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住宅ローンがあるけど引っ越したい|家を売るか残すかの決め方と、お金・税金の確かめ方

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この記事で分かること

  • 今の家を売るか残すかで変わる、金融機関への手続きと事前に確認すべきお金
  • 売却時の手取り額とローン残高の比べ方、新居へ移るまでに重なる支払いの見積もり方
  • 売却時の税金特例と、新居で住宅ローン控除が併用できなくなる組み合わせ

「引っ越したいけど、住宅ローンがまだ残っている。この家はどうすればいいんだろう・・・」

と悩んでしまうのは、「売るべきか、貸すべきか」「お金は足りるのか」といった疑問が一気に浮かび、何から検討すればよいか分からなくなるからではないでしょうか。

結論から言うと、住宅ローンが残っている状態でも引っ越しは可能です。

最初に決めるのは、今の家を「売る」か「残す」かです。

売却する場合は売却代金でローンを完済できるか、残す場合は金融機関に認めてもらえるかによって、今後の進め方が決まります。

今の家が売れる前に新居へ移る場合は、売却完了まで二重になる支払いを、手元の資金で何か月まかなえるかも大きな判断基準になります。

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「売る場合」「残す場合」「次の住まい」「税金」の順に読み進めれば、ご自身の状況に合った進め方と、最初に相談すべき連絡先が分かります。

この記事の結論

  • 家を売却する場合は、売却額から仲介手数料などを差し引いた手取りが、家を引き渡す月のローン残高に届くかどうかで進め方が決まる
  • 家を残す場合は引っ越す前に借入先へ連絡し、賃貸に出すなら承諾を得て、戻る予定がないなら売却するか借入先へ相談する
  • 今の家が売れる前に新居へ移るかどうかは、二重の支払いを手元資金で何か月まかなえるかで判断する
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目次

住宅ローンが残っていても引っ越せる|最初に決めるのは今の家を売るか残すか

住宅ローンの返済中であっても引っ越すこと自体は可能です。

ただし、住宅ローンは本人や家族が暮らす家を購入するための融資ですので、その家に住まなくなる場合は金融機関との契約内容に関わってきます。

また、住宅ローンを利用している住まいには、金融機関によって抵当権(ローンを返済できなくなったときに、金融機関が家を売却して資金を回収できる権利)が設定されています。

そのため、現在の家を売却する場合は、売買代金を受け取って物件を引き渡す日(決済日)にローンを完済し、抵当権を抹消する必要があります。

一方、家を残す場合は、住まなくなることを引っ越し前に金融機関へ伝え、そのまま返済を続けてよいかを確認しておくことになります。

税金の面でも違いがあり、売却する場合は売却時の特例措置が、家を残す場合は住宅ローン控除(毎年末のローン残高に応じて所得税などが控除される制度)の取り扱いがそれぞれ関係してきます。

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家を売るか残すかで変わる点を、代表的な3つの進め方に分けて整理すると、次のとおりです。

スクロールできます
進め方借入先とのやり取り先に確かめるお金税金で関係するもの
家を売って引っ越す決済日にローンを一括で返し、抵当権を外す売却の手取りが、決済する月のローン残高に届くか利益が出たときの特例、損が出たときの特例
本人だけ転勤し、家族が住み続ける(単身赴任)本人の住所が変わることを伝え、必要な手続きを聞くローン返済は今のまま。本人の住まいの費用が別にかかる住宅ローン控除を続けられる条件
家族全員で引っ越し、戻る前提で家を貸す貸す前に承諾を得て、住所変更などの手続きをする家賃で返済と管理の費用をまかなえるか、新しい住まいの費用住宅ローン控除が止まる条件と再開の条件、家賃収入の申告
売るか残すかで分けた3つの進め方

どの進め方を選ぶとしても、最初に取り組むべきことは共通しています。

返済予定表(毎月の返済額や残高が一覧になった表)や残高証明書を用意し、引っ越しを予定している月のローン残高を確認することです。

売却するならその残高が「売却による手取り額」と比較する目安となり、残すなら返済を続けながら新居の住居費も無理なく支払えるかを考える出発点になります。

また、将来戻る予定がないまま家を賃貸に出したい場合は、住宅ローンを借りたままで貸し出す前提から外れてしまうため、売却するか、金融機関に扱いを相談するかの二者択一になります。

どの選択肢にすべきか迷ったときは、お金の計算よりも前に、まずは「家族が住み続けるか」「いずれ自分も戻って住む理由があるか」を考えたいところです。

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そうした人や理由があるなら家を残す道を、特になければ売却する道を優先して検討すると、確認すべきお金や手続きを絞り込めます。

家を売って引っ越すなら|手取りがローン残高に届くかで進め方が決まる

家を売って引っ越せるかどうかは、売却による手取り額が、決済を行う月のローン残高に届くかで決まります。

手取りとは、売却価格から仲介手数料などの諸費用を差し引いた、実際に受け取れる金額のことです。

手取り額が残高以上であれば決済日にローンを完済できますが、届かない場合は、不足分を別に用意できない限り原則として抵当権を抹消できず、売却を完了できません。

手取りとローン残高を比べると、使える現金か不足額が分かる

売却後にお金が残るか不足するかは、次の計算式で見積もることができます。

差額=売却額−売却にかかる費用−決済する月のローン残高

計算した差額がプラスであれば、その金額が引っ越しや新居に充てられる資金の上限となります。

一方、マイナスになった場合は、売却時までに別途用意しなければならない不足額となります。

ただし、この計算式には売却益にかかる税金や引っ越し代、新居の初期費用などは含まれていないため、プラスになった金額をそのまま自由に使えるお金だと思い込まないよう注意しましょう。

手取りは売却額から仲介手数料などを引いて出す

売却にかかる諸費用のうち、最も大きな金額になりやすいのが不動産会社へ支払う仲介手数料です。

仲介手数料には国が定めた上限があり、上限は税込みで、売却価格を3つに区分して、

  • 200万円以下の部分×5.5%
  • 200万円を超え400万円以下の部分×4.4%
  • 400万円を超える部分×3.3%

それぞれを足し合わせた金額が上限となります。

実際の支払額は不動産会社との取り決めで決まりますが、資金計画の段階では上限額で見積もっておくと、後から費用が膨らんで資金不足になる事態を防ぎやすくなります。

仲介手数料のほかにかかる主な費用は、

  • 住宅ローンを一括返済する際に金融機関へ支払う手数料
  • 抵当権を抹消する登記の費用(司法書士に依頼する場合の報酬を含む)
  • 売買契約書に貼る印紙代

の3点です。

これらの金額は借入先の金融機関や物件によって異なるため、金融機関や不動産会社にあらかじめ見積もりを出してもらいましょう。

以下の表は、売却額を3,000万円と、そこから1割低い2,700万円の2パターンに仮定し、差額を試算した例です。

ローン残高は2,500万円と3,000万円の2通りを想定し、仲介手数料は上限額、その他の諸費用は30万円と仮定して計算しました。

スクロールできます
項目3,000万円で売れた場合2,700万円で売れた場合
仲介手数料(上限・税込み)105.6万円95.7万円
その他の売却費用(仮定)30万円30万円
手取り約2,864万円約2,574万円
残高2,500万円との差額約364万円残る約74万円残る
残高3,000万円との差額約136万円足りない約426万円足りない
試算例(売却額・残高・その他の費用は仮定値。税金・引っ越し費用は含まない)

※仲介手数料の上限は、売却額3,000万円の場合は11万円+8.8万円+85.8万円、2,700万円の場合は11万円+8.8万円+75.9万円で計算しています。手取り額と差額は1万円未満を四捨五入しています。

同じ家であっても、売却額が1割下がるだけで、手取り額は約290万円も減少します。

また、この試算条件で差額がちょうど0円になる売却額を逆算すると、残高2,500万円なら約2,620万円、残高3,000万円なら約3,140万円となり、これを下回るとローンを完済するための資金が不足します。

※売却額が400万円を超える場合、先ほどの3つの区分をまとめると、仲介手数料の上限は「売却額×3.3%+6.6万円」で計算できます。たとえば残高2,500万円なら、約2,623万円で売却すれば仲介手数料の上限は約93万円となり、「2,623万円−93万円−30万円=約2,500万円」となって差額がちょうど0円になります。

売却の開始後に値下げをすることもあるため、資金計画を立てる際は、不動産会社が提示する査定価格(売却予想額の見積もり)の高い方ではなく低い方の金額を基準にしておくと、資金不足に陥るリスクを抑えられます。

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査定額は不動産会社によって異なることがあるため、実際に検討する際は、2社以上に依頼した査定のうち低い方を売却額としてみましょう。
次に、説明する、決済する月のローン残高を当てはめて計算したうえで、差額が0円になる売却額と比較してみましょう。

ローン残高は「引き渡す月の残高」を返済予定表で見る

手取り額と比較すべき住宅ローン残高は、現在の残高ではなく、物件を引き渡して決済を行う月における残高です。

売却が完了するまでの間も毎月のローン返済は続くため、決済する月の残高は現在の残高よりも減っています。

決済を予定している月の残高は「返済予定表(償還予定表)」の該当月を見れば確認できますが、手元にない場合は借入先の金融機関に残高証明書の発行を依頼しましょう。

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引き渡し・決済の日程が決まったら、ローンを一括返済する手続きの申込期限や必要書類を借入先へ確認し、期日までに申し込みを済ませましょう。

手取りで足りないときは、差額の埋め方で道が分かれる

手取り額がローン残高に届かない場合、家を売って引っ越すには、不足する金額をどのように補うかをあらかじめ決めておく必要があります。

不足分を補う方法としては、預貯金などの自己資金から充当するか、新居を購入する際に不足分を新しい住宅ローンに組み込める「住み替えローン」を利用するかの2つがあります。

どちらの方法も難しい場合は、売却をいったん見送り、現在の自宅を残したまま引っ越すという選択肢もあります。

ただし、その場合は、今あるローンの返済を続けながら、新しい住まいの住居費も二重で支払わなければなりません。

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毎月のローン返済そのものがすでに苦しくなっている場合は、不足分の工面を考えるよりも前に、まずは返済中の金融機関へ相談しましょう。

自己資金で差額を払えるなら、売却を進められる

預貯金などの自己資金で不足分を補えるのであれば、決済当日に手取り額と自己資金を合わせてローンを完済し、そのまま売却手続きを進められます。

ただし、売却後には引っ越し代や新居の初期費用、当面の生活費なども必要になります。

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不足分を支払った後に残る手元の預貯金でそれらを十分にまかなえるかどうか、事前に計算しておきましょう。

新居を買うなら、足りない分を新居のローンにまとめる住み替えローンがある

新居を購入する方であれば、現在の自宅を売却しても完済しきれないローン残債を、新居の借入額に上乗せして借り入れられる「住み替えローン」を利用できる場合があります。

ただし、新居の購入価格を超える金額を借り入れることになるため、上乗せした分だけ毎月の返済額や総返済額が増加します。

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上乗せできる借入限度額などの利用条件は金融機関によって異なるため、具体的な試算例や確認事項については、新居を買う場合の章で説明します。

返済が苦しくなっているなら、任意売却の前に返済中の金融機関へ相談する

毎月の返済を続けること自体が困難になっている場合は、延滞する前に、引っ越しの段取りより先に返済中の金融機関へ相談しましょう。

住宅金融支援機構の融資(フラット35など)では、返済期間の延長や、一定期間だけ返済額を減額するといった返済方法の変更について、返済中の金融機関窓口で相談できます。

ただし、条件変更には審査が必要となるほか、返済期間を延長すると利息負担が増えて総返済額が増加する場合があります。

返済を継続するのが難しい場合に検討される手段が「任意売却」です。

これは金融機関の同意を得たうえで、一般の不動産市場で自宅を売却し、残る借金を減らす方法です。

裁判所の手続きによって強制的に家が売却される「競売」とは異なり、通常の不動産取引として進められるため、一般に競売よりも高値での売却が期待でき、引き渡しの時期も柔軟に調整しやすくなります。

ただし、競売より高く売れるとは限らず、住宅金融支援機構の場合は、仲介を依頼してから6か月が経過しても買い手が見つからないときなどに、任意売却を打ち切って競売の手続きへ移行することがあります。

また、売却代金をもってしても返しきれなかった残債の返済義務は、自己破産をして免責を受けた場合を除き、売却後も残り続けます。

さらに住宅金融支援機構の場合、まだ一括返済を求められていない段階で任意売却を申し出ることは、原則として、毎月分割で返済していく権利(期限の利益)を自ら放棄する意思表示とみなされ、残りの借金を一括で返済するよう求められる手続きへとつながります。

加入している機構団信(返済中に死亡した場合などに残りのローンが全額弁済される保険)の種類によっては、この一括請求の手続きが行われた時点で保障も終了してしまいます。

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このように任意売却は、住宅ローンの返済を継続できなくなった方が自宅を手放すための方法であり、手元に資金を残すための手段でも、問題なく返済を続けられる方が住み替えるための方法でもありません。

家を残して引っ越すなら|誰が住むかと、戻る予定があるかで扱いが変わる

家を売らずに残して引っ越す場合は、その家に誰が住み続けるのか、また将来戻る予定があるのかによって、住宅ローンや住宅ローン控除の扱いが変わります。

どのような場合であっても共通して欠かせないのは、引っ越す前に必ず借入先の金融機関へ連絡することです。

本人だけ転勤して家族が住み続けるなら、ローンも控除も続けやすい

本人のみが単身赴任し、家族がその家に住み続けるのであれば、自宅が引き続き家族の生活拠点として使われるため、住宅ローンも住宅ローン控除も継続しやすい形といえます。

ただし、本人の住所は変わるので、金融機関への連絡と、住宅ローン控除を継続するための要件確認は欠かせません。

借入先には、本人の住所が変わることを伝える

フラット35は、申込者本人またはその親族が住むための住宅を対象とした融資です。

そのため、親族であるご家族が住み続けるのであれば、居住用としての利用目的に変わりはありません。

一方、民間銀行の住宅ローンは金融機関や契約内容によって取り扱いが異なるため、金銭消費貸借契約書(ローンの契約書)に記載された居住要件や住所変更に関する条項を事前に確認しておきましょう。

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そのうえで、借入先の金融機関に「本人だけ転勤し、家族は住み続ける」と伝え、具体的な手続きについて相談しましょう。

住宅ローン控除は3つの条件を満たせば続く

転勤などやむを得ない事情で本人が自宅に住めなくなったとしても、次の3つの要件をすべて満たしていれば、本人が引き続き居住しているものとみなされ、住宅ローン控除を受けられます。

  • 配偶者や扶養親族など、生計を一にする親族(生活費を共にしている家族)がその家に住み続けていること
  • 住宅を取得してから6か月以内にその親族が入居し、その後も継続して住んでいること
  • 転勤などのやむを得ない事情が解消したあとは、本人も再びその家で同居すると認められること

これら3つの条件のうち1つでも欠けてしまうと、本人が住んでいるものとしては扱われません。

また、控除を受けようとする年の12月31日時点で家族も自宅に住んでいない場合は、その年の控除を受けられなくなります。

なお、海外への転勤を伴う場合は、住宅を取得した時期や、その年に日本国内で給与などの所得があるかによって扱いが変わるため、事前に税務署へ確認しておきましょう。

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単身赴任にするか家族全員で引っ越すかを決める前に、ご自身の家庭がこれら3つの条件に当てはまるかどうかを照らし合わせておきましょう。

家族全員で引っ越して貸すなら、借入先の承諾が先で、転勤のときは控除の届出も要る

家族全員で引っ越し、自宅に戻るまでの間だけ賃貸に出したいのであれば、貸し出す前に借入先の承諾を得る必要があります。

また、勤務先の転勤命令などで引っ越す方のうち、すでに住宅ローン控除を受けている場合は、税務署への届出も事前に済ませておく必要があります。

フラット35では、転勤などやむを得ない事情で一時的に住めない場合、将来その家に戻ることを前提に賃貸に出すことが認められており、その際は取扱金融機関の窓口で住所変更などの手続きが必要です。

一方、民間銀行の住宅ローンは金融機関や契約ごとに取り扱いが異なり、フラット35と同じように貸し出せるとは限りません。

貸す前に、借入先に承諾と手続きを確かめる

貸し出す前に借入先の金融機関へ確認しておくべき点は、主に次の3つに絞られます。

  • 住宅ローンの契約のまま家を貸してもよいか、またその期間や条件
  • 住所変更をはじめ、貸し出す前に必要となる手続きや提出書類
  • 賃貸に出すことで金利や返済条件の変更が生じるかどうか
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もし承諾が得られない場合は、自宅を売却するか、単身赴任にして家族が住み続ける形にするかを考え直しましょう。

住宅ローン控除は住まない年は止まり、転勤などで離れた場合は戻ってから残りの期間だけ再開できる

家族全員で引っ越して自宅に誰も住まなくなると、その期間中は住宅ローン控除を受けられません。

ただし、勤務先からの転任命令といったやむを得ない事情で住めなくなった場合に限り、戻って再び住んだあと、残っている控除期間の分だけ控除を受け直せます(自己都合で住まなくなった場合は対象外です)。

すでに控除を受けている人は、転居する日(住まなくなる日)までに「転任の命令等により居住しないこととなる旨の届出書」を税務署へ提出しておく必要があります。

年末調整用の控除証明書で使っていない分があれば、届出書と一緒に提出しましょう。

入居した年の12月31日までに家族と転居した場合は事前の届出は不要ですが、住宅を取得してから6か月以内に住んでいたことなどが条件となります。

自宅に戻った年に第三者へ貸していた期間がある場合、控除の再開はその翌年からとなります。

控除を再開する最初の年は、確定申告で住宅借入金等特別控除の計算明細書などを提出する必要があります。

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なお、住んでいなかった期間の分だけ控除期間が後ろ倒しに延長されるわけではありません。

貸している間の家賃は、不動産所得として申告が必要になることがある

家を貸して受け取る家賃は、税法上の「不動産所得」(土地や建物を貸して得る所得)に該当します。

勤務先1か所から給与を受け取り、普段は年末調整だけで済んでいる会社員であっても、家賃収入から必要経費(管理費、固定資産税、建物にかかるローンの利息、修繕費など)を差し引いた不動産所得など、給与以外の所得の合計が年20万円を超えると確定申告が必要です。

家賃でローンの返済をまかなえるかどうかは、家賃収入の額面ではなく、管理会社への手数料や固定資産税などの出費を差し引いた実質的な手残り額と、毎月の返済額を比較して慎重に判断しましょう。

仮に家賃が返済額を上回っていたとしても、入居者が決まらない空室期間や、入退去時の修繕・募集費用などを考慮すると、手元に残るお金はもっと少なくなります。

そのため私であれば、家賃が入らない月が数か月続いたとしても、自身の給与などの収入から返済を問題なく払い続けられるかどうかで、貸し出すかどうかを判断したいところです。

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なお、賃貸に出したあとに売却する場合、売却益から最大3,000万円を差し引ける特例(3,000万円特別控除)を使えるのは、住まなくなった日から3年が経過する日の属する年の12月31日までの売却に限られます。

戻る予定がない・投資として貸すなら、売るか借入先に扱いを相談する

将来戻る予定がないまま賃貸を続けたい場合や、投資として貸したい場合は、住宅ローンのまま継続できると考えないようにしましょう。

フラット35で転勤中の一時的な賃貸が認められているのは、あくまで将来その家に戻ることが前提だからであり、戻る予定がないまま貸し続ける行為はこの前提から外れてしまいます。

また、フラット35では、第三者に貸し出す投資用物件の取得資金に利用するなど、本来の目的と異なる利用(目的外利用)が発覚した場合、融資残高の一括返済を求められることがあります。

自宅に戻る予定がないのであれば、家を売却するか、あるいは賃貸として貸し続けてよいかを借入先に正直に相談するかのどちらかで検討しましょう。

どれほど気に入って購入した家であっても、今後住む予定がないのであれば、貸して収益を得るための資産として冷静に見直す必要があります。

住まいへの愛着と、貸したときの収支や売却時の価格はまったく別の物差しです。

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感情と経済的な合理性を切り離して比較したうえで、残すべきかどうかを決断しましょう。

次の住まいを買う場合も借りる場合も|重なる支払いを手元資金で何か月払えるかで、売る順番を決める

新しい住まいを購入する場合でも賃貸で借りる場合でも、現在の家が売れる前に引っ越すと、売却できるまでは今の住宅ローン返済に加えて新居の家賃やローン返済が二重にかかります。

この二重になる支払いを手元の資金で何か月間耐えられるかが、今の家を先に売却するか、それとも先に新居へ移るかを判断する重要な分かれ目となります。

重なる支払いは「新しく加わる住居費×売れるまでの月数」で見積もる

二重に発生する支払いの総額は、次の計算式で見積もることができます。

重なる支払いの総額=新しく加わる住居費(新居の家賃またはローン返済額)×今の家が売れるまでの月数

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現在の住宅ローン返済や管理費などは引っ越す前から支払っている固定費のため、ここでは転居によって新たに増える負担分のみを計算します。

重なる支払いは、売れるまでの月数に比例して増える

次の表は、新居の家賃を月10万円、新居のローン返済を月12万円と仮定し、売却までに3か月・6か月・12か月かかった場合の試算例です。

スクロールできます
売れるまでの月数賃貸に移る(家賃月10万円)新居を買う(返済月12万円)
3か月30万円36万円
6か月60万円72万円
12か月120万円144万円
試算例(家賃・返済額は仮定値。引っ越し代・初期費用・諸費用は含まない)

ただし、この試算金額には、

  • 引っ越し代や仮住まいの費用
  • 賃貸住宅の敷金・礼金や、新居購入時の諸費用
  • 現在の家の固定資産税や水道光熱費の基本料金

といった諸費用は含まれていないため、実際にかかる出費はこれよりも多くなります。

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売却までの期間が延びるほど二重払いの総額は月数に比例して増えていくため、売れるまでの期間は不動産会社の見通しよりも長めに想定して計算しておきましょう。

手元資金で払える月数を出し、売れるまでの見込みと比べる

手元の資金で何か月間払い続けられるかは、次の計算式で把握できます。

払い続けられる月数=二重払いに充てられる手元資金÷1か月あたりに増える支払額

たとえば、支払いに充てられる手元資金が100万円で、新居のローン返済が月12万円なら、100万円÷12万円で約8か月間耐えられる計算になります(新居の家賃が月10万円なら10か月です)。

もし売り出してから売却できるまでの期間がこの月数を超えてしまいそうな場合、先に新居へ移る進め方をとると、売れる前に手元の資金が尽きてしまう恐れがあります。

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ご自身で試算する際は、預貯金全体の額から生活費の備えを差し引いた金額を「手元資金」とし、新居の家賃またはローン返済額を「1か月に増える支払い」に当てはめて計算してみましょう。

賃貸に移るなら、今の家が売れるまで家賃とローンが重なる

賃貸住宅へ移る場合、新居側で受けるのは賃貸の入居審査のみとなるため、新たに住宅ローン審査を受ける必要はありません。

その一方で、現在の持ち家が売れるまでは家賃と既存ローンの返済が重なるうえ、転居前には敷金・礼金などの初期費用も発生します。

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売却期間が長引いてしまった場合に備えて、手元資金で耐えられる月数から逆算し、売出価格を値下げする期限をあらかじめ設定しておきましょう。

新居を買うなら、売り先行・買い先行・同日決済で重なり方が変わる

新居を購入する場合は、「現在の家を売る時期」と「新居を買う時期」の前後関係によって、二重払いの期間や、仮住まいが必要になるかどうかが大きく変わります。

二重払いを避けたいなら「売り先行」、仮住まいの手間や出費を避けたいなら「買い先行」、そして両方の負担をできる限り抑えたいなら売買を同じ日に完了させる「同日決済」が選択肢となります。

手元資金が少ないなら売り先行か同日決済、余裕があれば買い先行も選べる

先ほど計算した「耐えられる月数」が短い人ほど、二重払いが発生しにくい「売り先行」や「同日決済」を選んだほうが、家が売れる前に手元資金が底をつく心配を減らせます。

これら3つの進め方の違いをまとめると、次のとおりです。

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進め方お金の流れ重なる支払い仮住まい向いている事情
売り先行(先に今の家を売る)売れた代金でローンを返してから新居を買う起きにくい売却から購入までの間に必要になることがある手元資金が少ない、売れる金額を確定させてから新居を決めたい
買い先行(先に新居を買う)新居のローンを組み、今の家をあとから売る今の家が売れるまで続き、長くなりやすい要らない手元資金に余裕がある、新居の条件を優先したい
同日決済(同じ日に売買する)今の家の代金を受け取った日に新居の代金を払うほとんど起きない引っ越しの日程が合えば要らない重なる支払いも仮住まいも避けたい。ただし売る相手・買う相手との日程調整が難しい
住み替えの3つの進め方の違い

もし買い先行を選ぶのであれば、手元の資金で耐えられる月数をオーバーする前に、売出価格を下げる期限を事前に決めておきましょう。

新居の審査では、今の家のローンも毎月の返済に数えられる

新居の住宅ローン審査では、原則として現在の家のローン返済分も毎月の返済負担として合算して審査されます。

たとえばフラット35では、年収に占める年間返済額の割合を示す「総返済負担率」について、年収400万円未満なら30%以下、400万円以上なら35%以下であることが条件とされています。

この年間返済額には新居のローンだけでなく、既存の住宅ローンや自動車ローン、カードローンなど、あらゆる借入れの返済が含まれ、次の計算式で算出します。

総返済負担率=(新居のローンの年間返済額+他の借入れの年間返済額)÷年収

この基準に当てはめると、年収(税込)600万円の場合、上限である35%の基準で年間返済額は最大210万円、月々では17.5万円までに収める必要があります。

仮に現在の住宅ローン返済が月8万円、新居のローンが月12万円だとすると、合計は月20万円(年間240万円)となり、総返済負担率は40%に達して基準を超えてしまいます。

ただし、現在の家を売却予定であり、その売却予定額によって既存ローンを完済できることが確認できる場合は、現在のローン返済分を除外して計算することができます。

売却予定額がローン残高に届かない場合でも、その不足分を手元の自己資金や新たな融資で補填できることが資料等で確認できれば、同様に除外してもらえます。

除外できれば新居の月12万円のみで計算されるため、総返済負担率は24%となり、基準内に収まります。

なお、民間の銀行における審査基準は各金融機関によって異なるため、この計算はあくまでフラット35の基準をベースにした一例です。

実際に借入れを検討している金融機関へ、「今の家のローンを審査で除けるか、そのためにどんな資料が必要か」を事前に確認しておきましょう。

また、審査基準をクリアできることと、無理なく返済し続けられることは別問題です。

新居の借入額は「借りられる上限額」ではなく、将来金利が上昇した際や、教育費などの出費が増加した場合でも家計に無理なく払い続けられる金額を目安に決定しましょう。

売っても足りない分は、住み替えローンで新居の借入れにまとめられる場合がある

住み替えローンの利用条件は金融機関ごとに異なります。

一例として、りそな銀行の「住みかえローン」(2026年10月時点)では、現在の家を売却しても完済しきれない残債を、最大1,000万円まで新居の住宅ローンに上乗せして借り入れることができます。

このローンでは、新居の購入日と現在の家の引き渡し日(残債の完済日)を同じ日に合わせる同日決済が必要となるほか、既存のローンを借りてから3年以上にわたり遅延なく返済を継続していることなどが要件とされています。

銀行と保証会社の審査もあるため、条件を満たしていても必ずしも希望どおりの融資を受けられるとは限りません。

また、先に新居を購入するための、りそな銀行「住みかえプラン」を利用する場合、新居への転居後1年以内に現在の家を売却して既存ローンを完済する必要があり、期日内に完済できなかった場合は新居ローンの金利が引き上げられるなどの扱いになることがあります。

他の金融機関で住み替えローンを検討する際も、

  • 残債を新居の借入れに上乗せできる上限額
  • 新居の購入と現在の家の引き渡しを同日に行う必要があるか(同日決済の要否)
  • 現在の家を売却・完済するまでの期限と、期限を過ぎた場合の扱い
  • 手数料や金利の上乗せなどの諸費用

という4つのポイントを、借入れを検討している金融機関で必ず確認しておきましょう。

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そのうえで、残債を上乗せした後の毎月の返済額が、先述した総返済負担率の基準を満たし、かつ実際の家計の範囲内に無理なく収まるかを試算してから決めましょう。

家を売るときの税金|使える特例は、利益か損かと、新居の住宅ローン控除で決まる

自分が住んでいた自宅を売却して利益が出たときは、その利益から最大3,000万円を差し引ける「3,000万円控除」か、税金の支払いを将来に先送りできる「買換え特例」のどちらかを利用できる場合があります。

ここでいう利益(譲渡所得)とは、売却額から購入時の代金などの取得費と、売却にかかった諸費用を差し引いた金額のことです。

反対に売却損が出た場合でも、条件を満たせば、その損失分を給与などの所得から差し引ける特例が用意されています。

ただし、新居で住宅ローン控除を受けたいと考えている方は、売却益の特例を使うタイミングによって新居のローン控除を受けられなくなることがあるため注意が必要です。

主な4つの特例を比較すると、次のとおりです。

スクロールできます
特例使える場面主な条件売る期限新居の住宅ローン控除との関係
3,000万円の特別控除利益が出た住んでいる家か、住まなくなった家。親子・夫婦など特別な関係の人への売却は対象外今住んでいる家は期限なし。住まなくなった家は、住まなくなった日から3年がたつ年の12月31日まで使う年によっては受けられない
買換え特例利益が出て、家を買い換える10年以上住み、売った年の1月1日時点で家と土地を10年を超えて所有。売却代金1億円以下。買い換える家にも条件がある令和9年12月31日までの売却(住まなくなった家は3年がたつ年の12月31日までの売却)使う年によっては受けられない
買い換えて損が出たときの特例損が出て、家を買い換える売った年の1月1日時点で所有5年超。新居に償還期間(返済期間)10年以上の住宅ローンがあるなど令和9年12月31日までの売却併用できる
ローンが残る家を売って損が出たときの特例損が出て、売却額がローン残高に届かない。新居を買わなくても使える所有5年超。売買契約日の前日に償還期間10年以上のローン残高があり、売却額がその残高を下回る令和9年12月31日までの売却併用できる
家を売ったときの主な税の特例(令和8年4月1日現在の法令等による。条件は主なもののみ)

表のとおり、利益が出たときの2つの特例は新居の住宅ローン控除と併用できないケースがある一方、損が出たときの2つの特例は新居の住宅ローン控除と併用が可能です。

どの特例を利用する場合も確定申告が必要であり、表には入りきらない細かな要件もあります。

そのため、売却する年や新居に入居する時期を決める前に、税務署や税理士にご自身の状況を確認しておきましょう。

利益が出たときは3,000万円控除か買換え特例のどちらか1つ

自宅を売却して利益が出た際は、「3,000万円控除」か「買換え特例」のどちらか1つを選択する必要があり、両方を同時には使えません。

3,000万円控除は、住まなくなった日から3年がたつ年の年末までに売る

「3,000万円控除」は、自分が住んでいた自宅を売却した際に、利益から最大3,000万円を差し引ける特例です。

所有していた期間の長さを問わず利用できます。

現在住んでいる家だけでなく、すでに住まなくなった家であっても、住まなくなった日から3年を経過する日の属する年の12月31日までに売却すれば対象になります。

たとえば2026年10月に住まなくなった場合、3年が経過するのは2029年10月となるため、売却期限は2029年12月31日です。

ただし、親子や夫婦など特別な関係の人へ売却した場合や、売却年の前年・前々年にこの特例を利用している場合などは対象外となります。

MIYABI

家を賃貸へ出してから売る方や、先に賃貸へ移ってから売り出す方は、この期限を過ぎると特例が使えなくなってしまいます。
売り出しの時期を決める前に、住まなくなった日を確かめておきましょう。

買換え特例は非課税ではなく、税を先送りする制度

「買換え特例」は、令和9年(2027年)12月31日までに自宅を売却して買い換えた際、利益にかかる税金を将来へと繰り延べられる制度です。

あくまで税負担を先送りする仕組みであり、非課税になって税金が免除されるわけではありません。

たとえば売却にかかる費用などを除外した単純な例として、1,000万円で購入した自宅を5,000万円で売却し、7,000万円の新居へと買い換えた場合、通常であれば利益である4,000万円に税金がかかります。

しかしこのケースで特例を使うと、売却した年に税金はかかりません。

その代わり、将来その買い換えた新居を売却するタイミングで、先送りにした利益も含めて課税されることになります。

この特例を利用するには、売却する家に10年以上住み続け、売却した年の1月1日時点で建物と土地の双方を10年を超えて所有していることなどが要件となります。

また、買い換える新居側にも、売却した年の前年から翌年までの3年間に取得することや、建物の床面積が50㎡以上、敷地面積が500㎡以下であることなどの条件が定められています。

MIYABI

買い換えた新居もいずれ売却する可能性があるなら、先送りした税金をその時点で納めることになります。そのため、「3,000万円控除」とどちらが有利になるかを、実際の税額を試算・比較したうえで選びましょう。

新居で住宅ローン控除を受けるなら、特例を使う年に注意する

新居で住宅ローン控除を受けようと考えている方は、「3,000万円控除」や「買換え特例」をどの年で利用するかによって、新居側の住宅ローン控除が受けられなくなることがあります。

住宅ローン控除を受けられなくなるのは、新居に入居した年とその前年・前々年、あるいは入居した年の翌年から3年目までのいずれかの年に、現在の自宅の売却でこれらの特例を適用した場合です。

たとえば新居へ2027年に入居する場合、2025年から2030年までのいずれかの年で現在の住まいの売却特例を使ってしまうと、新居での住宅ローン控除は適用できなくなります。

売却益があまり大きくない場合は、特例を使わずに新居の住宅ローン控除を選んだほうが、納める税金の総額を安く抑えられることもあります。

どちらを選択するのが有利になるかは、売却益の金額や新居のローン借入額、ご自身の所得税額などによって異なります。

事前に税理士へ双方の税額試算を依頼するか、税務署へ相談したうえで選びましょう。

MIYABI

なお、新居で住宅ローン控除を受ける場合は、会社員であっても入居初年度の分については確定申告を行わなければなりません。

損が出たときは、給与などの所得から差し引ける特例がある

自宅を売却して損失が出た場合は、一定の要件を満たせば、その年の給与などの所得から損失分を差し引く(損益通算)ことができます。

さらに、その年で引ききれなかった分については、翌年以降3年間にわたって繰り越す(繰越控除)ことが可能です。

ただし、税金の還付を受けられるのは、差し引くべき売却損と、差し引き対象となる給与などの所得の両方がそろっている場合に限られます。

そのため、売却損が出たからといって必ず税金が戻ってくるわけではありません。

この特例を利用するには売却した翌年に確定申告を行う必要があり、繰越控除を受ける場合はその後も毎年継続して申告しなければなりません。

なお、合計所得金額が3,000万円を超える年については、繰越控除が利用できない点にも留意してください。

新居を買うなら、新居の取得時期とローンの条件を満たせば、買い換えて損が出たときの特例を使える

新居へと買い換えるケースでは、現在の自宅の所有期間などの要件に加え、売却した年の前年1月1日から翌年12月31日までに新居を取得し、取得した年の翌年12月31日までに入居する見込みであることが求められます。

さらに、新居の床面積が50㎡以上であることや、取得した年の12月31日時点で償還期間10年以上の住宅ローン残高があることも要件となります。

MIYABI

そのため、新居をローンを組まずに現金一括などで購入する方は対象になりません。

新居を買わずに賃貸に移る場合も、条件を満たせばローンが残る家の特例を使える

新居を購入せず賃貸住宅へ移る場合でも、住宅ローンの残高を下回る価格で売却し、損失が出た状態であれば、先述の比較表にある条件を満たすことで特例を利用できます。

この場合、所得から差し引ける損失の上限は「売買契約日の前日のローン残高−売却額」となります。

MIYABI

申告手続きには売買契約日の前日時点における住宅ローン残高がわかる残高証明書を添付する必要があるため、売買契約を結ぶ前に借入先の金融機関へ発行を依頼しておきましょう。

【Q&A】住宅ローンが残る家から引っ越すときの疑問に答える

最後に、家を空き家にする場合や海外へ転勤する場合など、迷いやすい場面の疑問にQ&A形式でお答えします。

家を空き家にしたまま引っ越してもいいですか?

金融機関によって対応が異なるため、家を空き家にする場合でも、引っ越す前に居住しなくなることを借入先へ伝え、そのまま返済を続けてよいか確認しましょう。

また、家族を含めて誰も住んでいない年については、住宅ローン控除を受けられません。

転勤などやむを得ない事情で住まなくなった場合は、賃貸に出す際と同様に、所定の届出などの要件を満たしておけば、戻って再び住み始めてから残りの期間で控除を受け直せます。

転勤先が海外でも、住宅ローン控除は続きますか?

家族が日本の家に住み続ける場合、2016年(平成28年)4月1日以後に取得した住宅であれば、本人が海外に赴任していても、生計を一にする家族が年末まで住んでいれば控除の対象になります。

ただし控除を受けられるのは、出国前の給与や出国後に国内の不動産を貸して得た所得など、日本で所得税が課税される所得がある年分に限られます。

なお、2016年3月31日以前に取得した住宅の場合は、海外にいる間は対象外となります。

家族全員で海外へ転居し、帰国後に控除を受け直す場合の届出や要件は、国内転勤の場合と同じです。

転勤で家を貸していたのに、戻れなくなったらどうすればいいですか?

賃貸は将来戻ることを前提に認められているため、戻る予定がなくなった時点で借入先に連絡し、売却するか、そのまま貸し続けてよいかを相談しましょう。

売却して利益が出る場合、3,000万円特別控除を利用できるのは、住まなくなった日から3年がたつ年の12月31日までの売却に限られます。

そのため、借入先への相談と並行して売り出しの時期も決めておきましょう。

任意売却をすると、信用情報にはどう残りますか?

全国銀行協会が運営する全国銀行個人信用情報センターには、ローンの契約内容や返済状況が登録され、その返済状況には延滞や代位弁済(保証会社が本人に代わって返済すること)の事実も含まれます。

任意売却の前に延滞や代位弁済があった場合、その記録は契約期間中、および契約終了日(未払いがある場合は完済した日)から5年を超えない期間登録されます。

この登録期間は全国銀行個人信用情報センターの基準であるため、他の信用情報機関の情報も含め、自身の登録内容は各機関の本人開示(自身の登録情報を確認する手続き)で確かめておきましょう。

終わりに|まず引っ越す月のローン残高を確かめ、売るか残すかを決める

住宅ローンが残っている状態でも、引っ越しは可能です。

進め方に迷ったときは、

  1. 返済予定表や残高証明書を確認し、引っ越す予定の月におけるローン残高を把握する
  2. 売却する場合は2社以上の不動産会社の査定額(低めのほう)をもとに差額を試算し、手元に残す場合は借入先の金融機関に家族の住まい方や戻る予定を伝えてローンの取り扱いを確認する
  3. 現在の家を先に売るか新居へ先に移るかは、支払いが重なる期間を手元資金で何か月まかなえるかを計算して判断する
  4. 売却する年や新居に入居する年を決める前に、利用できる税制の特例を税務署や税理士に確認しておく

の4つのステップで進めてみてください。

家を売るか手元に残すかに優劣はなく、ご家族の今後の予定や資金計画に合った方を選べば問題ありません。

MIYABI

まずは手元にある返済予定表を開いて、引っ越す月の残高を確認することから始めてみましょう。

引用・参考出典

引用・参考出典は、次のとおりです。

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