おまとめローンの選び方は?|申し込む前の注意点と利用できない場合の対処法も解説

そんな悩みを解決する選択肢として注目されているのが「おまとめローン」です。
しかし、おまとめローンにも数多くの商品があり、どれを選べばよいか迷ってしまう方も多いのではないでしょうか。
実は、おまとめローン選びで失敗しないためには「金利が低いから」という理由だけで飛びつくのは危険です。
条件や特徴をしっかり比較し、ご自身の借入状況や返済計画に合ったものを選ぶことが、家計改善への第一歩となります。

この記事では、おまとめローンを比較する際に必ずチェックしたい「7つのポイント」を、実際に多重債務に悩む方へ向けて詳しく解説します。

金融機関ごとの違いや、申込時に注意すべき落とし穴、利用できない場合の代替策までカバーしていますので、ぜひ最後まで参考にしてください。
![]() 東京スター銀行 おまとめローン | ![]() 楽天銀行 スーパーローン | ![]() アイフル おまとめMAX | ![]() プロミス おまとめローン | |
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金利(年利) | 年率9.8%~14.6%※1 | 1.9%~14.5% | 3.0%~17.5% | 6.3%~17.8% |
貸付上限 | 最大1,000万円 | 最大800万円 | 最大800万円 | 最大300万円 |
即日融資 | × (審査・手続きに日数要) | × (通常即日不可) | × (即日融資は困難) | × (即日融資は基本不可) |
総量規制以上の借入 | ○(総量規制対象外) | ○ (総量規制対象外) | ○ (おまとめローンは例外) | ○ (おまとめローンは例外) |
返済期間 | 10年 | 原則期限の定めなし(リボ) | 最長10年程度 | 最長10年程度 |
返済回数 | 120回 | 制限なし(随時返済) | 1~120回程度 | 1~120回程度 |
追加融資可否 | × (返済専用) | ○ (限度額内で追加借入可能) | × (おまとめ専用基本不可) | × (おまとめ専用基本不可) |
おまとめローンを選ぶ7つのポイント

おまとめローンを比較検討する際には、単に「金利が低いから」といった一点だけで決めてはいけません。
以下の7つのポイントを総合的に判断することで、よりご自身に合ったローンを選びやすくなります。
1. 現在の借入より金利が低くなるか
最も重要なチェックポイントは金利です。
おまとめローンの適用金利が、現在利用している複数のローンの加重平均金利(各借入額に応じた平均金利)よりも低くならなければ、利息軽減という最大のメリットが得られません。

銀行のおまとめローンでは上限金利が15%前後に設定されることが多く、消費者金融のおまとめローンでも法定上限内の18%程度までが一般的です(※貸金業法の上限金利:貸付額に応じ年15~20%)。
2. 返済総額(支払う利息総額)は減るか
毎月の返済額だけでなく、最終的な返済総額がどうなるかも必ず試算しましょう。
金利が下がれば毎月の返済額は軽減されるケースが多いですが、そのぶん返済期間が延びると支払利息の総額は増えてしまう可能性があります。
実際、おまとめローンによる借り換えで毎月の返済負担が減っても、完済までの期間が長引けば結果的に利息を支払う期間が延び、トータルの返済額が増えてしまうケースもあります。
こうした事態を避けるために、金融機関のウェブサイトに用意されている返済シミュレーション等を活用し、新しいローンに借り換えた場合の総支払額を必ず事前に計算しましょう。
毎月の負担軽減と返済総額のバランスを見極めることが大切です。
3. 借入総額をまとめられる十分な限度額か
おまとめローンで現在の借入をすべて一本化できるかも重要です。
借り換え後に一部の借金が残ってしまっては、支払い先が結局複数のままとなり効果半減ですので、ご自身の借入総額を上回る貸付限度額が設定されている商品かどうか必ず確認しましょう。
銀行のおまとめローンは融資枠が大きめのものが多く、たとえば東京スター銀行の「スターワン乗り換えローン」は最大1,000万円まで借り入れ可能で、他社ではまとめきれない高額の債務にも対応できる点が特徴です。
借入総額が大きい人ほど、こうした大口融資が可能なローンを候補に入れるとよいでしょう。

4. 追加借入が可能か(返済専用かどうか)
おまとめローンは基本的に「返済専用」のローンです。
一度借り換えで借入したあとは、新たな借り入れはできず返済のみを続ける商品がほとんどです。
契約後に急な出費が生じても、おまとめローンから追加で借りることはできない点に注意しましょう。
どうしても追加の資金需要が想定される場合は、利用可能枠の範囲内で繰り返し借入できるカードローンという選択肢もあります。
ただしカードローンは総量規制の対象で年収の3分の1を超える貸付はできないうえ金利も高め(上限18%程度)なので、慎重に検討すべきです。
※総量規制…貸金業法により貸金業者(消費者金融など)からの借入総額が年収の1/3までに制限されるルール。

ただしおまとめローンは「顧客に一方的に有利となる借換え」として例外貸付に該当するため総量規制の対象外です(年収の3分の1超の借入も可能)。
そのため、総借入額が年収の1/3を超えていたとしても、おまとめローンで一本化できる可能性はあります。
5. 審査基準や申込条件はクリアしているか
おまとめローンにも通常のローンと同様に審査があります。
年齢要件(例えば満20歳以上65歳以下など)や安定した収入があることは基本的な申込条件ですし、借入件数が極端に多かったり過去に延滞の履歴があったりすると審査に通りにくくなります。
事前に各金融機関の申込資格を確認し、自分の年収・勤続年数・信用情報(信用情報機関に記録された借入や返済の履歴)などが基準を満たしていそうか判断しましょう。

また、確実に審査に通るとは限らないため、申し込みは1社ずつ計画的に行うのがおすすめです。
短期間に複数社へ申し込むと「申し込みブラック」とみなされ不利になる可能性があります。
6. 金融機関の種類と特徴を理解する
おまとめローンを扱う主な金融機関には、銀行と消費者金融(貸金業者)があります。
それぞれメリット・デメリットが異なるため特徴を理解しておきましょう。
銀行系のおまとめローン
一般に低金利で限度額も大きく設定されている反面、審査はやや厳しめですし、契約までに時間がかかる傾向もあります。
また銀行ローンは貸金業法上の総量規制対象ではありませんが、自主的に年収の3分の1程度を上限とする運用が多く、過剰貸付けにならないよう管理されているものもあります。
とはいえ銀行の場合、保証会社の審査も含め審査基準は厳格ですが、通過できれば比較的有利な条件で借り換えができる可能性が高まります。
消費者金融系のおまとめローン
審査が迅速で、即日〜数日で融資が実行されるケースが多いのが利点です。
多重債務者向けの商品を積極的に展開している消費者金融もあり、すでに複数社から借り入れている人でも柔軟に審査してくれる傾向があります。
ただし金利は銀行よりも高め(上限金利は概ね年18%前後)に設定されがちです。
また貸金業者のローンなので総量規制の例外貸付であっても貸付条件が銀行より厳しい場合があります。

総じて、スピードや審査重視なら消費者金融、低金利重視なら銀行と、ご自身の重視ポイントに応じて選ぶと良いでしょう。
7. 手続きのしやすさ・返済の利便性
申込から契約までの手続き方法や、借入後の返済のしやすさも選択時に無視できないポイントです。
最近はインターネットやスマホで申し込みから契約まで完結できる金融機関が増えています。店舗や窓口へ出向かずに契約できるのは忙しい方にとって大きな利点でしょう。
また、借り換え後の返済方法も確認しましょう。銀行振込や口座引落はもちろん、提携ATMで手数料無料の返済が可能なケースもあります。
無理なく返済を続けるには、自分にとって便利な返済方法が用意されているか、そして返済日や金額の管理がしやすいかも重要です。

例えば毎月の約定返済日に加え、余裕がある月は臨時に追加返済(繰り上げ返済)できるかどうかも確認しておくと安心です。
おまとめローン選びの注意点|以下の2パターンには注意しよう

上記のポイントを踏まえて商品選びをしても、必ずしも希望通りに利用できるとは限らない点に注意しましょう。
ローンの契約には審査が伴うため、状況によってはおまとめローン自体が利用できないケースもあります。

また、金融機関を選ぶ際に気を付けるべき落とし穴についても知っておきましょう。
審査に通らない場合がある
おまとめローンの審査では、申込者の返済能力や信用情報が厳しくチェックされます。
そのため、誰でも必ず利用できるわけではありません。
特に借入総額が年収の3分の1を大きく超えている場合や、直近で他社のローン審査に立て続けに落ちているような場合は、審査通過が難しくなる傾向があります。
また、他社で延滞中の借入があったり、短期間に複数のおまとめローンへ申し込んだ履歴が信用情報に残っていると、「返済に行き詰まっている」と判断されマイナスになることもあります。
おまとめローンは総量規制の例外であるため年収の制約を超えて借りられる可能性がありますが、だからといって無制限に借りられるわけではなく結局は審査次第です。

融資可否や利用可能額は収入や他社借入状況など総合的に判断されます。
希望額いっぱいまで借り換えできないケースも想定し、だめだった場合の代替策も考えておくと良いでしょう(後述します)。
悪質な業者に要注意
「審査なしで貸します」「誰でもOK」などといった甘い言葉で勧誘してくる業者には警戒が必要です。
それらは法外な高金利を要求する違法業者(ヤミ金)である可能性があります。
貸金業法では登録を受けた正規業者以外の金融業は認められていませんし、上限金利も厳しく定められています(貸付額100万円以上の場合は年15%が上限)。
例えば利息を月利○%などと謳う業者は完全にアウトです。
また、「必ず借り換えできます」などと持ちかけて保証料名目で先にお金を要求する詐欺も存在します。

少しでも不審に感じる場合は契約してはいけません。
正規の金融機関であれば金利や手数料などの条件も明示されていますし、不明点があれば問い合わせに丁寧に答えてくれます。不安なまま契約を進めるのは絶対に避けましょう。
おまとめローンが利用できない場合の対処法

万一、
という場合でも、そこで諦める必要はありません。
返済問題を解決するための手段は他にもあります。

焦って事態を悪化させないために、以下の対処法を順を追って検討してみてください。
ステップ1:まずは家計を見直しできる返済計画を
おまとめローンが使えなくても、まず自力でできる改善策から始めましょう。
家計の収支を徹底的に洗い出し、返済原資を捻出できないか検討します。
家計簿を付けて収支を「見える化」する
毎月の収入と支出を正確に把握することが第一歩です。
家計簿アプリやエクセルなどを使って、何にいくら使っているか洗い出しましょう。無駄な支出や削れる出費が見えてくるはずです。


固定費など削減できる支出はないか
携帯電話料金やサブスクリプションサービス、保険料など、毎月固定で出ていく費用を見直します。
一度見直せば継続的な節約につながる固定費の削減は、返済計画の改善に大きな効果があります。



金利の高い借入から優先的に繰り上げ返済する
わずかでも余裕資金ができたら、最も金利の高い借金から優先的に追加返済して元本を減らしましょう。
毎月の約定返済とは別に繰り上げ返済(臨時返済)を行うことで、支払う利息の総額を効率的に減らせます。
少額でも積み重ねれば確実に債務圧縮につながります。

こうした地道な取り組みで返済負担を軽減できれば、おまとめローンに頼らずとも完済への道筋が見えてくることもあります。
まずは自分でコントロールできる範囲の努力をしてみましょう。
ステップ2:現在の借入先に条件緩和を相談してみる
自助努力だけでは返済が厳しい場合、今まさに借入をしている金融機関に返済条件の緩和を相談してみるのも一つの手です。
金融機関によっては、返済が滞りそうな事情を事前に伝えることで、一時的な金利引き下げや毎月の返済額減額(返済期間の延長リスケジュール)に応じてくれる場合があります。
ポイントは「返済の意思はあるが、このままでは完済が難しい状況」であることを誠実に伝えることです。
すべての貸し手が応じてくれるとは限りませんし、返済期間を延ばせば総支払額は増えるデメリットもあります。
しかし、何もしないで延滞に陥るよりは、先に相談して条件を見直してもらう方がはるかに建設的です。

相談窓口は各社のカスタマーサービスや支店窓口となります。
勇気を出して連絡し、今後の返済計画について話し合ってみましょう。
ステップ3:公的な相談窓口や専門家に無料相談する
債務問題は一人で抱え込まず、第三者の専門家に相談することが解決への近道です。
日本には、多重債務で苦しむ人のための公的な無料相談窓口がいくつも用意されています。
以下は代表的な相談先です。
日本クレジットカウンセリング協会(JCCO)
金融庁・経済産業省管轄の公益財団法人で、消費者ローンやクレジットの多重債務に関する相談を無料で受け付けています。
専門のカウンセラーが家計管理のアドバイスや任意整理(後述)手続きのお手伝いもしてくれます。
日本貸金業協会 貸金業相談・紛争解決センター
貸金業法に基づき貸金業者(消費者金融など)に関する相談や苦情を受け付ける公的機関です。
多重債務の返済計画や業者との交渉アドバイスなどにも応じています。
電話や対面での相談窓口があります。
法テラス(日本司法支援センター)
国が運営する法的トラブル解決の総合案内所です。
収入等の条件を満たせば、無料で弁護士・司法書士の法律相談が受けられます。債務整理を含む借金問題の相談先として心強い存在です。
全国の消費生活センター
各自治体の消費生活センターでも、多重債務に関する相談を受け付けています。
強引な取り立てに遭っている場合の対処法や、適切な専門機関の紹介など、公的な立場でアドバイスを提供してくれます。

以上のような窓口では秘密厳守で相談に乗ってもらえます。
「誰にも言えない」と思い詰めず、まずは無料相談でプロの意見を聞いてみることを強くおすすめします。
ステップ4:法的な債務整理(最終手段)を検討する
どうしても返済の見通しが立たない場合、法律に基づく救済措置「債務整理」という最終手段があります。
債務整理とは、弁護士や司法書士に依頼して借金の減額や免除を法的に進める手続きです。
主な方法は以下の3つで、それぞれメリット・デメリットがあります。
任意整理
裁判所を通さずに、弁護士等が貸金業者と直接交渉して将来利息のカットや返済期間の延長を図る方法。特定の借金だけ選んで整理でき、家族や職場にも知られにくい利点があります。
ただし元金自体は減らないことが多く、手続後5年程度は信用情報に事故登録(いわゆるブラックリスト)されます。
個人再生(民事再生)
裁判所に申立てて借金を大幅に圧縮(最大で5分の1程度に減額)し、原則3~5年で分割返済する計画を立てる方法です。
住宅ローン特則を利用すれば持ち家を残したままその他の債務のみ減額できる可能性があります。
借金の減額幅が大きい反面、手続きは複雑で費用も高め、官報公告によるプライバシー面のデメリットもあります。
自己破産
裁判所に申立てて「支払い不能」と認められれば、原則すべての借金の返済義務が免除される強力な救済手段です。
借金問題の究極の解決策ですが、一定以上の資産(不動産や車など)は処分の対象となり、資格制限により一部の職業に就けなくなるデメリットがあります。
信用情報も最長10年程度はブラック状態です。


債務整理はいずれの方法も信用情報への影響(ブラックリスト入り)は避けられません。
しかし、これ以上放置すれば生活再建が困難な場合の最後のセーフティーネットと言えます。
債務整理を検討する際は、必ず弁護士や司法書士など法律のプロに相談してください。専門家があなたの状況に応じて最適な方法を助言してくれます。
例えば「収入はあるが返済額が大きすぎる」場合は任意整理、「資産は守りたいが借金が減らないと完済できない」場合は個人再生、「返済の目処が全く立たない」場合は自己破産、といったようにケースバイケースです。
人生の再出発のための恥ずかしくない手段ですので、必要なら早めに検討しましょう。
終わりに|自分に合う選択が明日を変える
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金利(年利) | 年率9.8%~14.6%※1 | 1.9%~14.5% | 3.0%~17.5% | 6.3%~17.8% |
貸付上限 | 最大1,000万円 | 最大800万円 | 最大800万円 | 最大300万円 |
即日融資 | × (審査・手続きに日数要) | × (通常即日不可) | × (即日融資は困難) | × (即日融資は基本不可) |
総量規制以上の借入 | ○(総量規制対象外) | ○ (総量規制対象外) | ○ (おまとめローンは例外) | ○ (おまとめローンは例外) |
返済期間 | 10年 | 原則期限の定めなし(リボ) | 最長10年程度 | 最長10年程度 |
返済回数 | 120回 | 制限なし(随時返済) | 1~120回程度 | 1~120回程度 |
追加融資可否 | × (返済専用) | ○ (限度額内で追加借入可能) | × (おまとめ専用基本不可) | × (おまとめ専用基本不可) |
おまとめローンを検討するうえで、選び方や注意点、もし利用できない場合の対応策まで幅広くご紹介しました。
借入を一本化したいと思う背景には、家計管理や返済の不安を減らしたいという切実な思いがあることと思います。
金利や返済総額、審査基準など、おまとめローンにはメリットだけでなくデメリットもあることを知り、自分にとって本当に最適な方法を見極めることが大切です。
また、利用できない場合でも家計の見直しや専門家への相談といった選択肢があることを忘れずにいてください。
まずは、ご自身の借入状況や返済計画を整理し、無理のない範囲でできることから一歩踏み出してみましょう。
無料相談を活用することや、返済条件の見直しを申し出るだけでも、状況が変わることがあります。

どんなときも、あきらめずに行動することで未来は必ず切り開けます。応援していますZ
※本記事は貸金業務取扱主任者の著者が金融庁や日本貸金業協会の公開情報、各金融機関の公式発表等を参照し作成しています。貸金業法に基づく最新の制度や各社の商品内容は変更される可能性があるため、具体的な申込前には必ず公式情報をご確認ください(出典)。