【2025年7月25日】の経済・時事ニュースまとめ

今日7月25日(金)は、国内外で株価が調整する一方、為替はドル高・円安方向に振れ、政治面でも与党内の動きが活発化しています。
午前終値時点の主要指数を確認しながら、24時間以内に報じられた注目トピックを整理します。
主要株価指数・為替レート(7月25日 午後15時時点)
指数 | 現在値 | 前日比 |
---|---|---|
日経平均株価 | 41,456.23円 | −370.11 (0.88%)円 |
NYダウ | 44,693.91ドル | −316.38 (0.70%)ドル |
S&P500 | 6,363.35ポイント | +4.44 (0.070%)ポイント |
ドル円 | 147.37円 | +0.49円 |
日経平均は反落
前場は利益確定売りが優勢となり、日経平均は前日終値比で反落しました。
米ダウが下落したことや、直近2日間で2000円超上昇した反動が背景です。米IBMやHoneywellの決算失望でダウが大幅安となり、東京市場にも売りが波及しました。
今夕以降、本格化する国内企業の4–6月期決算が下支え要因になるとの声もあり、41,500円前後でのもみ合いが意識されています。
ドル円は147円台前半、米金利上昇でドル買い
米労働指標の堅調さを受け長期金利が上昇し、ドル円は147.08円まで円安が進行しました。
東京都区部コアCPIが予想を下回り、「日銀が急ぎ利上げに動く可能性は低い」との見方が円売りを後押ししました。
今年高値148円台との距離は小さく、米欧の関税協議の進展次第では148円台試しも想定されます。
米主要指数、S&P500が最高値更新
S&P500とNASDAQは24日、企業決算とAI関連株の買いで過去最高値を更新しました。一方、ダウはIBMなどの下げが重しとなり0.70%安。
EUとの関税合意が視野に入り、ハイテク株中心にリスクオン(投資家が積極的にリスクを取る姿勢)が継続しています。
「AI関連部材を手掛ける日本企業への資金流入が継続する」との指摘があり、半導体株は底堅さを見せています。
資産運用をしている人がこの局面で心掛けるべきこと
総論:短期変動に振り回されず中長期視点を維持する
現在、市場は41,000円台の日経平均と147円台のドル円という高水準を保ちつつ、米欧関税交渉や企業決算で上下に揺れています。

こうした局面では「値動きがあるからこそチャンス」と焦るより、「長期のゴールを達成するために今何をするか」を確認することが大切です。
具体的には、ポートフォリオ全体のリスク水準が自分の許容範囲に収まっているかを点検し、必要なら資産配分を微調整する程度に留めます。
分散投資:日本株高・円安でも投資対象を広げる
- NISAやiDeCoを利用している人は、既存の積立額を急に増減させず、世界株式や債券、REITなど複数資産への分散を続けることが王道です。
- 円安進行による外貨建て資産の評価益が膨らんでいる場合でも、為替が反転した際にバランスが崩れないよう、定期的なリバランス(資産配分の再調整)を検討します。
- 余裕資金で国内高配当株やインフラファンドを追加する場合は、「値下がりしても配当が続くか」「企業の利益成長が持続するか」を確認し、業種を偏らせないことが重要です。


キャッシュポジション:生活防衛資金と投資余力を分離
生活費6か月分程度の現金は市場変動に関係なく確保し、余剰資金だけを投資に回す基本を徹底します。
現金や個人向け国債(変動10年)を「待機資金」として保持し、急落時に追加投資できる体力を残しておくと心に余裕が生まれます。
為替・金利の影響を見極める
円安がさらに進む場合、海外旅行や輸入品のコスト増が家計に直撃します。カード手数料が安い金融機関や外貨預金の有無を比較し、支出面でも「為替ヘッジ」を意識しましょう。
日本のインフレ期待が低下し、日銀の利上げペースが緩いままなら、国内債券の利回りは限定的にとどまる見通しです。
利回りを求めるには、米国債ETFやグローバル債券ファンドなど外債の比率をあらかじめ決めておくと良いでしょう。
テーマ投資:AI関連や脱炭素は分散のスパイスとして
AI半導体や再生可能エネルギーなど成長分野は話題になりますが、個別銘柄はボラティリティ(価格変動)が高い点に注意が必要です。
これらを組み入れる場合は、投資額をポートフォリオの10〜15%以内に抑え、テーマ型ETFや投資信託を活用して銘柄リスクを分散すると負担が小さくなります。
税制優遇の活用:新NISAの非課税枠を生かす
非課税保有限度額1,800万円のうち、成長投資枠を上限まで使い切る必要はありませんが、長期で積立するつみたて投資枠は毎月自動で購入する設定を継続し、相場を気にし過ぎない「ドルコスト平均法」のメリットを享受しましょう。
投資信託を選ぶ際は、信託報酬が年0.3%以下かどうか、運用資産残高が十分あるかをチェックし、複数年にわたり低コストで保有できる商品を選ぶと総費用を抑えられます。
情報収集とメンタル管理
公式IR資料、決算短信、金融庁のNISA特設ページなど一次情報を確認し、SNSやうわさ話だけで判断しない習慣を付けましょう。
資産額の増減に一喜一憂しすぎると判断を誤りやすいため、評価額チェックの頻度を週1回程度に制限する方法も有効です。
まとめ
大幅な円安と高水準の株価が続く今は、リスク資産の評価益が膨らみやすい一方、相場反転時の下落幅も大きくなり得る環境です。
長期目線での分散投資を軸に、生活防衛資金と投資資金を明確に分け、短期的な値動きに過度に反応しないことが重要です。
NISAやiDeCoなど税制優遇制度の非課税メリットを最大限に生かしつつ、必要に応じてリバランスを行い、自分に合ったリスク水準を保ちましょう。
本稿は一般的な情報提供を目的としており、特定の金融商品の購入や売却を推奨するものではありません。最終的な投資判断はご自身の責任で行ってください。
国内ニュース
キヤノンが通期営業益を再下方修正
キヤノンは2025年12月期営業利益予想を4660億円から4600億円へ引き下げました。
米関税の不透明感が欧州にも波及し、プリンティング事業の投資先送りが要因です。
10%関税継続を前提に413億円のコスト増を見込んでいるものの市場予想に近い水準への修正にとどまり、株価への影響は限定的との声もあります。
与党内で「石破おろし」加速
参院選大敗を受け、与党中堅・若手が両院議員総会開催を求める署名活動を開始。首相の責任論が再燃しています。
政権不安が長引けば円買い材料となる可能性も指摘され、マーケットは動向を注視しています。
東京都区部CPI、2.9%上昇で3か月ぶりに3%割れ
エネルギー価格の鈍化でインフレ率は市場予想を下回りました。
日銀の早期利上げ観測はやや後退しています。
経団連夏季フォーラムが開幕、成長と社会保障の両立を議論
長野県軽井沢町で開幕した経団連夏季フォーラムでは、「人口減少下でも輝く日本経済・社会の未来図」を掲げ、企業の成長投資と社会保障改革の両立策が話し合われました。
筒井義信会長は「世界を見据え、中長期的な視点で将来世代への責任を果たす」と強調。
講演した大和総研の熊谷亮丸氏は、女性・高齢者・外国人の活躍と給付と負担の見直しにより2040年度に名目GDP1000兆円達成が可能と指摘しました。
ソフトバンクが「AIリテラシー」啓発を強化
ソフトバンクは自社メディアで、生成AIを安全かつ効果的に使うための基礎知識を解説する連載を開始しました。
Gen-AX社の鈴木祥太氏は「AIを理解し活用できる人とできない人の差が現実に表れ始めている」と語り、権利侵害や誤情報を防ぐ実践的ポイントを紹介しました。
企業におけるAI人材育成需要の高まりを背景に、年内に10億体のAIエージェント創出を目指す孫正義氏のビジョンとも連動しています。
海外ニュース
米欧関税交渉が大詰め、合意近づく
EUと米国は30%関税発動を回避する方向で最終協議に入り、市場は「リスク後退」を好感しました。
自動車・機械株には安心感が広がり、輸出企業の業績見通し改善につながるとの見方です。
IMF、アルゼンチン向け20億ドル支援で職員レベル合意
IMF(国際通貨基金)は20億ドルの資金拠出に向けた審査をクリアし、今月後半の理事会承認で正式決定へ向かっています。
アルゼンチンの外貨準備改善が期待されています。
ペソ相場は安定し、南米通貨全体に買い戻しの動きが広がりました。
SpaceXの衛星通信Starlinkで世界規模の障害
24日午後(米東部時間)、Starlinkネットワークが内部ソフトウエア障害で約2時間半停止し、最大6万1000件の利用者報告がDowndetectorに寄せられました。
副社長のMichael Nicolls氏は「中核ネットワークのサービスが停止した」と説明し、イーロン・マスク氏もX上で謝罪しました。
衛星8000基超を運用するStarlinkでこれだけ長い障害はまれで、専門家は「過去最長級」と指摘しています。
Tesla、四半期売上が10年以上ぶりの大幅減で株価急落
Teslaの2025年4–6月期決算は売上高が前年同期比で12%減の225億ドルとなり、自動車部門の販売が16%減少しました。
営業利益は42%減の9億2300万ドル、営業利益率は4%に低迷し、発表翌日の欧州取引で株価は前日比6%安まで売られる展開となりました。
イーロン・マスク氏は「EV補助金縮小で数四半期は試練」と述べつつ、2026年末から自動運転ソフトによる成長加速を見込むとしています。
私たちの生活に起こること
株価が小幅調整でも依然4万1000円台を維持し、資産価格は総じて高止まりです。
為替が147円台に達すると、輸入食品やガソリンの価格押し上げ要因になる一方、海外旅行や留学の費用はかさみやすくなります。
一方で、関税交渉の進展は物価上昇圧力を和らげる要素です。生活者としては次の点を意識すると良いでしょう。
- 値上げ前の定期購入品(コーヒー豆、加工食品など)はストックを確認
- 為替手数料の低いカードを選び、夏休みの海外利用コストを抑制
- 企業決算発表カレンダーをチェックし、家計の投資配分を急に動かさない

長期の資産形成では、NISAなどの分散投資を継続しつつ、円安局面では外貨建て資産比率が自然に高まる点を把握しておくと安心です。