【2025年8月14日】の経済・時事ニュースまとめ

8月14日、世界の株式市場は米国の利下げ観測を背景に強含みが続く一方、東京市場は記録的な高値更新のあとで利益確定売りが優勢となりました。
為替はドル安・円高が進み、午前10時時点で1ドル=146円台後半に接近しています。
また、国内では7月の企業物価指数が公表され、電力・エネルギーや食品の動きを含む足元の物価圧力が改めて意識されました。
外交面では、韓国の李在明大統領の来日が月内に正式発表され、日韓の関係再構築に向けた動きが加速しています。
主要株価指数・為替レート(8月14日 午前11時30分時点)
指標 | 値 | 前日比 |
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日経平均株価 | 42,726.63円 | −548.04 (1.27%)円 |
NYダウ | 44,922.27ドル | +463.66 (1.04%)ドル |
S&P500 | 6466.58ポイント | +20.82 (0.32%)ポイント |
ドル/円 | 146.68円 | −0.85円 |
※日経平均とドル/円の10時時点データは同時刻配信の市況速報より。米株の終値は8月13日(米東部)取引終了値です。
東京市場:日経平均は反落し4万2800円台
午前終値の時点で日経平均は42,726.63円と前日比−548.04 (1.27%)。半導体関連や高PER銘柄に利益確定が広がりました。
寄与度ではアドバンテストや東京エレクトロン、ファーストリテイリングなどが下押し要因でした。
直近は史上最高値の更新が続き、テクニカルな過熱感が意識されていました。加えて、朝方の円高進行が外需株の重しとなり、指数の調整圧力を高めました。
為替:ドル/円は146円台後半、ドル安・円高が進行
午前10時時点で146.68前後と、前日夕方比で約0.8円の円高です。
米財務長官が「9月に0.5%利下げを含む大胆な緩和」を促す発言を行い、米金利低下観測がドル安を誘いました。同発言は日本の金利正常化観測も刺激し、円買い要因となりました。
9月のFOMCと日銀会合まで、米金利と日本の政策観測のせめぎ合いが続き、145〜148のレンジで振れやすい展開が想定されます。
米国市場:NYダウとS&P500が続伸、最高値更新
8月13日の米株はNYダウが44,922.27(+463.66)、S&P500が6466.58(+20.82)と続伸し、S&P500は最高値を更新しました。ナスダックも小幅高で年初来高値圏を維持しました。
ダウはUnitedHealthとNikeの上昇が寄与し、ヘルスケアや消費関連が堅調でした。
インフレ鈍化を受けた年内利下げ観測が相場の支えになっており、イベント前でも押し目は限定的でした。
資産運用をしている人がこの局面で心掛けるべきこと
ドル安進行と米利下げ観測がリスク資産を押し上げる一方、国内は円高方向と政策の不確実性が同居しています。
暗号資産や一部グロース資産に資金が流入しやすい半面、短期の過熱と反動安のリスクも高まります。
また、円高は輸入物価の下押し要因ですが、賃金やエネルギー価格の動き次第で消費者物価への波及は時間差があります。政策や関税の実装次第では、特定セクターの収益見通しが変わる可能性があります。
株式(国内外)での注意点
日本株は高値圏で上下が振れやすく、指数寄与度の大きい銘柄に短期資金が集中しがちです。
米株は利下げ観測が支えですが、期待と失望の往復で変動が出やすい局面です。
定期積立は淡々と継続し、追加投資はイベント通過や調整局面を待つなど、時間分散を優先しましょう。
債券(国内外)での注意点
国内金利の先行き不確実性が残るため、デュレーションの取り過ぎに注意します。
海外債券は為替ヘッジコストの変動を確認し、金利低下期待に過度に賭けないようシナリオ別に保有期間を設計します。
為替/FXの基本姿勢
短期のニュースで大きく振れやすい地合いです。
レバレッジ取引は損失限定のルールを明確にし、建て玉の総量を小さく保つのが賢明です。
証拠金維持率の閾値を事前に決め、連続の逆行に備えます。

コモディティ/暗号資産の取り扱い
ビットコインなどはニュースドリブンで上下が速く、資産全体の一部に限定して長期前提で保有するか、もしくは短期ルールを厳格に適用します。
分散の一環としてコモディティや金を検討する際も、関連ファンドやETFのコスト、ロールオーバー影響を確認します。
長期制度の活用(NISA/iDeCo)
長期の資産形成は家計の余力と目標に合わせて淡々と続けることが基本です。
つみたて投資枠や成長投資枠の配分は、年齢や収入、緊急資金の有無を踏まえ、リスク許容度に沿って決めます。



ポートフォリオ設計と家計の土台づくり
ポートフォリオ全体のリスクを数値で把握し、相関の低い資産を組み合わせてリバランスのルールを決めます。
同時に、家計の固定費を見直して投資の源泉となるフリーキャッシュを増やすことが、最も再現性の高い「リターン改善策」です。


国内ニュース
日米の相互関税合意を企業の76%が評価、影響は「限定的」が最多
ロイターの企業調査で、先の日米相互関税合意を「評価」する企業が全体の約76%に達したことがわかりました。
業績への影響は「ない」が最多で、「やや悪影響」「やや好影響」がこれに続く結果でした。
合意は相互関税率を原則15%とする枠組みが柱で、自動車関連を含む実務の着地点が注目されます。日本側は米国に対し大統領令の修正と還付手続きを求めており、今後の運用次第で企業の負担感が軽減する可能性があります。
韓国の李在明大統領が8月23〜24日に来日、日韓首脳会談へ
日本政府は、8月23〜24日の来日と石破首相との会談実施を発表しました。安全保障や経済連携を含む日米韓協力の強化が主な議題と見られます。
首脳往来の定例化は供給網や安保面の協力を後押しし、企業活動の先行き不透明感を和らげます。
地政学リスクの高まりに対する対話のチャネル確保としても重要です。
7月の企業物価指数(CGPI)公表、前年比+2.6%
国内企業物価は前月比+0.2%、前年比+2.6%。輸入物価(円ベース)は前月比+2.4%で、エネルギーや金属の上昇が寄与しました。
電力・燃料の押し上げと、輸入物価のぶれがコスト面の圧力として残っています。
川上の価格動向は数カ月遅れで消費者物価に波及するため、秋口の値付け動向に注目が集まります。
国内債券:中期債が下落、米財務長官発言で日銀利上げ観測が意識
14日の国内債券市場では中期ゾーンが弱含み。
前日の米長期金利が低下(債券価格が上昇)した半面、日銀の利上げ再開観測が意識されたことで国内長期債の強弱感は定まりにくかったことが理由として挙げられます。
「中期が売られ超長期が堅調」というフラットニングは、近い将来の政策金利引き上げ観測の表れとも解釈されます。
大阪・関西万博が本日10時開場に変更、交通トラブルの影響
大阪メトロ中央線の運行停止の影響で、万博の開場が本日10時に変更されました。
公式のお知らせに基づく対応で、混雑回避のため遅めの来場が推奨されています。
一部メディアは「30分遅れ」と伝えましたが、公式は「10時開場」に変更と告知しています。パビリオンの営業や予約の扱いに変更が生じる場合があるため、来場前に公式情報の確認が必要です。
海外ニュース
ビットコインが過去最高値を更新、米利下げ観測と政策が追い風
ビットコインが12万ドル台を付け、過去最高値を更新しました。
米連邦準備制度理事会の9月利下げ観測や、暗号資産を後押しする政策の報道が買いを誘ったとされています。
ドル安地合いとリスク資産選好の広がりが相場を押し上げています。ボラティリティは高く、節目の12万5000ドルを明確に超えるかが次の焦点です。
FRB・グールズビー総裁「秋の利下げに前向き」
シカゴ連銀のグールズビー総裁は、インフレ鈍化と労働市場の減速が続けば9月会合での利下げ支持に含みを持たせました。
関税の物価押し上げリスクにも言及し、データ次第の姿勢を強調しました。
先物市場では9月の利下げ観測が一段と強まり、世界の株式や金価格の支えとなっています。
トランプ米大統領「ロシアが和平阻害なら深刻な結果」
8月15日の米露首脳会談の行方次第で、ゼレンスキー大統領を交えた三者会談の可能性に言及しました。
ウクライナ情勢の転機となるかが焦点です。
ロシアGDPは1.1%増に鈍化、制裁や内需の減速が影
4〜6月期の実質GDPは前年同期比+1.1%と伸び率が低下。
軍事支出の下支えはあるものの、制裁の長期化で景気減速リスクが意識されています。
北朝鮮が「南北融和は夢物語」と反発、拡声器撤去も否定
金与正氏が南北融和の可能性を否定し、拡声器撤去を否定しました。
米韓演習の計画変更も「無益」と批判し、米国との対話にも否定的な見解を示しました。
韓半島の緊張は当面くすぶり続ける公算が大きく、安全保障関連ニュースが為替や株式の短期変動要因になり得ます。
私たちの生活に起こること
円高に振れる局面では、輸入食品やガソリンの店頭価格に下げ圧力がかかる一方、外貨建て旅行や海外ECの実質負担は軽くなります。
ただし、企業物価の一部ではエネルギーや金属が上昇しており、公共料金や耐久財のコストがじわりと反映される可能性があります。
家計は「値上げ/値下げの入り混じり」を前提に、定期支出の見直しや買い物の先送り・前倒しを用途別に分けて判断するとよいでしょう。
投資面では、金利・為替・原材料の3要素が企業収益に与える方向性がしばらく錯綜します。
短期の値動きに振られすぎず、資産配分のリスク許容度を定期的に点検し、イベント前後はポジションサイズを管理することが肝要です。