NISA口座は相続できる?親が亡くなった後の手続き・相続税・売却時の税金を解説

親のNISAって、亡くなったらどうなるんだろう?
NISAは非課税だから、相続でも有利なんですよね?
結論として、NISA口座(非課税管理)は名義人の死亡時点で終了し、相続人が口座や非課税枠をそのまま引き継ぐことはできません。
ただし、NISA口座で保有していた株式や投資信託などの商品は、相続財産として引き継げます。
また、NISAは運用益にかかる所得税・住民税を非課税にする制度であり、相続税まで非課税にする制度ではありません。相続後に売却する場合は、死亡時の取得価額リセットにも注意が必要です。
ねくここの記事では、NISA口座の相続可否、亡くなった後の手続き、相続税の扱い、売却時の税金、生前にできる準備までわかりやすく解説します。
この記事の結論
- NISA口座そのものは相続できない
- NISA口座内の株式や投資信託は相続財産として引き継げる
- 相続後は、相続人名義の課税口座(特定口座または一般口座)で受け入れて保有する
- NISAは相続税まで非課税にする制度ではない
- 含み損がある場合は取得価額リセットに注意
※本記事は2026年5月時点の公表情報をもとに、一般的な制度の取扱いを解説しています。個別の判断は税理士や金融機関などの専門家にご確認ください。

NISA口座は相続できる?
NISA口座の相続でまず押さえたいのは、「NISA口座そのもの」と「口座内で保有していた商品」は扱いが異なるという点です。
NISA口座そのものは引き継げませんが、口座内の株式や投資信託などは相続財産として引き継げます。
NISA口座そのものは相続できない
亡くなった親や配偶者がNISA口座を持っていた場合、相続人がその口座を自分のNISA口座として使い続けることはできません。
NISA口座は、口座名義人本人の非課税投資枠を使う制度です。
そのため、名義人が亡くなった時点で、その人のNISA口座としての非課税管理は終了します。
ねくこ相続人自身がNISA口座を持っている場合でも、亡くなった人のNISA口座や非課税枠をそのまま引き継ぐことはできません。
出典:国税庁「租税特別措置法(株式等に係る譲渡所得等関係)の取扱い」措置法第37条の14関係(死亡時の取扱いに関する注記)
NISAで持っていた株式や投資信託は相続できる
NISA口座そのものは相続できませんが、NISA口座で保有していた株式や投資信託などの商品は相続できます。
たとえば、親がNISA口座で以下のような商品を持っていた場合、それらは相続財産として扱われます。
- 上場株式
- 投資信託
- ETF
- REITなど
ねくここれらは預貯金や不動産などと同じように、遺産分割や相続手続きの対象になります。
相続した商品は特定口座または一般口座に移る
相続後は、相続人のNISA口座ではなく、特定口座または一般口座へ移管して保有するのが基本です。
特定口座で受け入れられるか(一般口座になるか)は、相続人の口座状況や金融機関の取扱いによって異なるため、手続き開始時に必ず確認してください。
特定口座や一般口座とは、NISAのような非課税口座ではなく、売却益などに税金がかかる通常の証券口座のことです。
相続人のNISA口座にそのまま移すことはできません。
相続した商品を自分のNISA口座で運用したい場合は、いったん特定口座または一般口座で相続し、その後に売却して、相続人自身のNISA枠で買い直す必要があります。
ねくこただし、売却時に利益が出ていれば、課税対象になる可能性があります。
売却時は「死亡時の取得価額リセット」に注意
さらに、相続後に売却する場合は「死亡時の取得価額リセット」にも注意が必要です。
NISA口座に受け入れられていた上場株式等を相続で受け取った場合、原則として「相続開始日(死亡日)の終値に相当する金額」で取得したものとみなして、相続人の売却益を計算します(いわゆる取得価額のリセット)。
通常の課税口座で株式などを相続した場合、原則として被相続人が購入したときの取得費を相続人が引き継ぎます。
一方、NISA口座で保有していた商品は、死亡時にNISA口座から払い出される際、亡くなった日の価格を基準にした金額を取得価額として扱う仕組みになります。
ねくこそのため、死亡時までのNISA内の含み益には原則として所得税がかからない一方、含み損があった場合には相続人に不利になるケースがあります。
この点は後ほど、具体例を使って詳しく解説します。
上場株式・ETF等は終値等、投資信託等は基準価額等、商品区分により終値等に相当する金額の具体的な算定が異なります。実際の取得費は金融機関の移管明細で確認してください。
NISA口座の資産にも相続税はかかる?
NISA口座内の資産も、相続税の計算では相続財産に含まれます。
ねくこここでは、相続税がかかるかどうかの考え方と基礎控除を整理します。
NISA口座の資産も相続財産に含まれる
NISA口座内の株式や投資信託も、相続財産に含まれます。
たとえば、親が亡くなった時点でNISA口座に300万円分の投資信託を保有していた場合、その300万円相当の資産は、預貯金や不動産などと同じように相続財産として扱われます。
「NISAだから税金が一切かからない」と考えてしまうと、相続税の申告要否を誤る可能性があります。
NISAで非課税になるのは、主に本人が生きている間の運用益にかかる所得税・住民税です。
ねくこ相続税の計算では、NISA口座内の資産も遺産全体に含めて考える必要があります。
相続税がかかるかは、遺産全体の金額で決まる
NISA口座の資産があるからといって、必ず相続税がかかるわけではありません。
相続税がかかるかどうかは、NISA口座の資産だけでなく、預貯金、不動産、生命保険金、有価証券などを含めた遺産全体の金額で判断します。
相続税では、課税価格の合計額から基礎控除額を差し引いて、課税される遺産の総額を計算します。
相続税の基礎控除額は「3,000万円+600万円×法定相続人の数」です。
たとえば、法定相続人が3人の場合、基礎控除額は以下のようになります。
3,000万円+600万円×3人=4,800万円
この場合、遺産全体が4,800万円以下であれば、原則として相続税はかかりません。
一方、NISA口座の資産を含めた遺産全体が基礎控除額を超える場合は、相続税の申告や納税が必要になる可能性があります。
法定相続人の数は、相続放棄があっても「放棄がなかったもの」として数えます。また養子がいる場合は算入できる人数に上限があります。
出典: 国税庁 No.4114
相続税の基礎控除はいくら?
相続税の基礎控除額は、法定相続人の数によって変わります。
| 法定相続人の数 | 相続税の基礎控除額 |
|---|---|
| 1人 | 3,600万円 |
| 2人 | 4,200万円 |
| 3人 | 4,800万円 |
| 4人 | 5,400万円 |
たとえば、相続人が配偶者と子ども2人の合計3人であれば、基礎控除額は4,800万円です。
NISA口座の資産が数百万円であっても、預貯金や不動産などを含めた遺産全体が基礎控除額を超える場合には、相続税の対象になる可能性があります。
反対に、NISA口座の資産を含めても遺産全体が基礎控除額以下であれば、原則として相続税はかかりません。
まずは、NISA口座だけを見るのではなく、預金・不動産・死亡保険金などを含めた財産全体を確認しましょう。
ねくこなお、相続人が受け取る死亡保険金には非課税限度額(500万円×法定相続人の数)がありますが、受取人が相続人である場合等に限られます。
NISAで保有していた株式・投資信託はいくらの財産として見られる?
NISA口座で保有していた株式や投資信託は、相続税の計算上、一定の方法で評価されます。
ここで重要なのは、相続税を計算するための評価額と、相続後に売却したときの取得価額は別物だという点です。
上場株式は死亡日の終値などをもとに評価する
NISA口座で上場株式を保有していた場合、相続税評価では、原則として死亡日の最終価格をもとに評価します。
ただし、死亡月・前月・前々月の月平均額のうち最も低い価額を上回る場合は、その最も低い価額で評価します。
つまり、上場株式の相続税評価では、必ずしも死亡日の終値だけで決まるわけではありません。
ねくこ相場が大きく変動している場合には、死亡月やその前後の月平均額も確認する必要があります。
出典: 国税庁 No.4632
投資信託は解約・買取した場合の価額をもとに評価する
NISA口座で投資信託を保有していた場合も、相続税評価が必要です。
証券投資信託は、死亡時点で解約・買取請求をしたと仮定した場合に受け取れる価額で評価します。
なお、上場している投資信託(上場投信等)は上場株式の評価に準じます。
投資信託は、株式のように市場で常に売買価格がついているわけではなく、基準価額をもとに評価されます。
ねくこ実際の相続手続きでは、金融機関が発行する残高証明書や評価証明書などを確認しながら、相続税評価額を整理することになります。
出典: 国税庁 No.4644
相続税評価額と売却時の取得価額は別物
ここで混同しやすいのが、相続税評価額と取得価額です。
相続税評価額は、相続税を計算するときに使う金額です。簡単にいうと、「その資産を相続財産としていくらと見るか」を示すものです。
一方、取得価額は、相続人がその商品を売却したときに「いくらで取得したものとして売却益を計算するか」を判断するための金額です。
ねくこつまり、相続税評価額は「相続税を計算するための金額」、取得価額は「あとで売ったときの利益を計算するための金額」と考えるとわかりやすいでしょう。
| 項目 | 使う場面 | 意味 |
|---|---|---|
| 相続税評価額 | 相続税を計算するとき | 相続財産としていくらと見るか |
| 取得価額 | 相続後に売却するとき | 売却益を計算するための元値 |
NISA相続では、この取得価額が死亡日の終値相当額にリセットされる点が重要です。
相続税評価額と売却時の取得価額は似ているように見えますが、税金の種類も使う場面も異なります。
相続したNISA資産を売却したら税金はかかる?
相続したあと、NISA口座で保有していた株式や投資信託を売却した場合、税金がかかることがあります。
ねくこポイントは、死亡時までの利益と、相続後の利益を分けて考えることです。
死亡時までのNISA内の利益には原則として所得税がかからない
NISA口座で保有していた期間中に生じた利益には、原則として所得税・住民税はかかりません。
NISAは、少額投資による配当金や譲渡益などを非課税にする制度だからです。
金融庁もNISAについて、投資による利益が非課税になる制度として案内しています。
たとえば、親がNISA口座で100万円分の投資信託を購入し、死亡時に150万円まで値上がりしていた場合、死亡時点までの50万円の含み益については、原則として所得税はかかりません。
ただし、その150万円相当の投資信託は相続財産に含まれるため、相続税の判定対象にはなります。
なお、NISAで配当等を非課税で受け取るには、金融機関を経由して受領する等の条件(株式数比例配分方式など)があります。条件を外すと課税扱いになるため、受取方法も確認してください。
出典: 日本証券業協会
売却する場合は、相続後に増えた分が課税対象になる
相続後に特定口座または一般口座へ移管された商品を売却した場合、相続後に増えた分は課税対象になる可能性があります。
株式や投資信託を売却して利益が出た場合、その利益は給与などとは分けて税金を計算する「申告分離課税」の対象になります。
国税庁は、上場株式等の譲渡益について、所得税15%・住民税5%の税率を示しており、復興特別所得税もあわせて考える必要があります。
上場株式等の譲渡益等は、所得税15%と住民税5%が基本で、確定申告や源泉徴収の場面では復興特別所得税(所得税額の2.1%)も考慮します(結果として一般に20.315%で案内されます)。
ねくこたとえば、相続時の取得価額が200万円の商品を、相続後に250万円で売却した場合、差額の50万円が譲渡益として課税対象になる可能性があります。
取得価額は死亡日の終値相当額にリセットされる
NISA口座で保有していた商品は、名義人の死亡時にNISA口座から払い出されます。
NISA口座から相続等により払い出された上場株式等の取得費は、原則として相続開始日(死亡日)の終値等に相当する金額とされます。
これは、通常の課税口座の相続とは異なる重要なポイントです。
通常の特定口座や一般口座で株式を相続した場合、原則として被相続人が購入したときの取得費を相続人が引き継ぎます。
ねくこしかし、NISA口座の場合は、非課税口座であることから、死亡時の価額を基準に取得価額がリセットされる仕組みになります。
含み損のまま亡くなると相続人に不利になる場合がある
たとえば、Aさんの父親がNISA口座で300万円分の株式を購入していたとします。
その後、父親が亡くなった時点で、その株式の評価額は200万円まで下がっていました。
この場合、相続人であるAさんは、その株式を200万円で取得したものとして扱われます。
その後、株価が回復し、Aさんが300万円で売却したとします。家族全体で見ると、父親が300万円で買った株式が300万円に戻っただけです。
しかし、Aさんの取得価額は死亡時の200万円にリセットされているため、税務上は100万円の譲渡益が生じる可能性があります。
親の購入額:300万円
死亡時の価額:200万円
Aさんの取得価額:200万円
Aさんの売却額:300万円
譲渡益:100万円
このように、NISA口座では含み損が税務上引き継がれないため、相続後に価格が戻っただけでも、相続人に税負担が生じるケースがあります。
相続税を支払っている場合、一定期間内に相続財産(株式など)を売却すると、相続税額の一部を取得費に加算できる特例があります。
ねくこ該当すると譲渡益課税が軽くなることがあるため、売却前に税理士等へ確認してください。
出典: 国税庁 No.3267
NISA口座の持ち主が亡くなったときの手続き
NISA口座の名義人が亡くなった場合は、まず金融機関へ連絡し、相続手続きを進めます。
ねくこ手続きの流れは金融機関によって異なりますが、大まかには以下のように進みます。
①まずは金融機関に死亡の連絡をする
NISA口座の持ち主が亡くなったら、まずは取引していた証券会社や銀行などの金融機関へ連絡します。
金融機関に死亡の連絡をすると、相続手続きに必要な書類や今後の流れを案内してもらえます。
NISA口座だけでなく、特定口座、一般口座、預金口座などを同じ金融機関で持っている場合は、それらもあわせて確認しましょう。
ねくこ複数の証券会社や銀行を利用していた場合は、金融機関ごとに手続きが必要です。
②相続人や相続財産を確認する
次に、誰が相続人になるのか、どの財産を誰が引き継ぐのかを確認します。
相続手続きでは、戸籍謄本、遺産分割協議書、本人確認書類、印鑑証明書などが必要になることがあります。
必要書類は、相続人の人数、遺言書の有無、遺産分割協議の状況、金融機関のルールによって異なります。
NISA口座で保有していた商品も相続財産に含まれるため、残高証明書や評価額を確認しておきましょう。
③必要書類を提出して、商品を移管する
相続人や分割内容が決まったら、金融機関へ必要書類を提出し、NISA口座で保有していた商品を相続人の口座へ移管します。
このとき、相続人のNISA口座へ直接移管することはできません。
移管先は、相続人の特定口座または一般口座になります。
特定口座を利用できるか、一般口座になるかは、金融機関の取扱いや相続人の口座状況によって異なるため、事前に確認しておくと安心です。
ねくこまた、移管後に売却する場合は、相続後の値動きによって譲渡益や譲渡損が発生することがあります。
④相続税申告が必要な場合は10か月以内に申告・納税する
相続税の申告が必要な場合は、期限にも注意が必要です。
相続税の申告期限は、原則として「相続の開始があったことを知った日の翌日から10か月以内」です。
ねくこたとえば死亡を知った日が1月6日なら、原則として11月6日が期限になります。
NISA口座の資産を含めた遺産全体が基礎控除額を超える場合は、相続税の申告が必要になる可能性があります。
相続税の申告が必要かどうか不安な場合は、早めに税理士や税務署へ相談しましょう。
出典: 国税庁(申告手続)
NISA口座の相続手続きの流れとスケジュール
NISA口座の相続手続きは、金融機関への死亡連絡、相続人や相続財産の確認、必要書類の提出、商品の移管という流れで進みます。
相続税の申告が必要な場合は、被相続人が死亡したことを知った日の翌日から10か月以内に申告・納税する必要があるため、早めに準備を進めましょう。
| 時期の目安 | やること |
|---|---|
| 死亡後すぐ〜1か月程度 | 取引していた証券会社や銀行に死亡の連絡をする。NISA口座や他の口座の有無を確認する |
| 1〜3か月程度 | 戸籍謄本、遺言書、相続人の範囲、保有商品の残高・評価額を確認する |
| 3〜6か月程度 | 遺産分割の方針を決め、金融機関へ必要書類を提出する |
| 6〜10か月以内 | 相続税の申告が必要な場合は、NISA資産も含めて相続財産を整理し、申告・納税を行う |
相続した株式や投資信託は売却すべき?保有すべき?
NISA口座で保有していた商品を相続した場合、すぐに売却すべきか、そのまま保有すべきか迷うことがあります。
結論として、正解は家庭の状況や商品の内容によって異なります。
ねくこ納税資金、商品の値動き、相続人の投資方針、NISAで買い直すかどうかを総合的に考えることが大切です。
納税資金が必要なら売却を検討する
相続税の納税資金が必要な場合は、相続した株式や投資信託の売却を検討することがあります。
相続税は、原則として金銭で納付します。
不動産が多く、預貯金が少ない相続では、NISA口座から移管された商品を売却して納税資金にあてるケースも考えられます。
ただし、売却時に相続後の値上がり益が出ている場合は、譲渡益課税が発生する可能性があります。
譲渡益課税とは、株式や投資信託を売却して利益が出たときにかかる税金のことです。
ねくこ納税資金を確保するための売却なのか、投資判断としての売却なのかを分けて考えましょう。
値動きが大きい商品はリスクを確認する
相続した商品が、値動きの大きい個別株やテーマ型投資信託などの場合は、保有を続けるリスクを確認しましょう。
亡くなった人が納得して保有していた商品でも、相続人にとって同じ商品が適しているとは限りません。
特に、以下のような商品は慎重に確認したいところです。
- 値動きの大きい個別株
- 特定テーマに集中した投資信託
- レバレッジ型の商品
- 相続人が内容を理解していない商品
ねくこ相続後も保有を続ける場合は、商品のリスク、手数料、運用方針、家計全体の資産配分を確認しましょう。
相続人自身のNISAで買い直すには、いったん売却が必要
相続した商品を自分のNISA口座で運用したい場合は、いったん特定口座または一般口座で相続し、その後に売却して、自分のNISA枠で新たに買い付ける必要があります。
相続した商品を、相続人のNISA口座へ直接移管することはできません。
また、売却時に利益が出ていれば税金が発生する可能性があり、NISAの年間投資枠を超える金額は一度に買い直せない点にも注意しましょう。

ケース別|相続した株式や投資信託を売るか持ち続けるかの考え方
相続したNISA口座内の商品を売却するか、保有を続けるかは、相続税の納税資金、商品の値動き、相続人の投資方針、自分のNISA口座で買い直すかどうかによって変わります。
ねくこ以下の表を参考に、自分の状況に近いケースから確認してみましょう。
| ケース | 売却を検討しやすい場合 | 保有を検討しやすい場合 |
|---|---|---|
| 相続税の納税資金が必要 | 預貯金だけでは納税資金が足りない場合 | 他に十分な現金があり、急いで売る必要がない場合 |
| 商品の内容が分からない | 仕組みやリスクを理解できない商品を相続した場合 | 低コストのインデックス投信など、内容を理解しやすい商品の場合 |
| 値動きが大きい個別株を相続した | 集中投資になっている、またはリスクを抑えたい場合 | 今後も保有したい理由が明確で、値動きに耐えられる場合 |
| 相続後に含み益が出ている | 利益確定したい、納税資金にあてたい場合 | 長期保有方針で、すぐに現金化する必要がない場合 |
| 相続後に含み損が出ている | 今後の回復見込みが薄い、資産配分を見直したい場合 | 回復を待つ方針で、短期の値動きを許容できる場合 |
| 自分のNISAで買い直したい | 売却益課税やNISA枠を確認したうえで買い直したい場合 | 年間投資枠を超えるため、すぐに全額を移し替えられない場合 |
売却するか保有するかを判断するときは、商品の将来性だけでなく、売却時の税金、NISA枠の空き状況、相続税の納税資金もあわせて確認しましょう。
NISA資産の相続に備えて生前にできる準備
NISA口座は本人が亡くなった後にそのまま引き継げないため、生前の準備が重要です。
ねくこ特に高齢期に入ったら、家族が困らないように、口座情報や保有商品の状況を整理しておくと安心です。

家族にNISA口座の存在を共有しておく
まず大切なのは、家族にNISA口座の存在を共有しておくことです。
相続人がNISA口座の存在を知らなければ、相続手続きが遅れる可能性があります。
証券会社や銀行からの郵送物が少ない場合、家族が口座の存在に気づかないこともあります。
最低限、以下の情報は家族が確認できるようにしておきましょう。
- NISA口座を開設している金融機関名
- 支店名やログイン情報の保管場所
- 保有している主な商品
- 問い合わせ先
- 残高証明書の取得方法
ただし、IDやパスワードを不用意に共有するとトラブルになる可能性もあります。
ねくこ直接パスワードを渡すというより、必要なときに家族が金融機関へ連絡できる状態にしておくことが重要です。
取引している金融機関や資産一覧を整理しておく
NISA口座以外にも、特定口座、一般口座、預金口座、保険、不動産などがある場合は、資産一覧を作っておくと相続手続きがスムーズになります。
たとえば、以下のような一覧を作っておくと便利です。
| 種類 | 金融機関・会社名 | 内容 |
|---|---|---|
| NISA口座 | ○○証券 | 投資信託・上場株式 |
| 預金口座 | ○○銀行 | 普通預金・定期預金 |
| 保険 | ○○生命 | 死亡保険 |
| 不動産 | 自宅 | 土地・建物 |
相続が発生すると、家族は短期間で多くの手続きを進める必要があります。
どこに何があるかわからない状態だと、相続財産の確認に時間がかかります。
ねくこNISA口座も含めて、資産の所在を一覧化しておくことが、家族の負担軽減につながります。
含み損が大きい銘柄を点検しておく
高齢期のNISA運用では、含み損が大きい銘柄を点検しておくことも大切です。
NISA口座で含み益が出ている場合は、死亡時までの利益について原則として所得税がかからないため、非課税メリットを活かせます。
一方、含み損を抱えたまま亡くなると、その損失は税務上活かせず、相続人の取得価額は死亡時の価額にリセットされます。
その後に価格が戻った場合、相続人に売却益にかかる税金が発生する可能性があります。
そのため、以下のような点を確認しておきましょう。
- NISA口座内に大きな含み損銘柄がないか
- その商品を今後も保有する合理性があるか
- 家族が相続後も保有しやすい商品か
- 値動きが大きすぎないか
- 課税口座で保有したほうがよい商品ではないか
ねくこNISAは長期投資に有効な制度ですが、相続が現実的になる年齢では、非課税メリットだけでなく、相続時の扱いも含めて点検することが大切です。
相続後に売却するか保有するかを話し合っておく
生前に、相続後の売却方針について家族と話し合っておくことも有効です。
たとえば、以下のような方針を共有しておくと、相続後の判断がしやすくなります。
- 納税資金が必要なら一部を売却する
- 長期保有向きの投資信託は継続保有する
- 値動きの大きい個別株は早めに売却を検討する
- 相続人自身のNISAで買い直すか検討する
もちろん、最終的な判断は相続発生時の相場や家族の状況によって変わります。
それでも、亡くなった人の考え方や保有理由がわかっていれば、相続人は判断しやすくなります。
よくある質問
まとめ|NISAは相続税まで非課税になる制度ではない
NISA口座そのものは相続できませんが、NISA口座で保有していた株式や投資信託は相続財産として引き継げます。
ただし、相続後は特定口座または一般口座へ移り、NISAは相続税まで非課税にする制度ではありません。
さらに、死亡時の取得価額リセットにより、含み損のまま亡くなった場合は相続人に不利になるケースがあります。
まずは、家族のNISA口座の有無、保有商品、評価額、含み損益を確認しましょう。
ねくこ相続税がかかる可能性がある場合や売却判断に迷う場合は、早めに税理士や金融機関へ相談することが大切です。
本記事は一般的な税制・制度の取扱いを解説するものです。相続税の申告要否、評価額、取得価額、金融機関での手続きは個別事情により異なります。実際の申告・手続きにあたっては、税務署、税理士、取引先の金融機関に最新情報をご確認ください。
引用・出典一覧
金融庁|NISAを知る:NISA特設ウェブサイト|公式サイト|一次情報
国税庁|NISAに関する情報|公式サイト|一次情報
国税庁|NISA及びつみたてNISAの手続に関するQ&A|PDF|一次情報|令和元年7月
国税庁|No.1463 株式等を譲渡したときの課税(申告分離課税)|公式FAQ|一次情報|令和7年4月1日現在法令等
国税庁|No.1474 上場株式等に係る譲渡損失の損益通算及び繰越控除|公式FAQ|一次情報|令和7年4月1日現在法令等
国税庁|No.4632 上場株式の評価|公式FAQ|一次情報|令和7年4月1日現在法令等
国税庁|No.4644 貸付信託・証券投資信託の評価|公式FAQ|一次情報|令和7年4月1日現在法令等
国税庁|No.4102 相続税がかかる場合|公式FAQ|一次情報|令和7年4月1日現在法令等
国税庁|No.4205 相続税の申告と納税|公式FAQ|一次情報|令和7年4月1日現在法令等|
取得日:2026年5月14日