【初年度】住宅ローンの控除方法は?必要な書類や申請までの流れをFPが解説
この記事で分かること
- 住宅ローン控除の初年度に用意する書類と、それぞれの入手先
- 借入先の手続きの方式(調書方式・証明書方式)によって変わる、入居した年の年末までの準備
- まだ申告していない場合と、申告後に控除を入れ忘れた場合で異なる手続き
「家に住み始めたけれど、住宅ローン控除の申告には何をいつまでに用意すればいいの?」
と迷ってしまうのは、必要な書類が住宅の種類や借入先によって変わり、取り寄せる先も法務局や金融機関、施工会社などに分かれているからではないでしょうか。
聞き慣れない書類の名前も多いため、何から手を付ければよいか分からなくなるのは当然だと思います。
結論から言うと、住宅ローン控除の初年度は、会社員の方も確定申告が必要です。
準備は、入居した年の年末までと翌年の1〜2月の2回に分けると進めやすくなります。
2026年に住み始めた方なら、最初の申告は2027年に行います。
年末までに借入先の手続きの方式を確かめておき、年が明けたら源泉徴収票と残高の情報をそろえる、という順番です。
MIYABIまずは借入先の金融機関の名前と、住み始めた日を手元にメモしておきましょう。
そこから、自分に当てはまる書類を順にそろえていけます。
この記事の結論
- 初年度は会社員も確定申告が必要で、2年目からは勤務先の年末調整で控除を受けられる
- 借入先が残高を税務署へ届ける「調書方式」なら、入居した年の年末までに申請と事前準備を進める
- 残高の書類と住宅の証明書は、借入先の方式と住宅の種類によって変わる
- 期限を過ぎて気づいたときは、まだ申告していないか、申告済みかで手続きが分かれる
住宅ローン控除の初年度は確定申告が必要|準備の前に確かめる3つのこと
住宅ローン控除を受ける最初の年は、会社員の方も確定申告をしなければ控除を受けられません。
ふだんは年末調整で納税が終わる会社員も初年度だけは自分で申告し、2年目以降は勤務先の年末調整で控除を受けられます。

住宅ローン控除は、住宅ローンを使って家を新築・購入・増改築して住み始めた人が、年末のローン残高などをもとに計算した額を所得税から差し引ける制度です。
正式には「住宅借入金等特別控除」といい、所得税から引ききれない分は、一定の計算のもとで住民税から差し引かれる仕組みもあります。
そろえる書類と準備の時期は、次の3つで決まります。
- 住み始めた年(いつの分を申告するか)
- 住宅の種類(新築・建売、中古、買取再販、増改築)
- 借入先の手続きの方式(調書方式か証明書方式か)
住み始めた年で、申告する年と時期が決まる
住宅ローン控除は住み始めた年の分から受けられるため、2026年に住み始めた人は、2026年1年間の分(2026年分)を2027年に申告します。
確定申告の期間は、原則として翌年の2月16日から3月15日までです。
ただし、確定申告の義務がない会社員が納めすぎた税金を取り戻すための申告(還付申告)は、確定申告の期間と関係なく、翌年の1月1日から5年間出せます。
住み始めた年ごとの申告の時期は、次のとおりです。
| 住み始めた年 | 申告する年分 | 申告の時期 | この時期の準備 |
|---|---|---|---|
| 2026年 | 2026年分 | 2027年2月16日〜3月15日が原則。還付申告なら2027年1月1日から出せる | 年末までに借入先の方式を確かめ、調書方式なら事前準備をする |
| 2025年 | 2025年分 | 確定申告の期限は2026年3月16日で終了。還付申告は2030年12月31日まで出せる | まだ申告していないか、申告済みかで手続きを選ぶ |
MIYABI2025年に住み始めて、まだ申告していない人や控除を入れ忘れた人は、後半の「申告していない・控除を入れ忘れたときの手続き」から読み進めてください。
申告の期限を過ぎていても、5年以内なら控除を受けられる場合があります。
控除の対象になるかは、要件と控除額の記事で先に確かめる
書類をそろえる前に、そもそも自分の家が控除の対象になるかを確かめておきましょう。
たとえば、2024年以降に住み始めた新築住宅は、省エネ基準を満たしていないと原則として対象外です。
MIYABI対象外の区分だと、書類をそろえても控除は受けられません。
次の記事の一覧で、自分の住宅がどの区分に当たるかを最初に確かめておきましょう。

借入先が「調書方式」か「証明書方式」かを確かめる
年末のローン残高を示す書類は、借入先の金融機関がどちらの方式で手続きをしているかで変わります。
調書方式は、金融機関が税務署へ「年末残高等調書」を出し、国税当局から本人へ残高の情報が届く方式です。
証明書方式は、金融機関から本人が「年末残高等証明書」を受け取り、申告のときに添付する従来の方式です。
2022年度(令和4年度)の税制改正で調書方式へ切り替える改正が行われましたが、準備が済んでいない金融機関は証明書方式を続けられるため、今は2つの方式が混在しています。
2つの方式で、本人がすることは次のように違います。
| 項目 | 調書方式 | 証明書方式 |
|---|---|---|
| 残高の書類 | 年末残高等証明書は不要。国税当局からマイナポータルなどで残高の情報が届く | 借入先から受け取る年末残高等証明書を添付する |
| 本人がすること | 借入先へ「住宅ローン控除の適用申請書」を出し、マイナポータル連携の事前準備をする | 証明書が届く時期と受け取り方を借入先に確かめる |
| 準備の目安 | 住み始めた年の12月末までに事前準備をすると、残高の情報は翌年2月中旬に届く | 借入先の交付時期に合わせる |
| 契約書の写し | 一定の条件を満たせば添付を省略できる | 添付する |
MIYABIつまり、借入先が調書方式なら、入居した年のうちに済ませる手続きがあるということです。
方式は、国税庁の一覧と借入先の案内の両方で確かめる
調書方式に対応した金融機関は、国税庁のホームページにある対応金融機関の一覧(2026年9月時点)で確かめられます。
住宅ローンを2つ以上借りていて一部が調書方式に対応していない場合は、その借入の分だけ年末残高等証明書が必要です。
MIYABI一覧に名前がなくても、すでに調書方式に対応している借入先もあります。
一覧とあわせて、ローン契約時の書類や借入先のホームページでも方式を確かめておきましょう。
調書方式なら、年末までに申請書とマイナポータル連携を準備する
調書方式の借入先から控除を受ける人は、借入先への申請とマイナポータル連携の事前準備の2つを、住み始めた年のうちに進めます。
借入先へ「住宅ローン控除の適用申請書」を出す
調書方式の借入先で控除を受けるには、借入先へ「住宅ローン控除の適用申請書」を出す必要があります。
申請書の様式は金融機関ごとに違い、マイナンバーを書く金融機関と、代わりにe-Taxの利用者識別番号(e-Taxを使う人ごとに付く番号)を書く金融機関があります。
MIYABIローン契約の書類に、申請の項目が含まれていることもあります。
申請書を出したかどうか分からない場合は、年末になる前に借入先へ問い合わせておきましょう。
マイナポータル連携の準備は、住み始めた年の12月末までに
住み始めた年の12月末までに事前準備を済ませておけば、翌年2月中旬には残高の情報が届きます。
マイナポータル連携とは、マイナポータルで受け取った残高の情報を、確定申告書へ自動で入力できる仕組みです。
使うには、申告の前に「e-Taxからの情報取得」を希望する設定(事前準備)が必要です。
事前準備をした時期によって、残高の情報がe-Taxのメッセージボックスに届く時期は次のように変わります。
| 事前準備をした時期 | 残高の情報が届く時期 |
|---|---|
| 住み始めた年の12月末まで | 翌年2月中旬 |
| 翌年1月〜2月中旬 | 2月中旬以降に順次。2月中旬までに届かなければ、登録した日から2〜5日後(土日祝日を除く) |
| 翌年2月中旬〜10月 | 登録した日から2〜5日後(土日祝日を除く) |
マイナンバーカードがない・連携できないときは、返済計画表で入力する
マイナンバーカードを持っていないなどの理由でマイナポータルを使えない場合は、手元の返済計画表などで年末残高を自分で確かめて、申告書に入力します。
金融機関が出した調書の氏名や住所などに漏れや誤りがあるときも連携の対象にならないため、同じように返済計画表をもとに入力します。
MIYABIマイナポータル連携が使えないときに備えて、調書方式の借入先でも返済計画表を捨てずに申告まで手元に置いておきましょう。
証明書方式なら、年末残高等証明書の届き方を借入先に確かめる
証明書方式の借入先からは、その年の年末時点の残高などを記載した「年末残高等証明書」が交付されます。
届く時期や、書面かデータかといった受け取り方は借入先によって違うため、年末が近づいたら、借入先の案内で交付の時期と方法を確かめておきましょう。
申告の時期になっても見当たらない場合は、早めに借入先へ再交付の方法を問い合わせましょう。
MIYABI年末残高等証明書は申告書に添付する書類です。
届いたら、契約書などの住宅の書類と同じ場所にまとめておくと安心です。
住宅の種類ごとの必要書類と入手先
申告に添付する書類は、どの住宅でも共通の書類と、住宅の種類ごとに足す書類の2つに分かれます。
住宅の種類は、新築・建売、中古、買取再販、増改築の4つで考えると、自分に必要な書類を選びやすくなります。

どの住宅でも共通の書類
表の中の「計算明細書」は控除額を計算する専用の書類、「登記事項証明書」は法務局で取る建物や土地の登記の内容を記した証明書です。
新築・中古・買取再販・増改築のどれでも、基本になる書類は次のとおりです。
| 書類 | 用意する人 | 入手先 | 申告での扱い |
|---|---|---|---|
| 住宅借入金等特別控除額の計算明細書 | 全員(連帯債務がある人は付表も) | 国税庁のホームページ・税務署。確定申告書等作成コーナーで入力すると自動で作られる | 添付する |
| 年末残高等証明書 | 証明書方式の借入がある人 | 借入先の金融機関 | 添付する。調書方式の借入の分は不要 |
| 家屋の登記事項証明書 | 全員(床面積を示す) | 法務局 | 計算明細書に不動産番号を書くか、証明書の写しを付ければ、証明書の添付に代えられる |
| 家屋の工事請負契約書または売買契約書の写し | 全員(家の取得にかかった金額を示す) | 手元の契約書 | 添付する。調書方式で一定の条件を満たせば省略できる |
| 土地の登記事項証明書と売買契約書の写し | 土地を買うための借入も控除の対象にする人 | 法務局・手元の契約書 | 添付する |
| 補助金の決定通知書など | 国や自治体から補助金を受けた人 | 補助金の交付元 | 添付する |
| 贈与税の申告書の写しなど | 住宅資金の贈与で贈与税の特例を受けた人 | 手元の申告書の控え | 添付する |
| 給与所得の源泉徴収票 | 給与を受け取っている人 | 勤務先 | 添付・提示は不要。申告書を作るときに使う |
※不動産番号は、登記簿で土地や建物ごとに付いている番号です。マンションで家屋の登記事項証明書に敷地権の表示がある場合は、家屋の登記事項証明書で土地の分も示せます。
契約書の写しを省略できるのは、調書方式の借入先に適用申請書を出し、計算明細書にその旨を書いた場合です。
注文住宅の土地の売買契約書は省略できません。
省略した契約書も、申告の期限などから5年間は税務署から提出を求められることがあるため、捨てずに保管しておきましょう。
新築・建売住宅で足す書類
新築住宅や建売住宅(建てた後に誰も住んだことのない住宅)は、省エネ性能などの区分ごとに証明書を足します。
区分は控除の上限額にかかわるため、自分の家がどれに当たるかを、次の表と手元の書類で照らし合わせておきます。
| 住宅の区分 | 足す書類 | 発行するところ |
|---|---|---|
| 認定長期優良住宅 | 認定通知書の写しと、住宅用家屋証明書または認定長期優良住宅建築証明書 | 認定通知書は都道府県・市区町村など、住宅用家屋証明書は市区町村、建築証明書は建築士等 |
| 認定低炭素住宅 | 認定通知書の写しと、住宅用家屋証明書または認定低炭素住宅建築証明書 | 認定通知書は都道府県・市区町村など、住宅用家屋証明書は市区町村、建築証明書は建築士等 |
| ZEH水準省エネ住宅 | 住宅省エネルギー性能証明書、または建設住宅性能評価書の写し | 性能証明書は建築士等、評価書は登録住宅性能評価機関 |
| 省エネ基準適合住宅 | 住宅省エネルギー性能証明書、建設住宅性能評価書の写し、検査済証の写しのいずれか(検査済証は2026年以降の入居で、2025年4月1日以後に建築確認を受けたものなど) | 性能証明書は建築士等、評価書は登録住宅性能評価機関、検査済証は建築基準法の完了検査で交付されるもの |
| 省エネ基準を満たさない住宅 | 2024年以降の入居は原則として対象外。2023年12月31日までに建築確認を受けたなどの例外に当たる場合は、確認済証・検査済証の写し、または建築時期が分かる登記事項証明書 | 手元の確認済証・検査済証、法務局 |
※建築士等とは、建築士のほか、指定確認検査機関、登録住宅性能評価機関、住宅瑕疵担保責任保険法人を指します。
MIYABI手元に見当たらない証明書は、発行するところへ頼む前に、施工会社や売主から受け取っていないかを先に確かめましょう。
引渡しのときにまとめて渡された書類の中に入っていることもあります。
中古住宅・買取再販住宅で足す書類
中古住宅と買取再販住宅は、建てられた時期によって足す書類が変わり、買取再販住宅はさらに工事の証明書が必要です。
建てられた時期を示す書類
1982年(昭和57年)1月1日以後に建てられた住宅なら、建築時期が分かる登記事項証明書で足ります。
1981年(昭和56年)12月31日以前に建てられた住宅は、耐震基準を満たすことを示す書類として、次のいずれか1つが必要です。
- 建築士等が発行した耐震基準適合証明書(家を取得した日の前2年以内に調査が終わったもの)
- 建設住宅性能評価書の写し(取得した日の前2年以内の評価で、耐震等級が1〜3のもの)
- 既存住宅売買瑕疵担保責任保険の付保証明書(取得した日の前2年以内に契約したもの)
MIYABI耐震基準を満たさない住宅を買って耐震改修をした場合は、改修の工事請負契約書の写しなど、別の組み合わせの書類になります。
買取再販住宅は工事の証明書も足す
買取再販住宅とは、不動産会社(宅地建物取引業者)が一定の増改築をした中古住宅を、その会社が取得してから2年以内に買った場合の住宅で、新築から10年を過ぎたものに限ります。
買取再販住宅では、上の書類に加えて、建築士等が発行した「増改築等工事証明書」を足します。
MIYABI給水管・排水管などの一定の工事に当たる場合は、既存住宅売買瑕疵担保責任保険の付保証明書も必要です。
省エネ性能などの区分で申告するときの証明書
中古住宅や買取再販住宅を認定住宅や省エネ住宅の区分で申告するときも、新築と同じ種類の証明書を足します。
中古住宅では、認定通知書などは売主の名義のもの、住宅省エネルギー性能証明書などは売主名義・買主名義のどちらでもかまいません。
MIYABIまずは登記事項証明書で、家が建てられた年を確かめましょう。
1981年以前に建てられた家なら、耐震の証明書があるかを売主や仲介会社に早めに聞いておくと安心です。
増改築(リフォーム)で用意する書類
自分が持っている家を増改築して控除を受ける場合は、共通の書類のうち、家の契約書の代わりに増改築の請負契約書の写しを用意します。
そのうえで、建築士等が発行した「増改築等工事証明書」を足します。
工事の内容によっては、増改築等工事証明書の代わりに、建築確認済証の写しか検査済証の写しを出すこともできます。
親などほかの人が持っている家の増改築は対象になりません。
MIYABI住宅の種類が分かったら、表の書類のうち手元にないものに印を付けておきましょう。
入手先ごとにまとめて頼むと、取り寄せの手間が減ります。
いつ・どこで何をするか|入居から申告までの準備チェックリスト
準備は、購入・引渡しのとき、住み始めた年の12月末まで、翌年1〜2月、提出の前の4つの時期に分けて進めます。

購入・引渡しのとき|契約書と証明書のありかを確かめる
契約や引渡しの書類が手元に集まるこの時期に、申告で使う書類がそろっているかを確かめておきます。
- 家屋と土地の工事請負契約書・売買契約書
- 認定通知書や住宅省エネルギー性能証明書など、住宅の区分を示す証明書
- 補助金を受けた場合は、その決定通知書
- 借入先から受け取った返済計画表
MIYABI書類ごとに入手先が分かれているため、手元にない書類に気づいたら、その時点で施工会社や売主に問い合わせましょう。
住み始めた年の12月末まで|借入先の方式に合わせて手続きする
借入先が調書方式なら、適用申請書の提出とマイナポータル連携の事前準備を、この時期までに済ませます。
- 借入先が調書方式か証明書方式かを確かめた
- 調書方式なら、マイナンバーまたはe-Taxの利用者識別番号を書いた適用申請書を借入先に出した
- 調書方式なら、マイナポータル連携の事前準備をした
- 証明書方式なら、年末残高等証明書が届く時期と受け取り方を確かめた
翌年1〜2月|源泉徴収票と残高の情報をそろえる
年が明けたら、勤務先から源泉徴収票を受け取り、残高の書類がそろったかを確かめます。
源泉徴収票は申告書への添付や提示は不要ですが、申告書を作るときに数字を使うため手元に用意します。
- 勤務先から源泉徴収票を受け取った
- 証明書方式なら、年末残高等証明書が届いた
- 調書方式なら、2月中旬に残高の情報がe-Taxのメッセージボックスに届いた
- 登記事項証明書を法務局で取ったか、不動産番号を控えた
MIYABI翌年1月〜2月中旬に事前準備をした場合は、残高の情報が2月中旬以降に順次届きます。
まだ届いていなくても紛失とは限らないので、メッセージボックスを時々確かめましょう。
提出の前|年分・区分・添付の要否を照らし合わせる
提出する前に、申告する年分と住宅の区分が、手元の書類と合っているかを確かめます。
- 申告書の年分が、住み始めた年と同じになっている
- 住宅の区分に合った証明書がそろっている
- 連帯債務がある場合は付表、土地の借入・補助金・贈与の特例がある場合はその書類がある
- 添付を省略した契約書を、申告後も保管できる場所にしまった
MIYABIチェックがすべて付いたら、提出の方法を決めて申告の手続きへ進みましょう。
申告していない・控除を入れ忘れたときの手続き
期限を過ぎてから住宅ローン控除に気づいたときの手続きは、まだ申告していないのか、申告はしたが控除を入れ忘れたのかで変わります。
状況ごとの手続きと、出せる期間は次のとおりです。
| 状況 | 使う手続き | 出せる期間 |
|---|---|---|
| 未申告(申告の義務がない会社員) | 還付申告 | 住み始めた年の翌年1月1日から5年間 |
| 未申告(申告の義務がある人) | 期限後申告 | できるだけ早く。無申告加算税や延滞税がかかる場合がある |
| 申告済みで控除を入れ忘れた | 更正の請求 | 原則として法定申告期限から5年以内。還付申告を出した場合は提出した日から5年以内 |
「期限を過ぎたら、更正の請求をすればいい」と思っていませんか?
実は、更正の請求は一度出した申告の内容を直す手続きで、まだ一度も申告していない会社員は、還付申告として申告します。
まだ申告していない会社員は「還付申告」で取り戻す
還付申告とは、給与から差し引かれた所得税が本来の税額より多いときに、申告をして納めすぎた分を返してもらうものです。
確定申告の義務がない会社員は住宅ローン控除をこの還付申告で受けられ、住み始めた年の翌年1月1日から5年間は提出できます。
たとえば2025年に住み始めた人なら、2025年分は2030年12月31日まで提出できる計算です。
ただし、所得税の還付は、源泉徴収などですでに納めた所得税がある場合に生じます。
源泉徴収票の「源泉徴収税額」が0円の人は、申告しても所得税は戻りません。
MIYABI還付申告を出す前に、源泉徴収票の「源泉徴収税額」の欄を見て、納めた所得税があるかを確かめておきましょう。
確定申告の義務がある人が期限を過ぎたら「期限後申告」
事業の所得がある人など、もともと確定申告をする必要がある人が期限までに申告しなかった場合は、期限後申告になります。
期限後申告では、納める税金があると無申告加算税や延滞税がかかる場合があるため、気づいた時点でできるだけ早く申告しましょう。
MIYABI控除をどう反映できるかは申告の内容によって違います。
期限後申告になる人は、所轄の税務署に相談しながら進めると確実です。
申告後に入れ忘れたら「更正の請求」、税金が少なすぎたら「修正申告」
申告はしたものの住宅ローン控除を入れ忘れ、税金を多く納めていた場合は、「更正の請求」で税務署に直してもらえる場合があります。
更正の請求を出せるのは、原則として法定申告期限から5年以内です。
出した申告が還付申告だった場合は、原則としてその還付申告書を出した日から5年以内になります。
反対に、計算の誤りなどで納める税金が少なすぎた場合は、更正の請求ではなく「修正申告」で直します。
国税庁の確定申告書等作成コーナーには、更正の請求書や修正申告書を作るページもあります。
MIYABIどの手続きになるか迷ったら、申告書の控えと源泉徴収票を持って、所轄の税務署に相談しましょう。
書類がそろったら申告へ|提出の方法と入力の手順
書類がそろったら、確定申告書に添付して、住所地を管轄する税務署へ提出します。
提出は、e-Tax(国税の電子申告)で送るか、印刷して郵送などで出します。
国税庁の確定申告書等作成コーナーで書類の数字を入力すれば、控除額が自動で計算され、計算明細書も作られます。
調書方式でマイナポータル連携の準備をした人は、マイナンバーカードを使ってe-Taxで申告するときに、残高の情報を自動で入力できます。
MIYABI入力画面の進め方と計算明細書の書き方は、次の記事を見ながら進めると迷いません。

住宅ローン控除の準備でよくある質問
申告の準備で迷いやすい点を、Q&Aで確かめておきましょう。
終わりに|年末までの準備で、初年度の申告は進めやすくなる
住宅ローン控除の初年度は、書類の種類が多く入手先も分かれているため、難しく感じやすい手続きです。

ただ、借入先の方式と住宅の種類が分かれば、そろえる書類は決まります。
住み始めた年の年末までに借入先の手続きを済ませ、年が明けたら源泉徴収票と残高の情報をそろえるという順番で進めましょう。
住宅ローン控除の条件は税制改正で変わることがあるため、申告する年分の国税庁の案内もあわせて確かめておくと安心です。

引用・参考出典
引用・参考出典は、次のとおりです。
- 国税庁「No.1230 調書方式による住宅借入金等特別控除」「https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1230.htm」確認日:2026年10月19日
- 国税庁「住宅ローン控除の適用に係る手続(年末残高調書を用いた方式)について」「https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/shinkoku/jutaku/index.htm」確認日:2026年10月19日
- 国税庁「年末残高調書を用いた方式(調書方式)に対応した金融機関の一覧」「https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/shinkoku/jutaku/ichiran.htm」確認日:2026年10月19日
- 国税庁「住宅ローン控除の適用に係る手続(年末残高調書を用いた方式)に関するよくある質問」「https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/shinkoku/jutaku/qa.htm」確認日:2026年10月19日
- 国税庁「タックスアンサーQ&A 住宅を新築又は新築住宅を取得した場合(住宅借入金等特別控除)」「https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1213_qa.htm」確認日:2026年10月19日
- 国税庁「No.1211-1 住宅の新築等をし、令和4年以降に居住の用に供した場合(住宅借入金等特別控除)」「https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1211-1.htm」確認日:2026年10月19日
- 国税庁「No.1211-2 買取再販住宅を取得し、令和4年以降に居住の用に供した場合(住宅借入金等特別控除)」「https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1211-2.htm」確認日:2026年10月19日
- 国税庁「No.1211-3 中古住宅を取得し、令和4年以降に居住の用に供した場合(住宅借入金等特別控除)」「https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1211-3.htm」確認日:2026年10月19日
- 国税庁「No.1211-4 増改築等をし、令和4年以降に居住の用に供した場合(住宅借入金等特別控除)」「https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1211-4.htm」確認日:2026年10月19日
- 国税庁「令和7年分 確定申告特集」「https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/shinkoku/tokushu/index.htm」確認日:2026年10月19日
- 国税庁「令和7年分 確定申告特集 住宅ローン控除を受ける方へ」「https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/shinkoku/tokushu/keisubetsu/juutaku.htm」確認日:2026年10月19日
- 国税庁「No.2020 確定申告」「https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/2020.htm」確認日:2026年10月19日
- 国税庁「No.2030 還付申告」「https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/2030.htm」確認日:2026年10月19日
- 国税庁「No.2024 確定申告を忘れたとき」「https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/2024.htm」確認日:2026年10月19日
- 国税庁「No.2026 確定申告を間違えたとき」「https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/2026.htm」確認日:2026年10月19日
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