【2025年9月3日】の経済・時事ニュースまとめ

きょう9月3日は長期金利の上昇と政治要因が交錯し、日経平均株価が反落して取引を終えました。
米国株は前日、関税を巡る司法判断の不確実性から下落し、為替はドル高・円安が進みました。
国内では日銀要人の発言やサービス業PMIが材料となり、海外では北京の軍事パレードや半導体輸出管理の動きが注目を集めています。
主要株価指数・為替レート(9月3日 日経平均 終値ベース)
指標 | 値 | 前日比 |
---|---|---|
日経平均株価 | 41,938.89円 | -371.60(-0.88%)円 |
NYダウ | 45,295.81ドル | -249.07(-0.55%)ドル |
S&P500 | 6,415.54ポイント | -44.72(-0.70%)ポイント |
ドル円為替 | 148.66円 | +0.10円 |
日経平均は反落(日経終値ベース)
日経平均は41,938.89で取引を終え、前日比で371.60安、率にして-0.88%の反落。寄与度ベースではソフトバンクグループなどが指数を押し下げました。
背景には、海外金利の上昇や政治不透明感があり、リスク資産全体に重しとなりました。
金価格が過去最高を更新するなど市場の不安心理が意識され、国内では日銀要人発言が引き続き焦点です。
米国株の動きと波及
前日の米国市場ではダウが45,295.81(-249.07)で-0.55%、S&P500が6,415.54(-44.72)で-0.69%、ナスダックも下落しました。
関税を巡る司法判断による不確実性と高金利が嫌気されました。
季節的にボラティリティが高まりやすい9月に加え、週末の米雇用統計が金融政策見通しを左右するため、株価の振れは続くとの見方が多いです。
為替の動き(ドル円)
ドル円は148.66と前日終値比で+0.10円の円安・ドル高でした。
世界的な財政不安や日本の政治情勢が円売り材料とされ、円とポンドが軟調との見方が出ています。
日銀は為替動向への注視を強調しています。
資産運用をしている人がこの局面で心掛けるべきこと
短期の値動きに振り回されない基本
分散とリバランスの確認
株安や円安が同時進行しても、資産配分を広げておくことで全体のブレは抑えられます。
想定比率から乖離した場合は、機械的にリバランスするなど、ルールに基づく運用が有効です。
現金比率と急落時の対応
生活防衛資金を確保しつつ、急落時に慌てて売らないための現金余力を持っておくことが大切です。
イベント前の過度なポジション拡大は避けましょう。
NISA/iDeCoの扱い方
NISAは長期・積立・分散が軸
NISAは相場環境にかかわらず、長期・積立・分散を淡々と続ける前提の制度です。
短期の値動きで拙速に商品や比率を変えず、まずは家計全体のリスク許容度を点検しましょう。

つみたて投資枠/成長投資枠の使い分け
つみたて投資枠/成長投資枠は役割が異なります。
前者は低コスト・広く分散の積立、後者は一括やテーマ性のある投資の活用など、目的別に設計するのが基本です。

iDeCoは年金作りの土台
iDeCoは老後資金作りの制度で、原則60歳まで引き出せない代わりに税制優遇が大きいのが特徴です。
相場の波よりも拠出の継続と資産配分の適正化が重要です。

為替のボラティリティとFXの留意点
レバレッジの管理
為替はイベントで瞬間的に大きく動きます。
FXでの高レバレッジは強制ロスカットのリスクが高いため、建て玉と証拠金のバランス管理が肝心です。
イベント前後のリスク
雇用統計や日銀会合の前後はスプレッド拡大や逆指値の滑りが起こり得ます。
発注方法やロットを調整しましょう。

まずは家計の守りを固める
固定費の点検
保険料や通信費などの固定費を見直すと、相場変動に関係なく可処分所得を増やせます。
投資と同時に、足元のキャッシュフロー改善にも目を向けましょう。



生活防衛資金の確保
突発的な出費や収入減に備え、数か月分の生活費を流動性の高い形で確保しておくと、相場が荒れても投資行動を崩さずに済みます。
国内ニュース
日銀の上田総裁が石破首相と会談
上田和夫総裁は石破茂首相と会談し、金融市場や為替の動向を巡って意見交換しました。
為替の安定の重要性を強調しつつ、見通しどおりなら利上げに踏み切る姿勢も改めて示しました。
政府・日銀の連携確認は過度な円安・円高を抑制するメッセージとなり得ます。金利政策の先行きに対する市場の思惑は当面、データ次第で変化しやすい局面が続きそうです。
日銀副総裁が関税問題に言及
日銀の氷見野副総裁は、トランプ政権の関税は純粋な経済目的を超えた側面があるとの認識を示しました。
世界の不確実性が日本の物価や為替にも波及し得ると指摘しました。
保護主義拡大への警戒は円相場や企業の設備計画に影響します。政策当局者の発言は、市場のボラティリティ抑制に一定の役割を果たす可能性があります。
8月サービス業PMIは拡大ペースが減速
8月のサービス業PMIは拡大域を維持しつつ、伸びは前月からやや鈍化しました。
人手不足やコスト高が足かせとなる一方、内需は底堅さを保っています。製造業とサービス業の強弱が混在するなか、総合では緩やかな成長を続ける構図です。
景気の持続力は賃上げや実質所得の改善が鍵になります。
長期金利上昇と金価格の最高値更新
超長期の国債利回りが上昇し、世界的な金利上昇と財政不安が意識されています。
金は安全資産需要から最高値を更新しました。

割引率上昇はグロース株のバリュエーションに逆風で、政策金利の次の一手を巡る思惑も揺れやすい状況です。
海外ニュース
北京で軍事パレード:習氏の下にプーチン氏・金委員長が並ぶ
北京での戦勝80年記念の軍事パレードに、習近平国家主席の左右にプーチン露大統領と金正恩委員長が並び、最新兵器を誇示しました。
中露朝の結束を誇示する演出は、地政学リスクの高まりとして市場に意識され、サプライチェーンや防衛政策にも波及しかねません。
米国:トランプ氏の関税を巡る司法判断で市場が神経質に
連邦控訴裁がトランプ前大統領の一連の関税の多くを違法と判断し、政策の行方に不確実性が生じています。
米主要3指数はそろって下落し、先行きの政策対応や企業コストへの影響が意識されました。
Google反トラスト訴訟:Chrome売却は回避もデータ開放を命令
ワシントンの連邦判事はGoogleにブラウザの売却を命じない一方、競争促進のためのデータ共有を命じました。
検索・広告市場の競争環境は変化する可能性があり、プラットフォーマーのデータの扱いが一段と問われます。
TSMCの中国向け輸出優遇撤回
米政府はTSMCの中国南京工場に適用していた米装置の輸出スピード審査の優遇を撤回し、年末で失効する見通しです。
先端ではない成熟ノード中心のため即時の生産影響は限定的との見方もありますが、米中対立の構図が長期化する可能性を示します。
私たちの生活に起こること
まず、きょう観測できる事実は、
- 米金利高と関税不確実性で米株が下落
- 日本株は大引けで反落
- ドル円は円安方向
- 安全資産需要で金が上昇
という点です。
長期金利の上昇が株式の割引率を押し上げてバリュエーションに逆風を与え、政治や通商の不確実性がリスクプレミアムを高め、為替の円安が輸入物価や企業収益の按分に影響する、という流れが形成されていると分析できます。
日本株は為替の追い風を受ける企業と逆風の企業が二極化しやすいため、
- 銘柄やファンドの通貨感応度を把握する
- 海外投資では為替ヘッジ有無を用途で分ける
- 旅行や輸入品の購入は為替前提を更新する
といった具体策が有効です。
最後に、景気や物価のデータが示す方向性が変わった場合は、半年〜年次のリズムで方針を見直すのが現実的です。