部下のマネジメントとは?うまくいかない原因と改善の5ステップ【NG行動&おすすめ本つき】

指示は出しているのに成果が出ない…
どこまで厳しく言えばいいのか分からない…
チームの雰囲気がどことなく重い…
管理職の経験者なら一度は抱えたことのある悩みではないでしょうか。
管理職になって最初にぶつかる壁の多くは、部下のマネジメントについてのものです。しかし、現場では「経験で覚えて」「空気を読んで」と属人的に語られがちで、体系的に学ぶ機会は多くありません。
一方で、働き方の多様化やZ世代の価値観の変化、ハラスメント防止への意識の高まりなどにより、昔ながらの“根性論マネジメント”は通用しにくくなっています。
本記事では、部下のマネジメントに悩む管理職の方に向けて、最新の知見を踏まえたマネジメントの基本から、明日から使える5ステップの実践方法、よくある失敗ケースへの具体的な対処法までを整理して解説します。
さらに、『新1分間マネジャー』『リーダーの仮面』『心理的安全性のつくりかた』など、部下のマネジメントに役立つ人気書籍のエッセンスもかみ砕いて紹介し、体系的に学び直せるようにしました。
【この記事で分かること】
・「部下のマネジメント」とは何か(マネジメントとリーダーシップの違い、今求められる上司像)
・部下との関わり方を良くする5ステップと、やりがちなNG行動の改善策
・定番&注目の3冊から学ぶ、部下のマネジメントの実践ポイント
ねくこ最後まで読めば、「何となく部下と接する」状態から抜け出し、成果と信頼関係の両方を高めるマネジメントの“型”を持てるようになります。
部下のマネジメントとは? 求められる上司の役割

部下のマネジメントを難しく感じるとき、多くの場合「何を目指し、どこまでやるのか」が曖昧になっています。
まずは、上司として果たすべき役割と、いまの時代ならではの難しさを理解し、考え方の土台をつくりましょう。
部下のマネジメントの定義とゴール
部下のマネジメントとは、チームの目標達成(成果)と、部下一人ひとりの成長や健康的に働き続けられる状態(継続)を両立させるために、環境・人・仕事を整えることです。
もう少し具体的に言うと、次の3つを同時に実現する取り組みが、ここで言う「部下のマネジメント」です。
成果:チームとして目標を達成すること
成長:部下が経験を通じてスキル・思考力を高めていくこと
継続:メンバーが健康的・心理的に無理なく働き続けること
これらのうちどれか一つに偏りすぎると、短期的には成果が出ても、離職やメンタル不調が増えたり、逆に雰囲気は良くても業績が伸びず、組織が疲弊したりします。PM理論(三隅二不二による、P機能=目標達成機能とM機能=集団維持機能の強弱で4類型に分けるリーダーシップ理論)でも、両方を高い水準で満たす「PM型リーダー」が理想とされています。※1
この記事では、「成果」「成長」「継続」の3つのバランスをどう取るかを軸に、具体的なやり方を見ていきます。
なぜ「今」部下のマネジメントが難しくなっているのか
ここ数年、部下のマネジメントが難しくなっていると感じる管理職は少なくありません。その背景には、働き方や価値観、ハラスメントへの意識など、職場を取り巻く状況の変化があります。
【部下のマネジメントを難しくしている4つの変化】
価値観の多様化:
近年の調査では、Z世代は「自分らしさ」やキャリアの納得感を重視する人が多い一方で、価値観は世代内でも多様であることが指摘されている
働き方の変化:
リモートワークやフレックス制の浸透で、顔を合わせる機会が減り、細かな変化に気づきにくい
ハラスメントへの感度の高まり:
昭和・平成的な叱り方や飲みニケーションが通用しにくくなっている
メンタルヘルスや発達特性への配慮:
一人ひとりの特性を理解した関わり方が求められている
単に「自分のやり方に部下を合わせる」のではなく、部下一人ひとりの価値観や状況に合わせて関わり方を変え、チームの成果につなげていく必要があります。
部下のマネジメント|上司の5つの役割

上司として、部下と日々どんな関わり方をしていけばいいかは、次の5つの役割に分けて考えると分かりやすくなります。
- 目的・期待値を合わせる(目標設定・役割の明確化)
- 仕事を設計し、任せる(タスクの分解・権限委譲)
- 観察し、フィードバックする(事実に基づく評価と支援)
- 対話し、心理的安全性をつくる(1on1・信頼関係)
- 振り返りと成長支援を行う(キャリア・育成計画)
上の図は、中央に「成果 × 信頼」があり、その周りを5つの役割が円になって取り囲んでいます。
上司の仕事は、この5つを行ったり来たりしながら回していくことで、チームの成果と信頼関係の両方を少しずつ高めていくことだと考えてください。
部下のマネジメントの方法:明日から使える5ステップ

頭では大事だと分かっていても、日々の忙しさの中でマネジメントは後回しになりがちです。
ここでは、部下のマネジメントという業務を5つのステップに分け、今日から実践しやすい形で解説します。

最初のステップは、上司と部下の「ゴールと役割のすり合わせ」です。ここが曖昧なまま仕事を任せると、「やってほしかったこと」と「部下がやったこと」のズレが生まれ、双方に不満がたまりやすくなります。
- チーム全体の目標(売上・品質・顧客満足など)
- 部門としての重点テーマ(今期は何に力を入れるのか)
- 一人ひとりの役割と期待値(何をどのレベルまで任せたいのか)
これらを、できれば四半期ごとなど一定のタイミングで言語化し、1on1やミーティングで共有しましょう。
目標は「SMART(具体的・測定可能・達成可能・関連性・期限)」の観点で設定すると、あとで振り返りをしやすくなります。※2
次のステップは、「どんな仕事を、どこまで任せるか」をはっきりさせることです。
ここが曖昧なまま「任せたつもり」になっていると、部下からすると「何を基準に判断していいのか分からない」状態になり、動きが鈍くなってしまいます。
ポイントは、次の3つです。
ゴールを一文で言語化する:
「この仕事が終わったとき、どうなっていれば成功か」を、短い文で表現します。
例)「今期中に、既存顧客10社で新サービスの提案ができている状態」など。
任せる範囲と、相談してほしいラインを決める:
・自分で判断して進めていい範囲
・相談してほしい金額・期間・影響範囲
をあらかじめ伝えておくと、ムダな「念のため確認です」を減らしつつ、暴走も防げます。
途中のチェックポイントを一緒に決める:
「来週のミーティングで途中経過を共有しよう」「この日までに叩き台だけ見せてほしい」など、中間地点を設定しておくと、任せながらも状況を把握しやすくなります。
特に、経験の浅い部下には、「成果物のイメージ」「判断基準」「途中で相談してよいタイミング」の3点をセットで渡すと、自分で考えながら動きやすくなります。
ねくこ逆に、細かい指示だけを小出しにすると、いつまでも指示待ちから抜け出せません。

仕事を任せたあとは、「結果だけを見る」のではなく、プロセスも含めて様子を観察し、こまめにフィードバックすることが大切です。放置に近い状態が続くと、部下は「見られていない」「どう評価されているか分からない」と感じやすくなります。
フィードバックのコツは、次の2つをセットで回すことです。
- 良い行動は、その場ですぐ具体的に褒める
- 改善が必要な点は、事実ベースで短く伝える
例)
- 良い行動へのフィードバック
「今日の打ち合わせで、お客様の懸念点を先回りして言語化していたのが良かったです」
「報告のまとめ方が分かりやすくなってきたね。このポイントはぜひ続けてほしい」 - 改善が必要な行動へのフィードバック
NG:「君は本当にだらしないよね」
OK:「提出期限を2回続けて守れていないので、スケジュールの立て方を一緒に見直したい」
人格ではなく行動にフォーカスし、
- 「どの場面で」
- 「何が起きて」
- 「どうしてほしいのか」
を冷静に伝えることがポイントです。
短時間でもいいので、週1回・10〜15分程度、進捗と困りごとを確認する時間をつくると、問題の早期発見と関係性の強化につながります。「うまくいっているところ」「工夫したところ」にも必ず触れることで、単なるダメ出しの時間にならないように意識しましょう。
成果だけでなく、部下のモチベーションや状態を把握するには、定期的な1on1が有効です。
Googleの『プロジェクト・アリストテレス』などの研究では、心理的安全性が最も重要なチーム要因であり、成果・イノベーション・離職率などにも良い影響があると報告されています。※4
1on1では、次のようなテーマをバランスよく扱うとよいでしょう。
- 業務の進捗(うまくいっていること・困っていること)
- 学びと成長(最近できるようになったこと・挑戦したいこと)
- コンディション(働き方や負荷の状態、気になること)
上司が一方的に話すのではなく、「7割は部下に話してもらう」イメージで傾聴し、共感と具体的なサポートをセットにすることが、信頼感につながります。
最後のステップは、定期的な振り返りです。四半期ごと、プロジェクトの終了時などに、次の3点を一緒に振り返りましょう。
- 何がうまくいったか(成功要因)
- どこでつまずいたか(課題と背景)
- 次にどう活かすか(学びと行動計画)
ここで重要なのは、「評価」と「成長支援」をセットで行うことです。
結果だけを評価するのではなく、プロセスで工夫した点や、チャレンジした点も認めながら、次の一歩を一緒に考えることで、部下は安心して挑戦を続けられるのです。
あなたの「部下のマネジメント」5ステップをチェック
5つのステップを読み終えたら、「自分はどこから手を付けるべきか」、ざっくり把握しておきましょう。
下記のチェックリストを印刷したり、メモアプリに写したりして、直近1〜3か月の自分のマネジメントを振り返ってみてください。
【チェック方法(例)】
このチェックリストは、「自分のマネジメント全体の傾向」を見るためのものです。
各ステップの文章を読んで、部下全体を見たときに、だいたいそうしていると言えるかどうか を基準に考えてください。
「だいたいできている」と思えば ✓、「人や案件によってバラつきが大きい/あまりできていない」と感じる場合は空欄のままにします。
「自分の状況メモ」の欄には、特に気になった部下や場面、気づいたことを自由に書き込んでください。
【「部下のマネジメント」自己診断】
| ステップ | チェック項目(あてはまれば✓) | 自分の状況メモ |
|---|---|---|
| ステップ1:目的と期待値 | 四半期ごと、または重要案件の前に、各メンバーと「いつまでに何をどのレベルで」を言語化して共有している | ⬜︎ |
| ステップ2:仕事の設計と任せ方 | 重要なタスクでは、任せる範囲・相談してほしいライン・中間チェックのタイミングを事前に伝えている | ⬜︎ |
| ステップ3:観察とフィードバック | 週1回程度、良い行動と改善点の両方を、具体例を添えてフィードバックしている | ⬜︎ |
| ステップ4:1on1と対話の質 | 少なくとも月1回以上、部下一人ひとりと「業務」「成長」「コンディション」を扱う1on1を実施している | ⬜︎ |
| ステップ5:振り返りと成長支援 | プロジェクト終了時などに、「うまくいった点/課題/次への活かし方」を一緒に整理している | ⬜︎ |
目安として、✓ が付かなかったステップは、今の自分のマネジメントで抜けが出やすい部分だと考えてください。その中から「ここを1つ変えれば影響が大きそうだ」と感じるステップを選び、今月の重点テーマにするのがおすすめです。
ねくこ全部を一度に改善しようとする必要はありません。
「今月はステップ2だけ見直す」といった形で、気になるステップを1つ決めて取り組むのがおすすめです。
部下のマネジメントがうまくいかない原因と対処法【ケース別】

一生懸命関わっているつもりなのに、部下が動かない、反発される、チームがまとまらない——。
そんなときは、関わり方のどこかにボトルネックが潜んでいるものです。ここでは、現場で起こりがちな3つのケースを取り上げ、原因と対処法を紹介します。
ケース①:任せても動かない・締め切りを守らない部下
【よくある状況】
・「分かりました」と言うのに、期日になっても終わっていない
・何度注意しても、同じミスや遅れを繰り返す
・上司が細かく指示すると動くが、自分からは動かない
【締め切り遅延へのNG行動/OK対応】
| 状況 | NG行動 | OK対応 |
|---|---|---|
| 締め切りを守らない | 「なんでできてないの?」と詰める | 事前に優先順位と中間チェックを設定する |
| ミスが多い | 「しっかりやれ」と抽象的に注意する | 具体的な手順・チェックリストを一緒につくる |
ケース②:価値観や属性の違いがある部下(世代・性別など)
価値観やバックグラウンドが異なる部下と接するとき、「どこまで踏み込んでよいのか分からない」「自分の言い方がハラスメントにならないか不安」と悩む上司は少なくありません。特に、性別や年齢が自分と大きく違う部下とは、距離の取り方や言葉選びに迷いやすいものです。
しかし、実際のマネジメントでは「男性/女性だから」「若手だから」と属性で一括りにするのではなく、一人ひとりの個人として向き合う姿勢が重要です。
このように、「属性への配慮」と「個人として公平に扱うこと」の両方を意識することで、性別や世代が違う部下とも、安心して本音を話し合える関係をつくりやすくなります。
ケース③:成果は高いが、チームを乱す部下
一部の優秀なメンバーが、他者を見下したり、独断専行したりして、チームの雰囲気を悪くしているケースもあります。
短期的な成果だけを見て放置すると、他のメンバーの離職や不信感につながり、組織全体のパフォーマンスが下がってしまいます。
【まとめ】部下へのマネジメントでやりがちなNG行動と置き換え例
ここまでの内容を、「やりがちなNG行動」と「OK対応」のセットで一覧にしました。
自分の普段の言動と見比べながら、「まずこの1行だけは変えてみよう」という行を選ぶときに使ってみてください。
【部下のマネジメントにおけるNG行動と置き換え例】
| シーン | やりがちなNG行動 | OK対応 | 関連ステップ・章 |
|---|---|---|---|
| 任せても動かない部下への対応 | 「なんでできてないの?」と感情的に責める/期限を守れなかった仕事を全部自分で巻き取る | 事前に期待値・優先順位・中間チェックを設定し、遅れた場合は原因を一緒に分解する | ステップ1〜3/ケース①:任せても動かない・締め切りを守らない部下 |
| 世代・性別が違う部下との関わり | 「最近の若手は〜」「女性は〜」と属性でラベリングする/距離感が怖くて業務連絡以外の会話を避ける | 属性ではなく個人を見る。共通のルールと評価軸を明確にしつつ、1on1で価値観や希望を丁寧に聞く | 価値観や属性の違いがある部下(世代・性別など)/Q&A① |
| 高成果だがチームを乱す部下への対応 | 「数字を出しているから」と問題行動を見て見ぬふりをする/陰で軽く注意するだけで終える | 行動とその影響を事実ベースで伝え、「成果」と同じレベルで「協働」「情報共有」も評価項目として明示する | 成果は高いが、チームを乱す部下/『リーダーの仮面』:感情ではなくルールでマネジメントする |
| 部下の不調や特性が気になるとき | 上司が独自に「発達障害では?」などとラベリングする/曖昧なまま個人的に踏み込みすぎる | 医療的判断は専門家に委ね、仕事の進め方や環境調整に集中する。必要に応じて人事・産業医・相談窓口と連携する | Q&A②/免責事項 |
この表を見ながら、「自分もやってしまいがちだ」と感じる行にマーカーを引いておくと、日常のマネジメントで同じような場面に出会ったときに、「あ、これはこの行だったな」と思い出しやすくなります。
そのたびにOK側の対応を意識して試してみることで、少しずつNG行動のクセを減らしていくことができます。
部下のマネジメントに効くおすすめ本3選と「関わり方の型」

現場の経験だけでは気づきにくい視点や、言語化しづらい感覚を整理するうえで、リーダーシップやマネジメントに関する本は大きなヒントになります。
この章では、多くの管理職に読まれている3冊から、部下のマネジメントにすぐ生かせるポイントを抜き出して紹介します。
『新1分間マネジャー』:2つのステップを支えるシンプルな型
『新1分間マネジャー』は、「仕事のゴールを短く共有する」「良い行動を見つけたらすぐに褒める」「改善点は事実ベースで短く伝える」といった、ごくシンプルな3つの型を提案している書籍です。
これは、本記事で紹介している5ステップのうち、とくにステップ2(仕事を設計し、任せる)とステップ3(観察し、フィードバックする)に直結する考え方です。※3
この本では、マネジャーが押さえるべきポイントとして、次の3つを掲げています。
・1分間目標:短く明確な目標を、上司と部下で共有する
・1分間称賛:良い行動を見つけたら、その場ですぐに具体的に褒める
・1分間修正:改善が必要な行動があれば、事実に基づき短く伝える
いずれも、決して難しいテクニックではありませんが、「忙しい中でも続けられるシンプルさ」に特徴があります。
『リーダーの仮面』:感情ではなくルールでマネジメントする
『リーダーの仮面』は、識学理論に基づき、「いちプレーヤー」から「マネジャー」への思考転換を促す本として、ベストセラーになりました。※5
この本では、リーダーが意識すべき5つのポイント(ルール、位置、評価、結果、成長)を提示し、「好かれようとするのではなく、成果を出すためのルールを徹底する」ことを説いています。
『リーダーの仮面』が教えてくれる3つの視点
・その場の感情で判断しない。あらかじめ決めたルールに基づき、淡々と対応する
・仕事の基準を明確にし、「できているか/いないか」を分かりやすく伝える
・個人的な好き嫌いではなく、行動と結果で評価する
『心理的安全性のつくりかた』:安心して意見を言えるチームをつくる
『心理的安全性のつくりかた』は、Googleの研究などでも注目される「心理的安全性」を、日本の組織でどう高めるかを具体的な事例とあわせて解説した本です。※4
本記事のステップ4(1on1と対話の質)を、もう一段深く実践していくためのヒントが詰まっています。
『心理的安全性のつくりかた』が教えてくれる3つの実践ポイント
・リーダー自身の「心理的柔軟性」がチームの空気を決める
部下の発言やミスに対してイラッとしても、一拍おいて事実ベースで話す。感情に飲み込まれず「この場で大事にしたいことは何か」を軸に対応する——こうしたリーダー側の姿勢(心理的柔軟性)が、安心して意見を出せるかどうかを左右します。
・心理的安全性は「ヌルい職場」ではなく、健全な意見のぶつかり合いの土台
何を言っても許される甘い職場ではなく、「失敗や疑問を出しても、人格否定されない」という土台づくりが目的だと捉えると、厳しいフィードバックとも両立しやすくなります。
・日本の職場では「4つの因子」を意識すると動きやすい
日本の組織では「話しやすさ」「助け合い」「挑戦」「新奇歓迎」という4つの因子がカギになるとされています。たとえば、会議で否定から入らない(話しやすさ)、困りごとを共有しやすい雰囲気をつくる(助け合い)、小さな挑戦にOKを出す(挑戦)、自分と違う意見にまず興味を示す(新奇歓迎)など、日々の行動に落とし込めます。
3冊のマネジメント本の特徴まとめ
| 書名 | 主なテーマ | 現場での使いどころ |
|---|---|---|
| 新1分間マネジャー | 目標・称賛・修正 | 日々の目標設定とフィードバック |
| リーダーの仮面 | ルールでマネジメント | 評価・厳しい判断が必要な場面 |
| 心理的安全性のつくりかた | 心理的安全性 | 1on1・会議運営・組織風土づくり |
紹介した3冊の詳細は、各オンライン書店などでも確認できます。
このほか、『増補改訂版 ヤフーの1on1 部下を成長させるコミュニケーションの技法』※7 や『フィードバック入門 耳の痛いことを伝えて部下と職場を立て直す技術』※8 なども、1on1の具体的な進め方やフィードバックの技術をより深く学びたい方には候補になります。
部下のマネジメントに関するよくある疑問|Q&A
「自分のやり方はこれでいいのか」「どこまで踏み込んでよいのか」——マネジメントに正解はないからこそ、迷いは尽きません。
管理職からよく挙がる代表的な疑問とその回答を、Q&A形式でまとめました。

まとめ:まず1つだけ、部下との関わり方を変えてみる

部下のマネジメントは、「センス」や「経験年数」だけで決まるものではありません。この記事で見てきたように、目標のすり合わせから仕事の設計、フィードバックや1on1、振り返りまで、一つひとつの関わり方を整理していけば、誰でも少しずつ上達させていくことができます。
まずは、今週できる小さな一歩を決めてみてください。
たとえば、「1人の部下と10分の1on1をする」「良い行動を1回は言葉にして褒める」といったレベルで構いません。その小さな積み重ねが、やがて「この上司には話しても大丈夫だ」「このチームなら安心して任せられる」という信頼関係と、チームの成果を大きく変えていきます。
必要に応じて、本記事で紹介した書籍や社内外の研修・コーチングも活用しながら、あなたなりの「部下との関わり方の型」を育てていきましょう。


免責事項
本記事の内容は、一般的な部下のマネジメントの考え方や書籍・各種メディアで公開されている情報をもとに作成したものであり、特定の企業や組織におけるマネジメントの成否を保証するものではありません。実際の人事評価・配置・懲戒・メンタルヘルス対応などにおいては、必ず自社の就業規則・人事ポリシー・関連法令および専門家の助言を確認のうえ、最終的な判断はご自身および所属組織の責任で行ってください。
また、発達障害やメンタルヘルスなど医療的な判断が必要な領域については、上司本人の判断で診断行為を行うことはできません。必要に応じて、産業医・医療機関・社内外の相談窓口にご相談ください。
なお、日本では労働施策総合推進法や男女雇用機会均等法等により、事業主には職場におけるパワーハラスメント・セクシュアルハラスメント防止のための措置義務が課されています。
参考・出典一覧
※1 CREXグループ「PM理論とは?4つのリーダーシップ類型と活用方法をわかりやすく解説」
URL:https://crexgroup.com/ja/consulting/organization/pm-theory-leadership/
※2 共創コーチング「部下マネジメントを行う流れとは?効果を高めるための5つのポイントや具体的な方法を徹底解説!」
URL:https://kyoso-coaching.com/news/2025/08/22/5458/
※3 ダイヤモンド社『新1分間マネジャー 部下を成長させる3つの秘訣』書籍紹介ページ
URL:https://www.diamond.co.jp/book/9784478025253.html
※4 JMAM(日本能率協会マネジメントセンター)『心理的安全性のつくりかた』書籍紹介ページ
URL:https://pub.jmam.co.jp/book/b517388.html
※5 TJブログ「【要約】5分で読める『リーダーの仮面』まとめ 識学に基づく最高の組織マネジメント」
URL:https://tjblog.jp/2021/11/15/1325/
※6 識学総研「女性部下をマネジメントするコツとは?よくある悩みや注意点」
URL:https://souken.shikigaku.jp/29887/
※7 ダイヤモンド社『増補改訂版 ヤフーの1on1 部下を成長させるコミュニケーションの技法』書籍紹介ページ
URL:https://www.diamond.co.jp/book/9784478119822.html
※8 PHP研究所『フィードバック入門 耳の痛いことを伝えて部下と職場を立て直す技術』書籍紹介ページ
URL:https://www.php.co.jp/books/detail.php?isbn=978-4-569-83290-6
※9 Z世代の価値観・キャリア観に関する代表的な調査
ヒューマンホールディングス株式会社『Z世代の仕事観と自分らしさに関する調査2025 vol.1 キャリアにも持続可能な視点/希望する年収額は?』2025年10月31日ニュースリリース
URL:https://www.athuman.com/news/2025/24784/
リクルートワークス研究所『1829人独自調査 Z世代の仕事満足度、キャリア観』機関誌Works 特集『Z世代 私たちのキャリア観 自分らしさと不安のはざまで』2024年4月26日
URL:https://www.works-i.com/works/special/no183/generationz-10.html
(いずれも日本国内のZ世代を対象としたサンプル調査であり、すべてのZ世代にそのまま当てはまるわけではありません)
※10 Google re:Work「Understand team effectiveness(Project Aristotle)」
URL:https://rework.withgoogle.com/intl/en/guides/understanding-team-effectiveness
※11 厚生労働省「職場におけるパワーハラスメント防止対策について」(パワハラ防止措置リーフレット等)
URL:https://www.mhlw.go.jp/content/11900000/000855268.pdf
※12 政府広報オンライン「カスタマーハラスメント(カスハラ)とは?義務化された対策のポイント」
URL:https://www.gov-online.go.jp/
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