【年収別】生命保険料控除を年収別に解説!控除額と節税額(概算)をシミュレーション

「生命保険料控除で節税できると聞いたけど、自分の収入ではどの程度税金が安くなるのかな?」「夫の年収だったらどうなのだろう」
生命保険料控除は年末調整や確定申告で手続きをすることで、所得税と住民税を安くできる仕組みです。
この記事では、2025年分(令和7年分)・2026年分(令和8年分)の所得税ルールを前提に、年収200万円から600万円を例に、生命保険料控除による税負担の軽減額の目安を解説します。[1][2][3][4]
なお、令和8年分には、23歳未満の扶養親族がいる場合に、所得税の一般生命保険料控除(新生命保険料)の上限が1年間に限って最高6万円へ引き上げられる特例があります。[10]
生命保険料控除を活用することで、税負担がどの程度軽減される可能性があるのか、ぜひ自分のケースに当てはめて、考えてみてください。
この記事でわかること
- 生命保険料控除の仕組みと、新制度・旧制度の違い
- 年収200万円〜600万円で、所得税と住民税がいくら軽減されるかの目安
- 年末調整・確定申告で生命保険料控除を受ける手順と注意点

生命保険料控除で税負担が軽減される仕組みとは?

年収別の生命保険料控除を説明する前に、なぜ生命保険料控除を使うと節税できるのか、節税の流れについて解説します。
STEP1|加入している保険の種類と契約日を確認する
はじめに、加入している保険の種類と契約日を確認しましょう。生命保険料控除では、保険の種類や契約日によって控除額が異なるためです。
2012年1月1日以降に契約した保険を「新制度」といい、「新生命保険料控除」「介護医療保険料控除」「新個人年金保険料控除」があります。
一方で2011年12月31日以前のものは「旧制度」に該当し、「旧生命保険料控除」「旧個人年金保険料控除」があります。
旧制度に当てはまるかどうかは、2011年12月31日以前に締結した契約かどうかで判断します。2012年1月1日以後に締結した契約は新制度です。詳細は生命保険料控除証明書で確認できます。[1]
※保険の種類や契約内容によっては、生命保険でも控除の対象にならない場合があります(例:保険期間が5年未満のものなど)。控除対象かどうかは、生命保険料控除証明書と国税庁の案内で確認してください。[1]
【新制度】
| 区分 | 対象となる保険 |
|---|---|
| 新生命保険料控除 | 定期保険、終身保険、学資保険など |
| 介護医療保険料控除 | 医療保険、がん保険、介護保険など |
| 新個人年金保険料控除 | 個人年金保険など |
【旧制度】
| 区分 | 対象となる保険 |
|---|---|
| 旧生命保険料控除 | 定期保険、終身保険、学資保険、医療保険、がん保険、介護保険など |
| 旧個人年金保険料控除 | 個人年金保険など |
加入している保険がどの区分に当てはまるかわからない人もいるかもしれません。
毎年秋頃に保険会社から送られてくる「生命保険料控除証明書」に該当する区分と契約日が記載されているので、安心してください。
STEP2|控除できる金額を計算する

次に控除できる金額を計算しましょう。
新制度・旧制度の控除額を以下にまとめました。新制度と旧制度では、控除額が若干異なります。
【新制度】
| 所得税 | 住民税 | ||
|---|---|---|---|
| 年間の支払い保険料 | 控除額 | 年間の支払い保険料 | 控除額 |
| 2万円以下 | 支払い保険料の全額 | 1万2,000円以下 | 支払い保険料の全額 |
| 2万円超〜4万円以下 | 支払い保険料×1/2+1万円 | 1万2,000円超〜3万2,000円以下 | 支払い保険料×1/2+6,000円 |
| 4万円超〜8万円以下 | 支払い保険料×1/4+2万円 | 3万2,000円超〜5万6,000円以下 | 支払い保険料×1/4+1万4,000円 |
| 8万円超 | 一律4万円 | 5万6,000円超 | 一律2万8,000円 |
新生命保険料控除・介護医療保険料控除・新個人年金保険料控除それぞれで枠を使う場合、所得税では12万円が上限で、住民税では7万円が上限になります。[5]
住民税の場合、2万8,000円×3で8万4,000円にはならないため、注意が必要です。[1][5]
【旧制度】
| 所得税 | 住民税 | ||
|---|---|---|---|
| 年間の支払い保険料 | 控除額 | 年間の支払い保険料 | 控除額 |
| 2万5,000円以下 | 支払い保険料の全額 | 1万5,000円以下 | 支払い保険料の全額 |
| 2万5,000円超〜5万円以下 | 支払い保険料×1/2+1万2,500円 | 1万5,000円超〜4万円以下 | 支払い保険料×1/2+7,500円 |
| 5万円超〜10万円以下 | 支払い保険料×1/4+2万5,000円 | 4万円超〜7万円以下 | 支払い保険料×1/4+1万7,500円 |
| 10万円超 | 一律5万円 | 7万円超 | 一律3万5,000円 |
旧生命保険料控除・旧個人年金保険料控除それぞれで枠を使うと、所得税の上限は10万円で、住民税の上限は7万円となります。1区分あたりの控除額は、所得税・住民税ともに新制度よりも少し上がります。
新制度と旧制度を両方使う場合でも、一般生命保険料控除と個人年金保険料控除はそれぞれ上限があり、全体の合計上限は所得税12万円、住民税7万円です。[1][5]
STEP3|控除額に税率をかけ節税額を求める

次に、先ほど求めた控除額に税率をかけて、概算の節税額を算出します。この記事の所得税の軽減額は、便宜上、復興特別所得税を含まない本則税額で表示しています。[4][11]
※復興特別所得税まで含めた目安は「所得税の軽減額×1.021(1円未満切捨て)」です。[11]
所得税の税率は表のとおりです。
| 課税所得金額 | 税率 |
|---|---|
| 1,000円〜194万9,000円 | 5% |
| 195万円〜329万9,000円 | 10% |
| 330万円〜694万9,000円 | 20% |
| 695万円〜899万9,000円 | 23% |
| 900万円〜1,799万9,000円 | 33% |
| 1,800万円〜3,999万9,000円 | 40% |
| 4,000万円〜 | 45% |
課税所得金額とは、収入から所得控除(給与所得控除や基礎控除など)を差し引いた金額です。年収ではないため注意しましょう。
詳しくは年収別の計算シミュレーションで解説しますので、ご覧ください。
※住民税の軽減は、原則として翌年度の住民税(所得割)に反映されます。均等割は控除で直接減りません。所得割が課税されない場合は、軽減額が出ないことがあります。ここでは所得割10%で概算します。[5][12]

【年収別】生命保険料控除 概算シミュレーション

2012年1月1日以降に終身保険と医療保険に加入し、以下の保険料を払った場合、いくら節税できるか年収別に解説します。
・終身保険…年間8万円
・医療保険…年間4万円
上記より、所得税の控除額は「7万円」になります。[1]
終身保険(新生命保険料控除)…8万円×1/4+2万円=4万円
医療保険(介護医療保険料控除)…4万円×1/2+1万円=3万円
合計の控除額=4万円+3万円=7万円
住民税の控除額は「5万2,000円」です。[5]
終身保険(新生命保険料控除)…一律2万8,000円
医療保険(介護医療保険料控除)…4万円×1/4+1万4,000円=2万4,000円
合計の控除額=2万8,000円+2万4,000円=5万2,000円
なお、以下の年収別シミュレーション(一定条件のモデルケース)は、2025年・2026年分の所得税ルールを前提にした簡易試算です。
※課税所得は『給与所得金額-基礎控除』で仮置きしており、社会保険料控除、扶養控除、配偶者控除、医療費控除、住宅ローン控除などは反映していません。また住民税は翌年度の所得割を前提に概算しており、均等割・森林環境税は含めていません。
基礎控除は一律48万円ではなく、合計所得金額に応じて変わります。2025年は11月までの源泉徴収事務に改正の反映がなく、12月の年末調整で精算されるため、月々の天引き額とは一致しない場合があります。[9]
この記事の試算では、年収200万円は95万円、年収300万円・400万円は88万円、年収500万円・600万円は68万円を用います。[2][3]
また、この記事で用いる給与所得金額は次のとおりです。[2]
※以下の表は超簡易シミュレーションです。課税所得は「給与所得金額−基礎控除」のみで仮置きしており、社会保険料控除や扶養控除、配偶者控除などの他の所得控除は反映していません。
| 年収 | 給与所得金額 | 基礎控除 | 所得税率 | 所得税の軽減額 | 住民税の軽減額(概算) |
|---|---|---|---|---|---|
| 200万円 | 132万円 | 95万円 | 5% | 3,500円 | 5,200円 |
| 300万円 | 202万円 | 88万円 | 5% | 3,500円 | 5,200円 |
| 400万円 | 276万円 | 88万円 | 5% | 3,500円 | 5,200円 |
| 500万円 | 356万円 | 68万円 | 10% | 7,000円 | 5,200円 |
| 600万円 | 436万円 | 68万円 | 20% | 1万4,000円 | 5,200円 |
※なお、給与収入660万円未満の給与所得金額は、厳密には国税庁の「年末調整等のための給与所得控除後の給与等の金額の表」により確認します。この記事の数値は、その表および国税庁の案内に沿った簡易試算です。
年収200万円の場合
年収200万円のケースでは、給与所得金額は132万円、基礎控除は95万円となるため、課税所得金額は37万円です。この前提では、所得税の税率は5%になります。[2][3][4]
控除額7万円×5%=3,500円で、所得税の軽減額は概算3,500円です。[1][4]
住民税の所得割では、控除額5万2,000円×10%=5,200円で、5,200円の軽減となります。[1][5]
年収300万円の場合
年収300万円のケースでは、給与所得金額は202万円、基礎控除は88万円となるため、課税所得金額は114万円です。この前提では、所得税率は5%になります。[2][3][4]
控除額7万円×5%=3,500円で、所得税の軽減額は概算3,500円です。[1][4]
住民税の所得割では、控除額5万2,000円×10%=5,200円で、5,200円の軽減となります。[1][5]
年収400万円の場合
年収400万円では、給与所得金額は276万円、基礎控除は88万円となるため、課税所得金額は188万円です。この前提では、所得税率は5%になります。[2][3][4]
控除額7万円×5%=3,500円で、所得税の軽減額は概算3,500円です。[1][4]
住民税の所得割では、控除額5万2,000円×10%=5,200円で、5,200円の軽減となります。[1][5]
年収500万円の場合
年収500万円では、給与所得金額は356万円、基礎控除は68万円となるため、課税所得金額は288万円です。この前提では、所得税率は10%になります。[2][3][4]
控除額7万円×10%=7,000円で、所得税の軽減額は概算7,000円です。[1][4]
住民税の所得割では、控除額5万2,000円×10%=5,200円で、5,200円の軽減となります。[1][5]
年収600万円の場合
年収600万円では、給与所得金額は436万円、基礎控除は68万円となるため、課税所得金額は368万円です。この前提では、所得税率は20%になります。[2][3][4]
控除額7万円×20%=1万4,000円で、所得税の軽減額は概算1万4,000円です。[1][4]
住民税の所得割では、控除額5万2,000円×10%=5,200円で、5,200円の軽減となります。[1][5]
生命保険料控除を受ける方法とは?

生命保険料控除を受ける方法は、年末調整と確定申告の2つです。
会社員であれば、原則として勤務先の年末調整で申告します。給与所得者の保険料控除申告書に必要事項を記入し、生命保険料控除証明書を添えて、その年最後に給与等の支払を受ける日の前日までに勤務先へ提出します。[6]
年末調整に間に合わなかった場合や、確定申告をする必要がある人は、翌年の確定申告で生命保険料控除を申告します。e-Taxで提出する場合は、生命保険料控除証明書の内容を入力して送信することで、税務署への提出または提示を省略できます。ただし、後日確認を求められる場合があるため、原則として法定申告期限から5年間は保存しておきましょう。[7]
郵送や窓口提出もできますが、混雑を避けたい場合はe-Taxを使っての申告をおすすめします。[7]

よくある質問(Q&A)
生命保険料控除はいくらまで受けられますか?
生命保険料控除の上限は契約区分によって異なります。
2012年1月1日以後に締結した新制度の契約で3区分すべてを使う場合、所得税の控除上限は合計12万円、住民税の控除上限は合計7万円です。旧制度のみの場合、所得税の控除上限は合計10万円、住民税の控除上限は合計7万円です。
新制度と旧制度を併用する場合でも、全体の合計上限は所得税12万円、住民税7万円です。[1][5]
※生命保険料控除は、契約者名義だけでなく、実際に保険料を負担した人や保険金受取人の要件によって判定されます。夫婦でどちらの控除対象になるか迷う場合は、生命保険料控除証明書と国税庁の案内を確認してください。[13]
生命保険料控除の節税額はどうやって計算しますか?
まず、年間の支払保険料から生命保険料控除額を計算します。
そのうえで、所得税は控除額に自分の所得税率を掛けて概算し、住民税は一般に所得割10%で概算できます。[1][4][5]
年収が低いと生命保険料控除の節税効果は小さいですか?
一般に、同じ控除額でも適用される所得税率が低いほど、所得税の軽減額は小さくなります。
住民税についても、所得割が課税されない場合は軽減額が出ないことがあります。[4][5]
生命保険料控除は会社員なら自動で反映されますか?
自動で反映はされません。
会社員は通常、勤務先の年末調整で保険料控除申告書と生命保険料控除証明書を提出して申告します。
年末調整に間に合わなかった場合は、確定申告で手続きできます。[6][7]
旧制度と新制度はどう見分ければよいですか?
2011年12月31日以前に締結した契約は旧制度、2012年1月1日以後に締結した契約は新制度です。
毎年送付される生命保険料控除証明書でも確認できます。[1]
令和8年分は生命保険料控除の上限が変わることがありますか?
一般生命保険料控除(新生命保険料)について、居住者に年齢23歳未満の扶養親族がいる場合は、令和8年分の所得税に限り、控除額の上限が最高6万円に引き上げられる特例があります。[10]
適用条件や判定時点は国税庁の最新案内や保険料控除申告書で確認してください。
まとめ|忘れずに申告し経済的余裕を得よう

生命保険料控除で軽減される税額は、同じ保険料でも適用される所得税率によって変わります。
本記事の前提では、復興特別所得税を含まない概算で、年収200万円・400万円では所得税と住民税の合計軽減額は8,700円、年収600万円では1万9,200円です。
※実際の軽減額は、社会保険料控除や扶養控除など、ほかの所得控除の有無でも変わります。[1][4][8]
支払っている保険料や課税状況によって効果は異なりますが、生命保険料控除には税負担を一定程度軽減できる可能性があることがおわかりいただけたのではないでしょうか。
会社員が活用できる税負担軽減の制度には、生命保険料控除のほか、ふるさと納税やiDeCoなどがあります。ぜひ生命保険料控除も活用し、少しでも育児や家族時間、趣味のためにお金が使えるよう工夫してみてくださいね。
忘れずに申告ができるように、保険会社からの郵便物はこまめにチェックしておきましょう。


重要なご注意
本記事は、2026年3月9日時点で確認できる公的機関の情報に基づいて作成していますが、税制改正や制度変更により、今後内容が変わる可能性があります。[1][3][9]
また、本記事の年収別シミュレーションは、給与収入のみを前提とした簡易試算です。実際の税額は、社会保険料控除、扶養控除、配偶者控除、医療費控除、住宅ローン控除、住民税の非課税判定、加入している保険の契約区分や年間保険料などによって変わります。[1][4][8]
生命保険料控除を受ける際は、保険会社から送付される生命保険料控除証明書や、勤務先・税務署・市区町村の案内を確認してください。個別事情を踏まえた判断が必要な場合は、税理士や所轄の税務署・自治体窓口への相談をご検討ください。[1][6][7]
参考・出典
- [1] 国税庁「No.1140 生命保険料控除」
更新日:令和7年4月1日現在法令等
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1140.htm - [2] 国税庁「No.1410 給与所得控除」
更新日:令和7年4月1日現在法令等
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1410.htm - [3] 国税庁「No.1199 基礎控除」
更新日:令和7年4月1日現在法令等
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1199.htm - [4] 国税庁「No.2260 所得税の税率」
更新日:令和7年4月1日現在法令等
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/2260.htm - [5] 江東区「所得控除の種類」
更新日:2025年12月12日
https://www.city.koto.lg.jp/060502/kurashi/zekin/kuminze/5105.html - [6] 国税庁「A2-3 給与所得者の保険料控除の申告」
更新日:ページ上に明示なし
https://www.nta.go.jp/taxes/tetsuzuki/shinsei/annai/gensen/annai/1648_05.htm - [7] e-Tax「e-Taxを利用して所得税の確定申告書を提出する場合の『生命保険料控除の証明書』などの第三者作成書類の添付省略の制度について教えてください。」
更新日:令和4年4月1日
https://www.e-tax.nta.go.jp/toiawase/qa/kakutei/tempu01.htm - [8] 国税庁「No.1100 所得控除のあらまし」
更新日:令和7年4月1日現在法令等
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1100.htm - [9] 国税庁「令和7年度税制改正による所得税の基礎控除の見直し等について」
更新日:ページ上に明示なし
https://www.nta.go.jp/users/gensen/2025kiso/ - [10] 財務省「令和7年度税制改正の大綱の概要」
更新日:ページ上に明示なし(令和6年12月27日 閣議決定)
https://www.mof.go.jp/tax_policy/tax_reform/outline/fy2025/07taikou_gaiyou.htm - [11] 国税庁「No.2507 復興特別所得税の源泉徴収」
更新日:令和7年4月1日現在法令等
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/gensen/2507.htm - [12] 明石市「【個人の市民税】明石市作成パンフレット」
更新日:2026年1月5日
https://www.city.akashi.lg.jp/zaimu/zeisei_ka/kurashi/zekin/shiminze/yokuarusitumon.html - [13] 国税庁「妻名義の生命保険料控除証明書に基づく生命保険料控除」
更新日:ページ上に明示なし
https://www.nta.go.jp/law/shitsugi/gensen/03/35.htm