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【初年度】住宅ローンの控除方法は?必要な書類や申請までの流れをFPが解説

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マイホームの購入を検討している方なら、住宅ローン利用時に受けることができる「住宅ローン控除」についても耳にしたことがあると思います。

しかし、何となくお得な制度であることは知っていても、条件や具体的な申請方法は不明という方も多いのではないでしょうか。

そこで本記事では、住宅ローン控除の概要を述べたうえで、必要書類と申請の流れを時系列にそって丁寧に紹介します。

住宅ローン控除の内容を理解し、お得なマイホーム購入へとつなげていきましょう。

※住宅ローン控除制度は法令で変更になることがあります。本記事は2023年11月の情報に基づいて執筆しています。

目次

住宅ローン控除とは|初年度の申請で注意すべき点

住宅ローン控除(減税)は正確には「住宅借入金等特別控除」という制度です。

いくつかの条件はあるものの、簡単に言えば個人が住宅ローンを利用した際に所得税の控除が受けられるものです。

例えば会社員であれば、会社を通じて給与額に応じた所得税を納税しています。

給与額のみで算出した所得税から住宅ローン控除額を直接差し引く(控除)ことができるのです。

また、所得税が控除しきれなかった場合は、翌年の住民税が一部控除可能です。

あなたは受けられる?住宅ローン控除の主な要件

住宅ローン控除は新築住宅や中古住宅の購入はもちろん、増改築のようなリフォームでも受けられる可能性があります。

それぞれ要件が異なりますので、ここでは主に新築住宅を購入(新築)するケースで見ていきます。

  • 住宅の引渡し日または工事の完了から6ヵ月以内に居住すること。また、控除を受ける年の12月31日まで引き続き居住していること
  • 特別控除を受ける年の合計所得金額が2,000万円以下であること
  • 対象となる住宅の床面積が50平方メートル以上であり、床面積の2分の1以上が自身の居住用であること(※1)
  • 住宅ローンの年数が10年以上であること
  • 居住した年より「前の2年間」と「翌年以後3年以内」において※2のような譲渡所得の課税の特例の適用を受けていないこと
    「居住用財産を譲渡した場合の長期譲渡所得の課税の特例」
    「居住用財産の譲渡所得の特別控除」など
  • 住宅(土地含む)が生計を一つにする親族等からの取得でないこと
  • 贈与による住宅の取得でないこと

参照:No.1211-1 住宅の新築等をし、令和4年以降に居住の用に供した場合(住宅借入金等特別控除)|国税庁

※1:控除を受ける年の合計所得金額が1,000万円以下の場合で、2023年末までに建築確認を受けた新築住宅の場合は、住宅の床面積が「40平方メートル以上50平方メートル未満」であっても控除を受けられる
※2:「居住用財産を譲渡した場合の長期譲渡所得の課税の特例」「居住用財産の譲渡所得の特別控除」など


2024年1月以降に建築確認を受ける 新築住宅の場合、「省エネ基準」を満たすことが必須の条件となります。

いわゆる「省エネ住宅」でない場合は住宅ローン減税を受けられません。

詳細:住宅ローン減税の省エネ要件化|国土交通省(PDF)

初年度はどの程度金額が戻ってくるのか?

住宅ローン控除では「その年の住宅ローン残高」に「控除率」を乗じた金額が控除可能となります。

以前の控除率は「1%」でしたが、住宅ローン金利が低く抑えられている状況を鑑みて2022年からは「0.7%」に引き下げられました。

ただし、控除できる期間は最長10年から13年へと延長されています。

【計算式】
住宅ローン控除額=その年の住宅ローン残高×0.7%

ただし、年末の住宅ローン残高には上限があります。

この上限は「借入限度額」といい、住宅の種類ごとに限度額に違いがあるので注意が必要です。

住宅の種類ごとの借入限度額の違いは以下のとおりです。

借入限度額

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住宅区分借入限度額
認定長期優良住宅/低炭素建物/低炭素建物とみなされる特定建築物4,500万円
特定エネルギー消費製網向上住宅(ZEH水準省エネ住宅)3,500万円
エネルギー消費性能向上住宅(省エネ基準適合住宅)3,000万円
上記以外の一般新築住宅原則控除なし

つまり認定長期優良住宅であれば「31.5万円(4,500万円×0.7%)」が最高控除額です。

借入限度額や控除期間は変わることがあります。例えば、2023年とそれ以降では、下図のような違いがあります。

(注)2023年までに新築の建築確認が行われた場合は借入限度額「2,000万円」控除期間「10年間」で適用が受けられます。

出典:No.1211-1 住宅の新築等をし、令和4年以降に居住の用に供した場合(住宅借入金等特別控除)|国税庁

初年度の住宅ローン控除を受けるには確定申告が必須

住宅ローン控除を受けるためには、​条件を満たしたうえで、​確定申告や年末調整をしなければなりません。

住宅ローン控除の初年度については税務署に必要書類を提出する確定申告が必要です。

普段は年末調整だけで納税手続きが終わる会社勤めの方でも、初年度は必ず申告を行わなければなりません。

この場合の確定申告は、払いすぎた所得税の還付(住宅ローン控除)を受ける手続きとなります。

2年目以降は、会社員の方であれば年末調整のみで住宅ローン控除を受けることが可能です。

申請に必要な書類

前章で紹介したように、住宅ローン控除を受ける初年度は確定申告が必要です。

その際には、所定の書類を準備しておく必要があります。必要な書類は次のとおりです。

確定申告書・住宅借入金等特別控除額の計算明細書
→国税庁ホームページや最寄りの税務署で入手可能です。

住宅ローンの借入残高証明書
→住宅ローンを組んだ金融機関から郵送されてきます。

勤務先の源泉徴収票
→勤務先から入手します。

登記簿謄本
→法務局で入手します。土地と建物双方の登記簿が必要です。

マイナンバーカード
→本人確認書類として必要です。

住宅性能を示す書類(「建設住宅性能評価書」「住宅省エネルギー性能証明書」など)
→該当の住宅の場合は、工務店や不動産会社を通じて入手します。一般住宅は不要です。

申請までの流れ

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12月1・2月3月
やるべきこと源泉徴収票をもらう必要な書類を集めておくその年の申請期間を確認し、期日までには申請を行う
注意点勤務先によっては受取が1月書類ごとに問い合わせ先が異なる余裕をもって申請する

確定申告は1年(1月1日から12月31日まで)の所得を明らかにし、所得税の金額を計算する手続きです。

その年の所得は、原則として翌年の2月16日から3月15日までの間に申請します。

そのため12月から翌年3月まで段取りよく進める必要があります。

確定申告は1年(1月1日から12月31日まで)の所得を明らかにし、所得税の金額を計算する手続きです。

その年の所得は、原則として翌年の2月16日から3月15日までの間に申請します。

そのため12月から翌年3月まで段取りよく進める必要があります。

【12月】源泉徴収票をもらう

源泉徴収票とは1年間(1月1日から12月31日まで)に、勤務先から支払われた給与・賞与と天引きされた社会保険料・所得税額などが記載された書類です。

勤務先によっては源泉徴収票の発行が1月になることもあるようですが、可能であれば12月中にもらえるようにしておきましょう。

【1・2月】必要な書類を集めておく

前章で挙げた必要な書類を集めておきます。

金融機関、法務局、不動産会社など書類ごとに問い合わせ先が異なるため、遅くとも1月頭には動き出すことをおすすめします。

なお、住宅ローンの年末残高証明書は12月末までに自宅に郵送されることが多いので、届いたらしっかりと保管しておいてください。

万が一紛失してしまったときは、早めに再発行を依頼しましょう。

【3月】中旬までには申請を行う

前述のとおり、確定申告期間は原則として翌年の2月16日から3月15日までです。

個人事業主は確定申告が必要ですし、社会人でも副業をしていたり所得が一定以上だったりする方は確定申告が必要です。

税務署に持参する場合は、申告期限が近付くほど混む傾向があります。

またインターネットを介して申請する場合も、思わぬネットトラブルやIT機器の故障が生じる恐れがあるので、余裕をもって申請しましょう

もし申請が間に合わなかったら

うっかり確定申告の期限が過ぎてしまったときは税務署に「更正の請求」という手続きを行うことで控除を受けることが可能です。

ただし、法定申告期限から5年以内です。

2年目以降は12月頃の年末調整で住宅ローン控除を受けることが可能ですが、年末調整での申請を忘れた場合はどうでしょうか。

この場合、まずは勤務先に住宅ローン控除の申請が間に合うか相談します。勤務先で対応が間に合わない場合は、ご自身で確定申告を行う方法があります。

どこで申請するのか?

紙の書類で申請する場合

住所地を管轄する税務署に書類を直接持参する、もしくは書類を郵送することで手続きが可能です。書類を税務署に持参する場合は、受付に直接提出します。

ただし、受付時間外になってしまった場合は「時間外収受箱」への投函により提出することも可能です。

インターネットを介して申請する場合

インターネットで電子申告をすることが可能です。国税庁のサイトに確定申告書作成コーナーがあり、画面上の案内に従って必要項目を入力することで、確定申告書の作成や申請ができます。

確定申告書作成コーナーはその年ごとに更新され、更新時期は通常年明けです。例えば2023年分の確定申告書等作成コーナーは、2024年1月上旬公開予定です。なお、パソコンだけでなくスマートフォンからの申請も可能です。

参考:確定申告書等作成コーナー/e-Tax(国税電子申告・納税システム)|国税庁

最後に|上手く活用して負担を軽くしよう!

会社員の方にとって、所得税や確定申告といった用語はなじみが薄いことでしょう。そのため住宅ローン控除の申請を難しく感じているかもしれません。

しかし必要な書類の多くは住宅購入に関わった専門業者や金融機関に依頼すれば手に入ります。段取りを知って準備すれば、スムーズに申請できることでしょう。

ただし条件が細かいので、条件に関してはマイホーム探しの段階から確実に理解しておくことをおすすめします。

また、住宅ローン控除は社会状況に合わせて改正が重ねられてきた制度です。

今後も改正される可能性がありますので、最新情報の入手を心掛けましょう。

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この記事を書いた人

マネー系・ITに強いライターとして2013年からWEB記事の執筆・編集に携わる。「分かりやすく」「誰のための記事なのか」を見極めることで、精度の高い記事を作成。需要に応じた記事を短期間で書く技術で、年間100本以上の記事に関わる。 AFP/ライフプラン応援事務所

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