住宅ローンがあるけど引っ越したい|30秒診断と住み替え・借り換え相談の進め方

  • URLをコピーしました!

※当サイトのリンクの中には広告が含まれます。

このサイトの本文はCC BY 4.0で自由に引用・転載できます。

出典リンクとライセンス名を明示してください。

転勤、家族の事情、住環境の変化。

引っ越したい理由があるのに、住宅ローンが残っているから迷ってしまう。そういう人は少なくありません。

多くの場合、その迷いの原因は、「何から先に考えるべきか」、順番が決まっていないこと。

この記事は、住宅ローンが残っている状態で引っ越しをしたいあなたのためのガイドです。

まずは30秒診断で、検討すべき方向を決めます。続いて「残債・金利・手元資金」など必要な情報をメモして、状況を言葉と数字で整理します。最後に、テンプレを使って金融機関の借り換え・新居購入(住み替え)相談を進め、「次にやること」を1つに絞ります。

記事の表をコピペすれば、そのまま相談メモとして使えます。

MIYABI

なお、税や個別契約の取扱いは状況により異なります。本記事は一般的な情報提供を目的としており、個別の結果を保証するものではありません。

手続きや判断は借入先・税務署等に確認のうえ進めてください。

それでは、次の章へ進みましょう。

リフォーム会社のハウスリンク

株式会社ハウスリンクは、埼玉県入間市下藤沢の藤沢交差点角に店舗を置くリフォーム専門の会社です。

一般住宅の戸建・集合住宅の全面リフォームから、水回り、内外装などの個別リフォームを行っています。
大きな工事から小さな工事でもお気軽にご相談ください。

目次

住宅ローンが残っていても引っ越しできる?(30秒診断)

家の形をした置き物と「LOAN」の文字が書かれた木製のブロック

はじめに:

本記事で使う用語について、あらかじめ整理します。

  • 住み替え
    本記事では「住み替え」を、今の家を売却するなどして整理したうえで、次の住まいを購入するケースに限って使います。
  • 売って引っ越す
    今の家を売却し、次の住まいは賃貸に移るケースです。
  • 貸して引っ越す
    借入先の承諾を得て、今の家を賃貸に出し、別の住まいへ移るケースです。
  • 住み替えローン
    住み替え(新居購入)を前提に、今の家の住宅ローン残債と新しい家の購入資金をあわせて借り入れできる場合がある、新居購入者向けのローン商品です。

この記事では、この4つを区別したうえで診断と解説を進めます。

Q. そもそも、住宅ローンが残った状態で引っ越しすることはできるのでしょうか。

A. 住宅ローンが残っていても引っ越しは可能です。

ポイントは、引っ越し後の「今の家」と「残っているローン」をどうするかです。

まずは、次の3パターンで整理できます。

  • 売って完済する:売却でローンを整理して引っ越す
  • 条件が合えば貸す:借入先の承諾を得て、賃貸に出して引っ越す
  • 新居購入(住み替え):住み替えローン等を含む

あなたの場合はどれから検討すべきか、さっそく次のチャートで確認してください。

表1:【30秒診断】フローチャート

Q1:家を売ったあと、手元に残るお金でローンを返し切れそうですか?

Q2:貸す場合、借入先の承諾が取れそうですか?

Q3:次の住まいは「購入」の予定ですか?

※ここでの「購入」は、新居の購入(住み替え)を指します。
今の家を売って賃貸へ移る場合は「いいえ/未定」を選んでください。

「売る・貸す・購入の3案を比較する」は、金融機関への相談で「売る/貸す/新居購入(住み替え)」を同じ条件で並べて整理する進め方です。

注記:完済できるかどうかは諸費用などで変わり、賃貸できるかどうかは契約・金融機関判断に依存します。

この記事の読み進め方(診断後:最短ルート)

売って引っ越す

「今の家を売ってローンを整理する」ルートです。次の住まいは購入でも賃貸でも当てはまります。

次に読む: まずは「残債・金利・手元資金」の確認売却して引っ越す

貸して引っ越す

「今の家を貸す」ルートです。借入先の承諾が前提となるため、まず借入先に確認してから賃貸準備に進みます。

次に読む: 貸して引っ越す / 迷えば 「売る/貸す/新居購入(住み替え)」を比べ、やることを1つに決める

次の住まいを購入する可能性がある場合は、「新居ローンを検討できそうか」も同時に確認すると整理が早いです。

新居購入(住み替え)

「次の住まいを購入する」ルートです。お金が動く順番(売却資金が決済に間に合うか、二重支払いがどのくらい続くか)でつまずきやすいため、 先に骨組みを作ってから相談に進みます。

次に読む: 住み替え(新居購入)は「お金の出入りの順番」でつまずきやすい「売る/貸す/新居購入(住み替え)」を比べ、やることを1つに決める

売る・貸す・購入の3案を比較する

条件がまだ固まらない場合は、3案を同じ軸で並べて「次にやること」を1つに絞ります。

次に読む: 「売る/貸す/新居購入(住み替え)」を比べ、やることを1つに決める / 数字がまだなら まずは「残債・金利・手元資金」の確認

30秒診断に戻る

注意点:避けたい失敗は2つ(契約違反・資金ショート)

人によっては引っ越しを急がなければいけない事情があるかもしれません。

しかし、結論を急いでしまうと、大事な判断を誤ってしまう可能性が高まります。

失敗を避けるため、特に次の2点に注意してください。

  • 契約とずれる動きをしない
    貸す場合は特に注意が必要です。貸せるかどうかは「住宅ローンの契約」「金融機関の判断」「事情(転勤など)」で変わります。また、投資目的などの目的外利用は契約違反となり、状況によっては一括返済となる場合があります。
  • 資金ショートを起こさない
    新居購入(住み替え)や買い先行では、二重支払いが続いたり、売却が想定より長引いたりして、資金ショートが起こる場合があります。

    表2:お金のメモ表 で当面の余裕を数字で把握し、売る/貸す/新居購入(住み替え)の条件をそろえてから決める方が安全です(「売る/貸す/新居購入(住み替え)」を比べ、やることを1つに決める)。

まずは「残債・金利・手元資金」の確認から

残債・金利・手元資金。まずはこの3点を、次の表2に書き出してみましょう。

この3点を把握できると、「売る」「貸す」「新居購入(住み替え)」のどれで進めるか、相談相手と話しやすくなります。

書きやすい欄から埋めればOKです(今わからないところは空欄のままで構いません)空欄が残る場合は、「売る/貸す/新居購入(住み替え)」を比べ、やることを1つに決める を確認しながら埋めていきましょう。

表2:お金のメモ表(残債・金利・手元資金ほか)

項目あなたのメモ(例)
残債(現時点)____(例:2,000万円)
金利タイプ(変動/固定)____(例:変動)
残期間____(例:25年)
毎月返済額____(例:8万円)
手元資金(当面動かせる額)____(例:100万円)
引っ越しのときにまとめて出るお金____(例:50万円)
二重支払いの期間(想定)____(例:3か月)
売却見込み(低め/ふつう/高め)低め:____/ふつう:____/高め:____(例:低1,700万/ふつう1,850万/高め2,000万)
メモ(引っ越し理由・期限・迷っている点)____(例:転勤で半年以内)。売って完済できるか不安/貸せるか分からない

注:「売却見込み」は、住宅の売却代金から売るときの費用などを引いたあとで、ローン返済に充てられる手元資金の目安です。

残債・金利・残期間をメモする

金融機関に借り換えや住み替えの相談をする場合、ローンの状況が分かっていた方が話が早く進みます。

最低限の準備として、次の3つは必ず表2:お金のメモ表に書き入れておきましょう。

  • 残債(いま残っている元本)
  • 金利タイプ(変動か固定か)
  • 残期間(あと何年か)

返済予定表、残高証明、ネットバンキングの照会などで確認できることが多いです。

この3つが分かると、「毎月いくら返すか」だけでなく、将来の家計負担が増える可能性があるか増えるならどれくらいかも見えてきます。たとえば、残債と残期間が同じでも、金利が違えば総支払額は変わります。変動金利なら、金利が上がったときに毎月返済額が増える場合もあります。

家計に影響するのは「毎月いくら出ていくか」と「それが今後増える可能性があるか」です。「毎月返済額」も書けるなら、負担の見通しを立てやすくなります。

手元に残るお金の見込みを書く

家の売却を考えるときは、「いくらで売れるか」よりも「ローンを返し切れるだけのお金が手元に残るか」が大切です。

MIYABI

ここでいう「手元に残るお金」は、売却代金から売るときの費用などを引いたあとに残るお金の目安です。

表2:お金のメモ表の「売却見込み」には、だいたいの目安(次の3つから選択)を書いてください。

低め:慎重に考えた見込み
ふつう:現実的な見込み
高め:うまく進んだ場合の見込み

住宅ローンを完済できそうか/足りない可能性があるかの見当をつけるために、この作業を行います。

住宅の売却後にローンが残ってしまうなら、新居購入(住み替え)は「お金の出入りの順番」でつまずきやすい「売る/貸す/新居購入(住み替え)」を比べ、やることを1つに決めるに目を通しておくと安心です。

「引っ越しのときにまとめて出るお金」と「二重支払いの期間」も書く

次は、表2:お金のメモ表の「引っ越しのときにまとめて出るお金」と「二重支払いの期間」を書きます。ここを把握しないままでは、あとで予定が狂いやすくなります。

  • 引っ越しのときにまとめて出るお金の例
    引っ越し費用、仮住まい費用、売買の諸費用、登記など
  • 二重支払いの例
    旧居の返済と、新居の返済(または家賃)が同時に発生する期間

この2項目がはっきりすると、自分の状況でも買い先行で進めても大丈夫か、それともお金が一時的に足りなくなる状態(資金ギャップ)が起きそうか、判断しやすくなります。

ここまで書き出すと、「自分で判断できそうな部分」と「誰かに相談した方が早い部分」が自然と見分けられるようになります。

金融機関などへ早めに相談したほうが迷いが減るケース

営業っぽい人物と家の相談をする夫婦

「売る/貸す/新居購入(住み替え)」のどれが良いかは、状況で変わります。

ひとりで抱えて迷うよりも、相談して「できること・できないこと」を先に確かめると、遠回りを避けやすくなります。

相談相手を1人に絞る必要はありません。相談先は、お金(住宅ローン)不動産(売る・貸す) の大きく2つに分かれます。

  • 住宅ローンの条件・借入先の判断が絡む → まずは金融機関(借入先)
  • 売れる価格・売る段取りを知りたい → 不動産会社(売却の相談)
  • 貸せるか・家賃相場・管理の手間を知りたい → 不動産会社(賃貸の相談/管理会社)

判断に迷う場合は、先に借入先の金融機関に次の2点を確認すると、選択肢を絞れます。

  • 今の住宅ローンのまま、家を賃貸に出せるか(可否と条件)
  • 新居購入(住み替え)の予定がある場合、新居のローンを検討できそうか(審査の見通しと前提条件)

相談したほうが早いかチェックする

あなたが今不安に思っていることが、次のチェック表のどれかに当てはまるなら、早めに相談して「できること・できないこと」を切り分けたほうが良さそうです。理由は、確認することが多く、ひとりでは整理しにくいからです。

まずは、表の「当てはまる項目」に印をつけ、最初にどこへ相談するか(金融機関/不動産会社)と次にやることを決めましょう。

金融機関は「借り換え・住み替えの見通し」や「賃貸に出せるか(契約の扱い)」、不動産会社は「売却・賃貸の相場や段取り」を確認する窓口です。相談先は1つに絞らず、必要なら同時に進めても構いません。

チェック表

スクロールできます
当てはまる項目なぜ迷いやすいか最初の相談先次にやること
家を売ってもローンを返し切れるか自信がない売却で進められるか、それとも住み替え・資金対策も必要かが変わる不動産会社(売却)+必要なら金融機関表2(残債・金利・手元資金メモ)の「売る/貸す/新居購入(住み替え)」を比べ、やることを1つに決める
貸したいが、借入先がどう判断するか分からない貸せるかどうかは契約と金融機関判断に左右され、手続きも変わりやすい金融機関(借入先)「売る/貸す/新居購入(住み替え)」を比べ、やることを1つに決める の質問テンプレを使い、借入先に聞く項目を固定する → 貸して引っ越す
新居を買いたいが、支払いが重なるのが不安旧居と新居の支払いが同時に発生すると、家計が想定より苦しくなりやすい金融機関+必要なら不動産会社表2の「二重支払いの期間」と「手元資金」を書く → 「売る/貸す/新居購入(住み替え)」を比べ、やることを1つに決める
引っ越し期限が決まっている(転勤・入学など)期限があると段取りが先に必要で、同時並行で検討しないと間に合わないことがある不動産会社+金融機関「売る/貸す/新居購入(住み替え)」を比べ、やることを1つに決める で「期限」を最初に伝え、段取りから決める
何から手を付ければよいか分からない情報不足というより、やる順番が決まっていないケースが多い迷うならどちらでもOK表2「売る/貸す/新居購入(住み替え)」を比べ、やることを1つに決める(空欄OK)

当てはまるものが多いほど、自分だけで決め切ろうとせず、相談で条件を整理してから「売る/貸す/新居購入(住み替え)」を比べたほうが、次にやることを決めやすくなります。

相談の準備はある程度でOK

資料をそろえなければ相談できないわけではありません。表2:お金のメモ表が半分くらい書けていれば十分です。

最低限、残債・金利・残期間が分かれば、相談は進められます。

この段階で大事なのは、数字を完璧にそろえることではなく、「売る/貸す/新居購入(住み替え)」を同じ項目(お金・期限・手間など)で並べて、見比べられる状態にすることです。

相談することで何が決まるか

相談では、担当者に結論を決めてもらうのではなく、あなたの状況に合わせて条件を整理し、「売る/貸す/新居購入(住み替え)」のどれで進めるかを一緒に決めます。たとえば、次のようなことです。

  • 「売る」なら
    売り先行/買い先行のどちらが現実的か
  • 「貸す」なら
    借入先の扱いに合わせて、必要な手続きや条件は何か
  • 「新居購入(住み替え)」なら
    支払いが重なる期間をどこまで許容できるか
  • 迷っているなら
    3案(売る/貸す/新居購入(住み替え))を同じ軸で比べたとき、どれが無理が少ないか

ここまでイメージできたなら、次章に進みましょう。
表2:お金のメモ表があまり埋まらない場合は、戻って書けるところだけでも埋めてください。

「売る/貸す/新居購入(住み替え)」を比べ、やることを1つに決める(3ステップ)

「売る」「貸す」「新居購入(住み替え)」のうち、どれが自分に合うかは状況によって変わります。

迷いを減らすコツは、提案された案に飛びつくのではなく、3つの選択肢を同じ項目(お金・期限・手間など)で並べて比べることです。

この章では、金融機関への「借り換え相談」や「新居購入(住み替え)相談」を進めやすくするために、進め方を3ステップで案内します。

相談先/目的

  • 相談先
    今の借入先、または借り換え・住み替えローン(新居購入者向け)を扱う金融機関
  • 目的
    3案(売る/貸す/新居購入(住み替え))を同じ項目で比べ、次にやることを1つに絞る
STEP
表2を「相談メモ」として持っていく

表2:お金のメモ表 を、相談時のメモとして使います。

最初に次の順で伝えると、要点が伝わりやすくなります。

  • 表2 の最後の行(メモ:引っ越し理由・期限・迷っている点)
    例:「転勤で半年以内。売って完済できるか不安/貸せるか分からない」
  • ローンの状況(分かる範囲で)
    残債・金利タイプ・残期間(+分かれば毎月返済額)
  • 当面のお金の見通し(ざっくりでOK)
    手元資金/二重支払いの期間/引っ越しでまとめて出るお金

表2 がすべて埋まっていなくても構いません。空欄は相談相手に「聞くこと」です。

STEP
何をどう聞くかを決める(質問テンプレ)

相談は、話し方よりも最初に「何を聞くか」で進み方が変わります。

次の3つのうち、今一番優先したいものを選んでください。

  • 借り換え:返済を軽くできる余地があるか知りたい
  • 新居購入住み替え):新居購入を前提に、進め方を決めたい
  • 貸す:今のローンのまま貸せるか、条件をはっきりさせたい

方向性が決まったら、次のテンプレ(表3表4表5)から「当てはまる項目だけ」選んで質問しましょう。

表3:借り換えの質問テンプレ

聞くことメモ欄
借り換えると、総支払額はどのくらい変わりますか(手数料も含めた目安)
毎月返済額はどのくらい変わりますか
借り換えにかかる費用はどのくらいかかりますか(概算)
手続きの流れと期間はどのくらいですか
今の状況だと、借り換えが向く/向かないの分かれ目はどこですか

表4:新居購入(住み替え)の質問テンプレ

聞くことメモ欄
旧居のローンが残っていても、新居の借り入れは検討できますか(可能性の話でOK)
「売ってから買う」「買ってから売る」どちらが現実的ですか(理由つきで)
二重支払いの期間は、どれくらいまでなら無理が出にくいですか(目安)
決済のタイミングでお金が足りない場合、取り得る手段は何ですか(使える条件も)
先に決める順番は何ですか(審査/家探し/売却など)

※補足:住み替えローンは、現在住んでいる住宅のローン残債と新しい住宅購入資金を合算して借り入れできるローンとして説明されています。

表5:貸す場合の質問テンプレ(借入先に聞く)
※貸す場合は、借入先の承諾・条件が前提になります。まず借入先に確認してください。

聞くことメモ欄
今のローンのまま貸せますか(可否と条件)
手続きとして必要なことは何ですか(住所変更などの案内があれば)
貸せる期間や条件に制限はありますか
条件が変わる場合、金利や返済条件への影響はありますか
貸すのが難しい場合、代わりに取り得る案は何ですか(売る/新居購入(住み替え)等)
STEP
3案比較表で決める

必要なことを聞いたら、「売る/貸す/新居購入(住み替え)」を次の表に並べます。こうすることで、「自分の条件で無理が少ない案」を選びやすくなります。

表6:3案比較表(コピペ用)

比べる軸売る貸す新居購入(住み替え)
毎月の負担(目安)
引っ越しのときにまとめて出るお金
二重支払いの期間
手続き・調整の量
いちばんの不安(1行)
次にやること(1つだけ)

※「重なる期間に増える支払い」の目安=二重支払いの期間 ×(重なる期間に追加で出ていく金額)

迷いなく決めるコツは、優先順位を考え、次にやることを1つに絞ることです。たとえば、次のどれを優先するかで結論が変わります。

  • 期限(いつまでに引っ越すか)
  • 手元資金(一時的に足りなくなるのを避けたい)
  • 今の家を手放したくない(将来戻る可能性がある)
  • 新居購入を優先したい

3ステップのまとめ

この3ステップのゴールは、「次にやること」を1つに決めることです。

表6:3案比較表を全部埋まらなくても大丈夫です。それは次の機会で相談相手に確認すべき質問となります。

最後に、期限・手元資金・今の家を残したいか・新居購入の優先度のうち、いちばん譲れないものを1つだけ選んで、表6の「次にやること」を決めたら、次へ進みましょう。

住み替え(新居購入)は「お金の出入りの順番」でつまずきやすい

新居購入が前提の場合、迷いやすいのは「買えるかどうか」よりも、お金が動く順番です。

旧居の売却資金が新居の決済に間に合わない、支払いが重なる期間が長引く、といった形でつまずきやすいので、決める前に全体像を押さえておくと安心です

まずは「売り先行/買い先行/同時(決済・引渡し日を近い日にそろえる)」に分ける

住み替えの進め方は大きく分けて3つあり、どれを選ぶかで、支払いが重なる期間や、仮住まいの必要性が変わります。

表7から、自分の状況に近いものを探してみてください。

表7:住み替えの進め方(3パターン比較)

パターンざっくりの流れ向きやすい人注意点
売り先行旧居を売る → 新居を買う二重支払いを避けたい/資金に余裕を残したい仮住まいが必要になることがある/希望の新居が見つかるまで間が空きやすい
買い先行新居を買う → 旧居を売る引っ越し期限が厳しい/仮住まいを避けたい二重支払いの期間が発生しやすい/売却が長引くと負担が増える
同時(売買同日など)旧居の引渡しと新居の決済を近い日にそろえる二重支払いを短くしたい/段取りを詰められるスケジュール調整が難しく、関係者が増えるほど日程変更の影響が連鎖しやすい

二重支払いの期間を短くしたい場合は「売り先行」や「同時(決済・引渡し日を近い日にそろえる)」が選ばれやすく、引っ越し期限を優先したい場合は「買い先行」が選ばれやすいです。

住み替え前に書き出しておきたい4つのこと

住み替えでは、「新居の支払いが始まる日」と「旧居が売れてお金が入る日」がずれると、家計が苦しくなることがあります。

そのため、まずは次の4つをメモしておくと、相談の時、話が噛み合いやすくなります。

  • 引っ越しのときにまとめて出るお金(概算)
    引っ越しや売買、手続きなどで一度に必要になるお金
  • 二重支払いの期間(想定)
    旧居の住宅ローンと、新居の住宅ローン(または家賃)の支払いが重なる期間
  • 期限(いつまでに入居したいか)
    いつまでに引っ越したいか
  • 手元資金(当面動かせる額)
    当面の生活費に手を付けずに出せるお金

表8を使い、それぞれ書き出してみましょう。ここも分からない項目は空欄のままで構いません。空欄は、そのまま相談で聞く項目になります。

表8:住み替えのメモ(コピペ用)

項目あなたのメモ(例)
引っ越しのときにまとめて出るお金(概算)例:引っ越し、仮住まい、売買の費用、手続きなど
二重支払いの期間(想定)例:3か月
期限(いつまでに入居したいか)例:〇月末まで
手元資金(当面動かせる額)例:100万円

この4つをメモしておくと、金融機関への借り換え・住み替え相談で「どの進め方が現実的か」「支払いが重なる期間をどうするか」を決めやすくなります(相談の時、表2:お金のメモ表と一緒に持っていけます)。

お金の順番が合わないときの選択肢

表8:住み替えのメモの4つを書いたら、次は「お金が動く順番」が合うかを見ます。住み替えで困りやすいのは、次のようなずれです。

  • 新居の支払い日(決済:代金を支払って物件の引渡しを受ける日)が先に来る
  • 旧居の売却代金が入る日が後ろになる
  • その間、二重支払いの期間が想定より長引く

このずれが手元資金で無理なく埋められる範囲なら、大きな問題になりにくいです。ずれが大きい/期間が読めない場合は、先に「埋め方」を決めておくと、相談がスムーズです。

表9:お金のずれを埋める選択肢(代表例)

選択肢何をするものかこういうときに出番注意点(要確認事項)
段取りを見直す(売り先行、決済・引渡し日を近い日にそろえる 等)お金が入る日と支払う日が近づくように、売買の順番や日程を調整する二重支払いをできるだけ短くしたい/借入を増やしたくない調整できる範囲は状況次第です。仮住まいが必要になることもあります。
手元資金で埋める足りない期間だけ、貯蓄などで一時的に補うずれが小さい/期間が短い手元資金を使い切ると生活費や予備費が薄くなります。最低限の余裕は残します。
つなぎの借入(つなぎ融資等)長期のローン実行や売却代金の入金まで、短期間だけ借りてつなぐ決済のタイミングだけ一時的に足りない取り扱いの有無・条件は金融機関ごとです。必要書類や手続きの順番も確認が必要です。
住み替えローンの検討住み替えを前提に、新居購入と旧居ローンの状況をまとめて整理できる形で検討する売却しても完済が難しそう/住み替え前提で資金計画を組み直したい取り扱い・条件は金融機関ごとです。審査や必要書類、進め方を先に確認します。
二重ローン(旧居+新居)旧居ローンが残った状態で、新居ローンも組む買い先行で進めたい/期限が厳しい返済負担が大きくなりやすいです。二重支払いの期間を短くする前提で計画します。

表8:住み替えのメモで「二重支払いの期間が長くなりそう」「まとめて出るお金が大きい」「手元資金が薄い」と感じたら、表12:住み替え相談で聞くこと を使って金融機関に次の順で相談しましょう。

  • 二重支払いの期間は、どれくらいまでなら無理が出にくいか(目安)
  • 決済のタイミングでお金が足りない場合、取り得る手段は何か(条件も)
  • 売り先行/買い先行のどちらが現実的か(理由つき)

新居購入(住み替え)は日程がずれると負担が増える

「お金のずれをどう埋めるか」が見えたら、次は日程をそろえます。

住み替えでは、次の3つが同時に動きます。どこかで遅れや日程変更が入ると、二重支払いの期間が延びたり、仮住まいが必要になったりします。

  • 旧居:売り出し → 売買契約 → 引渡し(売却代金の入金)
  • 新居:購入申込み → 売買契約 → 決済・引渡し(代金の支払いと物件の引渡し)
  • 住宅ローン:事前相談 → 申込み → 審査 → 実行(決済日に間に合わせる)

表10:日程の遅れ・変更が入った場合の影響と先回り

起きること(例)その結果(どうなるか)先に決めておくこと影響
旧居の売却が想定より長引く旧居の引渡しが後ろにずれ、二重支払いの期間が延びる「いつまでに売れない場合は方針を変えるか」(価格調整、売り先行へ寄せる等)手元資金が減る/家計の負担が増える
新居の決済日が変更になる引っ越し日や仮住まいの要否が変わる「決済日を動かせる幅」と「入居期限」を分けて整理する引っ越し費用が増える場合がある
ローン手続きの進行が遅れる決済日に間に合わず、段取りを組み直す必要が出る「いつまでに何を出すか」を金融機関に確認し、提出締切を決める決済延期のリスク/スケジュール再調整
旧居と新居の日程を近づけすぎる片方が遅れると、もう片方にも影響が出る「ずれても困らない予備日(余裕日)」を置く負担が増える可能性

次に、表11の4つの日付を決めましょう。これを決めておくと、相談がスムーズに進みます。

表11:最低限そろえる4つの日付(コピペ用)

項目あなたのメモ
いつまでに入居したいか(期限)
新居の決済・引渡しの希望日(動かせる幅も)
旧居の引渡しの希望日(動かせる幅も)
二重支払いの期間として許容できる上限

金融機関に聞くべきこと(住み替え版)

住み替えの相談は、表8:住み替えのメモ の4項目」と 表11:最低限そろえる4つの日付 の日付を出したうえで、次の表12の順に聞くと話が整理されます。

全部を聞く必要はありません。あなたの状況に当てはまる項目だけで十分です。

表12:住み替え相談で聞くこと(優先順)

優先聞くこと(そのまま読める形)ねらいメモ欄
1旧居のローンが残っていても、新居の借り入れは検討できますか。必要な前提条件も教えてください。そもそも進められるかの前提確認
2私の場合、進め方は「売り先行/買い先行/同時(決済・引渡し日を近い日にそろえる)」のどれが現実的ですか。理由も教えてください。日程と資金の基本方針を決める
3二重支払いの期間は、どのくらいまでなら無理が出にくいですか(目安)。許容できる期間の目安を持つ
4表11の希望日で進める場合、ローン手続きはいつまでに何を出せば間に合いますか(締切の一覧)。「間に合わない」を避ける
5決済(代金の支払いと引渡し)の日にお金が足りない場合、取り得る手段は何ですか。使える条件も教えてください。資金のずれを埋める候補を絞る
6引っ越しのときにまとめて出るお金を含めると、今の手元資金で足りない可能性はありますか。足りないなら、どこを調整すべきですか。生活費を削らない設計にする
7借り換えも同時に検討すると、毎月返済額や総支払額はどう変わりますか(費用込みの目安)。借り換えのメリット・デメリットを同時に比較

この表12にメモが残るだけで、次にやることが具体化します(例:日付の再設定、必要書類の準備、資金のずれの埋め方の確定など)。

住宅ローンが残る家を売却して引っ越す(完済の考え方と手順)

最初に見るのは「いくらで売れるか」ではなく「完済できるか」

住宅ローンが残る家を売るときに大切なのは、売却価格そのものよりも、売ったお金でローンを返し切れるかです。

ここでは、手元に残るお金の目安で、完済できそうかの判断をサポートします。

売って引っ越せるかは、「売却代金でローンを完済できるか」で決まります。まずは次の式で、手元に残るお金の目安を出してみてください。

手元に残るお金の目安 = 売却価格 −(売却にかかる費用)−(住宅ローン残債)

プラスなら完済できる可能性が高く、マイナスなら不足分をどう補うかを考える必要があります。

表13:売却で完済できるかの確認メモ(コピペ用)

項目あなたのメモ
売却価格の見込み(低め/ふつう/高め)低め:/ふつう:/高め:
売却にかかる費用(概算)例:仲介手数料、司法書士費用(抵当権抹消など)、印紙、必要ならローン繰上返済手数料 など
住宅ローン残債(現時点)
手元に残るお金の目安(低め/ふつう/高め)低め:/ふつう:/高め:

売却価格の見込みを作るときは、国土交通省の「不動産情報ライブラリ」などで取引価格の目安をつかみ、幅(低め/ふつう/高め)で考えると、見込み違いを減らせます。[7]

仲介手数料は「上限」と「媒介契約での合意」が前提

不動産会社に売却を依頼する場合、媒介報酬(仲介手数料)には上限があります。

売却費用を見積もるためにも、媒介契約(不動産会社と結ぶ契約)の段階で、上限の範囲内で報酬額がいくらになるかを確認し、合意しておきましょう。[8]

表14:売買の媒介報酬(上限の考え方・目安)

取引価格(税別)上限の計算(目安)
200万円以下取引価格 × 5%(+消費税)
200万円超〜400万円以下取引価格 × 4% + 2万円(+消費税)
400万円超取引価格 × 3% + 6万円(+消費税)

補足:一定の条件に当てはまる「低廉な空家等(物件価格が800万円以下の宅地建物)」については、原則の上限を超えて受領できる特例(上限は30万円×消費税)が示されています。対象かどうかは媒介契約前に確認してください。[8]

売却の進め方は「売り先行/買い先行」で負担が変わる

売却で引っ越す場合も、住み替え同様に「先に売るか」「先に決めるか」で負担が変わります。

  • 二重支払いの期間を短くしたい
    売り先行(または決済・引渡し日を近い日にそろえる)を検討します
  • 引っ越し期限が厳しい
    買い先行(または先に賃貸へ移る)も含めて検討します

どちらが現実的かは、表6(3案比較表)に「期限」「二重支払いの期間」「手元資金」を並べると判断しやすくなります。

売却の流れは「ローン完済」と「抵当権の手続き」までをセットで考える

住宅ローンが残る家は、売却の決済・引渡しのタイミングで、ローンを完済し、抵当権の手続きを進める段取りが必要になります。登録免許税は登記の種類ごとに法令の別表で定められています。[6]

実務では司法書士が関わることが多いので、費用と当日の流れは早めに確認しておきましょう。

表15:売却の流れ(ローンが残る場合のチェック)

タイミングやることここで確認すること
売却の準備残債の確認/表13を作る低めでも完済できそうか
不動産会社へ依頼媒介契約/売出条件を決める報酬(仲介手数料)の上限と合意内容 [8]
売り出し〜申込み内見/条件調整引渡し希望日と引っ越し期限の整合
売買契約契約条件の確定決済日までにローン完済の段取りが組めるか
決済・引渡し代金受領/完済/登記手続き金融機関・司法書士の必要書類と当日の手順
引っ越し退去/鍵の引渡し住み替えなら表11(日付)と接続

売却見込みが「低め」なら金融機関への相談も検討する

表13:売却で完済できるかの確認メモ で、売却価格の見込みを「低め」とした場合に、ローンを完済できない可能性があるなら、早めに金融機関への相談も検討します(売却を進めながらでも構いません)。

この段階で相談する目的は、次の3つを同じ条件で比べて、次にやることを1つに絞るためです(表6:3案比較表 が使えます)。

  • 売って完済する:売り方・時期の調整を含む
  • 条件が合えば貸す:借入先の扱いが前提
  • 新居を購入(住み替え)する:支払いの重なり対策を含む

住宅ローンが残る家を貸して引っ越す(借入先の承諾と準備)

立派な家の画像にRentの文字

「貸せるか」どうかは借入先の扱いで決まる

住宅ローンが残る家を貸すときは、まず借入先へ確認します。

理由は、住宅ローンは「本人が住むこと」を前提にしている場合が多く、賃貸に出すと契約上の条件や手続きが変わることがあるためです。[9]

確認せずに進めると、契約違反と判断され、状況によっては一括返済などを求められる可能性があります。[9]

先に借入先へ「貸してよい条件」と「必要な手続き」を聞いてから、賃貸の準備に進みましょう。

借入先に最初に聞く5項目(コピペ用)

「貸せるかどうか」と「貸せる場合の条件」を知るために、まずは次(表16)の5項目を借入先に確認しましょう。

表16:借入先に最初に確認する5項目(貸せるか・条件・次の一手)

聞くことあなたのメモ
今のローンのまま賃貸に出せますか(可否)
可能な場合、条件は何ですか(期間、理由の要件、戻る前提の有無など)
事前に必要な手続きは何ですか(届出・申請・必要書類)
賃貸に出すと、金利や返済条件は変わりますか(変わる/変わらない/条件つき)
難しい場合、代わりに取り得る案は何ですか(売る/新居購入(住み替え)/借り換え等)

この表が埋まると、次の3つのうち、どれで進めるのがよさそうかが分かります。

承諾が取れたら「期間・管理・家計」を先に固める

借入先の承諾を得られたら、次は賃貸の準備に入ります。

準備を始める前に、次の3点を先に決めておきましょう。先に決めておくと、あとからやり直す項目が減ります。

表17:承諾後に先に決める3点(コピペ用)

先に決めること目的あなたのメモ
いつまで貸すか(戻る予定の有無も)条件とのズレを避ける
誰が管理するか(自分/管理会社)入居中の対応を固定する
空室や家賃の下振れがあっても家計が耐えられるか赤字・二重支払いを避ける

次に、家計への影響を概算でもよいので書き出します。

ここが曖昧だと、「貸しているのに毎月の持ち出しが増える」状態になりやすいからです。

表18:貸す場合の家計メモ(コピペ用)

項目あなたのメモ(概算でOK)
家賃収入(見込み)
毎月の住宅ローン返済額
管理費・修繕積立金(マンション)
固定資産税・都市計画税(年額→月割)
管理会社の費用(使う場合)
空室期間の想定(例:◯か月)
空室時に毎月いくら持ち出しになるか(目安)

税の扱いは要件が細かいので、この章では「確認が必要」と理解だけして、最後に次章「税金は条件で変わる:見るべきポイントと参照先」で確認すべき点をまとめます。[5]

承諾が難しいなら「3案比較」で整理して決める

借入先の条件上賃貸が難しい場合、無理に進めると後戻りが大きくなります。

その場合は、表6:3案比較表(コピペ用)を使って「売る/貸す/新居購入(住み替え)」を同じ条件で並べ、次にやることを1つに絞ります。

この章のまとめ

貸して引っ越す場合は、最初に借入先へ確認し、承諾の可否と条件を確認します。

承諾が取れたら、期間・管理・家計(表17表18)を先に固め、税は次章で確認します。承諾が難しい場合は、「売る/貸す/新居購入(住み替え)」を比べ、やることを1つに決めるで3案比較に戻して決めます。

税金は条件で変わる:見るべきポイントと参照先

ここまでで「売る/貸す/新居購入(住み替え)」の方向性が見えたら、税についても押さえておきましょう。

税はルートや条件・時期で論点が変わるため、この章では「まず見るポイント」と「一次情報の参照先」だけをまとめます。
※適用の可否は個別事情で変わります。迷う場合は所轄税務署または税理士に相談して進めてください。

売る場合:税制が「使えるか」を確認する

住宅を売却したときは、条件に当てはまれば税負担を軽くできる特例があります。

ただし、使えるかどうかは人や時期によって異なるため、まずは「自分に関係がありそうか」を確認することが大切です。

特に確認されることが多いのは、次の特例です。

  • 譲渡所得から最高3,000万円を控除できる特例[2]
  • 税率が変わる軽減税率の特例[3]
  • 住み替え時に課税を将来に繰り延べる買換えの特例(要件あり/非課税ではありません)[4]

このうち、買換え特例は期限付きの制度である点に注意が必要です。
売却や住み替えのタイミングによっては対象外となるため、必ず最新情報を一次情報で確認してください。

表19:売却時の税制チェック(まず確認するポイント)

チェック項目何が変わるかまず見る一次情報注意点
3,000万円の特別控除譲渡所得から控除できるか(要件あり)国税庁「マイホームを売ったときの特例」[2]多くの人が最初に確認する特例
軽減税率の特例譲渡所得の税率が変わるか(要件あり)国税庁「マイホームを売ったときの軽減税率の特例」[3]所有期間などの要件あり
買換えの特例(課税の繰延べ)課税を将来に繰り延べできる可能性国税庁「特定のマイホームを買い換えたときの特例」[4]適用期限は令和7年12月31日まで
※今後の延長は未確定

※買換え特例は期限付きの制度です。令和8年以降の適用は未確定のため、税務署などで最新情報を確認してください。
※軽減税率の特例のページには、他の特例との関係(併用の可否)も整理されています。[3]

貸す場合:住宅ローン控除と「不動産所得」を分けて確認する

貸して引っ越す場合、税のことで見ておきたいのは次の2つです。

  • 住宅ローン控除(住宅借入金等特別控除等)
    住宅ローン控除は「居住していること」などの要件があります。転勤等の事情で住めなくなった場合の取扱いや、再び住んだ場合の取扱い・手続きが整理されています。[1]
  • 家賃収入がある場合の申告(不動産所得)
    不動産所得は「総収入金額 − 必要経費」で計算します。必要経費にできるもの/できないものは迷いやすいので、国税庁の一次情報で「必要経費の考え方」を押さえておくと安心です。[5]

表20:貸す場合の税チェック(確認項目と参照先)

見るべきポイントまず確認したいこと参照先(一次情報)
住宅ローン控除住まなくなる期間の扱い/再び住む場合の取扱い/手続き国税庁 No.1234 [1]
不動産所得収入と必要経費の基本国税庁 No.1370 [5]

新居購入(住み替え)の場合:売却側の特例と同じ条件で整理する

新居の購入は「売る」と「買う」が同時に進むため、売却側の特例(3,000万円控除、軽減税率、買換え特例)のうち、どれを検討するかで確認項目と段取りが変わります。[2][3][4]


相談(「売る/貸す/新居購入(住み替え)」を比べ、やることを1つに決める)に持ち込むときは、候補として考えている特例を1行メモにしておくと会話が噛み合いやすくなります。

表21:相談メモに追記する1行(例)

追記する項目書き方(例)
税の確認メモ(売却特例)3,000万円控除の要件に当てはまるか確認したい/軽減税率の要件も確認したい/買換え特例の対象か確認したい [2][3][4]

この章のまとめ

税は、売る/貸す/新居購入(住み替え)で確認するポイントが変わります。この記事では、国税庁の一次情報に沿って、まず見るページとポイントを整理しました。[1][2][3][4][5]

不安が残る場合は、税は所轄税務署・税理士にも確認しつつ、資金面や段取りは「売る/貸す/新居購入(住み替え)」を比べ、やることを1つに決める」のステップで整理してから進めてください。

ケーススタディ3選(判断の型を覚えよう)

ここからは、3つのよくある状況それぞれについて、「何を先に決めるか」をまとめ、判断の型を示します。
※あくまで例です。条件しだいで結論は変わります。

転勤で一時的に離れる

条件
  • 転勤などで家を空けるが、将来戻る可能性がある
  • 住宅ローンは残っている
  • 家は手放したくないが、空き家にはしたくない
判断
  • 先に考えるべきは「貸せるかどうか」です。賃貸に出せるかは借入先の扱いで変わるため、募集や管理の段取りより先に、借入先へ確認します。
  • もし借入先の条件(期間・手続き・返済条件への影響)が重かったり、そもそも難しそうなら、「売る/新居購入(住み替え)」の場合と比較します(表6:3案比較表)。
次アクション

オーバーローンで住み替えが必要

条件
  • 売ってもローンを完済できない可能性がある(オーバーローン)
  • 家計の負担を減らすために住み替えを考えている
  • いまの家をどうするか(売る/貸す/新居購入(住み替え))が決め切れない
判断
  • 先に「売却で完済できるか」を低めの見込みで確認し、完済が難しそうなら売却一本で進めず、金融機関への相談も同時に進めるのが安全です。
  • そのうえで、「売って完済」「条件が合えば貸す」「新居購入(住み替え)」を同じ条件で並べ、次にやることを1つに絞ります(表6:3案比較表)。
次アクション

買い先行で資金ギャップが出た

条件
  • 引っ越し期限があり、新居は先に押さえたい
  • 旧居の売却が間に合うか不安
  • 二重支払いが発生する可能性がある
判断
  • 最初に決めるのは「二重支払いをどこまで許容できるか」と「引っ越しでまとめて出るお金」、そして「手元資金」です。ここが曖昧なまま進めると、途中で段取りを組み直すことになりかねません。
  • 旧居の売却・新居の購入・ローン手続きは同時並行で進むため、どれかが遅れると決済や引渡しの日程がずれやすくなります。そこで、ずれが出ても無理がないように「売り先行/買い先行/同時(決済・引渡し日を近い日にそろえる)」のどれで進めるかを、金融機関と事前にすり合わせます。
次アクション

よくある質問(Q&A)

住宅ローンが残っている家を貸しても大丈夫?

借入先の承諾(可否と条件)が取れれば進められます。

住宅ローンは住むことを前提にしている場合が多く、賃貸に出すと契約上の扱い・条件・手続きが変わることがあります。事前確認せずに進めると、途中で手続きのやり直しや方針転換が必要になることもあります。

次にやること: 表16:借入先に最初に確認する5項目 をそのまま借入先に確認します。条件が複雑なら、表6:3案比較表 で整理したうえで相談へ。

売るか貸すか、新居購入(住み替え)か決められない

3つを同じ項目で並べてから決めると、迷いを減らせます。

1つの案だけを見ていると、期限・二重支払い・手元資金などの条件が後から効いて、判断が揺れやすくなります。表で同じ土俵に並べると、無理の少ない案が見えやすくなります。

次にやること: 表1:【30秒診断】フローチャート で大まかに方向性を決め、表6:3案比較表 を埋めて借り換え・住み替え相談に持ち込みます。

住み替えでお金が足りないときは?

先に「支払いが重なる期間」と「まとめて出るお金(+手元資金)」を書き出してから相談します。

新居の購入(住み替え)は支払いと入金のタイミングがずれることがあり、足りない原因が「一時的な資金のずれ」なのか「計画そのもの」なのかで、取れる手段が変わるためです。

次にやること:表8:住み替えのメモ 表11:最低限そろえる4つの日付 を埋め、表12:住み替え相談で聞くこと と使って相談に進みます。

転勤だと住宅ローン控除はどうなる?

条件で扱いが変わるため、一次情報を確認してから判断します。

住宅ローン控除は適用要件や手続きが細かく、転勤などで住めなくなる場合の扱いもケースで変わります。記事内では要点と参照先を示すので、最終判断は税務署等の案内に沿って進めてください。

次にやること: 税金は条件で変わる:見るべきポイントと参照先 の該当箇所(参照先)を確認し、不安が残る場合は所轄税務署または税理士に相談して進めます。

まとめ

最後に、この記事の要点を「判断・整理・相談」の3つにまとめます。

今日やる一アクション

  1. 表2:お金のメモ表 を、書けるところだけ埋める
  2. 続いて 表6:3案比較表 は、空欄があってもいいので「次にやること」だけ先に書く
  3. 空欄は、そのまま相談での質問リストになります

相談に持っていく最小セット(チェックリスト)

全員共通(この2つだけで相談は始められます)

必要なら追加(当てはまるものだけ)

貸す前提:表16:借入先に最初に確認する5項目
住み替えが絡む:表8:住み替えのメモ表11:最低限そろえる4つの日付
売却で完済判断:表13:売却で完済できるかの確認メモ

相談で最初に聞くこと(短縮版)

時間が限られている場合は、まず以下の順で聞くと話が整理しやすいです。詳しい聞き方は「売る/貸す/新居購入(住み替え)」を比べ、やることを1つに決めるの質問テンプレ(表3表4表5)を使います。

貸して引っ越す前提なら、まずは 表16:借入先に最初に確認する5項目 を優先してください。以下は「借り換え・住み替え相談」で整理する場合の聞き方です。

優先聞くこと
1今の状況で、新居購入(住み替え)、または借り換えは検討できますか。必要な条件も教えてください。
2進め方は「売り先行/買い先行/同時(決済・引渡し日を近い日にそろえる)」のどれが現実的ですか(理由つきで)。
3二重支払いの期間は、どれくらいまでなら無理が出にくいですか(目安)。
4決済日にお金が足りない場合、取り得る手段は何ですか(使える条件も)。
5借り換えも含めると、毎月返済額や総支払額はどう変わりますか(費用込みの目安)。

免責+出典

本記事は一般的な情報提供を目的としており、個別の状況に対する結果を保証するものではありません。住宅ローンの契約条件や金融機関の判断、税務上の取扱いは状況により異なります。実際の手続きは、借入先の案内および国税庁などの一次情報を確認し、必要に応じて所轄税務署・税理士・司法書士等の専門家に照らして進めてください。

出典一覧

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

住宅ローンアドバイザー&不動産投資家として25年以上の経験を持つ、不動産領域の頼れるナイスミドルのライター。
FP1級や宅建、住宅ローンアドバイザー資格を活かし、無理なく返せるローンの選び方から不動産の最新市況までを分かりやすく解説。
自身は持ち家と賃貸物件を1つずつ保有しており、長く安心して返済できる知識を発信している。

目次