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【速報】高齢者向け「プラチナNISA」とは?制度概要・メリット・課題を読み取れる部分から解説する

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2024年から始まった新NISAは、主に現役世代の長期的な資産形成を後押しする制度として注目されています。

しかし、昨日、日経新聞が報じた内容によると、政府はさらに高齢者層の資産活用を促進するため、新たな非課税投資制度「プラチナNISA」の創設を検討しているとのこと。

ねくこ

ここでは、プラチナNISAとはどのような制度なのか、その概要、導入の狙い、考えられるメリットや課題について、最新情報(※2025年4月時点の検討段階情報)をもとに分かりやすく解説します。

目次

検討されている「プラチナNISA」とは?現行NISAとの違いも解説

高齢者向けの新制度「プラチナNISA」の基本

プラチナNISAは、65歳以上の高齢者を主な対象とした、新しい少額投資非課税制度(NISA)として構想されている仕組みです。

名称に含まれる「プラチナ(白金)」は、経験豊かで成熟した高齢世代への敬意と、特別な優遇措置であることを示唆していると考えられます。

現行の新NISA(つみたて投資枠・成長投資枠)が、長期的な視点での資産「形成」に重きを置いているのに対し、プラチナNISAは資産を「活用」し、取り崩しながら生活に役立てることを想定している点が大きな違いです。

最大の特徴:毎月分配型投信の解禁が行われる

プラチナNISAの最も注目すべき特徴は、「毎月分配型」の投資信託が非課税投資の対象となる点です。

毎月分配型の投資信託とは・・・

毎月、決まったタイミングで利益の一部を受け取れるタイプの投資信託のこと。

投資で得られた利益や元本の一部を、毎月「分配金」として現金でもらえる仕組み。

ただし、毎月お金がもらえるメリットはある一方、その分、元本が減ったり利益が再投資されず増えにくいデメリットもあるから注意が必要です。

上記のデメリットから、現行の新NISAでは、「長期の資産形成には適さない」という理由で基本的に毎月分配型の投資信託は対象外とされています。

しかし、プラチナNISAでは、高齢者が運用益を年金のように毎月の分配金として定期的に受け取れるよう、このタイプの投資信託を解禁する方向で検討されています。

ねくこ

これにより、資産を増やすだけでなく、老後の生活費などに充てるために計画的に資産を取り崩していくことが、非課税のメリットを受けながら可能になります。

対象者と導入時期の見込みは?

プラチナNISAの主な対象者は、65歳以上の高齢者と想定されています。

現行NISAが18歳以上なら誰でも利用できるのに対し、プラチナNISAは高齢者限定の制度となる見込みです。

金融庁は、この新制度を2026年度の税制改正に盛り込むことを目指しており、順調に進めば2026年以降に導入される可能性があります。

非課税投資枠は?現行NISAとの関係性はどうなる

プラチナNISAの具体的な非課税投資枠(いくらまで非課税で投資できるか)の上限額については、現時点(2025年4月)ではまだ決まっていません。

しかし、現行NISAの生涯投資枠1,800万円とは別枠で設けられる可能性が高いと見られています。高齢者が保有する比較的大きな金融資産にも対応できるよう、一定の配慮がなされるかもしれません。

また、現在NISA口座で保有している資産を売却せずに、プラチナNISAの対象となる毎月分配型ファンドへ移行(スイッチング)できる特例措置も検討されています。これが実現すれば、既存のNISA利用者はスムーズに新しい制度へ移行しやすくなります。

なぜプラチナNISAが必要?制度導入の背景

政府の狙い:「貯蓄から投資へ」高齢者層の資産活用

プラチナNISA導入検討の背景には、政府が進める「貯蓄から投資へ」という大きな政策の流れがあります。

岸田政権は「資産所得倍増プラン」を掲げ、2024年から新NISAを恒久化・拡充しました。

これにより若年層や現役世代の投資は促進されつつありますが、一方で日本の個人金融資産(約2,000兆円超)の約6割(1,000兆円以上)は60歳以上の高齢者層が保有しているとされ、その多くが預貯金として眠っているのが現状です。

ねくこ

日本人はアメリカに次ぐ世界2位個人金融資産をもち、さらに過半数が現金や預金という内閣府のデータがあります。

この巨額の「眠れる資産」を投資に振り向け、市場を活性化させることが日本の経済成長にとって重要な課題となっており、プラチナNISAはそのための具体的な施策の一つと位置づけられています。

高齢者の家計事情:年金だけでは足りない生活費

日本の年金制度のもとでは、高齢者世帯の多くが年金収入だけでは毎月の生活費を賄いきれていないというデータがあります。

例えば、夫婦二人(世帯主60歳以上)の無職世帯では、平均的な月々の支出(消費支出+税・社会保険料)が約27万円であるのに対し、年金などの社会保障給付は約21万円にとどまり、毎月約6万円の赤字が発生している計算になります。

※出典により数値は変動します

ねくこ

この不足分は貯蓄を取り崩して補う必要がありますが、長寿化が進む中で「老後資金が底をつくのではないか」という不安から、十分な資産があっても使うのをためらう高齢者も少なくありません。

資産寿命を延ばす:計画的な資産取り崩しを支援

プラチナNISAによって、非課税で毎月分配金を受け取れる選択肢を提供することで、政府は高齢者が安心して資産を取り崩し、活用できる環境を整えようとしています。

これにより、個人の生活の質向上だけでなく、消費の活性化や、公的年金を補完する役割も期待されています。

「退職後の金融資産をいかに計画的に運用・取り崩し、豊かな老後につなげるか」は長年の政策課題であり、プラチナNISAは高齢者が自助努力で資産を活用するための重要なツールとして検討されているのです。

プラチナNISAのメリット:高齢者にとっての魅力とは?iDeCoとの違いも解説

プラチナNISAが実現すれば、高齢者にとって以下のようなメリットが期待できます。

毎月分配金で安定収入を確保できる

最大の魅力は、投資信託の運用成果を毎月の分配金という形で、定期的に現金収入として受け取れる可能性があることです。

公的年金にプラスアルファの収入源となり、生活費の補填や、趣味・旅行など、ゆとりある生活への一助となることが期待されます。

非課税で効率的な資産活用

通常、投資信託の分配金や売却益には約20%の税金がかかりますが、プラチナNISAの非課税枠内での投資であれば、分配金や運用益が非課税になります。

これにより、手取り額が増え、より効率的に資産を活用できます。

老後の生活にゆとりをもたらす可能性

預貯金として眠らせているだけではほとんど増えない資産を、投資を通じて活用することで、「活きたお金」として暮らしに役立てることができます。

ねくこ

「自分のために資産を使う」という意識が高まり、より充実したセカンドライフを送るきっかけになるかもしれません。

【ちなみに】プラチナNISAとiDeCoの違いは?

プラチナNISA(導入検討中)とiDeCoの主な違いはこちら

スクロールできます
比較項目プラチナNISA(検討中の制度)iDeCo(個人型確定拠出年金)
主な目的老後資産の「活用・取り崩し」 (運用しながら使う)老後資産の「形成・準備」 (現役時代に積み立てる)
主な対象者65歳以上の高齢者(想定)原則20歳以上65歳未満の公的年金被保険者
税制優遇の中心運用益・分配金が非課税掛金が全額所得控除、運用益非課税、受取時控除
資金の性格比較的自由度の高い投資資金(NISA枠)老後資金専用(年金資産)
引き出し制限いつでも引き出し可能(想定、ただし投資商品による)原則60歳まで引き出し不可
投資対象毎月分配型投信を含む投資信託など(想定)定期預金、保険、投資信託など(運営管理機関が選定)
位置づけNISA制度の高齢者向け特化版私的年金制度

そして、気になるのが「老後に備える」として既にiDeCoをやっていたり、検討している人だと思います。

プラチナNISAiDeCo(個人型確定拠出年金)は、どちらも老後の資産に関連する制度ですが、その目的や仕組み、メリットが大きく異なります。

ねくこ

老後資金の準備・活用を考える上で、それぞれの違いを理解しておくことはとても重要です。

それぞれの特徴を分かりやすく解説

そして、上表を読み解くと、それぞれの制度において以下のような違いがあることが分かります。

iDeCo:現役時代の「老後資金づくり」の最強ツール

  • 目的: iDeCoは、現役時代にコツコツと老後のための資金を積み立てることを目的とした私的年金制度です。
  • 最大のメリット: 掛金が全額所得控除になることです。つまり、iDeCoに拠出した金額分だけ、その年の所得税や住民税が安くなります。これは、現役で収入があり税金を納めている人にとって非常に大きなメリットです。運用中の利益が非課税になる点、受け取る際にも税制優遇がある点も魅力です。
  • 注意点: 原則60歳になるまで、積み立てたお金を引き出すことができません。「老後資金専用」の口座という性格が非常に強い制度です。

プラチナNISA(導入検討中):老後の資産を「賢く使いながら運用」する選択肢

  • 目的: プラチナNISAは、すでに一定の資産を持っている高齢者が、その資産を運用しながら計画的に取り崩し、生活に活用していくことを支援するための制度として検討されています。
  • 最大のメリット(想定): 運用益や毎月の分配金が非課税になることです。通常、投資で得た利益には約20%の税金がかかりますが、これが非課税になるため、手取り額を増やしながら資産を活用できます。特に毎月分配型の投資信託が対象になる点が特徴で、定期的な収入源として期待されています。
  • 注意点: iDeCoのような掛金の所得控除はありません。また、あくまで投資なので元本保証はなく、資産が減るリスクもあります。制度自体がまだ検討段階である点も留意が必要です。
ねくこ

老後に“お金を転がす”という点では共通していますが、対象年齢や運用時年齢が全く異なることが分かります。

iDeCoで得た元手をプラチナNISAに入れて運用益を非課税にする、といった方法も可能ですね。

【つまり】どちらがどんな人に向いていて、どう考えるべきか?

  • 現役世代の方(~65歳未満):
    • 老後資金をこれから準備したいなら、まずはiDeCoの活用を検討しましょう。掛金の所得控除による節税メリットは非常に大きいです。
    • iDeCoと並行して、またはiDeCoの掛金上限に達した後、さらに余裕があれば**現行の新NISA(つみたて投資枠・成長投資枠)**で資産形成を進めるのが良いでしょう。こちらはいつでも引き出し可能です。
  • 65歳以上の方(またはこれから迎える方):
    • すでにiDeCoで積み立ててきた方は、60歳以降に受け取り方法(一時金か年金か)を検討します。
    • 現役時代に築いた資産や退職金などを老後の生活費として活用していきたい場合、プラチナNISAが導入されれば有力な選択肢になります。非課税で運用しながら、毎月分配金を受け取るなどの活用法が考えられます。
    • もちろん、現行の新NISAも利用可能です。プラチナNISAとの使い分けは、制度の詳細が決まってから検討することになります。
ねくこ

簡単に言うと、iDeCoは「作る」ための制度プラチナNISAは「使う・活用する」ための制度(になる予定)と考えると分かりやすいでしょう。

ご自身の年齢やライフプランに合わせて、適切な制度を活用していくことが大切です。

専門家や関係者の見解は?狙いや懸念点を紹介

プラチナNISA構想に対しては、様々な立場から意見が出ています。

制度創設への期待と高齢者のニーズ

金融庁は、プラチナNISA検討の背景に「高齢者の強いニーズ」があったとしています。

「年金だけでは生活費が足りない」「元本を取り崩すリスクはあっても、毎月の収入を増やしたい」といった声が高齢者から寄せられていたことが、毎月分配型解禁の理由の一つとされています。

証券業界からも「高齢者にも使いやすいNISAを」という要望が出ており、官民双方の思惑が制度検討を後押ししている面があります。

専門家からの慎重論(金融機関本位?定期売却サービスとの比較)

一方で、インデックス投資の専門家などからは慎重な意見も聞かれます。

彼らは、そもそも毎月分配型に頼らなくても、証券会社の「定期売却サービス」を利用すれば、低コストの投資信託を保有したまま、毎月必要な分だけ自動で売却して現金化できると指摘します。

ねくこ

あえて信託報酬の高い毎月分配型ファンドを非課税対象にする必要性に疑問を呈する声や、現行NISAの非課税枠を単純に拡大する方がシンプルで分かりやすいのでは、という意見もあります。

これは、個人的にも一理ある意見だと思います。

制度設計への提言(シンプル化、健全な商品設計)

制度の意義を認めつつも、リスクへの配慮を求める声もあります。

ねくこ

元本払戻金(特別分配金)を多く出すような商品は対象から除外すべきだという提言や、高齢者が誤解しないような分かりやすい制度設計健全な商品ラインナップの確保を求める意見が出ています。

ごもっともだと思います!

高齢者と家族が知っておくべきこと・今後の展望

そして、まだ導入されていないとはいえ、確実となった際に当事者や家族が知っておくべきことをまとめました。

制度利用前に確認したいポイント

プラチナNISAはまだ検討段階の制度ですが、もし導入されれば、高齢者の資産活用にとって有効な選択肢となり得ます。

しかし、利用を考える際は以下の点を意識することが重要です。

  • 投資リスクを理解する: 元本保証はなく、資産が減る可能性があることを認識する。
  • 商品の内容を吟味する: 手数料(信託報酬など)が高すぎないか、分配金の仕組み(特に特別分配金の割合)はどうかなどを確認する。
  • 自身の状況に合っているか: 自分の資産状況、リスク許容度、生活設計に照らして、プラチナNISAが本当に必要か、他の方法(定期売却サービスなど)と比較検討する。

最新情報の収集と家族との相談の重要性

プラチナNISAの具体的な制度内容は、今後の政府・与党内の議論を経て決定されます。

2025年度中には税制改正大綱などで詳細が明らかになる可能性があるため、ニュースや金融庁の発表などの最新情報を注意深くチェックしましょう。

ねくこ

また、投資に関する判断は、ご自身の健康状態や認知能力なども考慮する必要があります。

判断に不安がある場合は、信頼できる家族や専門家(ファイナンシャルプランナーなど)に相談することも大切です。

プラチナNISAが目指す豊かな老後

高齢化が進む日本において、高齢者が安心して自身の資産を活用し、豊かな老後を送れるように支援することは重要な課題です。

プラチナNISAは、そのための選択肢の一つとして期待されています。

制度のメリットとリスクを正しく理解し、ご自身の状況に合わせて賢く活用できれば、お金の不安を軽減し、充実したセカンドライフを送るための一助となるでしょう。

参考文献・情報源

本記事は、以下の情報源を参考に作成しました(2025年4月時点)。プラチナNISAは今後具体化が進むテーマのため、常に最新の情報をご確認ください。

  • 日本経済新聞、朝日新聞などの報道
  • 投資情報サイトの記事
  • 金融庁、自民党などの発表資料
  • 総務省統計局、全国銀行協会の資料
  • 各種専門家・ブロガーの見解

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この記事を書いた人

編集部の資産形成担当。
20代後半ながら金融に関する相談実績多数で、投資信託から株式まで幅広い知識を持ち、今のあなたに必要なことを洗い出し、寄り添った提案を心掛けています。
たけのこ派&猫派です!

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