【日銀利上げ】「金利が上がる」とはどういうこと?私たちの暮らしの影響や、どうすればいいかを解説

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何となく耳にする「金利が上がった」という言葉。

しかし、

具体的に私たちの暮らしにどのような影響があるの?

私たちはいったいどんな備えをすればいいの?

といった重要な部分が、ほとんどのニュースからは知ることができませんよね。

金利とは、お金を借りたり預けたりする際に発生する利息(利子)の割合のことということは、多くの方が知っていると思います。

借りるときは金利分多く返さなきければいけませんし、預ける時は金利分多く受け取ることができるのですが、経済に詳しい人でないと「つまり、どうすれば良いの?」といったところまで理解が及ばない話であることも確かです。

そこで本日は、私「ねくこ」が

  • 日銀が「金利を上げる(下げる)」と発表すると、なぜ世間が騒ぐのか
  • 金利が上がると具体的に何が変わる?
  • 金利が上がったら、私たちはどう対応すればいい?

という三本柱をお話ししようと思います。

ねくこ

ぜひ、最後までお付き合いいただけたら嬉しいです!

目次

日銀が「金利を上げる(下げる)」と発表すると、なぜ世間が騒ぐのか

一言でいうと、あまりに私たちの生活への影響が大きいから

まず、日銀(日本銀行)が「金利を上げる(下げる)」と発表すると、なぜここまでニュースになって騒がれるのかについてお話します。

これは一言でいうと、

あまりに私たちへの生活や、日本経済の未来を大きく左右する決定だから

に尽きます。

日銀が金利を動かすと、

  • 預金の利息が増える/減る(何百、何千億といったお金の流れが変わる)
  • 物価(食料品や日用品の値段)が上がる/下がる
  • 住宅ローンの返済額が数百~数千万円単位で増える/減る
  • 会社の利益が増える/減る → 給料や雇用にも影響

といった生活に直結した影響がひとりひとりに起こり、しかも日本は1億2,000万人いるため、あまりに甚大な影響が出ます。

経済の未来が予想できるから(景気のサイン)

日銀の金利政策(金利を上げる/下げる)は、いわば「経済の健康状態を表すサイン」です。

簡単に説明すると、

金利を上げる

「景気が過熱気味。物価上昇を抑えたい」という意向があるときに金利を上げます。

ただし、現在の日本の場合は「景気が過熱している」というわけではありません。

現在の日銀が金利を上げる主な理由は「景気が過熱しているから抑えたい」のではなく、物価の上昇を抑え、円安が進みすぎるのを防ぎたいからです。

金利を下げる

「景気が弱くなっている。経済を刺激したい」という意向があるときに金利を下げます。

日本は長らく「ゼロ金利・マイナス金利政策」といって、長い不況において金利上昇を抑えてきた背景があります。

といった傾向にあります。

日銀が昨今、低金利から金利を上げるという判断をしたのは、

  • 物価は上がっている(インフレ状態)
  • でも、賃金は十分に上がっておらず、多くの人は生活が厳しい
  • 景気も強くはなく、消費もそれほど伸びていない

といった状況にあって、円安や輸入品の値上がり、エネルギー価格の上昇を何とかするために選択をしたと言えます。

株価や為替(円の価値)に大きく影響するから

また、日銀が金利を変えると、

  • 金利が上がると、円高になりやすい(外国のお金に対して円の価値が高まる)
  • 金利が下がると、円安になりやすい(円の価値が下がる)

という傾向にあります。

日本の場合、特に最近は「円安」が続いていたことが、日銀が金利を上げる大きな理由の一つになっています。

なぜ円安になると困るの?

円安になると、

  • 輸入する食品やエネルギー(石油やガス)の値段が上がる
  • 企業が海外から仕入れる材料費も上がる → 商品価格が上がる
  • 生活に必要なモノの値段が高くなり、家計の負担が増える

という問題が起きます。

1ドルで輸入するものが、1ドル100円の場合は100円で購入できますが、1ドル150円(円安)になると、1.5倍の値段になってしまうわけです。

ねくこ

今、私たちの身の回りのものが、どんどん高くなっていますよね。

日本は輸入に頼っている国なので、円安が続くと、『モノの値段がどんどん上がってしまう』というインフレが起きてしまいます。それを押さえる目的の「金利を上げる」なのです。

日銀の言葉が経済の未来を左右するから

引用:日本銀行

そして、日銀(日本銀行)は「日本の中央銀行」という立ち位置から、多くの企業や投資家、生活者に与える影響が大きいから。

日銀はまさに「日本の金融界で最大最強ののインフルエンサー」で、日銀の『発言』そのものが、経済に大きな影響を与えます。

日銀が「今後も金利を上げていく」と言うだけで、市場(つまり民間の企業や個人)は先回りして、

  • 企業は投資を控えるようになる
  • 消費者は買い控えたりする
  • 投資家は株を売ったり買ったりする

といった動きが連鎖的に広がることもあるのです。

ねくこ

中央銀行の決定に民間の銀行や企業が追随しなければならないという決まりはありませんが、実質的に決定には従わないとならない仕組みになって慰安す。

【もっと深堀り】金利が上がると具体的に何が変わる?

そして、そんな日銀が決定した「金利を上げる」という選択をすることで、私たちの暮らしに大きな変化が現れます。

具体的に、主にどんな点で変化があるかを解説していきます。

住宅ローンや車のローンの負担増加

まず、金利上昇により、住宅ローンや自動車ローンの毎月の返済額が増えます。

特に変動金利型のローンの場合は影響が顕著で、ざっくり例を挙げると、

例えば、借入額3,000万円・返済期間35年の住宅ローンでは、金利が1%上がると毎月の返済額が約1万5千円増加します

この場合、35年間毎月15,000円ずつ多く返すとすると、15,000円×12か月×35年=630万円、多く返済しなければいけません。

もちろん、東京都心など地価が高い地域ではマンションの価格が億を超えることも珍しくないので、数千万円単位で返済額が上がることも考えられます。

ねくこ

つまり金利が上がると、ローン残高のある人は利息負担が大きくなるため、家計への圧迫感が増すのです。

貯金の利息が増えるメリット

借り手には厳しい金利上昇も、預ける側にはメリットがあります。

銀行預金の金利も上昇するため、預金者が受け取る利息が増えます。

これまで日本の普通預金金利は0.001%程度とごくわずかでしたが、昨今は日銀の政策変更に伴い、メガバンクでも0.1%程度まで上がり、ネット銀行では0.5~0.6%という高金利も登場しています​。

例えば、100万円を預けた場合、金利0.001%では年間わずか10円の利息でしたが、0.1%なら年間1,000円と利息が大幅に増える計算です。

ねくこ

依然として金利水準自体は低いものの、金利上昇は預金者にとって嬉しい面もあるのです。

ただし、店頭やATMで他行宛に現金で振り込む場合、振込手数料が990円(税込)に引き上げられるなどもしています。ネット利用しないと損な時代でもある点に注意してくださいね。

企業の借入コスト上昇と物価への影響

皆さん自身というより、お勤めの会社などに影響する点ですが、金利が上がると企業が銀行からお金を借りる際の利息コストも増加します。

お金を預ける側にはメリットがある金利上昇も、先の住宅ローンの件然り、借りる側は利息負担が増えるのは個人でも企業でも変わりません。

特に、設備投資や運転資金を借入に頼る企業にとっては負担が重くなります。

その結果、企業は増えたコストを商品やサービスの価格に転嫁(上乗せ)せざるを得ない場合があります。

つまり、先述した「昨今の輸入依存による物価上昇を抑えるために金利を上げる」という本来の目的に対し、金利が上がることで逆に商品が値上がりしてしまう(場合もある)という「裏目に出る」可能性があります。

これが経済の難しい、単純に何か手を打てば上手くいくとは限らない複雑な部分です。

ねくこ

実際には各企業の努力や競争状況、ビジネスモデルによります。

企業が販売価格を上げて借入した分の利息をカバーするのか、従業員の給与を上げないことでカバーするのか、他の要素でカバーするのか難しい判断に迫られます。

経済全体の活気が失われる可能性

先述した通り、一般に、金利の上昇はお金の借り手にブレーキをかけるため、景気を冷やす効果があります。

銀行の金利が上がると、先述の通り企業や個人は以前より資金を借りにくくなり、設備投資や消費を控える傾向が強まります​。

その結果、経済全体としては成長ペースが緩やかになり、過熱していた景気は沈静化します(極端なインフレを防ぐ効果でもあります)。

ただし景気が冷えすぎると企業の売上や賃金の伸びも鈍り、経済の活力が損なわれる恐れがあります。

金利上昇はこのように経済活動を抑制する側面も持つため、景気とのバランスを見極めることが重要です。

難しいのが、今の日本の場合は主に「何とか物価上昇を押さえよう」という理由で「金利を上げる」のですが、決して景気が過熱している状態ではないということです。

ねくこ

物価上昇も必ずしも抑えられるという確証がないのと合わせて、この状態で金利を上げることで、活気がさらに失われてしまうというのが「最悪のシナリオ」であると言えます。

つまり、金利が上がったら、私たちはどう対応すればいい?

ここまで「なぜ、金利が上がるのか」と「金利が上がると社会がどうなるのか」について話をしてきました。

では、これらをふまえて「つまり、具体的に私たちはどんな対応や手続きを検討すべき」でしょうか。

ねくこ

社会の変化に上手く乗り、あなたが検討すべき行動指針を紹介しますね。

住宅ローンの見直し(借り換えの検討含)

まず、住宅ローンを借りている人、あるいはこれから戸建て分譲の購入を検討しているは、今後の大幅な金利上昇に備えていくつか注意点があります。

例えば、

  • 安易に固定金利への乗り換えは要注意(固定=安心)とはいかない
  • 顧客獲得の競争が激しいため、金利を据え置いている銀行も存在
  • 借り換えや繰り上げ返済の可能性

といった点に留意しましょう。

特に、今現在の話で言えば固定金利型の住宅ローンの方が、長期金利(10年国債利回り)の上昇を受けて金利が上昇傾向にあります。変動は変動することは確かですが、固定金利は既に上昇している点をふまえると安易な切り替えは注意した方が良いです。

ねくこ

全体的には上がる方向に行くことは間違いありませんが、住宅ローンも競争が激化しているため、いつ、どのくらい金利が上がるかは各社対応が異なります。

上記記事でも各社サービスを紹介していますが、対応や姿勢が異なる今こそ、今のうちに「5年ルール」「125%ルール」のある変動金利を検討するのか、いっそ全期間固定で行くのか決断すると良いですよ。

もちろん、「家を買う、住む(貸すもありますが)」というのはライフステージや価値観に紐づいているため、なかなか「10年後でいいや」となるものではありません。

また、特に東京(圏)は総じて地価上昇が著しいため、「今のうちに買っておきたい」という心理も理解できるものがあります。

ねくこ

長々と書きましたが、個人的には(あくまで個人の意見ですが!)今なら「変動金利」の方が有利だと思っています。

固定金利は安心感を買う面も大きいですが、私なら「変動金利が0.7~0.8%を超えてくるなら固定も検討する」といったラインで考えています。

※今の日本の低成長な経済状況を考えるとまだ固定の方が割高な印象なのと、日本という国の性質からも今後も大幅な金利上昇は考えにくいからです。ただし、あくまで一意見として、最終的な判断は必ずご自身でお願いします!

\注文住宅のローンも含めた無料相談/

ファイナンシャルプランナー(FP)に相談して家計を見直す

また、金利上昇政策が裏目に出て物価高になってしまった場合や、ローンなどの負担が増えると、家計全体のやりくりを見直す必要が出てきます。

専門のFP(ファイナンシャルプランナー)に相談すれば、現在の収支やローン状況を客観的に分析し、無理のない返済プランへの変更や支出削減のアドバイスを受けられます。

ねくこ

FPというと「相談の敷居が高い」と思う方もいらっしゃるかもしれません。

しかし、上記記事で紹介している「ソニー生命」などは無料で相談できますし、あなたも気づかない収支のやりくり術が分かるためにも、ぜひ一度相談してみることをおすすめします。

預貯金だけに頼らず、NISAやiDeCoなどで資産形成を検討

また、金利が上がったとはいえ、銀行の普通預金金利はまだごく低水準です​。

実際のところ、多くの方は年間で振り込み手数料一回分で消えてしまう程度の利息しかもらえないのが現実です。

だからこそ、今後再び円安に振れ戻ったり、インフレリスクに備える意味でも、預金の利息だけではお金の目減りを防ぎにくいため投資による資産形成や複数の金融資産を分散して持っておくことも視野に入れましょう。

ねくこ

例えば新NISA(少額投資非課税制度)やiDeCo(個人型確定拠出年金)を活用すれば、運用益が非課税になるなど税制優遇を受けつつ長期投資ができます。

もちろん投資にはリスクも伴いますが、預金金利が低い現状自体も十分すぎるほどのリスクです。

計画的な積立投資によってインフレに負けない資産作りを目指すことが重要です。

もちろん、今の生活を切り詰めすぎて・・・ということはしないまでも、余裕資金の一部を使い、分散投資でリスクを抑えながら将来に備えるとよいでしょう。

借入れ(金利の高いローン)の清算や見直し

また、間接的に影響が大きいのが今現在、フリーのカードローン(銀行カードローンや消費者金融)で借り入れをしている人です。

フリーローンの場合、多くの方が上限金利近くで借り入れしている&法律で上限も定められているため、金利が上がること自体は直接的には関連度が高くはありません(0ではないですが!)。

ただ、金利上昇に伴って、仮に食品や日用品などの生活コスト(物価)が上昇すれば、フリーローンの借り入れをしている(=動かせるお金が少ない)人は、他の人と比べて資金繰りが立ち回らなくなる可能性が非常に高いです。

家計の支出負担が増えると結果として返済の余裕が減り、さらなる借入を求めてやがてどこからも借りれなくなる・・・。

そうなる前に手を打たないと、今後長期にわたって制限や成約に縛られるライフプランになってしまうかもしれません。

「金利が上がる」ということ自体は良い面も悪い面もありますが、まだ徹底的に上がっていない今だからこそ、ご自身の生活スタイルを見直す契機にはなります。

ざっくばらんに言えば、「今、行動しておかないとヤバいかも」という可能性が結構あると思います。

考えられる選択肢としては、

  • できるだけ繰上げ返済をして残高を減らす
  • 低金利のローンに借り換える
  • いっそ債務整理など法的な手段を検討する

といったものが考えられますが、フリーローンで借り入れが嵩んでしまっている方にとっては、現実的に上二つは難しい場合が多いのが実情です。

\債務整理を検討しようかな…と思った方はこちら!/

ねくこ

今後、もっと生活にお金が必要になる可能性は正直言って高いです。

少しでも人生を望んだ方向に向かわせる意味でも、高金利の借金をそのまま放置せず、計画的に負債を圧縮する工夫が大切です。

終わりに|「金利が上がる」をただ受け流すだけでは得をしない

何となく耳にする「金利が上がった」というニュース。

「金利とは、お金を借りたり預けたりする時に発生する利息の割合のこと」というのは多くの方が理解しているでしょう。

しかし、実際にそれが私たちの生活にどんな影響を与えるのか、どのような備えが必要なのかまで理解している人は決して多くありませんし、「実際のところ、どうすればいいの?」という一番重要なポイントが、ニュースではあまり語られません。

「金利を上げる」という判断は、物価上昇を抑えるという目的に対して、少なくとも経済学的なセオリーとしては正しいです。

しかし、日本という国や国民の価値観、今後の行動次第では「逆に物価上昇が止まらない」というリスクがあり、そうなった場合に私たちの生活は一層苦しくなる可能性がある、ということも念頭に入れてください。

つまり、「金利が上がる」ことをただ受け流しているだけでは、結果的に損をしてしまうかもしれません。

大事なことは、こうなったらこうなる可能性があるということを知ることと、何より行動することです。

人にはきっかけが必要です。今こそ、住宅ローンの固定金利への切り替えを検討したり、家計の支出を見直したり、預金以外の資産形成(NISAやiDeCo)を検討したりする絶好の機会なのです。

自分の暮らしを守り、より豊かにしていくためにも、「金利が上がる」というニュースをきっかけに、一歩踏み出して行動を起こしてみませんか?

ねくこ

私たちは今後も、時事ニュースを基に「どんな行動をすれば良いの?」といった内容をお伝えしていければと思っています。

これを読んでくださった皆様の人生が、少しでもいい方に向かうように願っています!

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この記事を書いた人

編集部の資産形成担当。
20代後半ながら金融に関する相談実績多数で、投資信託から株式まで幅広い知識を持ち、今のあなたに必要なことを洗い出し、寄り添った提案を心掛けています。
たけのこ派&猫派です!

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