生命保険料控除はいくら戻る?会社員の年末調整・確定申告と2026年の計算例

「生命保険料控除でいくら戻るのか」「会社に出し忘れたら、もう間に合わないのか」と迷うことがあります。
生命保険料控除は、払った保険料がそのまま返ってくる制度ではなく、税金を計算する所得を減らす仕組みです。
たとえば2026年分で、新契約の一般生命保険料を年8万円払い、所得税率10%・特例なしなどの条件なら、所得税等と住民税を合わせた軽減額は年約6,900円です。
このうち所得税等は約4,100円、住民税は翌年度に2,800円軽くなる試算であり、約6,900円が年末調整で一度に振り込まれるわけではありません。
ねくこ控除証明書を手元に置き、自分の保険料の区分と、勤務先への提出・確定申告のどちらが必要かを確かめましょう。

この記事の結論
- 控除額は戻る現金ではなく、所得税等と翌年度の住民税を軽くする計算の基礎
- 会社員は原則年末調整で申告し、漏れた場合は確定申告済みかどうかで手続きが変わる
- 2026年・2027年分の一般生命保険料控除には特例があるが、所得税の総枠12万円は変わらない
生命保険料控除はいくら戻る?まず税負担の軽減額をつかむ

戻る金額を考えるときは、まず、所得税の軽減額と翌年度の住民税の軽減額が異なることを把握しましょう。
年8万円の新契約なら、所得税率10%で年約6,900円の軽減
年間保険料が同じでも、所得税率が高い人ほど税負担の軽減額は大きくなります。
次の表は、新契約の一般生命保険料を2026年中に8万円支払い、23歳未満の扶養親族に関する特例を使わない人の試算です。
| 所得税率 | 所得税・復興特別所得税の軽減 | 翌年度の住民税の軽減 | 合計の目安 |
|---|---|---|---|
| 5% | 約2,000円 | 2,800円 | 約4,800円 |
| 10% | 約4,100円 | 2,800円 | 約6,900円 |
| 20% | 約8,200円 | 2,800円 | 約11,000円 |
※所得税の控除額4万円、住民税の控除額2万8,000円を使い、住民税所得割は10%と仮定しています。所得税等は復興特別所得税2.1%を含め、概算額は100円単位に丸めています。
目安の計算式は、
たとえば税率10%なら、4万円×10%×1.021=4,084円、住民税は2万8,000円×10%=2,800円です。
ここでいう税率は年収そのものではなく、給与所得控除や所得控除などを差し引いた課税所得に対する税率です。
ねくこ年収だけで表の行を決めず、自分の課税所得に当てはまる税率で見ましょう。
控除額12万円と、還付金12万円は違う
多くの人が勘違いしてしまいがちですが、生命保険料控除の「最大12万円」は所得から差し引く限度額であり、そのまま受け取れる現金ではありません。
| 確認する金額 | 意味 | 2026年分の保険料が反映される時期 |
|---|---|---|
| 所得税等の軽減額 | 控除によって年間の税負担が減る額 | 2026年分の年末調整、または2027年以降の申告 |
| 年末調整の還付金 | 給与等から徴収済みの税額と、年間の確定税額との差額 | 勤務先が年末調整の過不足を精算する時期 |
| 住民税の軽減額 | 翌年度の所得割が減る額 | 給与天引きなら原則2027年6月からの住民税 |
新契約の3区分で所得税の控除を合計12万円、住民税の控除を合計7万円使える場合、所得税率10%なら合計約1万9,300円の軽減です。
所得税等がすでにゼロなら、控除を追加しても所得税等の軽減は生じません。
住民税への効果は別に考える必要があり、税率の境目や税額控除・端数処理でも単純な掛け算と差が出ます。
ねくこ給与明細の還付金にはほかの控除も影響するため、生命保険料控除だけの効果と分けて考えましょう。

自分の控除額を計算する|新旧契約と2026年の特例
控除額の計算は、証明書の「新・旧」と「一般・介護医療・個人年金」の区分ごとに行います。
通常の新契約は、所得税で1区分4万円が上限
通常の新契約は、一般生命保険料・介護医療保険料・個人年金保険料の各区分で、所得税の控除が最大4万円になります。
古い契約でも更新などで新制度になる場合があるため、契約日だけで決めず、控除証明書の表示を使いましょう。
| 年間の支払保険料P | 所得税の控除額 | 住民税の控除額 |
|---|---|---|
| 1万2,000円以下 | Pの全額 | Pの全額 |
| 1万2,000円超〜2万円以下 | P×1/2+6,000円 | |
| 2万円超〜3万2,000円以下 | P×1/2+1万円 | |
| 3万2,000円超〜4万円以下 | P×1/4+1万4,000円 | |
| 4万円超〜5万6,000円以下 | P×1/4+2万円 | |
| 5万6,000円超〜8万円以下 | 2万8,000円 | |
| 8万円超 | 4万円 |
Pは、その年に支払った保険料から配当金などを差し引いた金額です。
同じ区分の契約は合算し、各区分の控除額を足した後、所得税は12万円・住民税は7万円の総枠を適用します。
ただし、控除枠は契約ごとに増えるものではありません。
ねくこ保険を何本契約しているかではなく、証明書に記載された区分ごとの合計額で計算しましょう。
2026年・2027年分は、23歳未満の扶養親族がいる人に特例
23歳未満の扶養親族がいる人は、2026年分・2027年分の所得税で、新契約の一般生命保険料控除の上限が6万円に広がります。
対象は税法上の扶養親族であり、年齢だけでなく生計や所得などの要件があります。
介護医療・個人年金の枠と、所得税の総枠12万円・住民税の総枠7万円は増えません。
| 新一般生命保険料の年額P | 特例の所得税控除額 |
|---|---|
| 3万円以下 | Pの全額 |
| 3万円超〜6万円以下 | P×1/2+1万5,000円 |
| 6万円超〜12万円以下 | P×1/4+3万円 |
| 12万円超 | 6万円 |
2026年分・所得税率10%で一般生命保険料だけを支払う場合、年8万円なら所得税の控除額は5万円となり、住民税と合わせた軽減額は約7,900円です。
| 2026年の一般生命保険料 | 通常の所得税控除額 | 特例の所得税控除額 | 特例適用時の税軽減合計 |
|---|---|---|---|
| 年8万円 | 4万円 | 5万円 | 約7,900円 |
| 年12万円 | 4万円 | 6万円 | 約8,900円 |
※この2つの試算も所得税率10%・住民税所得割10%など冒頭と同じ前提です。
保険料を年8万円から12万円へ増やしても、増える税軽減は約1,000円で、追加保険料4万円は取り戻せません。
また、ほかの区分と合わせて所得税の総枠12万円をすでに使っている人は、一般の枠が広がっても控除総額は増えません。
ねくこ特例は今の保険で使えるかを先に確かめ、控除枠を埋めることだけを目的に保障を増やさないようにしましょう。

旧契約や新旧混在は、単純に控除額を足さない
旧契約だけなら、一般生命保険料・個人年金保険料の各区分で、所得税の控除は最大5万円、住民税は最大3万5,000円です。
| 税の種類 | 年間保険料Pと控除額の計算 |
|---|---|
| 所得税 | 2万5,000円以下:全額/ 2万5,000円超〜5万円以下:P×1/2+1万2,500円/ 5万円超〜10万円以下:P×1/4+2万5,000円/ 10万円超:5万円 |
| 住民税 | 1万5,000円以下:全額/ 1万5,000円超〜4万円以下:P×1/2+7,500円/ 4万円超〜7万円以下:P×1/4+1万7,500円/ 7万円超:3万5,000円 |
同じ区分で新旧両方を使う通常の計算は、所得税の合算上限が4万円、住民税が2万8,000円です。
旧契約だけで計算する方が控除額の大きい場合は、旧契約のみを選べます。
23歳未満の扶養親族がいる人の一般生命保険料は、新旧合算でも特例の所得税上限6万円で判定します。
個人年金保険料には、この6万円の特例はありません。
ねくこ新旧の金額をそのまま足さず、同じ区分で「旧契約のみ」と「新旧合算」の控除額を比べましょう。
会社員は原則年末調整|証明書を勤務先へ提出する
年末調整の対象になる会社員は、勤務先へ保険料控除申告書と控除証明書を提出すれば、生命保険料控除のためだけに確定申告をする必要はありません。
通常の提出は、証明書をそろえて勤務先へ出す
まずは、その年分の控除証明書を手元にそろえ、次の順番で勤務先への申告を進めます。
- その年分の控除証明書を集め、新旧・控除区分・申告する年間保険料を確認する
- 勤務先指定の保険料控除申告書または電子申告画面へ入力する
- 勤務先の締切までに提出し、後日受け取る源泉徴収票の控除欄を確認する
証明書をなくした場合は保険会社へ再発行を依頼し、電子データで提出する場合は勤務先が対応している方式を使います。
ねくこ提出方法や締切がわからない場合は、勤務先の案内を確認するか、給与担当者に聞きましょう。
家族名義の保険がある場合は、実際に払った人で判断する
家族名義の保険を申告する場合は、契約者の名前だけで判断せず、保険料を実際に支払った人を確認します。
ただし、夫婦がそれぞれ支払った保険料を税率の高い側へ自由に付け替えることはできず、同じ保険料を二重に申告することもできません。
ねくこ家族で申告する前に、誰が払った保険料を誰の控除に含めるのか、重複がないように確認しましょう。

提出を忘れた場合は、勤務先でまだ対応できるか確かめる
勤務先の締切を過ぎた場合は、まず給与担当者へ「今から保険料控除申告書と控除証明書を提出して、年末調整に反映してもらえるか」を確認します。
年末調整が終わっていても、保険料控除申告書を提出することで、翌年1月の源泉徴収票を交付する時まで勤務先で再計算できる扱いがあるため、実際の受付日程を確かめてください。
勤務先で対応できない場合は自分で税額を訂正する手続きへ進みますが、すでに確定申告を済ませているかどうかで、使う手続きが分かれます。
ねくこ次の章で「まだ確定申告していない場合」と「申告済みの場合」のうち、自分に当てはまる手続きを確認しましょう。

年末調整で忘れた場合は、確定申告済みかどうかで分ける
年末調整での申告漏れは、勤務先で対応できなくても、確定申告や更正の請求で税額を訂正できる場合があります。
確定申告していない人は、還付申告の期限を確認する

国税庁「生命保険料控除の入力方法」(2026年1月5日更新)より
確定申告の義務がない会社員が納め過ぎた税金を戻してもらう還付申告は、対象年の翌年1月1日から5年間できます。
| 保険料を支払った年 | 還付申告できる期間 |
|---|---|
| 2025年分 | 2026年1月1日〜2030年12月31日 |
| 2026年分 | 2027年1月1日〜2031年12月31日 |
この5年間は、申告義務のない人の還付申告についての期限です。
副業所得などにより確定申告が必要な人は、通常の申告期限に従う必要があります。
- 対象年の源泉徴収票・控除証明書・本人確認やe-Tax認証に必要なもの・本人名義の還付口座を用意する
- 国税庁の確定申告書等作成コーナー等で、源泉徴収票と控除証明書の情報を入力する
- 年末調整に含まれた保険料と未反映分を区別し、申告全体の内容を確認して提出する
ふるさと納税のワンストップ特例を申請済みでも、確定申告をすると特例は適用されません。
その年のふるさと納税をすべて申告に含める必要があります。

ねくこ2026年分の保険料を今から申告するのではなく、年内は勤務先への提出を進め、申告漏れの還付申告は2027年1月以降に行いましょう。
申告済みなら、期限内の再提出と更正の請求を区別する
すでに確定申告した年の控除漏れは、申告期限内なら訂正した申告書を再提出し、期限後に税金を戻してもらう場合は更正の請求を検討します。
| 申告の状況 | 訂正方法・期限の基本 |
|---|---|
| 通常の確定申告の期限内 | 正しい内容で申告書を再提出する |
| 通常の確定申告の期限後 | 税額過大・還付過少なら原則、法定申告期限から5年以内に更正の請求 |
| 申告義務のない人の還付申告後 | 更正の請求の期限は原則、その還付申告書を提出した日から5年以内 |
控除を増やしても所得税の税額などが変わらず、更正の請求ができない場合は、住民税への反映について市区町村へ相談する方法があります。
ねくこなお、「修正申告」は税金を追加で納める場合の手続きです。
税務署へ相談するときは、元の申告書・源泉徴収票・漏れていた控除証明書をそろえましょう。
生命保険料控除と申告のよくある質問
生命保険料控除について、申告前によくある疑問をまとめました。
終わりに|控除額と戻るお金を分けて、申告漏れを防ぐ
生命保険料控除で戻る金額をつかむには、証明書から控除額を計算し、所得税等と住民税に分けて税負担の軽減を見積もることが大切です。
2026年分は一般生命保険料控除の特例も確認し、勤務先に出せる間は年末調整、間に合わなければ自分の申告状況に合った手続きを選びましょう。
保険そのものを見直したい場合は、節税額だけでなく必要な保障と年間保険料を比べましょう。
ねくこ控除や申告の個別判断は税務署・税理士へ相談しましょう。


引用・参考出典
引用・参考出典は、次のとおりです。
- 国税庁「保険と税」「https://www.nta.go.jp/publication/pamph/koho/kurashi/html/04_2.htm」確認日:2026年9月10日
- 国税庁「No.1140 生命保険料控除」「https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1140.htm」確認日:2026年9月10日
- 国税庁「No.2260 所得税の税率」「https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/2260.htm」確認日:2026年9月10日
- 中央区「生命保険料控除・地震保険料控除」「https://www.city.chuo.lg.jp/a0009/kurashi/zeikin/juuminzei/shotokukoujo/seimeihokenryo.html」確認日:2026年9月10日
- 中央区「住民税の申告から納付まで」「https://www.city.chuo.lg.jp/a0009/kurashi/zeikin/juuminzei/sinkokukaranohu.html」確認日:2026年9月10日
- 国税庁「No.2030 還付申告」「https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/2030.htm」確認日:2026年9月10日
- 国税庁「No.2026 確定申告を間違えたとき」「https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/2026.htm」確認日:2026年9月10日
- 国税庁「申告に誤りがあった場合など」「https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/shinkoku/tebiki/2025/01/1_10.htm」確認日:2026年9月10日
- 国税庁「No.1140 生命保険料控除(質疑応答)」「https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1140_qa.htm」確認日:2026年9月10日
- 国税庁「No.1155 ふるさと納税(寄附金控除)」「https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1155.htm」確認日:2026年9月10日
- 国税庁 e-Tax「作成コーナーで「生命保険料控除」を入力したい」「https://www.e-tax.nta.go.jp/toiawase/faq/nyuryoku/12.htm」確認日:2026年9月10日
- 生命保険文化センター「税金の負担が軽くなる「生命保険料控除」」「https://www.jili.or.jp/knows_learns/basic/tax/22.html」確認日:2026年9月10日
- 国税庁「令和8年分 年末調整Q&A」「https://www.nta.go.jp/publication/pamph/gensen/nencho2026/qa.htm」確認日:2026年9月10日