40歳の転職はやめた方がいい?厳しい理由や現実、成功させるポイントを解説

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転職を検討しているものの、40歳を超えているので需要があるかどうかと不安を感じている

40歳からの転職は厳しいと聞いたが、なぜそこまで厳しいのだろうか・・・

40歳で転職を決意した人の多くは、上記のようなウワサや不安から、まず求人票の年齢欄を見て立ち止まります。

「もうチャンスはないのか…」と。

でも、門は閉じていません。必要なのは“若さ”ではなく、“再現できる成果”をどう示すか
実際、40歳を過ぎてからキャリアを広げた人も少なくないのです。

本記事では、統計と実例から、なぜそう言えるのか、そしてどうすれば成功の可能性を高められるのかを解説します。

目次

結論:40代の転職は「難易度は上がる」がチャンスはある

40代は若年層より転職入職率が低く、選考では即戦力性とマネジメント適性を厳しく見られます。
一方で、必ずしも悲観的な結果ばかりではないと、データが示してくれています。

転職入職者の賃金変動状況(年代別)

転職入職者の賃金変動状況別割合※1

区分増加(%減少(%変わらない(%増加-減少(ポイント)
40.529.428.4+11.1
19歳以下48.827.934.9+36.9
20~24歳50.538.531.5+33.7
25~29歳46.337.923.1+17.1
30~34歳46.136.029.1+21.9
35~39歳45.535.328.0+21.2
404445.933.223.7+16.9
454946.429.126.9+22.6
50~54歳39.026.331.7+10.8
55~59歳27.417.333.6+3.5
60~64歳13.67.924.2−1.8
65歳以上23.715.633.7−5

出典:厚生労働省『令和6年雇用動向調査結果の概況』(表6より一部抜粋)※1

令和6年の調査では、賃金が「増加」した転職者全体で40.5%、**40〜44歳で45.9%、45〜49歳で46.4%**。
成果を裏づける実績があれば、賃金増加につながる場合があります。

40歳からの転職が厳しいといわれる3つの理由

男性が窓際でパソコン作業をしている

では、「40歳からの転職は厳しい」といわれるのはどうしてなのでしょうか。
原因だと考えられる理由が3つあります。

1. ポジション要件が「即戦力・再現性」寄りになる

40代の採用では、専門性・マネジメント・数字で示せる実績がはっきり求められます。入社後の最初の90日どれだけ業務に適応し、成果を出せるかも見られます。

このため、求人票の業務とあなたの経験が合致していないと、候補から外れる可能性が高まります。
逆に、実績を数値目標(KPI)で示し、同じ成果を再現できる根拠を簡潔に説明できれば、選考での説得力が増すでしょう。

2. 年収は「増加」も「減少」も起こりやすい

転職入職者の賃金変動状況別割合によると、令和6年(2024年)の転職入職者は、賃金が増えた人40.5%/変わらない28.4%/減った人29.4%です。年齢別でも40〜44歳は増加45.9%、45〜49歳は増加46.4%と、上がる例も一定ありますが、下がる例も約3割あります。

つまり、年収は振れやすいというのが前提です。選考前から職務内容と報酬テーブルの対応を確認し、条件面の優先順位を整理しておくと安心です。※1

3. 法令理解の不足による「自己フィルタリング」

たとえば「35歳以下」のように、求人に年齢条件を付けることは原則として禁止されており、例外は「長期勤続によるキャリア形成」など合理的な理由がある場合に限られています。

それでも「40代は無理」と思い込み、応募を控えてしまうケースがありますが、年齢だけであきらめる必要はありません。募集要件に合致しているなら、応募前に年齢条件の有無具体的な職務内容(初期の役割)、**待遇(報酬レンジ等)**などを確認しておくと判断しやすくなります。※3 ※4


データで見る「40代転職の現実」

パソコンを使っている人

40代の転職データを年代別に見ると、20代より動きは少ないものの、年収が増えた人はおよそ45%、減った人も3割ほどいます。

つまり、結果には差があり、どれだけ準備できたかが成功のカギになります。

1. 年代×性別の転職入職率(2024年)

下表は「常用労働者の転職入職率」を年齢×性別で並べたものです。
40代は20代に比べて低水準ですが、ゼロではありません。十分に動いている市場です。※1

常用労働者の転職入職率

年齢男性女性
20〜24歳13.4%20.4%
25〜29歳15.1%16.8%
30〜34歳10.3%13.2%
35〜39歳7.9%10.5%
40〜44歳6.8%10.2%
45〜49歳5.1%8.2%

※出典:厚生労働省『令和6年雇用動向調査結果の概況』(図4-1より抜粋)※1

2. 40代男女の転職理由

2024年(令和6年)の厚生労働省の統計によると、男性が転職した主な理由は以下の順。

その他の個人的な理由……20.2%
・定年や契約期間の満了……14.1%
・給料・収入が少なかった……10.1%

女性では「その他の個人的な理由」が24.3%と最も多く、次いで「労働時間や休日などの条件が良くなかった」が12.8%でした。

つまり、「収入のため」という人もいますが、働き方や契約期間など、さまざまな事情から転職を選ぶ人が多いのが実情です。※1

3. 少子化による転職増加は誤解

最近では、人口減少や少子化によって「40代の転職が増えている」と言われることもあります。

しかし、2024年の転職者数(平均331万人、3年連続増)は、少子化そのものよりも、労働市場の流動化による影響が大きいと見られています。

統計上も、少子化と転職増加の明確な因果関係は確認されていません。
つまり、市場全体の変化の中で40代にもチャンスが広がっている、というのが現実的な見方です。※2

応募前に確認すべきこと(年齢条件・求人要件)

「40代だから無理かもしれない」と感じて応募を止めてしまうケースは少なくありません。

しかし、募集・採用での年齢制限は法律で原則として禁止されています。

例外的に条件を設けられるのは、定年上限長期勤続によるキャリア形成(3号イ)技能・ノウハウ継承(3号ロ)など、法律で定められた合理的な事由がある場合に限られます。

もし「気になる求人があるけれど、年齢で足切りされそう」と感じたら、以下の手順で事実を整理してください。※3 ※4 ※5

1. 求人票で年齢条件の有無をチェックする

まず、求人票に年齢制限や例外事由の明記があるかを確認します。

たとえば「長期勤続によるキャリア形成のため35歳未満」と記載があれば、法律上の例外に該当する可能性があります。

また、「若手歓迎」などの表現があっても、実際に年齢で排除していないかを文脈から判断することが大切です。

2. 不明な点は企業やエージェントに確認する

求人票に明記がない場合は、直接問い合わせて事実を確認ましょう。

企業への問い合わせ例(テンプレ利用可)

「募集要項に年齢に関する記載が見受けられました。例外事由の適用有無と根拠をご教示いただけますか。私の経験(●●/KPI:××)は要件に合致すると考え、応募を検討しています。」

エージェントへの依頼例(テンプレ利用可)

「当該求人の年齢表記について、例外事由の該当性求人票への明記を先方に確認し、結果を共有ください。」

3. 書類で“経験と要件のつながり”を見せる

年齢表記の有無にかかわらず、求人票に書かれた業務内容とあなたの実績がどうつながるかを明確にしましょう。
実績は「成果・担当規模・役割・再現性」の4点を軸に整理します。


書類選考で不通過が続く場合は、“必須要件”と“歓迎要件”の読み替えを行い、関連・隣接職種にも射程を広げてみましょう。

4. 不当な制限が疑われるときは相談する

求人内容に疑問を感じたら、都道府県労働局や総合労働相談コーナー、ハローワークに相談できます。
求人票やスクリーンショットなどの記録を持参すると、対応がスムーズです。

注意:本節は一般的な情報提供です。最終的な適法性の判断は個別事情により異なります。疑問がある場合は、公的窓口でご確認ください。※3 ※4 ※5

40代転職を成功させた実例と5つのコツ

面接を受ける壮年男性

成功した40代転職者の多くに共通していたのは、自分の実績を数字で示していたことです(もちろん個人差はあります)。

たとえば、メーカー営業からSaaS企業に転じるようなケースでは、前職の受注率改善(例:28%→42%)やLTV向上、工数削減などをKPIで示し、役割(意思決定レベル)と規模(人数・予算・期間)を明確化する——といった提示が効果的。

こうした再現可能な成果を言語化できる人ほど、選考で評価されやすい傾向にあります。

以下の5つのコツも、こうした成功例に基づいて整理した実践ポイントです。

1. タイムラインを設計する(長期戦を前提に)

40代の転職活動は選考のステップが多く、長期化しやすい傾向があります。

要件確認から現場面談、条件調整までを見通し、**1〜2か月ごとの目標(マイルストーン)**を決めて進めましょう。

たとえば「8週間で応募20件、一次面接10件、最終面接3件」など、週ごとの行動量を可視化するとペースを保ちやすくなります。

2. 「数字で示せる即戦力」を用意する

求人票に書かれた職務内容と、あなたの実績を一つずつ照らし合わせて整理しましょう。

たとえば、KPI(売上・利益・工数削減・稼働率など)、担当規模(人数・予算・期間)、役割(意思決定の範囲)をそろえ、「どの成果を、どの条件で再現できるか」まで具体的に説明できるようにしておくことが大切です。

数値と根拠を添えた説明は、採用側にとっての明確な判断材料となり、説得力が増します。

3. 条件の優先順位をA/B/Cで整理する

内定交渉をスムーズに進めるために、希望条件の優先順位を明確にしておきましょう。

  • A(譲れない条件):年収の下限、勤務地・出社頻度、職務範囲 など
  • B(交渉できる条件):等級(職務グレード)、肩書(職位名)、評価サイクル、報酬の内訳(固定給/変動給・賞与・SO など)
  • C(妥協できる条件):福利厚生の細部、使用ツール など

交渉はA → Bの順で進め、Cは歩み寄りの材料として使います。
Bの項目は役割や給与水準に影響はあるものの、職務内容ほど固定ではないことが多く、名称・配分・サイクルの調整で合意しやすい領域です。

4. 組織との相性を見極める(カジュアル面談の活かし方)

カジュアル面談では、**「最初の90日で期待される成果」や「評価のタイムライン」**などを質問してみましょう。

また、意思決定の流れや隣接部署との関係など、実際の働き方が見える質問も有効です。

現場メンバーや上長の話を聞きながら、「どんな成果を求められているのか」「自分がそこでどう活躍できそうか」を具体的にイメージしておくと、ミスマッチを防げます。

5. 法令理解:年齢条件は原則NG

繰り返しとなりますが、求人や採用で年齢を理由に制限を設けることは、原則として法律で禁止されています。
例外として認められるのは、次のように「雇用対策法施行規則」で定められた特別な場合だけです。

  • 3号イ(長期勤続によるキャリア形成):若年層の育成を目的とするもので、応募条件は「経験不問」であることが求められます。そのため、「経験者優遇」などの表現は併記できません。
  • 3号ロ(技能・ノウハウの継承):特定の技能職などで、30〜49歳のうち5〜10歳程度の年齢幅を設定し、その年齢層の人材が極端に少ない場合に限られます。

いずれの場合も無期雇用(正社員など)が前提条件です。

つまり、例外事由に当たらない限り、年齢だけで応募を制限することはできません。

詳細は、厚生労働省が公表している「労働者の募集及び採用における年齢制限禁止の義務化に係るQ&A 」(令和7年4月1日改訂版)※8 をご確認ください。

入社後のステップ:最初の90日チェックリスト

無事に内定をもらえても、まだ安心はできません。入社後の評価は、着任初期の設計で大きく左右されます。

以下は、90日を3フェーズに分け、学ぶこと・関係づくり・示す成果を具体化したチェックリストです。

迷いを減らし、初回評価での納得感を高めるために、上から順に確認して進めましょう。

目的:入社直後の不確実性を減らし、初回評価サイクルで確実に結果を出す。

【0〜30日|学習・関係構築】

  • 現行KPI/PL・予算/OKR/評価基準を把握
  • ステークホルダー(上長・人事・隣接部署・主要顧客)のマッピング
  • 現場課題の仮説を3〜5本作成/必要データを取得

【31〜60日|小さな勝ちを作る】

  • 影響小〜中の改善に2件着手(例:SLA可視化、リード配賦の見直し)
  • 週次で効果を数値共有(例:一次応答SLA 24h→8h)
  • 中期案件の要件定義(メンバー・工数・決裁フロー)

【61〜90日|仕組み化へ】

  • 改善の定常運用化/KPIダッシュボードの共通言語化
  • 中期案件の承認取得→着手
  • 次四半期のコミット(目標・前提・リスク・支援要請)を提示

【初回レビューで出すもの】

  • Before/AfterのKPI、費用対効果、ナレッジ(手順書・チェックリスト)
  • 失敗からの学びと再発防止策
  • 次期のリソース見積もりと、意思決定に必要なトレードオフ

まとめ:40歳からの転職は「準備の深さ」で勝ち切

40代の転職市場は、若年層ほど派手ではないものの着実に動いています。

年収は上がる人もいれば下がる人もいる——だからこそ、職務との適合と、成果を再現できる根拠をどこまで用意できるかが勝負どころです。

募集での年齢制限は原則認められていないため、年齢だけで可能性を狭める必要もありません。

入社後の最初の90日を設計し、希望条件の優先順位を握り、実績を数字で語れる形に整える。やるべきことはシンプルです。

年齢はプロフィールの一部にすぎません。戦略次第で、今日から流れは変えられます。

応募前にやることチェックリスト(保存版)

応募前は抜け漏れが起きやすい局面です。

次のチェックリストに、書類と面談の精度を上げ、後からの齟齬を減らすための要点を並べました。

上から順に3分で点検し、足りない項目だけ具体化していきましょう。

☑️ 職務経歴書を圧縮する:主要成果を「役割/指標/結果」の3行で要約 ×5件。
☑️ 求人票と実績を1対1で対応づける:要件の箇条書きごとに、自分の対応実績を横書きで紐づけ。
☑️ レファレンスを想定する:上長・同僚・顧客など、連絡可能な3名をリスト化(合意取り・連絡先整理)。
☑️ 報酬テーブルを確認する:等級、評価周期、賞与算定基準、固定/変動の比率を事前にすり合わせ。
☑️ 働き方の条件を固める:出社頻度、所定外労働の扱い、裁量労働/フレックスの適用条件を確認。
☑️ 組織文化を見極める:意思決定の階層、失敗許容度、オンボーディング手順の有無を面談で質問。

よくある質問(FAQ)

40歳の転職はむずかしいですか?

難易度は上がる傾向がありますが、厚生労働省の統計では40〜44歳の約46%が転職で賃金増となっています。

求人に「35歳未満」や「若手歓迎」と記載がありました。応募できますか?

原則、年齢制限はできません(例外事由は可)。まずは求人票に例外事由の明記があるか確認し、不明なら適用有無と根拠を企業へ問い合わせましょう(本文の問い合わせ例を参照)。

「若手歓迎」自体は直ちに違法ではありませんが、実質的に年齢で排除していないかを確認し、疑義が残る場合は労働局・ハローワークに相談してください。※3 ※4 ※5

40代でも未経験職種へキャリアチェンジは可能ですか?

次の3つの準備をしておくと、選考での説得力が高まります。

  1. 現職の成果を応募先のKPIと対応づけて説明する
    (例:営業職 → カスタマーサクセス職なら「LTV向上率」や「契約維持率」を共通指標として提示)
  2. 不足スキルは短期間で示せる成果物で補完する
    (例:資格取得、業界知識を活かした小規模プロジェクト、ポートフォリオなど)
  3. 複数経路でチャンスを探す
    エージェント経由だけでなく、直接応募や社内ネットワークなども併用することで、選択肢が広がります。

詳細は本文の「数字で示せる即戦力を用意する」および「書類で“経験と要件のつながり”を見せる」をご参照ください。

退職の申し出はいつまでにすれば良いですか?法的な最短は?

期間の定めのない雇用は、民法627条1項により申入れから原則2週間で退職可とされています。

就業規則で「1か月前」等の定めがあっても、まずは引き継ぎ計画に沿った協議が現実的です(有期雇用・管理職の特約等は別扱い)。

不明点は労働局・総合労働相談コーナーで確認しましょう。※6 ※7

出典一覧

※本記事は一般的な情報提供であり、個別の転職判断や結果を保証するものではありません。制度・運用は時期や地域、個別事情で異なる場合があります。最新の公式資料をご確認のうえ、必要に応じて公的窓口(労働局・ハローワーク等)や専門家に相談してください。

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この記事を書いた人

編集部の資産形成担当。
20代後半ながら金融に関する相談実績多数で、投資信託から株式まで幅広い知識を持ち、今のあなたに必要なことを洗い出し、寄り添った提案を心掛けています。
たけのこ派&猫派です!

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