【2025年6月9日】の経済・時事ニュースまとめ

6月9日(月)、日本と世界の経済に関する重要なニュースが相次いで伝えられました。
この日は特に、米中の貿易協議再開や日本のGDP改定値の発表、株式・為替市場の動向が大きな話題となりました。

今週も、最新の経済・社会ニュースを詳しく解説します。
よろしくお願いします!
主要株価指数・為替レート(2025年6月9日 午後2時時点)
指標名 | 値 | 前日比 |
---|---|---|
日経平均株価 | 38,094.29円 | +352.68 (0.93%)円 |
NYダウ平均 | 42,762.87ドル | +443.13 (1.05%)ドル |
S&P500 | 6,000.36ポイント | +61.06 (1.03%)ポイント |
ドル/円 | 144.40円 | −0.30円 |
為替市場:ドル/円は144円台前半で推移
米雇用統計後は円高へ、今後はCPIに注目
先週末に米国で発表された雇用統計は強い結果でしたが、利下げ期待も残り、週明けはドル売り・円買いが入りました。
東京市場のドル/円相場は、144.90円から144.35円まで円高が進み、その後は144円台前半でもみ合っています。

今週は米国の「CPI(消費者物価指数)」の発表にも注目が集まっています。CPIの結果次第では、さらに円高が進む可能性があります。
ポイント
為替(ドル/円)は「1ドルを買うのに何円必要か」という数字。
円高が進むと海外のものが少し安く買えることもありますが、輸出での利益が減衰するため、輸出による収益が中心の日本企業の利益には影響が出る場合もあります。
株式市場:日経平均は3営業日続伸
半導体・インバウンド関連株がけん引
日経平均株価は、米国の半導体関連株の上昇を受けて、東京エレクトロンやアドバンテストなど半導体関連株が買われたことで大きく上昇しました。
また、訪日外国人観光客の増加により百貨店などインバウンド関連株も強含みでした。
ただし、38,000円の大台をキープできるかどうかは、米中協議の進展や輸出企業の業績に左右されます。

ポイント
「日経平均株価」は日本を代表する会社の株価をまとめた指標です。
上がっていると多くの会社が元気な証拠。
半導体はスマホやゲーム機に欠かせないパーツなので、世界中の景気にも関係しています。
米中貿易協議がロンドンで再開
クリティカルミネラル供給網の再構築が焦点
米国と中国の閣僚級による貿易協議がロンドンで再開されました。
最大のテーマは「クリティカルミネラル(スマホやEVのバッテリーに必要なレアメタル)」の安定した供給網づくりです。
米国は追加関税の発動を一時棚上げしていますが、交渉が決裂した場合には再び10%超の関税が発動されるリスクもあります。

こうした動きは、世界の物価や製造業、貿易全体に大きな影響を及ぼす可能性があります。
ポイント
「関税」は外国から輸入されるモノにかかる税金です。
たとえば、関税が高くなると外国製のスマホやパソコン、ゲーム機が値上がりすることもあります。
そのため、国同士が協議して関税をどうするか決めることは、私たちの暮らしにも大きく関係があります。
日本1〜3月期GDP、年率−0.2%に上方修正
個人消費が想定以上の粘り
内閣府は2025年1~3月期のGDP改定値を公表しました。
速報値は「年率−0.7%」のマイナス成長でしたが、改定値では「−0.2%」と大きく改善しました。
これは、外食やゲームなどの個人消費が思ったより好調だったためです。
一方、企業の設備投資や輸出はやや弱く、景気全体が強い回復局面に入ったとは言い切れません。
ポイント
GDPは「国全体でどれだけお金が動いたか」の数字です。
マイナスになると景気が悪化しているサイン。
今回は速報よりもマイナス幅が小さくなったので、「景気の落ち込みは思ったほどじゃなかった」といえます。
資産運用者はこの局面、どのようなスタンスでいるべきか?
※以下のアドバイスは、特定の銘柄や投資商品の売買を勧めるものではありません。投資判断は必ず自己責任でお願いします。
NISAやiDeCoを運用している人はどうすべき?
NISAやiDeCoを運用している方は、この局面に対して一般的にどのようなスタンスが望ましいでしょうか。
制度としては銘柄の切り替えは自由度が高いものの、時間が限られる中で、日ごとの株価指数や為替レートを見て NISA/iDeCo 内で“ぐるぐる銘柄を入れ替える”人はごく少数です。

基本的には長期・分散投資を徹底して、静観していくことが重要です。
新NISAの銘柄変更について
まだ買っていない “これからの買付” を切り替えるだけなら、年内に何度でも自由に変更可。
既に買った分を売って別銘柄に充て直すのは、その年中は不可。
iDeCoの銘柄変更について
iDeCoも同様に、毎月設定した掛金で買う商品の配分変更は自由(主要なネット証券の場合)。
すでに保有している資産のスイッチング(入替)も毎日可能(松井・SBI・楽天など)。ただし、毎月の掛け金そのものは年1回しか変更できない。



短期変動に一喜一憂せず、「積立・分散・長期」を続ける
- 日経平均が38,000円台を回復し、半導体関連株やインバウンド銘柄が好調ですが、米中協議や為替の影響で急変動もあり得ます。
- NISAやiDeCoは「長期の資産形成」が目的です。市場の上下に左右されず、コツコツ積立を続けることが王道です。
分散投資と定期的なリバランスを実践
- 米中の関税協議や為替(円高)など、海外リスクが高まると特定分野への集中投資は危険です。
- 国内外の株式、債券、REIT(不動産投資信託)などへバランス良く投資し、半年〜年1回はリバランス(資産配分の見直し)を行いましょう。
- 半導体株やインバウンド株のような「話題のテーマ」に偏り過ぎないことも重要です。
為替変動(円高・円安)への対応
- 円高(ドル/円が144円台前半)は、米国株や海外資産を円で買い増すチャンスです。
- ドルコスト平均法の効果を生かし、「円高時はコツコツ外貨建て資産の積立」が有効です。
FXをやっている人は、この局面はどうする?
FXの場合は長期投資と異なり、短期的な為替の変動が利益や損失に直接影響します。
ただし、以下のポイントを抑えることでリスク管理を図ることが望ましいです。


米中協議・米経済指標・CPI発表前後はリスク管理を徹底
- 今週は米中協議やアメリカのCPI(消費者物価指数)発表など大きなイベントが続き、為替が動きやすい状況です。
- イベント直前・直後は無理に大きなポジションを取らず、「取引量を抑える」「ストップロスをしっかり設定する」ことが重要です。
トレンド転換の初動を見極め、焦らず対応
- 雇用統計通過後、為替は円高方向に振れています。
- 「円高トレンドが続くか、ドル高に戻るか」材料をよく見極め、流れがはっきりするまでは様子見も選択肢です。
短期と長期の戦略を分ける
- 短期売買では損切り・利確ルールを徹底し、無理な「逆張り」は避けること。
- 長期の目線では、為替の動きを生かした外貨資産の積立や、複数通貨ペアへの分散も考えてよいでしょう。
原油・資源市況:横ばい推移
原油先物価格は64ドル台で落ち着いています。
米中協議の行方を見極めたい投資家が多く、活発な取引は控えられています。
中国の経済減速懸念がやや上値を抑えている一方、中東情勢は一時的に落ち着いています。
私たちの生活に起こること
- 円高が進めば、海外からの食品やガソリン、日用品が値下がりする可能性があります。
- ただし原油が再び値上がりした場合、ガソリン代や電気代が上がることに注意しましょう。
- GDP上方修正は、外食やレジャーにお金を使う人が増えたサイン。景気は底堅いものの、実質賃金が伸び悩んでいるため、節約も大切です。
- 投資や資産運用では、為替や株式の変動リスクを分散し、長期的な視点でリバランスを心がけると良いでしょう。
- 米中協議が再びこじれると、輸出企業や雇用に影響が出る恐れもあるため、ニュースや経済指標に注意を払っていきましょう。

経済ニュースは大人向けに感じるかもしれませんが、実は「スマホが安く買える/高くなる」「アルバイト先の売り上げや給料」「家族の生活費」にも直結しています。
為替や株、GDPの動きは、将来のキャリアや暮らしにもつながるので、興味を持ってニュースをチェックしてみましょう。