業務委託副業のリアル|経験者が体験から語るメリット・デメリットと始め方

「業務委託に興味があるけど、具体的にどんな仕事があるの?」
「自分にもできるのかな?」
「どうやって業務委託の仕事を探せばいいの?」
「業務委託」は、収入の形態上会社員が「本業の会社にバレずに」副業として行うのに向いている働き方であり、副業からのステップアップとしてフリーランスも目指せます。
この記事では、現役副業ワーカーでSEOライター、FP3級の視点から「業務委託」という働き方の基本をはじめ、「具体的な仕事内容」「仕事の見つけ方」「向き・不向きの判断基準」など、網羅的に解説します。
筆者の私は業務委託ライターなども経て、最終的にはブログを選びました。実体験を踏まえ、業務委託を副業として検討している方に「始める前に知っておいてほしいリアルな情報」もお伝えします。
業務委託とは?雇用と違う働き方の基礎知識を整理

「業務委託」は、会社に勤務することとは大きく異なる「働き方」です。比較しながら理解しましょう。
業務委託とは、アルバイトや派遣とどう違うのか
業務委託とは、企業(個人のことも。どちらも「クライアント(依頼者)」と呼ばれます)が特定の業務を外部の個人や会社に委託する契約形態のことです。
副業でアルバイトや派遣を検討する人もいるかもしれませんが、バイトと業務委託との最も大きな違いは「雇用関係があるかどうか」です。
アルバイトや派遣の場合、あなたは雇用契約に基づいて雇われる「労働者」として、決められた時間に決められた場所で働く必要があり、どちらかというと会社員の働き方と近いです。
一方、業務委託では「事業者」として、成果物を納品することで報酬を得ます。契約形態にもよりますが、引き受けた仕事が完成した時に収入が発生することがほとんどになります。
「副業で会社にバレずに」を目的とするなら、業務委託契約の仕事を選ぶことが重要です。以下の表に、アルバイトと業務委託の違いをまとめました。
違い | アルバイト | 業務委託 |
---|---|---|
時間の自由度 | 固定シフト | 納期までに成果物を完成させればOK |
場所の制約 | 職場への出勤が必須 | 自宅やカフェなど好きな場所で作業可能(案件による) |
スキルに応じた報酬 | 時給制で上限が見えやすい | 専門性や効率化により時間単価を上げやすい |
責任 | 少ない | すべて自分の責任 |
所得の分類 | 給与所得 | 雑所得・事業所得 |
本業バレ対策に重要な「所得の分類」については、以下の記事で詳しく解説しています。

会社員が副業で業務委託をする際の基本的な契約関係
会社員が副業で業務委託を行う場合は、あなた(個人)⇔ クライアント企業の間で業務委託契約を結びます。
法的には「クライアントとは対等な関係」になります。しかし、案件獲得が困難な初心者のあいだは立場は弱くなりがちなのが現実です。
また、契約者として以下のような責任が発生します。
- 成果物への責任
- 納期の管理
- 品質の保証
- トラブル時の対応
開業届を出して個人事業主になり、事業者として委託することもできます。しかし開業は必須ではなく、特に始めたばかりで収入が小規模なら、開業せずに様子を見ても問題ありません.
大まかな違いを表にまとめました。
違い | 開業届を出さない | 個人事業主として開業する |
---|---|---|
所得の扱い | 雑所得扱いされることが多い | 事業所得扱いがほとんど |
確定申告 | 副業収入が年間20万円以下なら不要 (ただしバレないためには申告必須) | 義務 |
始めるときの手続き | 不要 | 開業届提出 |
青色申告 | 不可 | 申請すれば可 青色申告特別控除対象に |
経費計上 | できるが限定的 | 開業費をさかのぼって経費にできる 赤字を繰り越せる などメリットが多い |
個別の事案については税理士などの専門家にご相談ください。
知っておきたい業務委託契約の種類(請負・委任・準委任)
業務委託契約には主に3つの種類(請負契約・委任契約・準委任契約)があります。
請負契約 | 委任契約(副業では稀) | 準委任契約 | |
---|---|---|---|
特徴 | 成果物の完成・納品が義務 | 法律行為を代理で行う | 法律行為以外の業務を委託 |
報酬 | 成果物に対して | 委任された法律行為を行うことに対して | 業務を行うことに対して |
例 | Webサイト制作 ライティング 動画編集 | 弁護士 税理士 | コンサルティング システム運用・保守 |
リスク | 完成しないと報酬がもらえない | 専門的な法律知識が必要で責任が重い | 成果が出ないと責任を問われる場合がある |
副業初心者にとって重要なのは「請負」と「準委任」の違いです。
請負契約の場合、途中で作業をやめても成果物を納品しなければ報酬は発生しません。契約前に「本当に完成できるか」をしっかり検討することが大切です。
一方、準委任契約の場合は業務を行うこと自体に価値があるため、成果物がなくても契約に従って業務を行えば報酬を受け取れます。
契約書にどちらのタイプかが明記されているので、必ず確認してから契約するようにしましょう。
副業で業務委託をするメリット・デメリット

副業の働き方として「業務委託」は比較的現実味のある選択肢ではありますが、あたかも会社員と比べて自由であるかのような宣伝が誤解を生んでいることがあります。
全てが誤解とは言えませんが、少なくとも「自由な働き方」を副業初心者の段階で実現することはかなり難しいです。
業務委託の誤解 | 業務委託初心者の現実 |
---|---|
企業と対等な関係で働ける | 実績が少なく案件獲得が困難なため、クライアントに無理な要求をされても断りにくい |
嫌な人と働かなくていい | クライアントとの関係性を維持しなければ報酬が出ないので、毎日びくびくしながら過ごす |
自分のペースで自由に働ける | 副業だと本業以外の自由な時間はゼロに |
やりたい仕事を選んで働ける | 初心者は仕事を選べない 継続依頼維持のために嫌な仕事を引き受けてしまうことも |
業務委託は確かに自由ではありますが、「自分で案件を取って働かないと収入はゼロ」であり、その責任はすべて自分で背負います。
実際、会社の看板のもとで会社に守られながら、ある程度の枠の中で働き決まった給与をもらう「会社員」という働き方の方が「まだマシ」と感じるかもしれません。
副業の仕事として業務委託を選ぶことの、デメリットとメリットを紹介します。
メリット | デメリット |
---|---|
社会的信用と福利厚生を維持できる | 不安定な立場、不安定な収入 |
本業収入による精神的安定 | 営業・事務・経理業務の負担が大きい |
リスクを抑えて新分野に挑戦でき、キャリアの選択肢が広がる | 専業フリーランスとの競争になると勝てない |
経営者視点とビジネススキルの習得 | スキルアップの機会の不足 |
副業で業務委託をすることのデメリット
副業で業務委託を行う場合の、避けられないデメリットを整理します。
デメリット①不安定な立場、不安定な収入
業務委託では、発注者(クライアント)と受注者(あなた)の間に明確な力関係があります。
クライアントは必ずしも高圧的という意味ではなく、あなたはクライアントの意向次第で案件を失い、将来的な収入を失う可能性がある存在なのです。
もちろん契約書に基づく報酬は請求する法的権利がありますが、問題になりやすいのは契約前の交渉段階や、継続案件の更新タイミングです。
契約条件の変更や報酬の減額を一方的に提示されたとき、副業レベルでは交渉力が弱く、受け入れるか案件を諦めるかの選択になってしまう状況もあります。私も実際に、最初に提示された報酬から減額された条件を提示され、異議を申し立てた直後に連絡が途絶えたことがありました。
また、あなたに落ち度がなくてもクライアントの都合で契約が予告なく終了することもあります。雇用契約なら労働者保護が受けられますが、業務委託では受けられません。
デメリット②営業・事務・経理業務の負担が大きい
業務委託では、作業そのものに加えて、案件獲得のための営業活動、契約書締結や請求書発行などの事務、収入や経費の帳簿付けなど、すべて自分で行う必要があります。本業と並行して行う副業では、これらの管理業務が思いのほか時間を取られる要因となります。
また、クライアントの管理体制も完全には信頼できません。クライアントもよくわかっていないまま不利な状況で契約してしまったり、法的リスクのある案件を依頼されたりなども十分あり得ます。
トラブルに巻き込まれないためには、最低限契約に関する知識を自分で持っておかなくてはなりません。案件募集プラットフォームを使うなら、利用規約にやっていいこととダメなことが書いてあります。
会社であれば専門の各部署が行ってくれますが、業務委託の受注は「自分一人だけの会社」としてふるまう必要があるのです。
デメリット③専業フリーランスとの競争になると勝てない
副業で業務委託を行う場合、時間的制約から専業フリーランスとの競争で不利になります。
同じスキルレベルであっても、専業の人は平日の日中から対応でき、短納期の案件や急な修正依頼にも柔軟に応えられます。また、専業の人は業務委託が本業のため、営業活動やスキル向上により多くの時間を割けます。
副業として限られた時間で取り組む場合、案件獲得の競争や単価交渉で不利な立場に置かれがちです。限られた時間で取り組むからこそ1つの案件の単価が重要になりますが、高単価案件ほど副業ワーカーが不利な傾向は強くなります。
デメリット④スキルアップの機会の不足
業務委託では体系的な研修や先輩からの指導を受ける機会がほとんどありません。クライアントは「自分たちにないスキルで貢献してくれる人」を探しており、応募時点で一定のスキルがあって当然と考えています。
【初心者歓迎!】と募集をかけている案件でも、ソフトの使い方から手取り足取り教えてくれるわけではなく、単価が相場より非常に低いだけのことも普通です。
また、納品物へのフィードバックをもらえるかもクライアント次第です。時間がないから依頼しているだけで自分で修正できるクライアントや、業務分野に詳しくないために丸投げしているクライアントからは、スキルアップに必要なフィードバックを得られません。
副業で時間が限られる中、学びにならない仕事を続けても時間効率が悪いですが、初心者が「学びになるクライアント」を見つけるのは困難です。もはや「クライアントガチャ」と言っても過言ではないでしょう。
副業として業務委託を選ぶメリット
とはいえ、いきなり脱サラしてフリーランスとして業務委託を受けるのではなく、会社員の立場を守り副業で始めることで得られるメリットも多く存在します。
メリット①社会的信用と福利厚生を維持できる
会社員が副業として業務委託を行うことで、最大・最速で享受できるメリットは、本業による社会的信用と福利厚生を維持できることです。
住宅ローンやクレジットカードの審査では、安定した給与所得がある会社員の方が圧倒的に有利です。フリーランス専業の場合、収入が多くても「不安定な職業」として審査が厳しくなりがちですが、副業なら本業の信用で審査を通すことができます。
また、フリーランスになると国民健康保険や国民年金の保険料を全額自己負担する必要がありますが、副業なら会社の健康保険や厚生年金などの社会保険を継続でき、保険料負担を抑えられます。
副業を始めたてではなかなか収入はついてきませんが、その間も会社員としての保障を受け続けられるため、困ったときや将来に備えやすいです。
メリット②本業収入による精神的安定
本業の給与という安定収入があることで、業務委託の仕事をある程度選べる余裕が生まれます。「生活のために何でも受ける」必要がないため、条件の悪いクライアントや興味のない案件は断ることができます。
精神的余裕があるためクライアントとの交渉でも対等な立場を保ちやすくなり、適正な報酬での契約を結ぶ可能性が高まります。
また、理不尽な要求をされた場合でも、生活への影響を心配せずに契約を終了する判断ができます。
メリット③リスクを抑えて新分野に挑戦でき、キャリアの選択肢が広がる
本業というセーフティーネットがあることで、新しい分野やスキルに挑戦しやすくなります。失敗しても生活に困らないため、これまで経験のない業務や、将来性はあるが収入が不安定な案件にもチャレンジできます。
例えば、本業とは異なる業界のライティングや、新しいツールを使った制作業務など、スキルアップにつながる案件を積極的に選択できます。専業であれば避けがちなリスクのある案件も、副業なら学習投資として取り組むことが可能です。
逆に、本業で培ったスキルや知識を(情報漏洩にあたらないなど本業に支障が出ない範囲で)業務委託で活用すれば他の競合者との差別化が図れ、単価も高く設定しやすくなります。
副業で得たスキルや業界知識は、将来的な転職活動でも大きな武器になります。異業種への転職を考えている場合、副業でその業界の実務経験を積むことで、未経験者との差別化を図れ、年収アップの可能性も高まります。
メリット④経営者視点とビジネススキルの習得
業務委託では、自分が一人の事業主として営業から納品まで全工程を管理する必要があります。会社員では身につきにくい経営者的な視点やスキルが自然と習得でき、長期的なメリットになります。
クライアントとの価格交渉による営業力、複数案件の同時進行による優先順位付けや効率化スキル、品質管理の視点、問題解決能力や提案力、業務プロセス最適化経験など、さまざまな汎用性の高いビジネススキルが鍛えられます。
これらの経験は本業での昇進に直結します。管理職に求められる「事業を俯瞰する視点」「効率化の提案力」「顧客視点での改善力」といったスキルを、副業を通じて実践的に習得できるためです。同期と差をつける貴重な経験値となるでしょう。
副業でできる業務委託の仕事の具体例

では、実際にどんな業務委託の仕事があるのかを見てみましょう。
目安として各業種の「必要なスキル」を表でまとめていますが、用いるソフトの操作スキルについては省いています。
また、業務委託で稼ぐレベルのクオリティの仕事をするならパソコンと最低限のパソコンスキルがあるのが大前提になるため、「必要なスキル」「用意するもの」からは省いています。
Web・IT系の業務委託
Web・IT系の業務委託は、インターネットやデジタル技術を活用した仕事が中心です。在宅ワークとの相性が良く、副業として人気の高い分野です。
スキルレベルに応じて幅広い案件があり、継続的な学習によってキャリアアップも期待できます。
職種名 | 主な仕事内容 | 学ぶべきスキル | 用意するもの |
---|---|---|---|
Webデザイン | 企業サイトやLP(ランディングページ)のデザイン制作、既存サイトの改修 | デザインの基礎知識、HTML/CSS基礎、UI/UX理解 | デザインソフト(Photoshop、Illustrator、Figma等) |
プログラミング | Webサイト・アプリの開発、システム構築、既存システムの改修・保守 | プログラミング言語(JavaScript、Python、PHP等)、開発手法 | 開発環境、テキストエディタ |
クリエイティブ系の業務委託
クリエイティブ系の業務委託は、創作・制作スキルを活かした仕事が中心です。パソコンスキルに加えて自分の個性や感性を活かせる分野で、ポートフォリオを通じて実力をアピールします。
SNSやデジタルマーケティングの普及により、企業からの需要が高まっている領域です。
職種名 | 主な仕事内容 | 学ぶべきスキル | 用意するもの |
---|---|---|---|
Webライティング | 企業のWebサイト記事、ブログ記事、商品説明文の執筆 | 文章力、SEO基礎知識、リサーチスキル | 文書作成ソフト(Word・Googleドキュメント等) |
グラフィックデザイン | バナー、図解、スライド、チラシなどの視覚的コンテンツ制作 | デザインの基礎知識、色彩理論、レイアウト技術 | デザインソフト(Photoshop、Illustrator、Canva、PowerPoint等) |
動画編集 | YouTube動画、広告動画、企業PR動画の編集・加工 | 動画編集技術、カット・エフェクト技法、音響調整 | 高スペックPC、動画編集ソフト(Premiere Pro、Final Cut Pro等) |
イラスト制作 | 企業のキャラクター、挿絵、アイコン、漫画などのイラスト作成 | デジタルイラスト技術、キャラクターデザイン、色塗り技法 | ペンタブ、イラストソフト(CLIP STUDIO PAINT、Procreate、SAI等) |
事務・サポート系の業務委託
事務・サポート系の業務委託は、企業の業務を遠隔でサポートする仕事です。
基本的なPCスキルがあれば始めやすく、企業の働き方改革やリモートワーク普及により需要が拡大しています。継続的な契約につながりやすいのも特徴です。
職種名 | 主な仕事内容 | 学ぶべきスキル | 用意するもの |
---|---|---|---|
オンライン秘書・事務サポート | メール対応、スケジュール管理、資料作成、顧客対応などの事務業務 | ビジネスマナー、Office系ソフト操作、コミュニケーションスキル | Web会議ツール(Microsoft Office、Zoom等) |
SNS運用代行 | 企業SNSアカウントの投稿作成、コメント対応、分析レポート作成 | SNSマーケティング知識、コンテンツ企画力、分析スキル | 各種SNSアプリ、画像編集ソフト、分析ツール |
専門知識・スキルが必要な業務委託
専門知識・スキルが必要な業務委託は、特定の専門知識や資格を活かした高付加価値の仕事です。
参入難易度は高いものの、専門性により高単価での受注が期待できます。これまでの職歴や学習経験を活かせる分野です。
職種名 | 主な仕事内容 | 学ぶべきスキル | 用意するもの |
---|---|---|---|
翻訳 | 企業の資料、Webサイト、マニュアルなどの翻訳業務 | 高度な語学力、専門分野の知識、翻訳技法 | 辞書・翻訳支援ツール、専門用語集 |
コンサルティング | 企業の経営課題解決、業務改善提案、戦略立案支援 | 専門領域の深い知識、課題分析力、提案スキル | 資料作成ソフト、業界情報収集ツール |
業務委託の仕事の探し方・探せるサイト

業務委託の仕事は、自分で探しに行かなければ始まりません。
業務委託の仕事を探せるプラットフォーム・方法をまとめ、それぞれのメリット・デメリットを紹介します。
クラウドソーシングサイト【案件数が豊富】
クラウドソーシングとは、インターネット上で仕事を発注したい企業と、仕事を受けたい個人をマッチングするサービスのことです。
クラウドソーシングサイトには最も多くの業務委託案件が集まっており、「クラウドワークス」「ランサーズ」が有名です。
メリット | デメリット・注意点 |
---|---|
案件数が圧倒的に多い | 低単価の案件が多い |
様々な職種・業界の仕事がある | 競争が激しく、案件獲得が困難 |
初心者でも応募可能な案件が豊富 | 悪質なクライアントも存在する |
匿名で活動できるため身バレリスクが低い | 手数料が高い(5〜20%程度) |
契約から入金までがプラットフォーム上で完結する |
最初は実績作りとして、多少単価が低くても確実に完了できる案件から始めるのが定石です。
プロフィールを充実させ、ポートフォリオを作成することで、徐々に良い案件を獲得できるようになります。
スキルマーケット【自分のペースで待ちの営業】
スキルマーケットは、自分のスキルを商品として出品できるプラットフォームです。「ココナラ」「タイムチケット」などがあります。
クラウドソーシングサイトでは自分から案件に応募しますが、スキルマーケットはサービスを出品して依頼を待つという形式が大きな違いです。
メリット | デメリット・注意点 |
---|---|
自分で価格設定ができる | 最初は認知されるまで時間がかかる |
待ちの営業スタイルで負担が少ない | 他の出品者との差別化が必要 |
得意分野に特化できる | プラットフォーム手数料がかかる |
リピーターが付きやすい | |
契約から入金までがプラットフォーム上で完結する |
サービス内容を具体的に記載し、実績がない間は価格設定などを工夫しましょう。
購入者からの評価を積み重ねることで、徐々に単価を上げていけます。
業務委託専門エージェント【スキル重視、高単価】
業務委託専門エージェントは、企業と個人をマッチングする人材サービスです。
「ITプロパートナーズ」「PE-BANK」「ミッドワークス」などさまざまなサービスがあります。
メリット | デメリット・注意点 |
---|---|
高単価案件が多い | 一定のスキルレベルが求められる |
継続的な案件が期待できる | 面談や選考プロセスがある |
エージェントが条件交渉を代行 | エージェントとの相性に左右される |
スキルに見合った案件を紹介してもらえる |
実務経験が2〜3年以上あり、専門スキルに自信がある方におすすめです。
特にIT系、マーケティング、デザイン分野での需要が高い傾向にあります。
SNSや直接営業【自分から積極的にアプローチ】
SNSでの情報発信で認知を広げて依頼を受け付けるスタイルや、企業への直接営業なども案件獲得方法として有効です。
メリット | デメリット・注意点 |
---|---|
手数料がかからない | 営業スキルが必要 |
自分の価値を直接アピールできる | 断られたときのメンタル的な負担が大きい |
長期的な関係構築が可能 | 高いスキルや実績がないと発信・営業しても効果が薄い |
高単価案件につながりやすい | SNSでの発信で身バレリスクがある |
SNS運用に気を取られて作業やスキルアップがおろそかになることも |
SNSならXやLinkedInで専門分野の情報発信を継続し、信頼関係を築くことから始めましょう。収益化機能や同業者との交流に夢中になって、本来の目的である「案件獲得」を見失わないよう注意が必要です。
企業への直接営業は、具体的な提案内容を準備してから行うことが重要です。
知人からの紹介【番外編】
知人からの紹介は、意外と成功率の高い方法の一つです。
メリット | デメリット・注意点 |
---|---|
信頼関係があるため案件獲得しやすい | 「お友達料金」で安く買い叩かれる可能性 |
条件交渉がスムーズ | 断りにくく、条件の悪い仕事も引き受けがち |
継続的な関係になりやすい | 知人経由で本業の会社にバレるリスク |
トラブルが発生すると人間関係に影響 |
本業バレを避けたい場合は、慎重に判断しましょう。また、友人関係を壊さないためにも、報酬や納期などの条件は最初にしっかり確認することが大切です。
業務委託を始める前に確認したいポイント

最後に、実際に業務委託を始める前に確認しておきたいポイントを整理しましょう。
準備不足で後悔しないよう、以下のチェックリストとステップを参考にしてください。
チェックリストで自分の状況を整理しよう
まずは、あなたが業務委託を始められる状況にあるかを確認しましょう。
チェック①本業の就業規則で副業が認められているか
最も重要なポイントです。就業規則で副業が禁止されている場合、発覚すると懲戒処分の対象となる可能性があります。
「バレずにやれば大丈夫」なのは本業が副業OKの時だけです。禁止なのに会社バレを恐れながら副業するのは、メンタルに悪くパフォーマンスに悪影響、かつバレたときの本業・副業両方へのダメージが大きすぎます。
不明な場合は人事部に確認するか、就業規則を再度確認してください。
チェック②確定申告が必要になる可能性があることを理解しているか
業務委託の副業収入が年間20万円を超える場合、確定申告が必要になります。
また、住民税の特別徴収により会社に副業がバレるのを防ぐためには、20万円以下でも確定申告するのがおすすめです。税金の詳細については、以下の記事で詳しく解説しています。

チェック③月にどのくらいの時間を副業に使えるか
業務委託は成果物を納期までに完成させる必要があり、自分がどれくらいの速度で作業を進められるかを把握したうえで案件に応募・提案する必要があります。
平日の夜や休日にどのくらい作業時間を確保できるか、現実的に計算しておきましょう。
まずは計算した時間をスキルアップのための学習にあて、目標通りに実行できるか試してみるのもおすすめです。
チェック④既にできるスキルはあるか
現時点で自分にできること、興味のあること、勉強してもいいと思えることをリストアップしてみましょう。
特別なスキルがなくても始められる業務委託の仕事はたくさんありますが、スキル不要な仕事をいつまでも続けていても収入は増えません。
データ入力、アンケート回答、商品レビューなどをやってプラットフォームの操作に慣れる・評価をつけてもらうことも大事ですが、並行してスキルを身につけ、より単価の高い案件にチャレンジする準備をするべきです。
チェック⑤パソコンやネット環境は整っているか
業務委託の多くはパソコンとネット環境が必要です。今時、在宅・パソコンなしでできる業務委託の仕事はないと思った方がよいでしょう。
スマートフォンだけでできる案件もあるにはありますが、クオリティが求められない分案件の単価は下がり、作業効率も低い分時給換算すると恐ろしく低いことがほとんどです。
暇つぶしではなく稼ぐためにやるなら、パソコンを用意して効率を上げましょう。
パソコンのグラフィック性能が求められる動画編集でない限りは、高性能である必要はなく、中古や整備済み品でも十分です。
業務委託を始める6つのステップ
チェックリストで問題がなければ、実際に業務委託を始めてみましょう。
クラウドソーシングサイトでの応募を例に、踏むべき手順の例を提示します。
まずは初心者でも使いやすいクラウドソーシングサイトに登録しましょう。案件数がとにかく多い「クラウドワークス」や「ランサーズ」がおすすめです。
登録は無料で、身分証明書の提出などの本人確認手続きを済ませれば、すぐに案件に応募できるようになります。
まずはどんな案件が募集されているのかを観察してみましょう。
この段階で応募はしなくても、興味のある分野の依頼文を読むことで「どんなスキルが必要とされているのか」「自分の経験が生かせるか」「自分にできそうか」を考え、報酬の相場感を掴むのに役立ちます。
もし興味を持ったどの案件にも「必須スキル」として書かれているスキルを持っていない場合は、すぐに学習を始めましょう。
クライアントは応募者のプロフィールを見て依頼するかどうかを決めます。魅力的なプロフィールは案件獲得の重要な要素です。
【プロフィール作成のヒント】
- 本名または活動名を明記
- 簡潔で分かりやすい自己紹介文(案件につながりそうな趣味なども〇)
- 経験・スキル・使用可能ツール・所持資格を具体的に記載
- 対応可能な時間帯や連絡手段を明確に
- プロフィール写真は清潔感のあるものを使用(イラストアイコンでもいいが、人とかぶるフリー素材は印象に残りにくい)
まずは基本的な情報を入力し、実績を積みながら徐々に充実させていけば大丈夫です。
ここまでの準備ができたら、案件に応募します。実績がない状態ではなかなか依頼に至らないことがほとんどですが、地道に応募していきましょう。
【初心者におすすめの案件の特徴】
- 作業内容が明確で理解しやすい
- 納期に余裕がある
- クライアントの評価が高い
- 報酬は低くても確実にできる内容
最初は単価よりも「確実に完了できるか」を重視して選びましょう。
応募文では丁寧な言葉遣いを心がけ、案件に対する理解や活かせる経験、熱意を伝えることが大切です。
受注に至ったら、確実に納品しましょう。初回案件は今後の評価の基礎となる重要な仕事です。
【成功のポイント】
- クライアントとのやり取りは迅速かつ丁寧に
- 不明な点は早めに質問して確認
- 納期は余裕を持って設定し、必ず守る
- 完成品は何度もチェックしてから提出
小さなミスでも評価に影響するため、慎重に取り組みましょう。
完了後はクライアントからの評価とフィードバックを真摯に受け止め、次回に活かすことが重要です。
良い評価をつけてもらうことで、より条件の良い案件を獲得できるようになります。
【評価アップのコツ】
- 毎回、期待を上回る品質を目指す
- 継続的に案件を受注して実績を増やす
- クライアントとの長期的な関係構築を意識
- 新しいスキルの習得にも積極的に取り組む
焦らず着実に実績を積み上げていきましょう。
副業から始めて自分に合うかを見極めよう|まとめ

業務委託は、会社員として働きながら新しいスキルや分野に挑戦できる魅力的な働き方です。
本業の安定収入を維持しながらリスクを抑えて新しいことに挑戦でき、Web制作、ライティング、デザインなど様々な分野から興味のある仕事を自由に選択できます。
ただし、収入の不安定さや営業・事務作業の負担といったデメリットもあります。事前に本業の就業規則の確認や確定申告の準備、作業環境の整備は必須です。
正直なところ、業務委託は万人におすすめできる働き方ではありません。
人によって合う合わないがあるし、実際に挑戦してみて「思っていたのと違った」という経験をする人も少なくないでしょう。私もそうでした。
しかし、興味を持ちながらも「自分には無理かもしれない」と立ち止まっている時間の方がもったいないのも事実です。
確かに私は業務委託は合いませんでしたが、そのために身に着けたデザイン系のスキルや企業と直接取引する経験はブログ運営で役立っているので、完全に無駄だったとは思っていません。
迷っているよりもまずは小さな案件から始めて、業務委託という働き方が自分に合っているかを実際に体験してみることをおすすめします。
自分のペースで無理なく始めることで、新しいキャリアの可能性を広げていくことができるでしょう。
