金利〇%の数字だけではNG!『実質年率』を知った上で、金利との違いや計算方法を知ろう!

カードローンに興味を持った初心者の方は、広告に記載された「年〇%」という金利の数字だけで、各社のローンを比較してしまいがちではないでしょうか。
実は、単に金利の数値だけではローンの本当のコストを正確に比較できない場合があります。
というのも、ローンには「実質年率」という指標があり、これは利息だけでなく手数料など諸費用も含めた実際の年利を示すものです。
本記事では、この実質年率とは何か、その意味と通常の金利(表面金利)との違い、さらに金利だけでなく総支払額でローンを比較すべき理由について解説します。

また、同じ金利でも返済期間や手数料次第で総支払額がどう変わるかを表を用いた例で紹介しています。
一緒に、カードローン選びのポイントを考えてみましょう。

実質年率とは?金利との違い
実質年率=借入にかかるすべての費用を含めた年率
まず、実質年率の正確な意味を押さえておきましょう。
実質年率とは、ローンの元金に対する利息に加えて、事務手数料や保証料など借入にかかるすべての費用を含めた年率のことを指します。
いわばローンの本当の利息負担を表す指標であり、借入をした際に最終的にどれくらい支払うことになるかを正確に把握するのに役立ちます。
「金利」は単純な利息の割合
一方で、普段目にするローンの「金利」(表面金利)は、単純に利息の割合を示した数字であり、追加の費用は考慮されていません。
つまり、表示金利が同じ2つのローンでも、片方に手数料などがあれば実質年率(実質的なコスト)はもう一方より高くなる可能性があります。

実質年率は、表面上の金利では見えないコストを含めて比較するための重要な指標なのです。
そのため、必ず「実質年率」を確認して借入を検討するようにしましょう。
とはいえ、大手カードローンは「実質年率=表面金利」である場合が多い
なお、ほとんどのカードローンでは申込時や利用時に追加の事務手数料や保証料がかからないため、実質年率=表面金利と考えて差し支えありません。
つまり大半のカードローンでは広告に表示されている年利(○%)がそのまま実質年率になる場合が多いです。
項目 | 大手消費者金融 | 都市銀行カードローン | 補足 |
---|---|---|---|
自社・提携“無料”ATM | 直営ATMや指定コンビニは無料 (例:プロミス・アコム) | 自行ATM+主要コンビニATMは無料(例:SMBC・三井住友銀行) | “無料ATM網”の範囲は各社で異なる |
その他ATM | 1万円以下110円/1万円超220円が一般的 | 同左(提携先の規定額) | 「時間外加算」が付く機械もある |
ネット振込融資 | 無料(アコム・プロミス等) | 多くは無料 | 振込先金融機関の入金反映時間に注意 |
口座振替返済 | 無料が標準 | 無料が標準 | 銀行側の振込手数料はかからない |
契約手数料・保証料
- 消費者金融(アコム・プロミス・アイフルなど)も、都市銀行カードローン(SMBC、三菱UFJ「バンクイック」ほか)も 契約時に別建てで事務手数料を請求することはありません。
- 銀行カードローンは保証会社が付くため「保証料」が発生しますが 金利(実質年率)に内包 され、利用者が別途払う形ではありません。
要注意ポイント
- 地方銀行・信用金庫のカードローンは「保証料を金利とは別建て」または「印紙代」を請求するケースあり。
- 提携ATM利用料は“無料ATM網”外で発生するため、利用前に自社アプリで無料ATMを確認するクセを付けると無駄が防げます。
- 契約印紙代(数百円程度)がかかる会社もまれに存在します(消費者金融ではアコムが公式サイトに明記)。
もちろん、こういう点に総じて優位性がある点も、大手の消費者金融/銀行カードローンの強みでもあります。

ただし、だからといって金利の数字だけ見ていれば十分というわけではありません。
必ず検討しているカードローンの規約をよく読み、借入時には最終的な総支払額をきちんと把握することが大切です。
金利幅は下限だけを見ないこと
また、カードローンの広告を見ると「実質年率○%~○%」と下限と上限の幅が示されていますが、その一番低い金利だけを見て「ここがお得だ」と判断するのは禁物です。
実際の適用金利は審査結果や借入限度額によって決まり、特に初めて利用する場合は上限に近い年18%前後が適用されるケースが多いです。

したがってカードローン金利を比較する際は、単純に数字の低さだけでなく自分に適用されそうな金利で借りた場合の総支払額を試算し、比較検討することが重要です。
金利だけでなく総支払額で比較すべき理由

カードローンを選ぶときは、金利の数字だけでなく借入後に完済まで支払う総額(総支払額)に注目して比較することが重要です。
なぜなら、同じ金利であっても返済期間が長くなればその分利息の総額は増えますし、手数料が加わればさらに総支払額が膨らむからです。
利息の負担額は借入期間で変わる
実際、利息の負担額は金利(年率)の大小だけでなく借入期間によっても大きく変わります。

金利比較の際には、「利息+手数料」の総コストまで含めて検討しなければ、本当にお得なローンは見えてきません。
ローンの総支払額を左右する主なポイント
ローンの総支払額を左右する主なポイントは次の通りです:
- 金利(実質年率) – 借入金額に対する年間利息の割合。基本的には金利が高いほど支払利息も増えます。
- 返済期間(借入期間) – 借入から完済までの期間が長いほど利息発生期間も長くなり、総支払額が増加します。
- 手数料などの追加コスト – 契約事務手数料や保証料など、ローン利用に伴う費用があれば、その分も総支払額に上乗せされます。
上記の要素を踏まえて、金利が同じローン同士でも総支払額にどの程度差が出るのか確認してみましょう。

特に返済期間と手数料の違いに着目すると、総支払額の変化がよく分かります。
金利が同じでも、返済期間や手数料で総支払額はこれだけ変わる

たとえば年利5%で100万円を借りた場合について、返済期間や手数料の有無によって総支払額がどう変わるか比較してみましょう。
以下の表は、借入額100万円を年5%の金利で借りたケースについて、元金を一括返済する場合の総支払額の例です(利息は元金に対する単純計算)。

今回は金利自体はどのケースも同じ5%とします。
しかし、返済までの期間や手数料の有無で総支払額に大きな差が出ることが分かります。
ケース | 年利 | 返済期間・方式 | 毎月返済額 | 利息合計 | 手数料 | 総支払額 |
---|---|---|---|---|---|---|
A | 5% | 12 カ月(元利均等) | 約85,607 円 | 約27,290 円 | なし | 1,027,290 円 |
B | 36 カ月(元利均等) | 約29,971 円 | 約78,952 円 | 1,078,952 円 | ||
C | 契約手数料 2万円 | 1,098,952 円 | ||||
D | 60 カ月(元利均等) | 約18,871 円 | 約132,274 円 | なし | 1,132,274 円 |
ご覧のとおり、年利5%という同じ金利でも返済期間を12か月から60か月(5年)に延ばすと、利息の総額は約5倍(2.7万円→13万円)になり、その結果総支払額も10万円増加(102.7万円→113万円)しています。
さらに、契約時に2万円の手数料が発生しているケースCでは、総支払額が109万円となり手数料なしの場合よりも2万円多く支払うことになります(地銀や信金のフリーローンなどにあり得ます)。
つまり、金利の数字が同じローン同士でも返済に時間がかかればかかるほど利息負担は大きくなり、加えて手数料があればその分だけ余計に支払うことになるのです。

このように、ローンの利息は借入期間中日割りで発生するため、早く返済するほど利息は少なくて済みます。
以上のことから、カードローンを選ぶ際には表面的な金利差だけで判断せず、各ローンで最終的にいくら返済することになるのか(総支払額)を比較することが大切です。
公式サイトのシミュレーションや試算ツールを活用すれば、金利と返済期間から総支払額を簡単に計算できます。
ぜひ事前に総支払額をシミュレーションし、無理のない範囲でできるだけ早く完済できるプランを立てましょう。

利息の負担は金利だけでなく期間にも左右されるため、返済計画をしっかり立ててできるだけ早く完済して利息負担を抑えることが重要です。
まとめ|金利だけでなく総支払額で比較しよう

カードローンの実質年率は、利息に諸費用を加えた実際のコストを示す重要な指標です。
金利(表面金利)だけを見ただけではわからないコストまで含めて比較できるため、ローン選びでは必ず実質年率と総支払額を意識するようにしましょう。
特に複数のローン商品を検討する場合は、それぞれの金利だけでなく借入後の総支払額まで試算して比較することで、本当に負担の少ない賢い選択ができるはずです。

シンプルな金利〇%といった数字のみにとらわれず、トータルでいくら支払うことになるかに注目してカードローンを選びましょう。
