【2025年8月6日】の経済・時事ニュースまとめ

日本時間8月6日の朝、国内外のマーケットは前日の米株安や関税動向を受けて方向感を探る展開となりました。
国内では石破政権が補正予算編成に前向きな姿勢を示し、企業決算も本格化。
海外ではトランプ大統領が半導体・医薬品への新関税を示唆し、米サービス業PMIが停滞するなど、景気の先行きに不透明感が漂っています。
主要株価指数・為替レート(8月6日 午前10時時点)
指標 | 現在値 | 前日比 |
---|---|---|
日経平均株価 | 40,670.53円 | +120.99 (0.30%)円 |
NYダウ | 44,111.74ドル | −61.90 (0.14%)ドル |
S&P500 | 6,299.19ポイント | −30.75 (0.49%) |
ドル円 | 147.70 円 | +0.13円 |
日経平均の動きと背景
日経平均は本日取引開始から反発スタート。午前10時時点では、前日終値から約120円上昇しています。
昨日の米景気の悪化を警戒する動きが強まり、米総合指数がそろって反落。
日本株も米株安の動きを受け売りが先行したが、押し目を拾う動きによって上昇に転じている。
米主要指数の反落
前夜のNY市場では、7月ISM非製造業景況指数の鈍化と新たな関税警戒から3指数がそろって下落。
ダウは44111.74ドル(-61.90)、S&P500は6299.19(-30.75)と小幅安でした。
ドル円は147円台半ばで小動き
現時点でドル円為替相場は147.70 円。
米長期金利の下げ渋りを背景に円安方向を保ちつつも、米早期利下げ観測が上値を抑えています。
方向感は限定的な状況が続いています。
資産運用で心掛けること(2025年8月6日版)
現在の状況下で投資家が直面する主な課題は「金利低下に伴う債券・通貨の振れ」と「関税ショックによる株式ボラティリティ」です。
これらを踏まえ、以下の点を意識するとリスクを抑えた運用が期待できます。
ポイントは分散とコスト管理
① 長期・分散の基本を徹底し、NISA口座を活用して非課税メリットを最大化することが大切です。

② 特に2024年から拡充されたつみたて投資枠は、全世界株式インデックスなどコア資産を自動積立するのに適しています。
また、中期的な成長期待銘柄を狙う場合は成長投資枠を利用し、投資上限の範囲内でテーマ分散を図りましょう。

③ 退職後の資金準備にはiDeCoで積立上限まで拠出し、所得控除を通じて税負担を抑えるのが王道です。

④ 外貨建て資産を組み込む際は、短期売買目的のFXではなく、為替ヘッジ付投信や外貨MMFで時間分散する方法も検討しましょう。

⑤ 市場が荒れた局面では“守り”を固めることも重要です。
保険料や通信費といった固定費を見直し、キャッシュフローに余裕を作ることで、投資資金を無理なく確保できます。


⑥ 最後に、短期的な関税ニュースで株価が大きく動いても、急いでポートフォリオをいじるより、目的(教育資金・老後資金など)と期間を再確認し、リバランスの時期とルールを守ることが肝心です。

以上がこの局面で心掛けたいポイントです。
外部環境は変動しますが、長期視点とコスト管理を軸にすれば、慌てずに資産形成を続けられます。
国内ニュース
石破首相、補正予算編成を検討
参院予算委員会で石破首相は、米国の追加関税による景気下押しリスクに対応するため「時期や規模を含め補正予算を適切に検討する」と表明しました。
家計の電気料金高騰対策や中小企業支援策が焦点となりそうです。
三菱重工が増収増益、次世代エネ投資拡大
三菱重工業の2026年3月期第1四半期は売上高1兆1936億円(前年同期比+7.4%)、事業利益1041億円(同+24.7%)。防衛・エネルギー部門の好調に加え、SMR(小型モジュール炉)関連投資を前倒しする方針です。
セブン&アイ、構造改革でコンビニ集中へ
セブン&アイHDは2026年2月期までに百貨店子会社の完全売却を検討し、主力のコンビニ事業へ経営資源を集中させる「生き残り策」を発表しました。
併せてフレックスタイム制拡充や「短パン出社」試験導入による働き方改革も打ち出しています。
ソフトバンク、4-6月期は11%減益もPayPay事業が黒字化
ソフトバンクは5日、2026年3月期第1四半期の連結決算を発表しました。
売上高は1兆6586億円で前年同期比8%増でしたが、純利益は2907億円と11%減益となりました。
主因は通信インフラ更新費の増加ですが、スマホ決済「PayPay」事業が初の四半期黒字(営業利益46億円)へ転換し、宮川潤一社長は「年内に累計赤字解消が見込める」と述べました。
マツダ、4~6月期は421億円赤字に転落
マツダが6日に開示した2026年3月期第1四半期決算は、純損益が421億円の赤字(前年同期は166億円黒字)でした。
米国向けCXシリーズが関税上乗せで販売減となったことに加え、中国ロックダウンの部品供給停滞が影響しました。
経営陣は「年後半にEV新モデル5車種を投入し、通期黒字復帰を目指す」と説明しています。
ガソリン価格カルテルで長野県石油組合支部に排除措置命令へ
公正取引委員会は、長野県石油商業組合北信支部がガソリン小売価格の上げ幅を共同で決定し店舗に伝達していたとして、近く独占禁止法に基づく排除措置命令を出す方針を固めました。
今回の指導は地方のガソリン価格カルテルで過去最大規模となる見込みです。
熱中症搬送が急増、都内死者56人の7割がエアコン未使用
東京都監察医務院によると、7月末までに都内で熱中症が直接原因の死亡者が56人確認されました。
そのうち約7割はエアコンをつけておらず、使用していた11人も室温調整が不十分だったと見られています。
消防当局は「室温28度以下でも高湿度環境なら危険」として、湿度管理を含めた対策を呼び掛けています。
企業に猛暑対策義務化、現場で“手のひら冷却”が浸透
6月に改正労働安全衛生規則が施行され、屋外作業や高温多湿な工場で働く従業員を対象に「WBGT(暑さ指数)が28度を超えた場合の休憩確保」「冷却設備の設置」などが企業の義務になりました。
建設現場では冷却水循環式グローブで手のひらを冷やし、深部体温上昇を抑える方法が普及しつつあります。
海外ニュース
トランプ政権、新たに半導体・医薬品関税を示唆
トランプ大統領は「数日以内に半導体と医薬品に対し最大250%の関税を課す」と発言。
市場はサプライチェーン混乱と医薬品価格高騰を警戒しています。
米サービス業、成長ほぼ停滞
7月ISM非製造業景況指数は50.1と前月比で急低下。
企業はコスト増を背景に採用を抑制し、景気減速懸念が再燃しました。
中国サービス業PMIは14か月ぶり高水準
中国の7月財新サービス業PMIは55.9(前月53.3)。
内需と輸出の回復がけん引し、ASEAN向け旅行やITサービスが伸長しています。ただ米関税の行方次第で先行きは不透明です。
ニュージーランド失業率が5.2%に上昇、利下げ観測強まる
NZ統計局は第2四半期の失業率を5.2%と発表しました(前期5.1%)。
就業者数は0.1%減少し、オークランドの建設・小売分野で雇用が鈍化しています。
NZ準備銀行は「インフレ鈍化が続けば年内に政策金利を1段階引き下げる余地がある」との声明を出し、9月会合での利下げ観測が高まりました。
「銀行が支持者差別」とトランプ氏 米政権が調査準備
トランプ大統領は5日、CNBCの番組で「複数の銀行が私の支持者の口座開設を拒んでいる」と主張し、バンク・オブ・アメリカやJPモルガンなどを名指ししました。
ホワイトハウス報道官は「差別が事実なら規制当局と協力し適切に対処する」と述べ、金融機関に説明を求める意向を示しました。
私たちの生活に起こること
トランプ関税の余波で輸入医薬品やスマートフォンの一部が値上がりする可能性があります。
生活防衛のためには、
- 家計の固定費を見直し(通信・保険の契約更新時にプラン比較)
- 日常の買いだめは控えて価格動向を注視
- 投資では短期的な為替・株価変動に惑わされず、長期分散を基本としたNISAやiDeCoなどの制度を活用しつつポートフォリオを維持すること
が大切です。