食料品の消費税1%、値段は本当に下がる?|食費月5万円なら、浮くのは最大で月約3,240円

2027年4月から2年間、スーパーなどで買う食品の消費税を8%から1%に下げる法案が、10月9日に国会に出されました(10月19日時点で審議中)。
値札がそのまま下がれば、食費が月5万円の家庭で月約3,240円安くなる計算です。
でも、「税率が下がれば、そのぶん値段も下がるはず」と思っていませんか?
実は、食品の値上げは減税とは別に続いていて、税率が下がっても支払う額があまり下がらない「実質据え置き」になる可能性も指摘されています。
どのくらい浮くのか、本当に値段は下がるのかを、調査のデータも交えて見ていきましょう。


そもそも、何が1%になるの?
1%になるのは、今8%の軽減税率がかかっている食品です。
スーパーやコンビニで買う食品のほか、持ち帰り(テイクアウト)や出前・宅配も1%になります。
一方で、お店の中で食べる外食とお酒は10%のままで、薬は食品に入らないので対象外、新聞の定期購読は8%のまま変わりません。
わが家だと、月いくら浮く?

税込価格で見ると、税率が8%から1%に下がったからといって、そのまま7%安くなるわけではありません。
たとえば1,080円の食品は1,010円になるため、実際の値下がり幅は約6.5%(支払額×7÷108)です。7%値下がりするのではなく、この場合は6.5%の値下がりです(微差ですが・・・)。
また、総務省の家計調査(2025年の平均)から、外食とお酒を除いた食費で計算すると、次のようになります。
あくまで平均値ですが、大体下記くらいのインパクトがあるという目安にしてください。
表の「半分だけ下がった場合」は、実際には減税分の半分だけ値下がりしなかった場合(値上げラッシュなどで本体価格が上がった場合など)の値下がり額の目安です。
| 世帯 | 食費(外食・お酒を除く、月) | 全部下がった場合(月) | 半分だけ下がった場合(月) |
|---|---|---|---|
| 食費月5万円の家庭 | 50,000円 | 3,241円 | 1,620円 |
| 2人以上の世帯の平均 | 71,682円 | 4,646円 | 2,323円 |
| 2人以上の世帯のうち、収入が低い方から2割 | 62,274円 | 4,036円 | 2,018円 |
| 一人暮らしの平均 | 32,951円 | 2,136円 | 1,068円 |
2人以上の世帯の平均なら、全部下がれば年間で約5.6万円(4,646円×12か月)浮く計算です。
ただし、外食やお酒の支出が多い家庭ほど、浮く金額は小さくなるため、あくまで参考程度にしてください。
食品の値上げは、別の話
注意したいのは、税率が下がることと、食品の値上げは別に動いているという点です。
帝国データバンクの調べでは、主な食品メーカー195社の2026年の値上げは分かっているだけで2万187品目にのぼり、2027年にかけても値上げが続くと見られています。
総務省の消費者物価指数でも、生鮮食品を除く食料の値段は、2026年8月に前の年より2.7%上がりました。
仮にこのペースで上がり続けると、約6.5%の値下がり分は2年ほどで埋まってしまう計算ですし、その後消費税率が戻った場合、一気に消費者の負担が増える可能性があります。
「実質据え置き」になることもある?
税率が下がったとしても、値札がその分だけ安くなるとは限りません。
2020年にドイツが消費税(付加価値税)を一時的に下げたときは、スーパーの約13万商品の値段を調べた研究で、値札に出たのは減税分の約7割でした。
つまり、減税と共に商品が多少値上がりしたことで、税金の値下がり分が100%反映されなかったということです。
競合商品が多いジャンルほど、価格が下がりやすかったそうです。
日本の企業も、減税の効果については慎重な見方をとっています。
帝国データバンクが2026年8月に全国1万560社を対象に実施した調査では、減税が経済の活性化に「つながらない」と答えた企業が54.5%で、報告書は「減税効果が値上げに吸収される可能性」も指摘しています。
4月からは、何に気をつける?
4〜5月は、値札とレジの金額が違うことがある
2027年4〜5月は、値札を8%の税込価格のままにして、レジで1%として精算することも認められる予定です(国税庁の案内)。
そのため、値札の表示だけを見て「下がっていない」と決めつけず、レシートの税率と合計金額で確かめるのが確実です。
働く人向けの支援金も始まる予定
また、税率の引き下げとあわせて、中低所得の働く人に市町村から年1回お金を配る「就業者負担軽減支援金」も始まる予定です。
ただ、金額や所得の基準はまだ決まっていません。
【今回のまとめ】結局、どうなる?
以上のことをふまえると、
- 2027年4月から2年間、食品の消費税が1%になる予定(法案は審議中)
- 全部値札に出れば、食費月5万円で月約3,240円、2人以上の世帯の平均で月約4,600円浮く
- ただし食品の値上げは別に続き、値札が減税分ほど下がらないこともある
- 4月からはレシートの税率と合計金額で確かめる
となります。
税率が下がるのはうれしいことですが、値上げが続けば「思ったほど安くならない」と感じてしまうかもしれません。
減税分をあてにしすぎず、4月のレシートで実際にいくら変わったかを見てから、家計の計画に入れましょう。
毎日の買い物のことなので、少しでも値札に反映されることを期待したいですね。
※「半分だけ下がった場合」は、幅を見るために置いた編集部の仮定です。ドイツの研究の「約7割」も、日本で同じになるという予測ではありません。
※この記事は情報提供を目的としたもので、内容は2026年10月19日時点のものです。法案の内容は、国会での審議によって変更される場合があります。

引用・参考出典
引用・参考出典は、次のとおりです。
- 内閣官房「「飲食料品に係る消費税率の引下げ」及び「給付付き税額控除」について」「https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/shouhizei_zeigakukoujo/index.html」確認日:2026年10月15日
- 内閣官房「飲食料品消費税率の臨時的な引下げ及び就業者負担軽減支援金の導入に関する大綱」(2026年9月15日閣議決定)「https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/shouhizei_zeigakukoujo/pdf/sankou4.pdf」確認日:2026年10月15日
- 衆議院「議案情報(閣法 第222回国会 1)」「https://www.shugiin.go.jp/internet/itdb_gian.nsf/html/gian/keika/1DE342E.htm」確認日:2026年10月15日
- 国税庁「飲食料品に係る2年間の消費税率引下げについて」「https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/zeimokubetsu/shohi/keigenzeiritsu/pdf/0026008-127_pamphlet.pdf」確認日:2026年10月15日
- 国税庁「飲食料品に係る2年間の消費税率引下げに関するQ&A」「https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/zeimokubetsu/shohi/keigenzeiritsu/pdf/0026008-127_qa.pdf」確認日:2026年10月15日
- 総務省統計局「家計調査(家計収支編)2025年平均」二人以上の世帯 第6-1表「https://www.e-stat.go.jp/stat-search/file-download?statInfId=000040409544&fileKind=0」確認日:2026年10月15日
- 総務省統計局「家計調査(家計収支編)2025年平均」二人以上の世帯 第2-4表「https://www.e-stat.go.jp/stat-search/file-download?statInfId=000040409527&fileKind=0」確認日:2026年10月15日
- 総務省統計局「家計調査(家計収支編)2025年平均」単身世帯 第1表「https://www.e-stat.go.jp/stat-search/file-download?statInfId=000040409815&fileKind=0」確認日:2026年10月15日
- 総務省統計局「消費者物価指数 全国 2026年8月分」「https://www.stat.go.jp/data/cpi/sokuhou/tsuki/pdf/zenkoku.pdf」確認日:2026年10月15日
- 帝国データバンク「「食品主要195社」価格改定動向調査 ― 2026年10月」(2026年9月30日)「https://www.tdb.co.jp/report/economic/20260930-pricepass-on202609/」確認日:2026年10月15日
- 帝国データバンク「飲食料品の消費税率引き下げに関する企業の意識調査」(2026年9月18日)「https://www.tdb.co.jp/report/economic/20260918-consumptiontax/」確認日:2026年10月15日
- 株式会社スガワラくん「食料品の消費税に関する意識調査」(2026年7月30日)「https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000043.000134198.html」確認日:2026年10月15日
- ifo研究所「The Pass-Through of Temporary VAT Rate Cuts: Evidence from German Supermarket Retail」(CESifo Working Paper No. 9149)「https://www.ifo.de/en/cesifo/publications/2021/working-paper/pass-through-temporary-vat-rate-cuts-evidence-german-supermarket」確認日:2026年10月15日