生命保険に相続税はかかる?非課税枠はいくら?計算方法と申告期限を解説

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本記事は一般的な情報提供を目的とするもので、個別事案に対する税務助言ではありません。税目判定(相続税・所得税・贈与税)、非課税枠の適用、申告要否・税額は、保険契約内容、保険料の実質負担、他の財産・債務、各種控除・特例の適用状況等により変わります。必ず最新の国税庁情報を確認し、必要に応じて税理士または所轄税務署へご相談ください。

家族が亡くなって死亡保険金を受け取ったとき、「このお金には相続税がかかるのだろうか?」と不安に思う方は多いでしょう。

結論からいえば、死亡保険金を受け取ったからといって、必ずしも相続税の対象になるとは限りません

契約の形によっては「所得税」や「贈与税」として扱われることもあります

保険金にどの税金がかかるかを見極めるポイントは、保険証券の契約者名義ではなく「実質的に誰が保険料を負担していたか(誰のお金で払っていたか)」です(通帳の引落し口座、贈与の有無、家計の負担状況などで確認します)。

ねくこ

この記事では、まずはご自身のケースが「何税」に当たるのかを判定し、相続税であった場合の「非課税枠」の仕組みや、申告が必要になる基準までを順を追ってわかりやすく解説します。

この記事でわかること

  • 死亡保険金に相続税がかかるのは、原則「被相続人(亡くなった方)本人が保険料の全部または一部を実質的に負担していた場合」。[1][2]
  • 相続人が受け取る死亡保険金には、「500万円 × 法定相続人の数」の非課税限度額が用意されている。[1]
  • 申告の要否は、まず課税価格(課税される金額)の合計額が基礎控除額を超えるかで判断し、最終的な相続税額は、保険金のほか、他の遺産や債務、各種控除・特例を反映して計算する。[3][4][5][6][7]

※税目判定は「名義」ではなく「保険料の実質負担者」で決まります。負担者が複数(途中で変更、夫婦で分担、贈与を受けて支払等)の場合は判断が分かれ得るため、通帳等で資金の流れを確認してください。

▶︎受取人の決め方や見直しのポイントなど、具体的な対策については「生命保険の相続税対策まとめ(※内部リンク)」で詳しく解説しています。[1][2]

目次

保険料負担者・被保険者・受取人で税金の種類が変わる

積まれたファイルの上に「保険」「✔︎」と書かれた大小のフォトフレームが載っており、その前に計算機や色とりどりのコイン、ペンなどが置かれている

死亡保険金にどんな税金がかかるかは、被保険者・保険料負担者・受取人の関係で決まります。

まずは「誰が保険料を払っていたか」でご自身が以下の3つのどれに当てはまるかを確認してください。実際の資金の流れ(口座の引き落とし履歴など)を思い出すのがポイントです。[2]

あなたのケースはどれ?死亡保険金の税目チェック
※前提:被保険者が死亡し、死亡保険金を受け取るケース

  • 亡くなった本人が払っていた ⇒ 相続税
  • 保険金をもらう受取人本人が払っていた ⇒ 所得税(受取方法により一時所得/雑所得)
  • 亡くなった人でもあなたでもない、別の人が払っていた ⇒ 贈与税

3者の関係性と税金の種類を表にまとめると、次のようになります。

スクロールできます
被保険者(亡くなった人)保険料負担者(保険料を払った人)受取人(保険金をもらう人)税金の種類
A(例:夫)A(例:夫)B(例:妻)相続税
A(例:夫)B(例:妻)B(例:妻)所得税
A(例:夫)B(例:妻)C(例:子)贈与税

ご自身のケースがどれに当てはまるか確認できたでしょうか。

所得税・贈与税に当てはまった方は、以下の点を押さえておきましょう。

  • 所得税の対象になる方: 一時金なら「一時所得」、年金形式なら「雑所得」として扱われます。受け取り方や他の所得の有無によって確定申告の要否が変わるため、国税庁の計算方法に沿って確認が必要です。[2]
  • 贈与税の対象になる方: 亡くなった方とは別の人(例:妻)が保険料を払い、さらに別の人(例:子)が受け取る場合は、保険料を払った人からの「贈与」とみなされます。[2]

次は、「相続税の対象(亡くなった方が保険料を負担していた場合)」となった方へ向け、具体的な計算方法を解説します。

死亡保険金の非課税限度額の計算式

相続税の対象になった場合でも、受け取った保険金の全額にそのまま税金がかかるわけではありません。

受取人が「相続人(配偶者や子など)」であれば、以下の計算式で出した金額までは非課税(税金がかからない枠)となります。

500万円 × 法定相続人の数 = 非課税限度額 [1]

たとえば法定相続人が「配偶者」と「子ども2人」の合計3人なら、相続人全体で合計1,500万円までが非課税(税金がかからない枠)となります。
※この非課税枠は「1人あたり500万円」という個別枠ではなく、相続人全員が受け取った保険金の合計額に対して適用されるものです。各人の非課税額は、実際の受取額の割合に応じて計算します。

「法定相続人」とは?

民法で定められた「遺産を受け継ぐ権利がある家族」のことです。以下のルールで決まります。

  • 常に含まれる人: 配偶者(※籍を入れている夫・妻のみ。内縁関係は不可)
  • 第1順位: 子ども(※子どもが亡くなっている場合は孫)
  • 第2順位: 父母や祖父母(※第1順位がいない場合のみ)
  • 第3順位: 兄弟姉妹(※第1、第2順位がいない場合のみ)

※相続税の非課税枠や基礎控除の計算で使う『法定相続人の数』は、民法上の相続人関係を前提にしつつ、相続放棄はなかったものとする扱いや、養子の人数制限など税法上の数え方があります。
※配偶者は常に法定相続人となり、そこに該当する順位の人(例:配偶者と子ども)が加わって人数をカウントします。

非課税枠に関する注意点(重要)

非課税限度額を計算する際は、以下の3つのルールを頭に入れておきましょう。

  1. 相続人以外には適用されない
    法定相続人以外(内縁の配偶者など)が受け取った死亡保険金には、この非課税枠の適用はありません。[1]
  2. 相続放棄をした人の扱い
    相続放棄をしても死亡保険金自体は受け取れることがありますが、放棄した人は相続人に含まれないため非課税限度額の適用対象にはなりません。一方、式に入れる「法定相続人の数」は、放棄がなかったものとして数えます。[1][11]
  3. 養子のカウント制限
    法定相続人に含められる養子の数には制限があり、実子がいる場合は1人、実子がいない場合は2人までです。[1]

特殊な事情がある場合でも、これらのルールを理解したうえで整理すれば、保険金の非課税枠を正しく計算できるはずです。

遺産全体の相続税を左右する「3つの制度」

死亡保険金から非課税枠を差し引き、「課税価格」が計算できたら、次はそれを預貯金や不動産などの「他の遺産」と合算します相続税の申告や納税が必要かどうかは、保険金単体ではなく「遺産全体の金額」で決まるからです。

その全体の計算において、結果を大きく左右するのが、次の表にまとめた3つの制度です。

それぞれがどう影響するのか、注意点とあわせて確認しておきましょう。[3][4][5][6][7]

表:遺産全体の相続税計算に関わる3つの控除・軽減制度

制度何に影響するか注意点
1. 基礎控除相続税の申告要否・課税遺産総額課税価格の合計額が「3,000万円+600万円×法定相続人数」の範囲内なら、申告も納税も不要です。
2. 債務・葬式費用の控除正味の遺産額墓地・墓石の購入費、香典返し、初七日などの法要費用は原則として対象外です。
3. 配偶者の税額軽減配偶者の納付税額配偶者が1億6,000万円(または法定相続分)まで相続税がかからない制度です。申告期限までに分割されていない財産は原則対象外ですが、「申告期限後3年以内の分割見込書」を提出し、期限後3年以内に分割された場合などは適用できる可能性があります。

これら3つの制度は、課税価格の計算、申告要否の判断、各人の納付税額の計算にそれぞれ影響します。

相続税の計算の流れと申告の要否

各種控除や特例の仕組みを踏まえ、実際にどのような手順で「申告の要否」を判断するのか、計算の全体像を整理しました。[3]

STEP
各人の課税価格を計算する


本来の相続財産や死亡保険金(非課税枠を差し引いた後の金額)などを確認し、そこから債務や葬式費用を差し引いて、各人の課税価格を出します。[1][3][4][5]

STEP
課税価格の合計額から基礎控除額を差し引く

各人の課税価格を合計し、そこから基礎控除額(3,000万円+600万円×法定相続人の数)を差し引いて「課税遺産総額」を計算します。[3]

STEP
相続税の総額と各人の税額を計算する

課税遺産総額を法定相続分で分けたと仮定して相続税の総額を出し、実際の取得割合に応じて各人の税額を計算します。最後に「配偶者の税額軽減」などの控除を反映させます。[3][6]

【具体例】基礎控除と非課税限度額はどう関係する?


文字だけだとイメージしにくいため、シンプルな具体例で計算の流れを見てみましょう。

前提:他の相続財産はゼロ、死亡保険金3,000万円のみ、法定相続人が2人

非課税限度額:1,000万円(500万円×2人)

基礎控除額:4,200万円(3,000万円+600万円×2人)

死亡保険金3,000万円から非課税限度額1,000万円を差し引いた「2,000万円」が課税価格になりますが、基礎控除額の4,200万円以下のため、この条件では相続税はかからず、申告も不要です。[1][3]

ねくこ

ただし、遺産額が基礎控除を超えており、「配偶者の税額軽減」を使って最終的に税額がゼロになるようなケースでは、税金はかからなくても「申告」自体は必要になるため注意してください。[6][7]

ご自身の申告が必要か迷う場合は、国税庁の「相続税の申告要否判定コーナー」などの公的ツールを活用するのも有効です

その他、死亡保険金の相続で注意したい落とし穴

遺産分割や手続きを進める中で、思わぬ税金やペナルティが発生しないよう、以下の点にも気をつけてください。

  • 相続税の「2割加算」の対象になるケースがある
    亡くなった方の配偶者や一親等の血族(子・親)以外の人が財産を取得した場合、相続税額が2割加算されます。兄弟姉妹や内縁の配偶者が受取人の場合などは、税額加算の対象になるため注意が必要です。[1][8]
  • 受け取った後に家族で分けると「贈与税」のリスク
    死亡保険金は原則として契約上の受取人の固有の権利として取得するため、受取後に任意で他の家族へ資金を移すと、受取人からの贈与として扱われる可能性があります。実際の取扱いは分配の経緯などで異なるため、実行前に税理士等へ確認してください。[9]
  • 解約返戻金相当額での評価が必要な契約がある
    まだ保険事故が発生していない(被保険者が生きている)生命保険契約の権利は、相続開始時の解約返戻金相当額で評価して遺産に含めるのが原則です。[10]

相続税の申告期限と納付方法

もし相続税の申告・納付が必要になった場合、申告と納付期限は、原則として「被相続人が死亡したことを知った日の翌日から10か月以内」です。期限日が土・日・祝日などに当たる場合は、その翌日が期限になります。
※期限の起算点は「死亡を知った日の翌日」です。通常は死亡日と同日ですが、事情により異なる場合があります。

期限までに申告しなかったり、少なく申告したりすると、加算税や延滞税といったペナルティがかかります。

なお、納付は金銭での一括納付が原則です。どうしても現金で支払えない場合、税額10万円超・担保提供などの要件を満たせば「延納(分割払い)」、さらに延納でも困難な場合には「物納(モノで納める)」の申請も可能ですが、利用には事前の専門家への相談が不可欠です。[7][12][13]

生命保険が相続時に役立つ理由

小さな黒板に「MERIT」と書かれている

生命保険の死亡保険金は、受取人をあらかじめ定めておけるうえ、実務上は遺産分割協議とは別に受取手続が進むことが多いため、当面の資金を確保しやすい特徴があります。

死亡保険金は、遺産分割の成立を待たずに受取人から請求手続きを進められることが多く、必要書類や保険会社の確認手続が整えば、葬儀費用や当面の生活資金、納税資金に充てやすい場面があります。[2][7]


▶︎受取人の決め方や見直しのポイントなど、具体的な対策については『[生命保険の相続税対策まとめ(※内部リンク)]』で詳しく解説しています。[1][2]

よくある質問(FAQ)

亡くなった親の保険証券が見つかりません。調べられますか?

はい、生命保険協会の「生命保険契約照会制度」で照会可能です。

生命保険協会の会員会社を対象に、亡くなった方が保険契約者や被保険者となっている契約の有無を一括で調べることができます。
※対象は一定の個人保険契約に限られ、すでに支払済・解約済の契約や一部の商品は対象外となります。また利用には書類提出と利用料(有料)が必要です。最新の詳細は[生命保険協会公式サイト]をご確認ください。[14][15]

死亡保険金は、遺産分割協議が終わる前でも受け取れますか?

基本的には受け取れます。

死亡保険金は原則として受取人の財産として扱われるため、他の遺産の分け方が決まっていなくても、受取人単独で保険会社に請求手続きを行うことが可能です。[9]

保険金を受け取る手続きに期限はありますか?

原則として「権利を行使できる時から3年間」で時効となります。

生命保険の請求権は3年で消滅しますが、このカウントが始まる日(起算点)は商品や約款、個別の事情によって異なります。

「3年過ぎているかも」と思っても対応してもらえるケースがあるため、気づいた時点で早急に保険会社へ確認してください。[16]

保険金にかかる税金は、いつ払うのですか?

相続税の場合は、亡くなったことを知った日の翌日から10か月以内に申告・納付します。[7]

所得税の場合は、保険金を受け取った年分の所得として、原則として翌年の確定申告期間に申告・納税します。[17]

生命保険の相続税であわてないために

白い格子が入った大きな窓の前で笑い合う老夫婦と若夫婦らしい男女&子ども

死亡保険金を受け取った際は、まず「実質的に誰のお金で保険料が支払われていたか」を確認し、どの税金の対象になるのかを判定することが第一歩です。

相続税の対象であっても、非課税枠や基礎控除があるため、結果的に税金がかからないケースもあります。ご自身の状況を整理し、もし申告が必要になりそうな場合や判断に迷う場合は、早めに税理士などの専門家へ相談しましょう

重要なご注意

本記事は一般的な情報提供を目的としたもので、特定の契約・個別事情に対する税務助言を行うものではありません。

相続税・所得税・贈与税の判定や申告要否は、保険契約の内容、保険料の実質負担、他の財産・債務、各種特例の適用状況等により変わります。必ず最新の国税庁情報を確認のうえ、必要に応じて税理士または所轄税務署にご相談ください。[1][4][5][6][9][10]

参考・出典一覧(公式情報優先)

相続税を節税する方法! 暦年贈与とは?|公益社

つながり – 未来・安心・家族をつなぐ、総合ライフエンディングメディア

「つながり」は、終活、介護、葬儀、お墓選び、相続などの情報を提供するライフエンディングメディアです。終末期を迎える方々やそのご家族に向けて、必要な知識や実践的なサポートをわかりやすくお届けしています。安心して未来を見据えるための信頼できる情報源として、人生の大切な節目をサポートします。

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この記事を書いた人

編集部の資産形成担当。
20代後半ながら金融に関する相談実績多数で、投資信託から株式まで幅広い知識を持ち、今のあなたに必要なことを洗い出し、寄り添った提案を心掛けています。
たけのこ派&猫派です!

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