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【転職検討者必見】年収と生活コストで比較!どの地域・業界で働けば“高コスパ”?

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転職を検討する人にとって「年収アップ」は大きな目標です。

しかし、どの業界で働くか/どの業種で働くかや、年代別でどのくらいの給与が相場なのかを体系的に把握することは簡単ではありません。

また、年収が同じでも働く地域や仕事の種類によって、実際に手元に残るお金(可処分所得)は大きく変わります。

ねくこ

例えば物価や家賃の高い都市部と、生活コストの安い地方では同じ年収でも生活のゆとりに差が出ます。

本記事では、転職を考えている人に対して、どの位の年収が目安なのかを最新の年収データ(業界・職種別、性別・年代別、都道府県別)から紐解きます。

さらに、地域ごとの物価・家賃・地価の情報を組み合わせて、「どこでどんな職種に就くと手元にお金が残りやすいのか」をデータ主導で深掘り解説します。

年収はもちろん重要ですが、あなたが本当に豊かな働き方ができる転職先選びの参考として、地域×職種、あるいはそのソリューションとなる働き方を一緒に見て行きましょう。

目次

日本の平均年収の現状(性別・年代別)

まずは、日本の平均年収の概要についてご紹介します。

ねくこ

ざっくりした平均年収から性別・年代・地域など、さまざまな視点で見て行きましょう。

令和5年の日本人給与所得者の平均年収は約460万円

国税庁の「民間給与実態統計調査」によれば、日本の給与所得者の平均年収は約460万円(令和5年分、前年比+0.4%)と報告されています。

この平均にはボーナス等も含まれ、前年より僅かながら増加しています。

ただし、この調査には盲点もあります。

そもそも急速に少子高齢化が進んでいる日本では、民間企業で働く人の平均年齢が現在約47歳と年々上がっており、実質的には微増といっても若年層ほぼ横ばいな状況です。

20代~40代前半の層がこれ以上貰っているということは認識しにくいという側面があることは間違いありません。

依然として男女で格差がある

男女別平均年収(国税庁「民間給与実態統計 2023 年分」)

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区分平均年収男性を100とした指数
男性569 万円100
女性316 万円56
男女差は 253 万円(▲44 %)/主因は勤続年数・役職比率といわれています
出典:国税庁

男女別に見ると、

  • 男性の平均給与は569万円
  • 女性は316万円

と、大きな差があります。

男性平均は微増傾向ですが、女性平均は横ばいで推移しており、依然として男女間の年収格差が存在します。

ねくこ

この差には、女性は非正規雇用や短時間勤務の割合が高いことや管理職比率の違いなど、構造的な要因が影響しています。

dodaによる「年代別」で見る平均年収

年代別平均年収

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年代全体男性女性
20 代360 万円385 万円337 万円
30 代451 万円504 万円390 万円
40 代519 万円601 万円420 万円
50 代以上607 万円680 万円442 万円
doda 登録者約 60 万人、2023.9-2024.8

こちらはdodaによる年代別×性別の平均年収データです。

男性は年齢とともに収入が上がり50代でピークに達します。男性では55~59歳が平均712万円で最も高く、20代前半から着実に増えて中高年で収入の山を迎えます。

一方で女性は20代後半~50代前半まで平均年収がほぼ300万円台前半からスタートし、キャリアを築く人を含めても平均年収は100万円の増加にとどまります。

これは、そもそも結婚して退職、パートに入るどのキャリアパスや、管理職率などの影響差が如実に表れている結果と考えられます。

このように、男女間ではキャリアの積み上げ方や就業形態の違いから収入曲線に大きな違いが見られます。

ねくこ

年収アップのためには「性別によるハンデ」や「年齢による頭打ち」といった社会全体の傾向に加え、自分は男性/女性だからという観念にとらわれず、他ならぬ自分はどうなのか」という価値観も踏まえてキャリア戦略を立てる必要があるでしょう。

業界・職種別に見る年収格差

同じ年齢や地域でも、働く業界や職種によって年収水準は大きく異なります。

ねくこ

ここでは、平均年収が高い業界そうでない業界について紹介していきます。

金融・メーカー・商社が平均年収が高い傾向にある

業界別 平均年収

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業界(大分類10)平均年収
金融491 万円
メーカー(製造業全般)481 万円
総合商社472 万円
IT/通信460 万円
建設/プラント/不動産441 万円
専門商社439 万円
インターネット/広告/メディア436 万円
メディカル(医療・医薬・福祉)417 万円
サービス388 万円
小売/外食366 万円
2024 年度・doda 登録者約 60 万人データ
2023 年 9 月〜2024 年 8 月に doda に登録した給与実績の平均

dodaの「平均年収ランキング」(2024年版)によれば、業種大分類で平均年収が高いのは

  • 金融業界:平均491万円
  • メーカー(製造業):481万円
  • 総合商社:472万円

となっています。

ねくこ

また、4位以下にはIT・通信(460万円)、建設/プラント/不動産(441万円)などが入り、上位5業界の顔ぶれは前年と同じでした。

金融や商社、メーカーといった高収益業界は安定して高年収で、2023年から24年にかけても金融は平均年収が22万円アップするなど、上昇幅が大きくなっています。

サービス業・小売りなどは低めの水準

一方、平均年収が低めの業界は、サービス業(平均388万円)や小売・外食(366万円)など。

これらは他業種より100万円以上低い水準です。

飲食や販売などの「小売・外食業界」では男性411万円・女性324万円が平均であり、男女とも他業界より低い傾向にあります(サービス業界平均は男性434万円・女性346万円)。

ねくこ

このように、業界間格差は大きく、金融など一部業界で高年収が得られる反面、サービス・小売系では全体に低めという傾向が鮮明です。

職業は高度資格・専門知識を要するものほど高年収の傾向に

職種別 平均年収(11 大分類)

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職種(大分類11)平均年収
専門職(コンサル/監査/士業 等)611 万円
企画/管理系566 万円
金融系専門職474 万円
営業系469 万円
技術系(電気・電子・機械)468 万円
技術系(IT/通信)462 万円
技術系(建築・土木)443 万円
技術系(メディカル・化学・食品)407 万円
クリエイティブ系392 万円
事務/アシスタント系350 万円
販売/サービス系339 万円
2024 年度・doda 登録者約 60 万人データ
2023 年 9 月〜2024 年 8 月に doda に登録した給与実績の平均

職種(職業カテゴリー)別に見ると、専門性の高い職種ほど高年収になりやすいです。

dodaのデータでは、全職種中のトップは「医師」で平均1,089万円と群を抜いて高く、次いで「金融系専門職(アナリスト)」(平均911万円)などが続いています。

コンサルタントや内部監査、経営企画など高度専門職も上位にランクインし、高度資格・専門知識を要する職業ほど年収が高い傾向です。

営業職でも製薬会社のMR(764万円)や法人営業(医薬品メーカー向け営業552万円)のように比較的高い職種もありますが、一般的な営業・販売職は平均的な水準に留まります。

また事務・バックオフィス系は、管理部門の一部(法務や経理など)を除き、突出した高年収職種は少ないのが現状です。

ねくこ

要するに、「職種選び=年収選び」と言えるほど職種間の年収差も大きく、医師や金融スペシャリストなどの職業は平均の倍近い収入水準となっています。

もし、あなたが年収のことを第一に考えるのであれば、自分のスキルや志向に合った職種で、かつ市場価値の高い専門職を目指すことが年収アップの近道と言えるでしょう。

都道府県別の課税対象所得差|都市部と地方でこれだけ違う

次に働く地域(勤務地)による差を見てみましょう。

令和 5 年(2023 年)「納税義務者1人当たり課税対象所得」

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順位都道府県年収(万円)
1東京都501
2神奈川県412
3愛知県384
4千葉県374
5兵庫県374
6大阪府368
7埼玉県365
8京都府364
9奈良県355
10滋賀県345
11広島県342
12福岡県339
13三重県339
14静岡県337
15茨城県335
16栃木県332
17山梨県331
18岐阜県330
19宮城県330
20石川県326
21群馬県325
22岡山県324
23長野県323
24北海道322
25香川県320
26福井県319
27和歌山県318
28山口県318
29徳島県316
30富山県316
31愛媛県315
32熊本県308
33福島県307
34大分県305
35沖縄県303
36佐賀県302
37高知県301
38新潟県299
39長崎県297
40鹿児島県296
41島根県295
42山形県293
43宮崎県291
44岩手県291
45鳥取県291
46青森県286
47秋田県284
「年収」=千円値 ÷ 10(=万円)で概算。
実際には控除・非課税所得を含まないため、給与総額ベースの民間統計(doda、国税庁など)より小さめに出ます。

上記は47都道府県別の、「納税義務者1人当たり課税対象所得」のデータです。

課税対象所得は「年収」とは異なり、「退職金の非課税部分」「遺族年金・障害年金」「雇用保険の失業給付」「生活保護費」「児童手当・各種福祉手当」そして「給与所得控除」などは含まれません。

「年収」よりは低めに出るため要注意です。

やはり、東京を中心とする首都圏が高い傾向にある

総務省の統計(地方税収等)による都道府県別データから算出された平均年収によれば、最も平均年収が高いのは東京都約501万円に達します。

次いで、

  • 神奈川県(約412万円)
  • 愛知県(約384万円)
  • 千葉県(約374万円)
  • 兵庫県(約374万円)

と続き、上位は首都圏・大都市圏が占めています。

下位は東北地方や九州・山陰地方、首都圏と地方で格差

一方で最も低い平均年収は秋田県で約284万円となっており、青森県(約286万円)岩手県(約291万円)など、東北地方や、九州・山陰地方が下位に位置しています。

トップの東京と最下位の秋田県を比べると実に約220万円の差があり、非課税所得が同様の傾向とすると、東京は秋田の1.76倍もの平均所得水準があると推察できます。

ねくこ

都市部と地方では経済規模や企業の賃金水準に大きな差があるため、地域間の年収格差は非常に大きいと言えます。

dodaの調査でも同様の傾向

dodaの転職者データでも地域差の傾向は一致しており、2024年時点で平均年収が最も高い都道府県は「東京」(471万円)で男女とも全国トップでした。

逆に平均年収が低いのは九州・沖縄東北などで380万円前後となっており、地域ブロック別に見ると関東(451万円)と九州・沖縄(380万円)では70万円程度の差があります。

首都圏・東海・関西の三大都市圏は平均400万円台であるのに対し、地方圏は300万円台後半が中心という構図です。

実際、東京(471万円)と地方圏の県を比べると平均年収で80~100万円以上の開きがあるケースも多く見られます。

このように、「年収を上げたいなら都市部へ」というのはデータ上も明らかな傾向です。

ただし次に見るように、収入が高い都市部は生活コストも高いため、単純な年収額だけで「暮らしのゆとり」は判断できません。

地域で異なる生活コスト(物価・家賃・地価)

年収だけでなく、生活コストも考慮すべき

消費者物価 地域差指数(2023年平均)

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順位都道府県指数
1東京都104.5
2神奈川県103.1
3北海道101.7
4千葉県101.5
5山形県101.2
6京都府100.8
7埼玉県100.4
8島根県100.1
9高知県100.0
10宮城県99.9
11岩手県99.7
12山口県99.7
13沖縄県99.6
14石川県99.4
15福島県99.3
16滋賀県99.3
17大阪府99.3
18福井県99.1
19三重県99.1
20兵庫県99.1
21秋田県99.0
22熊本県99.0
23富山県98.8
24鳥取県98.8
25広島県98.8
26徳島県98.8
27長崎県98.8
28青森県98.6
29和歌山県98.6
30静岡県98.5
31愛知県98.5
32愛媛県98.4
33新潟県98.2
34岡山県98.1
35茨城県98.0
36長野県97.9
37山梨県97.8
38香川県97.8
39栃木県97.6
40佐賀県97.5
41岐阜県97.2
42奈良県97.1
42福岡県97.1
44大分県97.0
45群馬県96.4
46宮崎県96.1
47鹿児島県95.9
全国平均=100、総合指数
出典:統計局

収入という点では首都圏の都市部が強いことは明らかですが、豊かな生活のためには、生活コスト(物価)の地域差も考慮する必要があります。

総務省の調査によれば、2023年の都道府県間の消費者物価指数(全国平均=100)は、東京がもっとも高く104.5次いで神奈川県が103.1となっています。

一方、物価水準が最も低いのは鹿児島県で95.9、次いで宮崎県が96.1でした。

東京と鹿児島を比べると物価水準差は約1.09倍(東京の物価は鹿児島の約1.09倍)で、日用品やサービスの価格において、地域差が1割程度あると考えられます。

家賃相場においても東京はダントツ

上記の消費者物価指数の中でも、家賃はより地域格差の激しい項目です。

東京の場合、どうしても払える家賃の中で物件の広さなどの条件は落ちますが、仮に同程度の室内条件を求めた場合価格差が如実に表れます。

モデルケース:1LDK(専有40 m²)を借りるとしたら?

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都道府県住宅地平均公示地価
(円/m²)
モデル家賃
(円/月)
目安レンジ
東京1,334,554約161,00015〜18 万円
大阪376,22281,0007.5〜9 万円
神奈川301,56975,0007〜8 万円
京都331,74278,0007.5〜9 万円
愛知244,88770,0006.5〜8 万円
福岡247,39871,0006.5〜8 万円
埼玉183,09165,0006〜7 万円
兵庫182,42265,0006〜7 万円
千葉159,66863,0005.5〜7 万円
広島170,46564,0006〜7 万円
宮城180,70965,0006〜7 万円
北海道93,58058,0005〜6 万円
静岡89,75757,0005〜6 万円
石川84,99657,0005〜6 万円
熊本107,96159,0005.5〜6.5 万円
長崎78,09956,0005〜6 万円
鹿児島72,26756,0005〜6 万円
山口42,97154,0005〜6 万円
山梨42,28954,0005〜6 万円
青森30,35053,0005〜6 万円
  • 住宅地の平均公示地価(2025 年)をベースに、「その部屋が載る土地20 m²分」を負担していると仮定。
  • 建物コストは全国平均30 万円/m²(国交省住宅着工統計)、投資家の期待利回りは都心で約4 %、地方で5〜6 %と言われますが、ここでは一律5 %で年間家賃を試算/参考:一般財団法人 日本不動産研究所
  • 月額家賃 ={(土地価×20 m²+建物価×40 m²)×5 %}÷12

上記表の条件で具体的に1LDK(専有40 m²)の家賃相場を見てみると、東京が約161,000円とダントツで高額で、次いで大阪、神奈川、京都と続く結果に。

ねくこ

東京と地方では家賃に3倍以上の開きがあり、特にワンルームなど単身向け物件ほど都市部と地方の差は顕著な傾向が伺えます。

住宅地の平均地価も、東京都と鹿児島で15倍の差がある

なお、土地の購入価格を見ても差は大きく、例えば住宅地の平均地価は東京が1㎡あたり約40万4400円に対し、地方の一例では鹿児島で約2万7600円と、こちらは実に15倍もの差が報告されています。

このように、物価全般は1割程度の差でも、住宅関連コスト(家賃・地価)は都市と地方で桁違いと言える状況です。

したがって、住居にこだわった場合の東京都での生活コストは非常に大きな差としてとらえた方が良いでしょう。

都市部で高年収を得ても住居費に消える割合が大きく、地方は収入は低めでも住居費負担が小さいというトレードオフが存在します。

ねくこ

転職や移住を考える際は、収入だけでなくこうした生活コストの違いも踏まえて、可処分所得で考えることが重要です。

可処分所得で比較する、「どこで&いくらの給与で働けばお得か?」

では、年収から税金・社会保険料や生活コストを差し引いた「可処分所得(手取りベースでの余裕資金)」は、地域によってどの程度変わるのでしょうか。

ここではシミュレーションとして、年収から所得税・住民税・社会保険料を概算控除し(独身者を想定)、さらに各地域の平均家賃を支出とみなした場合の「残り金額」で比較してみます。

ねくこ

分かりやすく、地方の例として青森県、都市部の例として東京都で考えてみましょう。

東京と青森の「手元に残る金額」の比較

仮に、東京と青森で、それぞれ年収370万円の仕事に就き、平均的な家賃を払った場合を考慮してみると、

青森県の場合

年収-(税金・社会保険料)=手取りは約291~294万円

ここから青森県の平均家賃は約4万円/月(年間約48万円)を引くと、年間手取り約292万円-家賃約48万円=手元に残る金額(可処分所得)は約243~246万円程度となります。

東京都の場合

年収-(税金・社会保険料)=手取りは約291~294万円

東京の平均家賃は約8.7万円/月(年間約105万円)と青森の倍近いため、年間手取り約292万円-家賃約105万円=手元に残る金額(可処分所得)は約186~189万円程度となります。

ねくこ

一方、同じ手取り水準を東京で確保するにはどれくらいの年収が必要かを考えると、その分年収を上乗せしなければなりません。

青森の年収370万円=東京の年収450万円?

シミュレーションでは、東京で年収450万円程度あれば、年収-(税金・社会保険料)=手取りが約349万円となり、そこから家賃105万円を引くと残り約244万円となり同程度になります。

「青森で年収370万円」と「東京で年収450万円」は、生活コストを差し引いた可処分所得がほぼ同水準になる計算

です。

ねくこ

もちろん、個人の価値観による住みたい場所や行く場所、他の物価、車の有無や家族の有無など諸条件は異なります。

シンプルに「年収から税・社会保険料と相場的な家賃を引いた残りの金額」という点で参考にしてくださいね。

「可処分所得」で生活の豊かさを考えることが重要

このように、地方は収入面で見劣りしても生活コストが低いため、可処分所得ベースでは必ずしも都市部が有利とは限らないことが分かります。

いずれにせよ重要なことは、「年収」が豊かさの指標ではなく、ご自身や家族の価値観や趣味嗜好などもふまえ、その生活圏で「足るを知る者は富む」だけの実入りを確保できるキャリアを築けるかどうかということだと思います。

“手元に残る”転職先を選ぶポイント

以上のデータ分析から、「どこでどんな仕事に就くと手元にお金が残りやすいか」を考えるポイントが見えてきます。

ねくこ

以下に、転職の戦略例を記載してみますね。

もちろん、業界や職種によっては実現が難しいものもありますが、キャリアを描くひとつの参考としてお読みいただければ嬉しいです。

高年収な業界・職種×生活コストの低い地域

「シンプルに可処分所得を増やしたい」という人であれば、

高年収な業界・職種×生活コストの低い地域

の組み合わせるのが理想的です。

例えば、自動車産業が盛んな愛知県は平均年収が約410万円と全国3位である一方、家賃相場も東京より低め(約5.5万円)です。

もちろん、某グループ企業のシェアが巨大であること、拠点は愛知以外にもあることは前提として、そこでメーカー勤務すれば、比較的高収入かつ住宅費負担も東京ほどではなく、可処分所得の“コスパ”が高いと考えられます。

ねくこ

いずれにせよ、製造業の工場が地方にあるケースでは地方勤務でも都市部並みの給与水準が期待できる場合があり、生活費が安い分だけ可処分所得的には有利です。

リモートワークの活用で、都心の企業×地方在住もアリ

リモートワークの活用も「高収入×低コスト」を実現する鍵です。

近年はITエンジニアなど、都市部の高収入職種でも地方在住のまま働けるケースがあります。

たとえば東京の企業にフルリモートで勤務しながら地方に住めば、東京水準の給与を得つつ地方の安価な生活コストで暮らせるため、手元に残るお金は最大化できます。

ねくこ

Uターン・Iターン転職でリモート可の仕事を探すのは有効な戦略ですし、大企業でもリモートを推進するところはあります。

ただし、リモート勤務の選択が昇進・昇給面で不利になる企業や、あとは業界的に生成AIの台頭によって、業務委託契約の場合など雇用の安定性リスクがある点は要注意です。

都市部×高収入は業界&職種がカギ

都市部で高収入を狙うなら、コスト以上のリターンがある職種を検討しましょう。

金融やコンサル、専門職など年収800万~1,000万円超も狙える仕事であれば、家賃が高くても十分元が取れます。

逆に年収がそれほど高くない職種で無理に東京にこだわると、生活コストに見合わず可処分所得の割合が小さくなってしまいます。

ねくこ

現在の自分の職種が地方と都市で年収水準にどれほど差があるかを調べ、給与差が生活コスト差を上回るかを判断材料にしましょう。

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「地方Uターン」は可処分所得や地域魅力なども考えて検討しよう

地方での暮らしやすさを重視する価値観なら、収入ダウン幅をシミュレーションしましょう。

地方では年収ベースで見れば確かに下がる可能性が高いですが、前述のように可処分所得という切り口で見れば大差ない人もあります。

ねくこ

「東京の現在の年収から○万円下がってもやっていけるか?」を、家賃等の支出減も含めて計算するとリアルな判断ができます。

また地方で需要の高い医療・介護、教育、公務員などの職種は地域による賃金差が小さい傾向があり、そうした仕事に就くのも一案です。

まとめ|「年収=豊かさ」ではなく、「余裕=豊かさ」である

最後に強調したいのは、

「年収=豊かさ」ではなく「(可処分所得も含めた)余裕=豊かさ」

という点です。

都市部で高年収でも生活コストに消えてしまえば自由に使えるお金は少なくなり、あるいは都会が嫌なのに無理をすれば心がすり減って行きます。

一方、地方で収入が低めでも、支出も低ければゆとりある生活ができる場合もあります。

「東京が良い」「地方が良い」といった二元論ではなく、転職先を考えるときは、ぜひ業界・職種の年収水準だけでなく、勤務地の物価・家賃、そしてあなたがどんなプランを選びたいのか、地域魅力まで含めて総合的な損得勘定をしてみてください。

データに基づけば、「地方×高収入業種」や「リモートで都市部給与を得る」などお金が貯まりやすい働き方も見えてくるはずです。

ねくこ

自分にとって最適な勤務地と仕事を見極め、お金の収支バランスと、心にとっても良い“勝てる転職”を実現しましょう!

参考資料

  • 国税庁「令和5年分民間給与実態統計調査」結果:nkgr.co.jpnkgr.co.jp
  • doda「平均年収ランキング 最新版」(2024年):doda.jpdoda.jp
  • 総務省「小売物価統計調査・消費者物価地域差指数」(2023年):stat.go.jp
  • 総務省「住宅・土地統計調査」(2023年)による平均家賃データ:stat.go.jp
  • その他、総務省統計局・都道府県統計資料、REINS不動産市況レポート等:uub.jp
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この記事を書いた人

編集部の資産形成担当。
20代後半ながら金融に関する相談実績多数で、投資信託から株式まで幅広い知識を持ち、今のあなたに必要なことを洗い出し、寄り添った提案を心掛けています。
たけのこ派&猫派です!

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