【2025年8月12日】の経済・時事ニュースまとめ

きょう8月12日は、連休明けの東京株式市場で日経平均が取引時間中の史上最高値を更新し、為替はドル高・円安が進みました。
一方、米国では今夜の7月CPI発表を控えて主要株が小反落するなど、金融市場の分岐点となる材料が重なっています。

米国の対中関税休戦の90日延長や、米露首脳会談の観測、台風11号の接近といった国内外のニュースも、私たちの家計や企業活動に影響を与え得る論点です。
主要株価指数・為替レート(8月12日 午前10時時点)
指標 | 値 | 前日比 |
---|---|---|
日経平均株価 | 42,747.05円 | +926.57 (2.22%)円 |
NYダウ | 43,975.09ドル | −200.52 (0.45%)ドル |
S&P500 | 6,373.45ポイント | −16.00 (0.25%)ポイント |
ドル円 | 148.34円 | +0.25円 |
東京市場は史上高値圏、背景は「関税休戦延長」と円安の追い風
日経平均は連休明けの寄り付き後に上げ幅を拡大し、取引時間中の最高値をおよそ1年1か月ぶりに更新しました。
材料として、米国が対中関税の一時停止を90日延長したことによる不透明感の後退、米大型テック高、そして円安進行が挙げられます。
特に輸出関連を中心に幅広い業種で買いが先行しました。
この先の注目点
米CPIや米政策動向次第で円安トレンドの速度が変わるとみられます。
円安が進み過ぎるとインフレ再燃懸念にもつながるため、為替と金利の同時チェックが必要です。
為替はドル高・円安、きょうの米CPI待ち
朝方の東京外為市場でドル円は148円前半まで推移(円安方向)。
市場は今夜発表の7月CPIに神経質で、「やや強め」の結果だと一段のドル高に振れやすいとの見方が優勢です。
米金利や株先物の動きに連動しやすい地合いが続いています。
指標のカギ
米CPIの発表は8月12日08:30(米東部時間)予定で、コアCPIの市場予想は前月比+0.3%、前年比+3.0%がコンセンサス。
予想どおりなら9月利下げ観測は維持、一方で強めならドル高・株安の揺り戻しもあり得ます。
前夜の米株は小反落、「CPI前の様子見」
11日の米株市場はダウ・S&P500・ナスダックともに小幅安。CPI直前で持ち高調整が続いた格好です。
ただ、史上高値圏は維持しており、イベント結果待ちの色合いが濃い展開です。
セクターの手掛かり
テックは強弱まちまち。
指数全体は高値圏で推移しており、材料出尽くしによる利食いと、関税休戦の延長を評価する動きが綱引きしています。
資産運用で心掛けること(短期〜長期)
短期(イベント前後の1週間)
為替と株式のボラティリティ対応
今夜の米CPIや米ロ会談観測で、株価指数とドル円は見出しに振れやすい地合いです。
イベント前後は新規のリスクテイクを抑え、既存ポジションは逆指値など損失限定の仕掛けを具体的な水準で置くと心理的ブレを減らせます。
ポジションサイズと損失限定
短期トレードは「想定外の上下」を前提にサイズを半分に落とす、流動性の薄い時間帯を避ける、先物やCFDは証拠金余力を厚めに保つなど、事前にルール化して徹底する局面です。
中期(1〜3か月)
リバランスの確認
四半期決算と政策イベントの結果を踏まえ、資産配分の乖離が大きい場合のみ機械的にリバランスします。
テック偏重や外貨建ての比率が過度に膨らんでいないかを点検します。
外貨建て・金利感応度の点検
金利低下観測が強まれば成長株や長期債の感応度が高くなります。
為替ヘッジの要否や期間(たとえば3か月物での部分ヘッジ)を、コストと照らして見直してください。
長期(3年以上)
積立と分散を崩さない(NISA)
短期イベントで積立額を大きく上下させるより、定額・分散を続けるほうが期待リターンのブレを抑えやすいです。
高値圏でも「長期・分散・低コスト」を軸に、商品内訳の偏りだけを見直すに留めます。

退職後の資産形成軸の確認(iDeCo)
拠出上限や受け取り時の税制適用を再確認し、リスク資産と元本確保型の配分が年齢に見合っているかを年1回は棚卸しします。

レバレッジ商品の取り扱い(FX)
ボラティリティ上昇局面では証拠金余力を厚く取り、強制ロスカット水準から十分な距離を確保します。
経済指標前後のナロースプレッドに飛び乗るより、方向性と損失限定を優先します。

上記は一般的な情報提供であり、特定商品の推奨ではありません。最終的な投資判断は、ご自身の資産状況とリスク許容度を確認のうえで行ってください。
国内ニュース
政局の不透明感が経済運営に影
与党内の求心力低下を背景に、日本の政策決定の遅れや、予算編成・金利正常化のタイミングに影響が出る可能性が指摘されています。
内外の通商課題が山積する中、政治不確実性は市場のボラティリティ要因となり得ます。
予算編成や税制の微修正、日銀の政策運営など、政府・与党の意思決定スピードが意識されやすく、内需・消費マインドにも波及し得ます。
台風11号が沖縄方面へ接近見込み
台風11号(ポードル)が北上し、12日以降に沖縄・先島方面へ接近する見通しです。
交通の乱れや海のレジャーへの影響に注意が必要です。
暴風や高波、停電に備え、モバイルバッテリーや飲料水・食料の確保、屋外の飛散物固定などの事前対策を進めましょう。
海外ニュース
米国が対中関税休戦を90日延長、年末商戦見据え
米政権は対中関税の一時停止を90日延長し、年末商戦前のコスト上振れを回避する狙いを示しました。
これにより相互の超高関税発動が先送りとなり、短期的な供給網の混乱リスクが後退しています。
日本の輸出企業や部材サプライヤーへの不透明感が薄れ、株高・円安の組み合わせに。足元の東京市場の高値更新にもつながりました。
今夜発表の米CPI、コアは前月比+0.3%見込み
米労働省の公表スケジュールどおり、7月CPIは12日08時30分(米東部時間)に発表予定。
市場はコア+0.3%、前年比+3.0%を中心シナリオとみており、結果は9月利下げの確度に直結します。
住居・自動車保険・医療など粘着的な項目の鈍化が出るか、あるいは輸入コストや関税関連での上振れが出るか。結果が強めなら米長期金利上昇・ドル高で株は重く、弱めならその逆の反応が想定されます。
米株はCPI前に小反落、ただしシティはS&P500年末目標を6600へ上方修正
前夜の米株はインフレ指標の発表を控えて小反落しました。
一方、シティは企業収益の底堅さを根拠にS&P500の年末目標を6600に引き上げ、税制効果が関税の悪影響を相殺し得ると分析しています。
米CPIは日本時間の今夜に公表予定で、結果次第で利下げ観測とドル相場が揺れやすい局面です。
米ロ首脳会談を前に欧州が事前協議、ウクライナ関与を働きかけ
8月15日に米ロ首脳会談が予定されるなか、欧州首脳は13日に米側と協議し、ウクライナの関与や停戦条件の原則をすり合わせる動きを強めています。
ホワイトハウスは3者会談の可能性に言及しつつも、現時点では二者会談が基本線との報もあります。
交渉次第でエネルギーや為替のリスクプレミアムが変動し得ます。
私たちの生活に起こること
日経平均の史上高値と円安は、輸出企業や株式資産には追い風ですが、輸入品や海外旅行の費用には向かい風です。
家計は「価格改定の再加速」に備えて日用品は特売・まとめ買い、電気代や通信などの固定費の見直しで吸収力を高めるのが現実的です。
固定費


投資面
イベント前後の値動きに翻弄されない設計が重要です。
短期はポジションサイズを抑え、想定外のCPI結果に備えて逆指値などのリスク管理を意識してください。
中長期は積立や分散の軸を崩さず、リバランスの必要性だけを点検するに留めるのが基本です。


為替のボラティリティが高まると、外貨建て資産やFXの損益変動も大きくなります。
レバレッジをかける場合は証拠金余力とロスカット水準を厳密に管理しましょう。

台風接近地域では、物流遅延や停電に備え、飲料水・非常食・モバイル電源の確保、在宅勤務可否の確認、旅行・出張は振替条件の再チェックを早めに行ってください。