

住宅ローン減税が適用される期間は、取得する住宅の種類や入居年月日によって異なります。

  • 新築住宅(買取再販住宅を含む):原則13年間
  • 中古住宅:原則10年間

となっています。

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「買取再販住宅」とは、宅地建物取引業者が中古住宅を取得し、一定のリフォームを行った上で販売する住宅のことです。

なお、後述する省エネ基準を満たさない新築住宅については、経過措置により2023年末までに建築確認を受けた場合などは、控除期間が10年間となっていまうケースがあります。

所得税から控除しきれない場合の、住民税からの控除(上限あり)

住宅ローン減税の控除額がその年の所得税額よりも大きい場合、所得税は全額(つまりゼロ円)となり、控除しきれなかった残りの金額は、翌年度に課税される住民税から控除されます。

ただし、住民税からの控除額には上限が設けられています。

2022年度(令和4年度)の税制改正により、その上限額は以下のように定められました。

住民税からの控除上限額 = 前年分の所得税の課税総所得金額等 × 5% (最高 9万7,500円)

(改正前は「課税総所得金額等 × 7%(最高 13万6,500円)」でした)

例:住宅ローン減税の控除額が25万円で、その年の所得税額が20万円だった場合

  • まず、所得税が20万円控除されてゼロになります。
  • 控除しきれなかった5万円は、翌年度の住民税から控除されます。
    • この5万円が、上記の住民税控除上限額(課税所得等の5%または9.75万円のいずれか低い方)の範囲内であれば、全額が住民税から差し引かれます。

具体的な控除のシミュレーション例

ここで、簡単なモデルケースで控除額のイメージを見てみましょう。

モデルケース

  • 入居年:2025年
  • 住宅の種類:新築・省エネ基準適合住宅(借入限度額 3,000万円)
  • 借入額:3,000万円(元利均等返済、金利1.0%、返済期間35年)
  • 年収:600万円(課税所得 約300万円、所得税額 約18万円、住民税額 約30万円)

<1年目>

  • 年末ローン残高:約2,940万円控除額の計算:2,940万円 × 0.7% = 20.58万円
  • 借入限度額(3,000万円)に基づく上限:3,000万円 × 0.7% = 21万円
  • 所得税額:18万円

<計算方法>

  • まず、所得税が18万円控除されてゼロになります。控除しきれない額は2.58万円。
  • 控除しきれない額:20.58万円 – 18万円 = 2.58万円
    • 住民税からの控除上限:課税所得300万円 × 5% = 15万円 (> 2.58万円)
  • 上限額の範囲内なので控除しきれなかった2.58万円は、翌年度の住民税から控除されます。

1年目の合計減税額

18万円(所得税) + 2.58万円(翌年の住民税) = 20.58万円

このようにして、所得税と住民税を合わせて、計算上の控除額(借入限度額内の残高×0.7%)が減税されることになります。

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これが13年間続くため、トータルではかなり大きな金額になります。

(※金利や所得の変動により実際の額は変わります)

【重要】住宅ローン減税を受けるための条件(2025年入居の場合)

先述の通り、住宅ローン減税は非常にメリットの大きい制度ですが、適用を受けるためにはいくつかの条件をすべて満たす必要があります。

対象となる住宅ローン

  • 返済期間が10年以上であること。
    • 住宅の取得等のためのローンである必要があります。
    • 勤務先からの借入金の場合、無利子または0.2%未満の利率による借入金は対象外です。
    • 親族や知人からの借入金は対象外です。

本人の居住に関する要件

  • 住宅を取得した日から6ヶ月以内に、自ら居住を開始すること。
  • 控除を受ける各年の12月31日まで引き続き居住していること。
    • 一時的な転勤等で居住できなくなった場合、再入居後に控除を再開できる場合があります(詳細は後述)。
    • 原則として、生活の本拠地(主たる住居)であることが求められます。別荘やセカンドハウスは対象外です。
  • 住宅の取得が、生計を一にする親族や特別な関係のある者からの取得でないこと。また、贈与による取得でないこと。

所得に関する要件

  • 控除を受ける年の合計所得金額が2,000万円以下であること。
    • 合計所得金額とは、給与所得、事業所得、不動産所得など、各種所得の合計額(繰越損失がある場合は控除後)を指します。給与所得者の場合、年収から給与所得控除などを差し引いた金額です。
    • 年収ベースでは、家族構成等にもよりますが、概ね2,100万円~2,200万円程度が目安となります。
    • この所得要件は、控除を受ける各年ごとに判定されます。
    • 例えば、ある年に所得が2,000万円を超えて控除を受けられなくても、翌年に2,000万円以下になれば、その年は控除の対象となります。

住宅の床面積に関する要件(新築・中古)

原則(50㎡以上)

  • 住宅の床面積が50平方メートル以上であること。
  • 床面積の2分の1以上が、専ら自己の居住用であること(店舗併用住宅などの場合)。

床面積40㎡以上50㎡未満の特例(所得制限あり、期限付き)

合計所得金額が1,000万円以下の年に限り、床面積の要件が40平方メートル以上に緩和されます。

ただし、この特例措置が適用される住宅は、2025年(令和7年)12月31日までに建築確認を受けたものに限られます(※令和6年度税制改正による延長)。

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関連税制法が令和7年3月31日に国会で成立となったため、特例措置は2025年(令和7年)も引き続き対象となりました。

床面積の測定方法(登記簿面積)

床面積は、登記簿に表示されている面積で判断します。

  • 戸建ての場合: 通常、壁の中心線で囲まれた部分の面積(壁芯面積)で登記されていることが多いです。
  • マンションの場合: 壁の内側で測定された面積(内法面積)で登記されます。

特にマンションの場合、パンフレット等に記載されている専有面積は壁芯面積であることが多く、登記簿上の内法面積はそれよりも若干狭くなります

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床面積が50㎡(または40㎡)ギリギリの場合は、必ず登記簿上の面積(または予定面積)を確認するようにしましょう。

【2024年からの変更点】省エネ性能に関する要件(新築)

2024年(令和6年)1月1日以降に建築確認を受ける新築住宅については、原則として一定の省エネ基準を満たさなければ住宅ローン減税の対象外となりました。

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これは2025年入居の場合も同様です。

省エネ基準適合が原則必須に

具体的には、少なくとも「省エネ基準適合住宅」の基準を満たす必要があります。

これを満たさない「その他の住宅(一般の省エネ性能の住宅)」は、原則として2024年以降の建築確認物件では住宅ローン減税の対象となりません。(経過措置あり、後述)

住宅の省エネ性能に応じた借入限度額の違い

さらに、満たしている省エネ性能のレベルに応じて、住宅ローン減税の計算の基となる「借入限度額」が異なります。

より高い性能の住宅ほど、借入限度額が高く設定されており、結果として年間の最大控除額も大きくなります。

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具体的な借入限度額は「住宅の種類別:借入限度額と最大控除額」で後述します。

各省エネ基準の概要(認定住宅、ZEH、省エネ基準適合)

住宅ローン減税の対象となる主な省エネ基準住宅の種類は以下の通りです。

  • 認定長期優良住宅:
    長期にわたり良好な状態で使用するための措置が講じられた優良な住宅として、所管行政庁(都道府県や市など)の認定を受けた住宅。耐震性、劣化対策、維持管理・更新の容易性、省エネルギー性などの基準を満たします。
  • 認定低炭素住宅:
    二酸化炭素の排出抑制に資する建築物として、所管行政庁の認定を受けた住宅。省エネ基準を超える省エネ性能に加え、低炭素化に資する措置(節水対策、ヒートアイランド対策など)が講じられています。
  • ZEH水準省エネ住宅:
    ZEH(ゼッチ、ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)の基準を満たす省エネ性能を持つ住宅。断熱性能の向上と高効率な設備システムの導入により、年間の一次エネルギー消費量(冷暖房、換気、給湯、照明)の収支をゼロとすることを目指した住宅です。「強化外皮基準」と「再生可能エネルギーを除いた一次エネルギー消費量20%削減」が要件となります。
  • 省エネ基準適合住宅:
    現行の建築物省エネ法で定められた省エネルギー基準(断熱等性能等級4以上かつ一次エネルギー消費量等級4以上)に適合する住宅。2025年からは全ての新築住宅にこの基準への適合が義務化される予定です。

これらの基準を満たしていることは、原則として「住宅省エネルギー性能証明書」「建設住宅性能評価書(省エネ関連の等級が記載されたもの)」等で証明する必要があります。

省エネ基準を満たさない場合の経過措置(期限あり)

2024年以降に建築確認を受ける新築住宅は、原則として省エネ基準適合が必須ですが、以下のいずれかに該当する場合は、「その他の住宅」として例外的に住宅ローン減税の対象となります。

ただし、借入限度額は低く(2,000万円)、控除期間も10年間となります。

  • 2023年(令和5年)12月31日までに建築確認を受けている
  • 2024年(令和6年)6月30日までに竣工(完成)している
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2025年に入居する場合で、これから建築確認を受ける住宅については、この経過措置は適用されませんので、必ず省エネ基準を満たす住宅を選択する必要があります。

中古住宅の築年数に関する要件(耐震基準)

中古住宅を取得する場合、以前は築年数(耐火建築物以外は20年以内、耐火建築物は25年以内)の要件がありましたが、税制改正により緩和されました。

現在は、以下のいずれかの条件を満たせば、築年数に関わらず対象となります。

  • 1982年(昭和57年)1月1日以降に建築された住宅 (=新耐震基準適合住宅)
  • 現行の耐震基準に適合していることについて、以下のいずれかの書類で証明された住宅
    • 耐震基準適合証明書(取得日前2年以内に発行されたもの)
    • 既存住宅性能評価書(耐震等級1、2または3)(取得日前2年以内に発行されたもの)
    • 既存住宅売買瑕疵保険に加入していること(取得日前2年以内に契約が締結されたもの)

なお、これらの証明書類の取得には費用がかかる場合があります。

その他の要件(取得方法、他の特例との重複など)

  • 贈与による取得ではないこと。
  • 生計を一にする親族など、特別な関係者からの取得ではないこと。
  • 居住を開始した年とその前後2年間(計5年間)に、居住用財産の譲渡所得の特別控除(3,000万円控除)や買換え特例など、他の特定の税制優遇措置を受けていないこと。(ただし、一部例外あり)
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これらの条件は複雑な場合もありますので、ご自身の状況が該当するか不明な場合は、税務署や税理士に確認することをおすすめします。

住宅の種類別:借入限度額と最大控除額(2024年・2025年入居)

住宅ローン減税の控除額の上限は、取得する住宅の種類と、居住を開始する年によって定められた「借入限度額」によって決まります。

ここでは、

  • 2024年(令和6年)および2025年(令和7年)に居住を開始する場合の借入限度額
  • それに基づく年間の最大控除額(=借入限度額 × 0.7%)

をまとめます。

新築住宅・買取再販住宅の場合

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住宅の種類借入限度額年間の最大控除額控除期間
認定長期優良住宅4,500万円31.5万円13年間
認定低炭素住宅4,500万円31.5万円13年間
ZEH水準省エネ住宅3,500万円24.5万円13年間
省エネ基準適合住宅3,000万円21万円13年間
その他の住宅(経過措置)2,000万円 ※114万円10年間

※1: 2023年12月31日までに建築確認済、または2024年6月30日までに竣工済の場合のみ対象。2025年入居でこれから建築確認を受ける場合は対象外。

買取再販住宅も上記の新築住宅と同じ区分・限度額が適用されます。

中古住宅の場合

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住宅の種類借入限度額年間の最大控除額控除期間
認定住宅・ZEH水準・省エネ基準適合3,000万円21万円10年間
その他の住宅2,000万円14万円10年間

※中古住宅の場合、「その他の住宅」(省エネ基準を満たさない住宅)も、耐震基準等の要件を満たせば、2025年入居でも住宅ローン減税の対象となります。

【注目】子育て世帯・若者夫婦世帯への上乗せ措置(新築・買取再販)

2024年度(令和6年度)税制改正により、子育て支援および若年層の住宅取得支援の観点から、特定の世帯が新築住宅または買取再販住宅を取得する場合に、借入限度額の上乗せ措置が設けられました。

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この措置は、2024年および2025年入居の場合に適用されます。

対象となる世帯の定義

以下のいずれかに該当する世帯が対象です。

  • 子育て世帯: 申請者(または配偶者)が19歳未満の子を有する世帯。
  • 若者夫婦世帯: 申請者とその配偶者のいずれかが40歳未満である世帯。

年齢の判定は、原則として居住を開始した年の12月31日時点で行われます。

上乗せ後の借入限度額と最大控除額

対象世帯が、2024年または2025年に新築・買取再販住宅に入居する場合、借入限度額は以下のようになります。

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住宅の種類上乗せ後の借入限度額年間の最大控除額控除期間
認定長期優良住宅5,000万円35万円13年間
認定低炭素住宅5,000万円35万円13年間
ZEH水準省エネ住宅4,500万円31.5万円13年間
省エネ基準適合住宅4,000万円28万円13年間

「中古住宅」「その他の住宅(経過措置)」については、上記の上乗せはありません。

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該当する世帯にとっては、より大きな減税メリットを受けられる可能性があります。

ご自身の世帯状況と取得予定の住宅の種類を確認することが重要です。

リフォーム・増改築の場合の住宅ローン減税

住宅ローン減税は、新築や中古住宅の購入だけでなく、自己所有の家屋について行う一定のリフォーム(増改築等)の場合も対象となります。

対象となる工事の要件

住宅ローン減税の対象となるリフォーム工事は、以下のいずれかに該当し、工事費用が100万円を超えるもの(補助金等を除く)で、ローン返済期間が10年以上の場合です。

  • 増築、改築、建築基準法上の大規模な修繕または模様替え
  • マンション等の区分所有部分の床、壁、階段等の過半について行う修繕・模様替え
  • 家屋の一定のバリアフリー改修工事
  • 家屋の一定の省エネ改修工事
  • 家屋の一定の多世帯同居改修工事
  • 耐震改修工事(現行の耐震基準に適合させるためのもの)
  • 耐久性向上改修工事(長期優良住宅化リフォーム)

これらの工事と併せて行う、住宅の機能維持・向上のための一定の工事も対象に含まれる場合があります。

控除期間と借入限度額

リフォームの場合の住宅ローン減税は、控除期間が10年間借入限度額が原則として2,000万円(年間最大控除額14万円)となります。

ただし、認定長期優良住宅、認定低炭素住宅、ZEH水準省エネ住宅、省エネ基準適合住宅に該当するリフォーム工事を行う場合は、借入限度額が3,000万円(年間最大控除額21万円)に引き上げられます。

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住宅の種類借入限度額年間の最大控除額控除期間
認定長期優良住宅3,000万円21万円10年間
認定低炭素住宅3,000万円21万円10年間
ZEH水準省エネ住宅3,000万円21万円10年間
省エネ基準適合住宅3,000万円21万円10年間
その他の住宅2,000万円14万円10年間

※子育て・若者夫婦世帯の上乗せ措置はリフォームには適用されません

リフォーム減税には、住宅ローンを利用しない場合でも適用できる別の税額控除制度(投資型減税)もあります。

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工事内容や資金計画に合わせて、最適な制度を選択することが重要です。

手続きの流れと必要書類

住宅ローン減税の適用を受けるためには、自動的に減税されるわけではなく、ご自身で所定の手続きを行う必要があります。

控除を受けるための最初のステップ:確定申告(1年目)

住宅ローン減税を受ける最初の年は、必ず確定申告を行う必要があります。

確定申告の時期と方法(書面・e-Tax)

  • 時期: 居住を開始した年の翌年の確定申告期間(通常2月16日~3月15日)に行います。
  • 方法:
    • 税務署の窓口: 必要書類を持参し、確定申告書を作成・提出します。
    • 郵送: 確定申告書を作成し、管轄の税務署へ郵送します。
    • e-Tax(電子申告): 国税庁のウェブサイト「確定申告書等作成コーナー」を利用して申告書を作成し、インターネット経由で提出します。マイナンバーカードとICカードリーダライタ、またはマイナンバーカード対応スマートフォンがあれば、自宅から手続きが可能です。e-Taxは添付書類の一部を省略できるなどのメリットがあります。

主な必要書類一覧と入手方法

確定申告時には、主に以下の書類が必要となります。

事前に準備しておきましょう。

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必要書類主な入手先備考
確定申告書(A様式)税務署、国税庁ウェブサイトe-Taxの場合は不要
(特定増改築等)住宅借入金等特別控除額の計算明細書税務署、国税庁ウェブサイト控除額を計算するための書類
マイナンバー関係書類ご自身で用意マイナンバーカード、または通知カード+本人確認書類(運転免許証など)
源泉徴収票(給与所得者の場合)勤務先
住宅ローンの年末残高証明書借入先の金融機関通常、年末調整時期~年明けに郵送等で送られてきます
建物・土地の登記事項証明書(登記簿謄本)法務局不動産会社経由で取得できる場合も
建物・土地の不動産売買契約書(請負契約書)の写しご自身で保管取得年月日、取得対価の額などが記載されたもの
【省エネ住宅等の場合】それを証明する書類の写し建築会社、ハウスメーカー、不動産会社、第三者評価機関など例:住宅省エネルギー性能証明書、建設住宅性能評価書、長期優良住宅建築等計画認定通知書 など
【中古住宅で耐震基準適合を証明する場合】証明書の写し建築士事務所、指定確認検査機関、登録住宅性能評価機関、既存住宅瑕疵保険法人など例:耐震基準適合証明書、既存住宅性能評価書、既存住宅売買瑕疵保険の付保証明書 など
【子育て・若者夫婦世帯の場合】それを証明する書類の写しご自身で用意住民票の写し(申請者・配偶者・19歳未満の子の氏名、続柄、生年月日、マイナンバー等が記載されたもの)
(補助金等を受けた場合)その額を証する書類の写し補助金交付元(国、地方公共団体など)

※上記は主な書類であり、個別の状況により他の書類が必要となる場合があります。

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詳細は、国税庁ウェブサイトや税務署でもご確認ください。

2年目以降の手続き:年末調整(給与所得者の場合)

住宅ローン減税を受けるのが2年目以降で、給与所得者(会社員など)の場合は、勤務先の年末調整で手続きを済ませることができます。

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確定申告の手間が省けるため、非常に便利です。

年末調整で手続きするための書類

年末調整で住宅ローン減税の手続きを行うには、以下の2つの書類を勤務先に提出します。

  • 給与所得者の(特定増改築等)住宅借入金等特別控除申告書:
    初年度の確定申告後、税務署から控除期間分(残り年数分)がまとめて送付されます。(e-Taxで申告した場合、ダウンロードできる場合もあります)
    毎年1枚ずつ、必要事項(主に年末ローン残高など)を記入して提出します。
  • 住宅取得資金に係る借入金の年末残高証明書:借入先の金融機関から毎年送られてきます。

これらの書類を、勤務先から求められる他の年末調整書類(扶養控除申告書など)と一緒に提出すれば、手続きは完了です。

確定申告が必要なケース

ただし、以下のような場合は、2年目以降であっても年末調整ではなく、確定申告が必要になります。

  • 個人事業主や、給与収入が2,000万円を超える方など、元々確定申告が必要な方
  • 医療費控除や寄付金控除(ふるさと納税ワンストップ特例を除く)など、年末調整では対応できない控除を別途受ける場合
  • 年の途中で退職し、年末調整を受けていない場合
  • 繰り上げ返済等により、当初の借入時から返済期間が10年未満となった場合(その年以降、控除は受けられません)
  • 転勤等で一時的に居住しなくなった後、再入居して控除を再開する場合の最初の年

手続きに関する注意点

書類の保管
確定申告や年末調整で提出した書類の控えや、税務署から送られてくる控除申告書、金融機関からの残高証明書などは、控除期間が終了するまで大切に保管しておきましょう。税務署から問い合わせがあった際に必要となる場合があります。

申告忘れ
確定申告や年末調整での手続きを忘れてしまうと、その年の控除は受けられません。ただし、過去5年以内であれば、還付申告を行うことで、遡って控除を受けられる可能性があります。諦めずに税務署に相談してみましょう。

引っ越し・転職
控除期間中に引っ越し(転居)や転職をした場合でも、基本的な手続き方法は変わりません。新しい住所地を管轄する税務署や、新しい勤務先で手続きを行います。

【Q&A】住宅ローン控除に際して、知っておきたい注意点&よくある疑問

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最後に、住宅ローン減税に関して、特に注意しておきたい点や、多くの方が疑問に思われる点について解説します。

繰り上げ返済と控除への影響は?

控除期間中に繰り上げ返済を行うこと自体は問題ありません。

ただし、繰り上げ返済によって、当初の借入時から計算した返済期間が10年未満となった場合は、その時点で住宅ローン減税の適用対象外となりますので、十分注意が必要です。

繰り上げ返済を行っても返済期間が10年以上維持される場合(期間短縮型ではなく、毎月の返済額を減らすタイプの繰り上げ返済など)は、控除を引き続き受けることができます。

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ただし、ローン残高が減るため、翌年以降の控除額は減少します。

ペアローン・連帯債務の場合の取り扱いは?

夫婦それぞれが住宅ローンを組む「ペアローン」や、一方が主債務者、もう一方が連帯債務者となる「連帯債務」の場合、それぞれの持ち分(負担割合)に応じて住宅ローン減税の適用を受けることができます。

ペアローン

夫婦それぞれが自身の借入額と持ち分に基づき、各自で確定申告または年末調整を行います。
所得要件などもそれぞれで判定されます。

連帯債務

ローン全体に対して、夫婦それぞれの負担割合(通常は持ち分割合)を決め、その割合に応じた年末残高に対して控除を計算します。

手続きは、負担割合に応じてそれぞれが行うか、どちらか一方がまとめて行うかなどを金融機関や税務署に確認するとよいでしょう。

いずれの場合も、夫婦合わせた控除額が単独でローンを組んだ場合よりも大きくなる可能性があります
(それぞれの所得税・住民税から控除できるため)。

共有名義の場合の取り扱いは?

住宅を夫婦や親子などで共有名義にしている場合は、それぞれの持ち分割合に応じて住宅ローン減税を適用します。

ローン契約者が単独であっても、共有者が居住要件などを満たしていれば、持ち分に応じて控除を受けられる場合があります。

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ただし、ローン契約者ではない共有者が控除を受けるためには、その共有者がローン返済を実質的に負担していることなど、一定の要件が必要となる場合がありますので、税務署への確認が必要です。

控除期間中に転勤・引越し・賃貸に出す場合は?

控除期間中に、転勤などのやむを得ない理由で一時的に居住できなくなった場合、その居住していない期間は住宅ローン減税の適用を受けることができません

  • 完全に居住しなくなった場合
    自己都合による引越しや、賃貸に出して自ら住まなくなった場合は、その時点で控除終了となります。
  • 単身赴任の場合
    家族がその家に住んでいる場合は、控除を継続できる可能性があります。
  • 一時的に退去するが、再度居住する場合
    一時的に空き家になったり、賃貸に出したりした後、再びその家に戻って居住する場合は、残りの控除期間について住宅ローン減税の適用を再開できる可能性があります。
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再開する際には、改めて確定申告が必要となります。

災害等で居住できなくなった場合の特例は?

地震や台風などの災害により、居住していた家屋が被害を受け、居住できなくなった場合には、住宅ローン減税の適用について特例措置が設けられています。

要件を満たせば、居住できない期間も控除が継続されたり、再建・修繕後の再適用が認められたりする場合があります。

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災害発生時には、国税庁の発表などを確認し、税務署に相談しましょう。

ふるさと納税など他の控除との関係は?

住宅ローン減税と、ふるさと納税(ワンストップ特例または確定申告による寄付金控除)や医療費控除、iDeCo(個人型確定拠出年金)の掛金控除などは併用可能です。

ただし、注意点として、ふるさと納税やiDeCoによって所得税額や住民税額(所得割)が減額されると、結果的に住宅ローン減税で控除できる上限額(=納めるべき税額)も下がってしまう可能性があります。

とはいえ、多くの場合、併用するメリットの方が大きいと考えられます。

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ご自身の状況に合わせてシミュレーションしてみるとよいでしょう。

制度改正の影響と情報収集の重要性は?

住宅ローン減税制度は、社会経済情勢の変化などに応じて、これまでも頻繁に見直しが行われてきました。

特に省エネ基準に関する要件の導入・強化は近年の大きな変更点です。

今後も制度が改正される可能性はあるため、マイホームの購入は長期的な計画となるため、検討段階から契約、入居、そして控除期間が終了するまで、常に最新の情報を確認する姿勢が大切です。

信頼できる情報源としては、

  • 国税庁や国土交通省のウェブサイト
  • 税務署
  • 住宅展示場や説明会
  • 住宅メーカーや不動産会社の担当者
  • 税理士などの専門家

が挙げられます。

不確かな情報に惑わされず、正確な情報を基に判断するようにしましょう。

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まとめ:住宅ローン減税を理解し、計画的なマイホーム購入を

住宅ローン減税(住宅借入金等特別控除)は、住宅ローンを利用してマイホームを取得・リフォームする方にとって、非常に大きな経済的メリットをもたらす制度です。

年末ローン残高の0.7%が、最長13年間にわたり所得税・住民税から控除されることで、家計の負担を効果的に軽減することができます。

しかし、その恩恵を最大限に受けるためには、

  • ご自身の状況が適用条件を満たしているか
  • どの住宅の種類に該当するのか
  • いくらの控除が見込めるのか

を正確に把握し、忘れずに適切な手続きを行うことが不可欠です。

特に2025年に入居される場合、

省エネ基準の適合が原則必須となる点

子育て・若者夫婦世帯への優遇措置

など、新しいルールを理解しておく必要があります。

マイホームの計画段階から、住宅ローン減税制度についてしっかりと情報収集を行い、不明な点は専門家にも相談しながら、ご自身のライフプランに合った最適な選択をしてください。

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この記事が、皆様の賢いマイホーム購入計画の一助となれば幸いです。

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この記事を書いた人

住宅ローンアドバイザーとして25年以上の経験を持つ、頼れるナイスミドルのライター。
FP1級や住宅ローンアドバイザー資格を活かし、無理なく返せるローンの選び方や審査のコツを分かりやすく解説。
自身も住宅ローンで郊外に持ち家に住み「ローンは借りて終わりじゃありません」をモットーに、長く安心して返済できる知識を発信している。

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